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[ 読書/BL小説 ]

四谷シモーヌ『倫敦夜想曲』

4778103505倫敦夜想曲
四谷 シモーヌ 稲荷家 房之介
心交社 2007-01-10

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 BL歴のまだ短いあたしは、見かけるたびによくわからん存在な作家だなあと思うのだ。
 とりあえずあの人形作家とは関係ないんだよね??

 イギリス人貴族商人、後にイギリス海軍×日本海軍の大主計。日清戦争後、ある任務のためにイギリスにわたる船の上で貴族のおぼっちゃんにほれられて云々。

 なんかひどく文章がヘタだった気がする…読み続けるのが厳しかった。いや、きちんと読了しましたが。

 時代考証というか、社会情勢や海軍の階級なんかをこだわって書き付けているのに、会話文が妙にくだけまくりの現代語なのもしんどい。このカップリングで攻めに受けを「あんた」とか言われると非常に萎える。いやカップリング的にもそうなんだけど、こんなボンボンが短い期間でペラペラになれるほどの素晴らしい教師に日本語を習ったんなら、そう適当な教師ってこともないだろうし、こんなぞんざいな言葉遣い教えたりしないでしょう、と思うので設定から考えてもひどい。だのに半端に会話の中にも当代言葉というか軍人なまりとかを組み込むので、ますますちぐはぐ。
 半端といえば、社会情勢とかもちまちま書いてる割にはなんだか半端で、ロシアが、日本の国力が、日英同盟が云々とか言われても、なんか半端で通り一遍でうすっぺらい。そらぞらしくてしらける。

 キャラについては、前述のように現代語で会話してる時点でもう萎えるのだけれど、それを除いても心情の変化が唐突でスムーズでないし、とりたてて見るべき美点(物語のキャラとしての)もないし、どうも魅力に乏しい。
 展開も、前述の時代設定の瑕疵を除いても凡庸。ひとひねりはあるものの、どうにもご都合主義。

 ところで稲荷家房之介はこの程度(日本海軍、イギリス海軍)だったら資料なしで描けてたりして、とか想像してみた。
 あと、BLに出てくる「大日本帝国軍」って海軍しか保有してないんじゃないの?と思うくらい、BLには海軍しか出てこない、と思う…理由はなんとなくわかるけど(ごく稀な例外である大竹直子とか本仁戻を見ればわかるように、空軍とか軍医とか出てくると、第二次大戦になってしまうのだと思う。

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