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[ 読書/BL小説 ]

五百香ノエル『こういうときにそうくるか』

 英語の勉強のために外資系の会社でバイトした際に、エリートゲイのイケメンアメリカ人と付き合ったけど、彼の日本出張終了とともにあっさりふられておおいに傷ついた受け。数年ぶりに彼が日本にやってきて、もう手玉にとられるようなおぼこじゃねーよと思うものの、アプローチされると気持ちがぐらぐらして、云々。

 攻めはわりと徹底的に享楽的というか、受けに冷たくしてから情熱的に口説いて落とす段階からラブアフェアを楽しんでる感じで、落とした後は徹底的に甘やかしかわいがり、そしてあっさり別れてはやくアメリカのセフレに会いたいなーとか思ってる、わりと最低な感じ。
 受けは過去の純情素直っぷりと、攻めに再会してからの徹底抗戦しつつもゆらいで結局そんなことになってしまい、それでももう攻めには何も期待しない、という攻め大好きっぷりがいさぎいいしかわいいし、いい意味で普通のこという感じ。
 そんな受けにこんな攻めがほぼ偶然再会しほだされる、というのは、なんというか、いい意味でBLファンタジーだなと思った。

 しかし、受け実家の洋食屋関連のエピソードとか、堅物調理師兄、サッカー少年弟、美少女妹、元気な祖母とか、商店街の仲間たちとかの描写にものすごい分量が割かれていて、最初はゲンナリした…や、読んでたらそこそこ面白かったけど、なんで??という気はした。攻めが最終的に洋食屋になじんでるのとか面白かったけど、受けの攻めと実家との間での葛藤とか、受けと攻めとの育った環境の違いとかがわかりやすいし、確かに意味がなくはないけれど、それでもここまでじっくり描写する必要性はなかったと思うし、逆に言えばそれだったら攻めのバックグラウンドの描写だって必要だったはずなのにそっちはほとんどないわけだし、いまいち意図がわかんない。
 あと違和感があったのは、受けと攻めとの出会いの過去編がわりと中盤で長々あって、別れるとわかっている話をわりとじっくり、先を知らないかのようなそぶりで読まなければならない感じで、ちょっとしんどかった(笑。
 イラストはちょっといまいちだった。

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