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[ 読書/BL小説 ]

榎田尤利『獅子は獲物に手懐けられる』

 というわけで、いくら睡眠時間を確保しようと、残りの時間ほとんど労働というのは、やっぱり身体がついてかないのだなあ、と改めて思ったのでした。や、論文書いてるときとか、ずっと集中してらんないのも当たり前なんだよなあ、と…うまく休憩いれなきゃなんだよなあ、とか、何今頃気づいてるんだろうか(笑
 秋葉原まで行ったのに、ムダヅモなき改革がいまだ手に入りません☆しょうがないのでアマゾンで注文した。

  『犬ほど素敵な商売はない』のペット派遣会社ペットラバーズのシリーズ。第二弾が出るとは思っていなかったので、びっくり&うれしかったですv

 ある日自宅マンションに帰ったら、突然偉丈夫に襲われる医者(呼吸器科。獅子のような偉丈夫は義兄のさしがねで、医者の同意がないのだと知ると引き上げていった。けれども後日、こんどは義兄がつれてきた獅子に、義兄の目の前で抱かれることに。医者は子どものころにおきた事件のために、義兄に逆らえないのだ。そんな医者を、獅子のような男はガゼルのようだと言って云々。

 うーん、全般的にそこそこ面白かったんだけど、ひっかかるところが一カ所ならずあったし、『犬』のほうが好みだったなあという感じ。

 まず、いくらなんでも義兄が最悪的にひどい。医者がうけてきた仕打ちの質、年数、物語内でのエスカレートぶりをリアルに想像すると、ものすごく不愉快で胸クソ悪くなる。昔の事件にかんするオチも最悪だが、これは受けのためでもあるのか…。
 こういう最悪な人間として書かれてるのも、受けのかわいそうぶりを描出するためだけ、でなければいいかなあとは思うんだけど、ラスト近辺の母のこととか、マンションでの事件とかはやりすぎな感がどうしてもある(ラストのは解決手段もちょっと都合良すぎたから、そういうのもあってなんかなあという感じだ。

 攻めは、ペットの第二弾でいきなり獅子か、というのは面白かったんだけど、キャラ描写がいまいち。たびたび獅子と名指されていて、外見もそうらしいのに、なぜかあまり獅子的な印象を感じられなくて、個人的にはそれが一番ネックだった気がした。獅子ぽいとか、傲慢ぽいとか、「獅子」「傲慢」という言葉そのものでしか書かれていない感じ。もっと言葉とか行動とかから、獅子らしさ・傲慢さを書いて欲しい。
 『犬』は犬の犬っぷりがすごく好きだったから、余計そう感じるのかもしれない。
 あと、医者への気持ちはもうちょっと丁寧に書いて欲しかった。わりとよくあるイケメンがかわいそうな受けにほだされてこんな気持ち初めて、という定型としか感じられなかった。

 受けは最初の頃の呼吸が苦しくなるような設定はどこへ行ったんだ。

 獅子の友人で、もとペットラバーズのペットというのは、もちろん犬なんだろう。モデル事務所に所属してる友人も同一人物だろう。が、バイク事故にあって肩を骨折してるなんて…飼い主は何をしてたのだ(笑

 というわけで、ペットラバーズの設定は好きだけれど、この設定を活かしてくれなくては仕方がないし、『獅子』は義兄の不愉快さにくわえてその意味でも微妙だったなあ、という感じだった。

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