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[ 読書/BL小説 ]

榎田尤利『華の闇』

 おお。なんだか非常にオーソドックスな男花魁もの、という印象。
 しかしまあなんだか全体にBLというより吉原ものがたり、という感じだった。

 というわけで勿論(?)財閥の後継者×男花魁。
 過去に知り合い同士だったふたり、吉原で再会して勿論(?)攻めは逆上、勿論(?)無茶を言って身請け、勿論(?)水揚げ後は長々と買い切りお仕舞い、云々。

 攻めは遊びのキライな朴念仁で不器用で、しかしややサドっ気があり、受けは昔も今も辛い運命に負けず穢れない、凛とした青年で、つまりキャラ設定もオーソドックスなんですな。受けの姐さんなんかはかわいそうだが微妙にキャラが薄いというか、でもこれ以上濃く書かれても困ってしまうかも。絵師なんかも微妙にいるような、いらないような。あの絵のエピソードはなんだったのか。なくてもいいかも?という微妙な印象。

 絵は蓮川愛でいい(あの80年代風の絵柄が好きだ…というのは褒めているつもりです)のだが微妙にこの話には合わない気も。あとどうもわたしは受け女装ものがニガテなので、やはり花魁の姿がしっかり描かれちゃうとちょっと萎える。

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