"読書/BL小説"のアーカイブへ


[ 読書/BL小説 ]

ごとうしのぶ『暁を待つまで』(その2)

 その1の、つづき。いやーその1を見返して、文章が常にもましてメチャクチャでビビリました(笑。ちゃんと伝わるかなあ。
 てなわけで、その2です。

 アマゾンも画像入りましたね。

 今回、脇キャラがよかったよねえ。まさに群像劇、というかこのキャラの多さはなんだかファンサービスっぽかったけど、でもそれがきちんと面白くって、楽しかった。

 麻生先輩は託生をかまう先輩っていう予告があったので、カッコいい兄貴系かなと想像していたら、なんだかかわいこちゃんだった(笑。しかし、確かにいい意味でふんいきゆるい先輩ではあるけど、託生がさほど警戒しないで済んでるのはなんでかなー、いまいちよくわかんないなーって思いつつ読んでたんだけど、本を渡す場面を読んで、ちょっとわたしのこれまでの認識があまかったかなと思った。

 託生が人にさわられんのがニガテ、と知ったところで、きっちり気を使えるような高校生なんて、わたしが思っているよりも希有なのかもしれない。ギイが注意を喚起しようとしても、失敗していた(これはちょっとビックリだったんだけど、人間接触嫌悪症、って単語はみんなで共有してたんですか?だとしたら、それはどう考えても崎義一の失策では…?)ように。ていうか、むしろ逆に、あからさまに嘲ったりして子どもっぽさを露呈しちゃう、託生のクラスメートみたいな存在の方が、結構リアルなのかもしれない。
 だから麻生のさりげないやさしさとかって、大したことではないように思えてしまうけど、実は貴重なのかもしれないなと思った。

 で、そういう高校生の残酷さ、子どもさを逆から見れば、出来すぎなギイの親切が託生に届かなかったっていうことも、理解出来るような気がするし。

(ただ、ですね、高校生なんて、結構いい子が多いんですよ、ってわたしは肌身で感じてるのでどうしてもそれが唯一のリアルだと思いがちなんだけど、ごとうしのぶが残酷な子ども達としての高校生を描くのもまたある一面ではリアル、なのかもなあって思うのです)

 そんな麻生ですが、でも、もっと託生とのからみが読みたかったなあ。託生がモテるのは大歓迎だ(笑、その意味で今回三洲がちょっと物足りなかった…。
 あと、ギイへの「こんなにわかりやすいのに」という言葉が興味深かったんだけど、麻生はちょっと直観力にすぐれている人っぽいので、他の人にはわからない程度なんだろうなあ。

 相楽は結局名前しか出てこなかったので、ちょっと残念。ギイにウザがられてるところが見たかった(笑。でも受験の時の様子から考えても、ギイは相楽を本気で嫌ってたわけではないんだろうなあとは思うけど…。相楽ってなんだかキャラのつかめない人だったんだけど、確かに言われて見ればテンション高そうだね…(笑、正直三洲が心酔してた理由はわたしもよくわからない…。

 章三はなあ。仕方がないんだけど、子どもだなあと思った。や、前から章三は結構幼いとこあるんだなあとは思ってたんですけどね。もうちょっとギイをいたわろうよ!(笑、ギイ自身は章三に癒されてるけどね。
 しかし、章三はなんでギイの片恋に気づけなかったんだろうなあってのも前から思ってたんだけど、やっぱそれも子どもだからってことなのかな…あ、でも章三の場合、恋愛に関しては特に幼い、のかもしれない(奈美子ちゃんの件とか見てるとね。
 うーん、そういうふうにわかっていつつも、わたしはかなり章三を美化してしまってるので(つくづくわたしが二次創作で書いてる章三って、原作から最も離れているキャラだと思う)なんかこういう原作との乖離をまざまざとみせられるとちょっぴり淋しい…ような気もする。
 でも、なぜか「戻してくる」ですごく萌えてしまった…自分でもよくわからないけれど。だってなんか、カワイくないです?(笑

 柴田さん。名前だけでも出てきてくれてうれしかった。
 奈良先輩。なんと、科学部でしたか…!この人もいまだによくわかりません。
 三洲。三洲は一年のときは「444号室」か(笑、なんだか可笑しい。なんとなく三洲らしい気もする。しかし麻生の「一匹狼」を受けているとは言え、託生を「野生の狼」って…(笑
 高林。やっぱギイは高林を嫌いだったわけじゃないんだなー。
 島岡。ギイってやっぱ御曹司だったんだー、と思った(笑。だって、ギイって設定の割には結構扱いがぞんざいというか(笑、本人フットワーク軽いからか、簡単に誘拐とか出来そうに思えるし…。こんな裏事情があったのね。やっぱギイって未だにびっくり箱だよなあ。

 出てきて欲しかった人々。
 広田さん。なんか相楽→三洲の印象が強すぎで、気の毒な生徒会長だ。
 矢倉。この時期でもそれなりに有名人なんだよね?
 電話線の向こうの佐智。しかしギイが更にダメダメになってしまうか(笑

