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[ 読書/BL小説 ]

高遠琉加『好きで好きで好きで』

これはもう何処から反応すればよいのか。
市川染五郎「最近ボーイズラブがはやっている」

 ええと、結構前に読んだのです。いろいろなところでタイトルを見た気がしたのと、全く見込みのなさげな片想いものという紹介も気になってたのだけど、しかしビブロスのノベルスなので入手できなくて困ったなと思っていたら、過日さいたまのブックオフにて発見。わーいわーい。

 …読めてよかったよ!わー!

 一般企業に勤めるノンケで誠実そうな大人系攻め(暫定)と、フラワーショップでバイトを始めたらそこのお嬢さんの恋人が高校時代にフられたあの子=攻め(暫定)でしたァ!という、なんてハイパー気の毒な受け(暫定)。
 攻め(暫定)とお嬢さんはほのぼのラブラブで、超いたたまれない受け(暫定)。
 で、このタイトル。

 さすがBL!
 少女漫画がどこかに置き忘れてきた、切ない恋愛物語を平然と書いてのけるッ!
 そこにシビれる!あこがれるゥ!
(え?

 受け視点で描かれる前半は、せつなー!でダメダメでイイ感じです。もしかしてこのままアンハッピーエンドなのかとドキドキしましたよ。
 後半は攻め視点で、受け視点で描かれてきた部分をかなり再描写しているので、最初はあーそれはとばして、この後の話を早く書いてよーと思ったのですが、この攻め視点での語り直しがうまく活きていて、意外になかなかよかった。その後となる部分も、攻めがきちんと成長というか成長&変化していてよい感じ。以前も書いたけど、BL片思いものってやはりそれをどう乗り越えるかが別れ目なので、せつない片思いはよく書けてても、それをひっくり返して両思いにするときに、片思いは勘違いだったの☆とかされると一気に安くなってしまう(まあ安くならない場合もあるだろうけど)のだけれど、このお話の場合はほんとに片思いの所からきちんと変化していくので、しかもそれが納得できるような変化の仕方なので、とてもよかったと思う。
 でも後日談がもうちょこっとでもあるとよかったなあ…。受け視点での幸せが描かれてないから、その点でちょっと不満が残るのだろう(だってさんざん切なーだった受けがやっと幸せに、というのが、直接は書かれていないのだもの。

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コメント

先日うっかり西尾維新のノベライズ版デスノートを読んだ流れから
コミック版の方にも挑戦してみました。
ある筋の方から、原作者の大場さんが、ラッキーマンを描いてた人だと
聞いたのですが、本当なんですかっ?

>Kえもんさん
ながらく大場=ガモウ説は都市伝説だと思っていたのですが、木多康昭も断言してるし(笑)…最近は、もしかして本当かも!?と思ってしまっています(笑。Wikipediaとかにも書かれてますねー。

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