水無月さらら『恋愛小説家になれない』
イケメンな住宅展示場の営業×美人人気ラノベ作家。
図書館でトラブった受けは、ひそかに憧れていた攻めに助けてもらう。青年漫画雑誌での連載にえっちな場面を書かねばならないのだが、恋愛経験ゼロで困っていた受けは、攻めにアドバイスをお願いする。交流するうちに攻めはたよりなく純粋な受けに惚れてしまうが、実は彼が人気作家で結構芯もつよく、自分との逢瀬も取材のためなんだと思ってしまってぐるぐる。一方受けも攻めのイケメンぶりとか態度とか、プラス初めての恋にぐるぐる。
どっちもそれぞれに結構身勝手で、でもその気持ちはよくわかる、という感じ。この作家のこういう大人の心情って、等身大というか、まんまリアルというのではなく、身近にありがちな不安とか不満をうまくフィクションに引き写しにして料理してる印象。器用だとも思うし、そういう面ではうまい作家なんじゃないかと思う。
ただ、お話としてはつまらなくはないけどそんなに面白いという感じでもないし、キャラがずっとそれぞれに悩んでいる感じで微妙にフラストレーションがたまる。