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[ 読書/BL小説 ]

沙野風結子『閨盗賊』

 近代イギリス、継母に嫌われて家族から浮いているので、なんとか家業だけは頑張ろうと輸入商をしている受け。子供の頃誘拐した盗賊がライバル商人になっていて、昔はいい感じだったのに、なんかすごい嫌われてる。そんな受けに、父の知り合いの怪しい科学者が近づいてきて。
 なんか要素詰め込みすぎて、継母が来たせいで阻害される貴族の坊っちゃんがワイルド盗賊に好かれて再会し幸せになる話と、一人で生きるために冷酷っぽい商人になった受けがワイルド攻めに癒やされる話と、攻めが受けを誤解して嫌っている話と、マッド博士のフランケンシュタインばりの人間改造話と、冷たかった父との和解話と、それぞれ別でもいいくらいなのに一つのお話になっている。そのせいで、攻めと受けの話が物足りない。特に人間改造話のせいで攻めが受けを蔑んでいる感じなので、かわいそうな坊っちゃんもしくは冷淡な大人になってしまった坊っちゃんがワイルド攻めの包容力で癒やされる…というカタルシスがほとんどないのがBLとしてなんだかなという感じ。
 小山田あみさんの絵はいつもどおり美しいのだけれど、なぜかこのお話には合わない気がした。

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