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[ 読書/BL小説 ]

桜木知沙子『ふたりベッド』

 メガネ形成外科医×大学生。
 二人暮ししてる姉の長期出張で、ちいさい頃から好きだった姉の元恋人のおにいさんといっしょに暮らすことになりました。

 外面はよく、受けにはいじわるだけどでも根は親切な攻めと、姉に猫可愛がられてちょっと幼い受け。展開はごくわかりやすいし、攻めの受けへの気持ちもわかりやすいので、受けはちょっと天然というかひとりで勝手に勘違いして悩んだりする感じで、なんだかなあという気もする。前半はわりとせつない感じで読めたんだけど、後半にいくにしたがって、もうちょっと視野を広くもとうよ、と感じるとこが多くなってった印象。

 ところで、受けが怖がりなので攻めのベッドにいっしょに寝させてもらう…がゆえのこのタイトルなのだが、怖がり設定もベッドいっしょ設定も後半ではあまり出てこなかったし、なんか全般的に作品全体での構成とかがあまい印象。
 受けの友達とかの描写もあんなに必要だったのかどうか。攻めの元共同経営者とかも、まあ後から活きてくるんだけど、それは受けとその姉の家族にまつわる筋においてのことなので、なんだかなという感じ。末尾なんて攻めとの恋愛よりも、家族との和解がメインになってるし。攻めと気持ちを確認しあって、その後は家族会議で終りだもんなあ。外面がよく受けには冷たいけど本心では甘やかしたいと思っている攻めが、告白後に受けにどういう態度に出るのかすら判然としないというのは、やはり物足りないし、攻めの多面体なキャラが活かしきれてないと思う。あと、受けの勘違い是正とか家族会議とか、セリフで説明して誤解をといてく場面が多すぎて、ちょっとしらけてしまう。仕方ないのかもしれないけど。

 梅沢はなの絵は受けがしっかりした体つきなのがいいと思う。

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