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2007年09月23日

秋月こお『逡巡という名のカノン』

4044346496逡巡という名のカノン
秋月 こお
角川書店 2007-04

by G-Tools

 ヤター!ついに逡巡という名のカノン読み終わったよ!!

 ということで、周回遅れになってしまいました(笑。次の新刊が出る前に読まなくては…!とは思っていたのですが、積ん読してたらどこかにまぎれちゃったり、泊まりの日に持って行って読んでたらまたどこに入れたのかわからなくなっちゃったり、と、…正直あんまり前向きには読んでいなかったのかもしれません。

 何がしんどいって、冒頭がしんどかったんだよね。やっぱり人の日記見るのはよくないと思うぞ!
 がんばってその後を読んでは見たものの、合宿に行く必要はあったのかどうか、と…。なんだろう、何のためのエピソードなんだろう。悠季が働いていますよ描写が目的?大学生たちも八割がたただのモブみたいだし、ちょっと深めに関わった子ももう出てこなさそうな…。モアイみたいな先生はまた出てくるのかな。
 フジミの納涼祭り?はよかったんだけれど、でもまた悠季があんまり練習できなかったよ!とか言ってるのが、なんだか読んでいてしんどいんだよね。悠季ちょっと忙しすぎなのでは。実際問題として新人バイオリニストはあれくらい忙しいものなのかもしれない(まあ、そうではないかもしれない)けど、作り物語なのだからもうちょっと余裕もたせてあげてもいいんではと思ってしまう。こんなに忙しなくってはなんだか読者まで息が詰まりそうで、物語の本筋が何だったかわからなくなりそうだ。

 ところで悠季が忙しすぎと言えば、もう一方の圭がかなり忙しそうで、それはもうあんな日記まで書いてしまうくらい忙しいらしいのに、何をしてんのかいまいちわかんないのは何でなんだろ。何時の間にか牧神の午後の録音してたとか、公演はもとよりなんかメディアもいっぱい出してるみたいな雰囲気だけど…。
 悠季一人称の語りでこうも圭の存在が希薄になってしまうと、悠季の圭に対する意識が磨り減ってしまったようでやるせない…。

 こういう日常の忙しなさに愛情が磨り減ってしまうやるせなさとか、やはりそうした忙しさに芸術への志向が失われてしまうせつなさとか、そういうのが読みたくてフジミ読んでるんではないんだけどなあ…。

 ちなみに番外編というかなんか写真見る話、は、雑誌に掲載された時に読みましたが、ものすごい地雷展開(個人的に)だったので今回は読んでません。

 でももうアンダルシアは購入済みです。

2006年12月05日

秋月こお『嵐の予感』

 今回もまた、嵐の予感に満足よ、な方はご覧になりませんよう。

4044346488嵐の予感―富士見二丁目交響楽団シリーズ〈第6回〉
秋月 こお
角川書店 2006-11-30

by G-Tools

 …ご忠告は致しましたよ!

 ということで。
 なんかもう、2ちゃん風に「これはひどい。」の一行で済ませてしまいたい誘惑にかられています。

 というわけで、今回はフジミとタクミの新刊が同じ日に出たんですが、どっちから読もうかとワクワクしていた、というのはゲンミツにはウソで、二冊いっしょに出る、ということ自体になんとはなしにウキウキしつつ、でも今回のフジミの予想される内容を考えてたら鬱々として、とうてい読む気になれなくなったりしてました。

 のだけれど、やっぱり展開だけはかすかに気になって、店頭でパラパラとめくってみたら結構止まらなくて、結局一応買ってしまった。

 でも結局ちゃんと読む気はしなくて、なんかブログをRSSで項目タイトルだけぱぱっとチェックするような読み方をしてしまった。そんな本をわざわざ買ってしまったこともちょっとショックだが、やっぱフジミは悠季のブログになってるんだよなと思った。トレペ?買ったとか、どうでもいいよ!(しかしこんなこと覚えてるあたり、なんかなんだかんだで結構把握しているのかあたしは。ほんとにちゃんと読んでないんだけど

