遠野春日『純愛ロマンチシスト』
学生×年若き教授。
かわいくてわがままな恋人にちょっと疲れてしまった攻めは、秘密の仮面パーティで一夜を共にした男が忘れられず云々。大学で受けを発見したものの、受けには傲慢で家庭持ちで自分勝手な彼氏がいて云々。
二人とも彼氏持ち、しかもそのお相手に問題アリ、という、かわいそうなんだかズルいんだかわからんお話。ある意味、わりとよくあるお話かも。
こういう話にどういう感想を持つかってことをまじめに考えると、感想イコール読者自身が恋愛においてどこに倫理的な線引きをするかって話になってしまう気がして、そう思ってしまうと、BL読んで自己反省するくらいなら批評なんてしない方がいいんではないかという気もしてくる。
エンタメ的には、主人公二人に同情して、わがままな彼氏はヒドい奴らだ、攻めが受けに(受けが攻めに)乗り換えても当然だ、って読んじゃう方が気持ちいいだろうし、だからそう思ってしまえるように書いてくれた方が、エンタメとしてはいい小説なのかなって気もする。
で、この話では、攻めも受けも結構悩んでいるし、わりと同調して読めたし面白かった。
仮面パーティとかワロスな装置がある一方、攻めの彼氏の反応みたいな部分は妙に生々しい恋愛の一側面な気がして、ちょっとアンバランスだけどそれも面白かった気がする。