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[ 読書/BL小説 ]

榎田尤利『アパルトマンの王子』

※追記しました。

4199004629アパルトマンの王子 (キャラ文庫 (え1-4))
榎田 尤利 緋色 れーいち
徳間書店 2007-11-27

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 藤○沢商店街シリーズ(余談だが教えていただくまでずっとKFCのあるまちのことだと気付かなかったのです。

 しょっぱなから、そしてお好きな人には気に障るだろうし申し訳ないのだが、わたしはこの絵師が非常にニガテで、わりとストライクゾーンがひろく、デッサンぐるいもセンスやいきおいでカバーオッケーなわたしにはめずらしいことに、申し訳ないけれど出来れば見ずにすませたいほどにニガテなのです。今回は藤井沢シリーズで楽しみにしてたので、余計にギャップがキツかったというか…。
 そのせいだけではないのだろうけれど、物語もちょっとお手軽な感じがいなめなかった気がする。

 というか、藤井沢に金髪王子はやはりあまりに異質だ。
 『ギャルソン』の殿下もたいがいだったが、しかしきっちりキャラたってたからか、ひととひととの関係性が形成される物語として、そしてその登場人物として、違和感なく読めた。けど王子は、布団よりベッドを貸して欲しいとかわがままみたいな冗談いったり、優一に感銘をうけて資源ゴミの分別してみたりと、面白げなとこもちらほらあるものの、基本的に優一にメロメロなBL王子様ってだけなので、やっぱり異質な感じがして仕方がない。
 しかもその異質さが物語展開に活かされるわけでもなく、物語じたいがわりとオーソドックスというか凡庸なBL王子×庶民物語なので、なんだかなあという感じ。案の定というか、王子×庶民の後日談としては実にベタに、後半はリゾート(といっても房総だが、と千葉県民はことさらになんか微妙なこころもちだ)に行ってしまって、藤井沢から出てしまうのもマイナスポイントだと思う。王子の家族とかそのまた家族とか、あまりにベタすぎるし…。
 そんな感じで正直王道というよりは凡庸で、いまいちだったなあという印象。

 ただ、この作者の登場人物過多ものはニガテだと思っていたけれど、でも今回は人数が多かったのは別に気にならなかった気がする。
 この作者の登場人物が多い作品がいまいちだなあと思うのは、逆に一対一の関係性をわりと面白く書いてくれる作者だと思っているから余計にそう思うというのもある気がするんだけれど、今回はその一対一の、つまり王子対優一の関係の描写では多少面白いとこがあったってのも大きいかと思う。特に、王子があまりに自分の優一への感情にたいしてストイックというか、傲慢にならないように、利己的にならないようにとがんばってるあたりはとても魅力的だと思った。ただやはり、それが藤井沢で、この大家族の中ではあんまり活きてない気がするし、そういう魅力も、それ自体凡庸な物語の中でみるとベタ王子というワクの中におさまってしまうので、やっぱり印象がうすくなってしまっていると思った。

 追記、いや今改めてタイトルを見て気付いたが、王子のアパート生活がほとんど触れられてないという点がいちばんマズイのではないか???
 あ、あと王子の名前ってばツイストの世良、ではなくて、中国語でいう第四声のイントネーション…なのかな?(笑。ついついツイストの世良のイントネーションで読んでしまうので、すごいイメージにあわなかった。

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