 しかも悠季の性格は悪化小姑化の一途だし、それでいて仕事はなっちゃあいないし、そんな視点人物キッツイよ。弟子を偉そうに説教視点で見て、それでいて取り柄だった努力は怠って、なんて、どんな言訳されても感情移入できないよ。このお話って、グダグダな視点人物にイライラしたりムカついたり恥ずかしくなったりする(キャッチャーインザライみたいな?)のがデフォルトの楽しみかたではないはずでしょう?

 そもそも前回も、前々回もか、読み流したのですっかり忘れていたが、演奏会でブルッフとシベリウス両方なんてどう考えても無理じゃないか。こんなギリギリになる前に、早く断れば良かったのに!
 でもまあ圭がソリスト、よしのこーじが指揮というお遊び展開は面白いと思った。こんな展開にするために悠季はコンチェルト二曲なんて引き受けさせられてたのかもしれないが…。だとしたらそれって、展開のために悠季を犠牲にしてるってことになるんじゃ…。どっちにしても、悠季の無責任さを印象づける結果になってしまうわけだし。

 ところでしかし、圭のバイオリンは面白いかもと思ったところで気づいたのだけれど、フジミはもうそういう目新しい展開にしていかないとしんどいんだろうなあと。今回のフジミの古参と学生の不和なんて、前にもやったじゃんと。
 わたしは六部で唯一面白かったのがスプラッシュコーラなので、ちょっとそれも情けないだろう作者、と思いつつ、今回の演奏会とかもふくめて、そういう奇をてらった展開ももっと活かして大きくとりあげてほしいと思う。地味展開はもういろいろ無理がきてるよ。特に悠季の扱いに。

 六部では悠季の弟子育成展開は目新しかったのかもしれないけど、なんて展開がダラダラしすぎて読めたものではないし、悠季がどんどんダメダメになっていくのはやっぱり読んでて鬱ですよ。フジミってそういう話じゃないでしょう、と。悠季がダメな部分もありつつ基本的には良い奴で魅力がある人間だから、読者はこんな何冊も読んできたんじゃん(多分。

 というわけで今後はもう、奇抜で目新しく、かつ悠季がダメではない展開にして欲しい。それってお話としてあんまり評価されうるものにはならない気もするけれど、正直もう他に道はないと思う(弟子話とか見ている限り、もう地道に面白いお話は正直期待できないと思う。

 正直六部はそんなこんなで、ほとんどまともに読めたもんではないと思う。まあそろそろ六部も終わりそうだし(あと一二冊でしょう多分)、でも七部に期待、は今のところできそうもないよ…

 …あ、そうそう、再録についてはもう、怒りを通り越して何も言えない。
 だって、ページが足りなかったにしても、雪兎とか変人倉とか、未収録の短編ってまだ沢山あるんでしょう?なんでわざわざこないだ出たばかりのクラシカルロンドの短編ですか。
 そしてこの薄さについては、要人警護や王朝ロマンセの分厚さを見ると、本業の忙しさとかのせいだけではなかろう…と。

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 個人的なことですが。なんか六月祭のサークル参加は今年も無理な気がしてきた。萌えが枯渇しそう。

2006年06月30日

秋月こお『人騒がせなロメオ』

 ちょっと文章が暴れん坊気味ですすみません。
 人騒がせなロメオにモエモエした方は出来れば読まないでくださいね。
 ゴールドのことは明日にでも。

人騒がせなロメオ
秋月 こお〔著〕
角川書店 (2006.7)
通常24時間以内に発送します。

 なんか階段から落ちてた。

 なんかなあ。ポルタメント序曲はどうなの。なんかいろいろダメだった。
 うまく言えないんだけど、とりあえずあの文体は絶対フジミじゃない。
 あまりに前置とか解説が長く、きっと作者はめちゃめちゃ久しