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[ 読書/BL小説 ]

夜光花『夜を閉じ込めた館』

 金持ち×ドールハウス製作者。
 いきなりキスしてきたいけすかない若き富豪攻めに、取り壊す予定の山中の洋館のドールハウス製作を依頼された受け。洋館に滞在してハウス製作に励んでる受けに、過去にその洋館で亡くなった攻め母にまつわる事件の影が見え隠れしはじめる。大晦日をまたいでの母の追悼パーティ後、招待客が帰った洋館で、攻め受けアンド母が親しかった三人の若者とで残ったところに、事件発生。

 あ、あれ?山中の洋館に閉じ込められたら、殺人事件じゃないの…?と、途中まで方向性が見えずに読んでましたがやはり殺人事件でした。
 結末としては、過去の事件の件はともかく、殺人事件自体の処理はなんだかあっけなかったような…。ジョージのオチは面白かった。
 過去の事件にかかわる受けの記憶のこととか、攻めの描写とか、ミスリーディングをさそうワナが多くて面白かったけど、なんだか釈然としないものが残るというか…説明がつけられてない件があるような、ないような…。
 あと、なんか受けの性格がいまいちわからないというか、最初のあたりの人嫌いで攻めに警戒してる様子と、途中から攻めに頼って行っちゃう感じがいまいちしっくりこない感じもする。最後のあたりの過去の事件についての告白の展開とか、いつのまにそんなに攻めを好きになっていたんだろう、という気も。洋館に入れ込んでたのもなんだかちぐはぐな印象。
 ていうかそもそも、洋館での殺人事件という筋の中に、時折挟み込まれる攻めと受けのラブ展開が、なんか唐突な印象で奇妙だった気もする。

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