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[ 読書/BL小説 ]

綺月陣『龍と竜』『龍と竜~白露』

 カフェで働いてたらヤクザが常連になりつつ、おさない異父弟をひとりで育てるためにホストの仕事もはじめることに。そこでナンバーツーとかにいじめられるわけだけど、なんだかヤクザを家に上げちゃってから、人見知りの弟がヤクザになついてしまい、そんなこんなでヤクザに助けられつつ、持ち前の天然さで頑張っています。

 …果たしてホスト話をこんなに緻密に書き込む必要はあったのか。というかむしろ、カフェバイトの設定が無駄なのか?焦点というか、筋がボケてるかんじ。

 あと、ナンバーワンホストはあまりにベタなことになってしまったのだが、このキャラの処置にかんする攻めの行動は…最早、唖然。ドン引き。ありえない。というか、BLとして破格(ねんのために書いておくと、これらの言葉は決して褒め言葉ではありません。
 ていうか、問題はその後もなんだよね。こんな破格展開のあと、あとというか直後に攻めと受けが云々云々。つーかそれが二人のはじめて、で、更に言えば受けはまったくのはじめて、なわけで…痛い!あんなことの直後に!痛いよ!なんだか悲しくさえあるよ!せ、せめて風呂に…!とか、めちゃくちゃ現実的なことを考えてしまったよ!

 しかし読後感というか、全体の印象はそんなに悪いわけでもない…ような気がする。うーん、不思議。
 そんなわけで、二作目も読みました。

 ん…?お前はそれでいいのか?ヤクザに口でまるめこまれているんじゃあないか?身体でごまかされていないか?…大丈夫か???

 と、前作以上においおい、と思ってしまった。
 なんだろう、車でのこととか、あともう色々。たびたび弟に目撃されてんのもどうなんだ。もうホストはどうでもよくなってたのもどうなってんだ。攻めのダメっぷりはいい(もうあきらめた)として、受けの感情にまかせての行動ぶりとか、言葉のたりなさつーか議論のできなさとか、もうほんとこの人たち大丈夫なの??と、お話の中のことながら心配になってしまう。数年後には離婚してそう、って印象。

 なんだけれど、それでも妙に攻めとか魅力的だった気もするし、全体としてはそんなに印象が悪い…わけでは、ない感じ。うーん、どうなっているんだ(笑
 あと、義兄弟とお風呂の話とかも実はキライではない。

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コメント

こんばんは!この連作、私もつい最近読みました。
私が真っ先に思ったのは、極妻になってしかも子育て中なのに、昼夜2本立てで働く必要があるのか?ってことでした。夜のお勤めエクストラもあるんだし♪そこは「体壊すぞ」って心配する攻めのほうが正しいよ、と思ったり…。でも頼りきりになりたくない、って受君に説明されるとそれもそうかなって思ったり…。う~む、ヤクザの存在が象徴するように、物事すべてには両義性があるということがテーマなんでしょうか?!(←大仰)
でも総合的には、随所たまげながらも妙に気に入って読んでました。キレイごとに収まりがちなBL 893モノの中で、綺月さんの描く極道の世界には、なんか独特の泥臭さと生ナマしさがあって(もちろん“擬似”なんだろうけど)リアリティと迫力を感じるからかな?
クロエさんの、「初めての時」に対する「せめて風呂に」のツッコミには、笑わせていただきました。たしかに!!あと、義兄弟とお風呂は私も好物です(笑)。

 >べりんださん
 書き込みありがとうございます!
 そうですよね、受けが(二冊目になっても)カフェもホストも続けようとしているのがなぜなのか、よくわかりませんでした…仕事を続けるにしても、もうちょっと減らしてもいいじゃん、って。
 でもべりんださんの書かれている「両義性」はこの作品のポイントですよね、きっと。ヤクザの攻めはいい面も悪い面ももっていて、だから二人は決してまるまるわかり合えることはない。だけど、好きになった相手となんとか歩み寄って一緒に生きていこうとがんばる、というありようは好ましいなあと思います。だから、ディスコミュニケーションやびっくりするような対応が書かれてしまっていても、二人ともそこで終わらずに先へと進んでいこうとしているから、読み手としてもドン引きして終わり、にならずに済んだのかな、という気がしてます。
 そういう意味でも、今後更に妥協点を捜して行くであろう二人のお話=続編が出たらいいなあと思います。息子、じゃなかった、弟の成長も気になりますし。
(あ、お風呂、いいですよね!笑。

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