ひちわゆか『チョコレートのように』
風邪なのか、花粉症なのか、それが問題だ。 とりあえず金柑買ってきた。
そつのないイケメン同期にプレゼン資料を盗用され、茫然自失で泥酔してたら、みずしらずのうさんくさいイケメンに、自分はくだんの同期に彼氏をとられたから、一緒に復讐しようぜ!とかゆわれました。ハア?って感じだったのですが、なんかよくわからんままに、同期好みの男になって誘惑しろとかゆわれてあれよあれよとゆう間に改造を施される始末。
すっごく面白かった!最後までタネがわかんなかった!(それはあたしがバカだから!
攻めが女性と結婚してたことがあり、男に惚れて離婚、その男を寝取られ復讐を考える…という設定には、こんな攻めを好きになれるだろうか…と心配したりした。
受けが途中でどうでもよくなって復讐を諦めたので、同僚はこのままフェイドアウトなのか、でも報いをうけてほしいなあでもそしたら陳腐になるかなあと思っていたら、ちゃんと因果応報展開だったうえに、それがたんなる懲罰ではなくってどんでん返しのミソでもあったので、すげー!と思った。
というか、この作家はまだ三冊くらいしか読んでいないのだけれど、やっぱり初発の展開がとってもトンチキな人なんかなあ(笑。軌道にのっちゃえば、展開も心情描写もスムーズで、冒頭のトンチキさも全然気にならなくなるんだけれど。
キャラ自体はわりとふつう。
攻めはオレ様系で常にマーブルチョコレイトディスコ、じゃなかった、チョコばっか食べてるアニメ名作劇場大好き男(なんかBL小説のアニメ好きって名作劇場好きが多くないか?たまには萌えアニメ好きのキャラとかでもいい…のか?)で雑種の老犬を飼っていて、傲慢強引だけれど心のキズとか人情味とかのある、キャラとしてはわりとよくいるタイプだと思う。
受けも、美形なのに黒縁メガネに服装ももっさりで対人関係もヘタで、攻めに改造されて美人になっていく、というわりとよくいる受け。
前半、受けが攻めに振り回されてもうやだやめる!とかずっと言っている感じなので、流されてるくせにとちょっと自己中に見えてしまったし、はやく諦めないと話が進まないじゃないかと少しいらいらもしたのだが、けれどこういう反応しかできないのも当たり前の状況だよね。受けは信じてた友人に裏切られて自分の企画も横取りされて、そうとうに傷ついてただろうしいっぱいいっぱいだったろうし、こんな攻めに翻弄されたらそれはブチ切れるよなあ、と…(とんでもない指揮者のせいで、バイオリニストなのにバイオリンぶんなげた人みたいに、笑。
だから、ゴルフのとこで、攻めが受けをあたたかく慰めて、自分もいろいろ言い過ぎた、とか反省しているとこがよかった。しかし後から考えたら、攻めはそういうつもりなんだったら最初からもうちょっと優しくしてあげたらよかったのにとは思ったが(笑。
あと攻めの復讐計画には、なんか他に手ははなかったのか、という気もするんだけれど(笑、上述の優しくなさと考え合わせるに、受けの気持ちを奮い立たせてやりたかったのかな、というふうにも思える。そのあたり、もうちょっと言語化して説明があってもよかったかなあとも思う。
あと回収できてないのは、攻めはいつからゲイなのか?という謎か。それと、職場のひとらは攻め受けがつきあってるのを知ってるのかどうか。攻め秘書は知ってるぽかったけど、その辺りあんまり説明がないし、受けの同僚も知ってるのか知らないのか微妙な描写だった。