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[ 読書/BL小説 ]

高遠琉加『ホテル・ラヴィアンローズ』

 あれ…リブレじゃないんだっけ?奥付みると、編集がリブレになってる。なんだかよくわからない…。

 それはさておき、なんかなあ、というか。何かがどうしても足りなくて、萌えなかったのでした。

「青」ではそれぞれに事情をかかえた高校生CPの逃避行もので、ホテルものとして読み始めたのにぜんぜんホテルが出てこないので拍子抜けしましたが、青春ものとしてそこそこ面白かった。冒頭の描写で再会がほぼ確定してたし、攻めの起こした事件とかも、わかりやすいといえばわかりやすく、ちょっと展開がありきたりかなという気もした。

「赤」はフロント×心中未遂のお客さんで、受けが心中相手との思い出にひたりこんでいるのが読んでてしんどかったのと、なんで二人がくっついたのかよくわからなかったのとで、ちょっとなあという感じ。

 ホテル縁起の「薔薇色の人生」は…戦後の大工の息子×元華族の子で、面白かったんだけれど、読むのがなぜか苦痛で、読むのに時間がかかった。これもあまりに展開がベタだったせいだろうか。

 うーん、この物足りなさはなんでなんだろう?
 なんだろうね、高遠琉加は独特な言葉の選び方とか魅力なんだろうし、叙述も丁寧だし、きちんとBLだし、だから信頼している作家なのだけれど、けれど。
 王道ひた走りの近代豪華客船もの、で、どうころんでも逆さにふっても萌えない『溺れる戀』とか、奇抜な設定も面白げで、恋愛不感症なメガネ攻めというちょうあたし好み設定なのに萌えない『観賞用愛人』とか、なんかもうどう評価したらいいのかはもとより、どう感じたらいいのかすらよくわからなくなってくる。作家に何も思い入れがなければ、ツマンネでかたづけられるのかなあ。でもそうきりすててしまうには、『愛と混乱のレストラン』とか強烈な作品が多すぎるんだよなあ…。

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