 なんと、まだ続きます…!

with Ajax Amazon

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://mayoiga.s6.xrea.com/x/mt-tb.cgi/684

コメント

なんか、ストーカーっぽくなっちゃってごめんなさい。

ものすごく、納得しつつ、噛みしめつつ感想を読ませてもらいました。

託生くんの「声も聞かれたくない」・・・この言葉はものっそズシンときます。これは【決心】の「愛される資格がない」云々の言葉に符合するのかと。
そう思うと切なくて、ギイじゃなくても胃が痛いです。

麻生先輩、見た目はかなり違うだろうけど、利久っぽいのかな、と思いました。託生を気軽に、わりと肯定的に見てるというか。あんまり男男してないというか。雰囲気とか心配りのしかたが自然というか。

見境なく人を嫌ってる云々て章三くんの発言には???って思いました。もう少しニュートラルなのかと思ってたので。
でも、そのへんも幼くて、そういうものなのかなとか思ってました。

ギイは、託生くんの過去を以前から知ってたっぽいですね。
クラスメートの身辺調査くらい行ってそうだなと。


なんか、この1年生編はボロボロと伏線めいたヒントが散らばってて、見応えありました。

>mushさん
いえ!とんでもない、ご感想を伺えて、すごくうれしいです!

託生は切なかったですね…
そして、成る程、託生がギイへの想いを押し殺していることと、「愛される資格がない」ということは、つながっていそうですね。おお。わたしは今までその線を見落としていました…(笑

麻生先輩、確かに自然体なところが利久と共通してますね。自分の託生への好意は興味だからギイよりも軽い、というようなことを言っていたけれど、その軽い好意があの時期の託生にはよかったのかもしれないなと思いました。

そして、章三は…そう、わたしはそういう部分がちょっとショックだったのです…(笑。わたしも、章三は託生についてはもうちょっと公平に見てるというか、まだしっかりとは判断を下してないというか、そんな感じかなあと思っていたので…。

>クラスメートの身辺調査
おお、されてそうですね~(笑
託生の過去は以前から知っていたんだろうなあとなんとなく思っていたのですが、更にその疑惑(?)が深まります(笑。祠堂以前のギイの話なんかも、面白そうですよね。

なんか、しょーもないことたくさん言ってしまって・・・

「いじめられっこ」に、ものすごく心惹かれる性分なので、
託生くんのいじめられぶりがすこぶるど真ん中だったので、
つい託生くんばかり注視しちゃってました。

なんか、相楽先輩のキャラ、あたしもイマイチ掴めないままでした。
ギイそんなに嫌ってるんでしょうかね?悪い人ではなさそうなのに。

奈良先輩の科学部はちょっと、かなり、意外でした。
スポーツやってそうなんだけど・・・でも理数系ってのはわかるかも、って。
薬学部とかに進学したんでしょうか?白衣が似合いそうですよね。賢そう。

あたしもギイはSPいなくて大丈夫かとか常々思ってました。
マフィアに攫われやしないかと。

祠堂以前のギイ、とても興味あるんですが、ごとう先生書いてくれるかな?
自家用ヘリで移動したり泡風呂入ってたり、キャサリンとかってガールフレンドがいたり、
バブリーなイメージしか湧いてこないので、そこを払拭してほしいかな、とか。

長々とすみません。

>musuさん
わたしは細かいところをじっくり考えたいタチなので、いろいろ示唆をいただけて、すごく楽しいですよ~

託生のいじめられぶりは、かなり直球でしたよね。わたしはこんな直球でくるとは全く予期していなかったので、正直ちょっとビビってしまいました。ここまでの状況だとは、二年生の託生からは考えられなかったというか…

ギイは相楽さんのことを本気で嫌ってはいない…と思うのですが、どうなんでしょうねえ…(笑。やはり名前だけではなく、本人に出てきたほしかったですね

奈良先輩はわたしもスポーツマンだと思っていました…(笑、なんというか、結構マッチョなイメージがありました。科学部で、しかもしっかり活動していたなんて…ちょっと階段長の印象とは違うような気がしてしまいました。

SPも居ないなんて、ギイは攫い放題ですよね(笑。本人そんなに鈍くはないので、多少のことでは危険はないかもですが。でもあのバックグラウンドを考えると、かなり計画的な誘拐もありえそうだし…。
ところで、キャサリンて…もしかしてエリカの庭かなにかでのギイ、なのでしょうか??(未読なのです。わーそれはイヤだー…(笑。

 流れぶったぎりですみませんが、ネット開通しましたので、ご連絡を。

 いや書き込む場所間違えてますよねすみません。

>やくもさん
わはは。
引いてませんか?(笑
あ、開通おめでとうございます&ご連絡ありがとうございます&今日はありがとうございました!

コメントを投稿

with Ajax Amazon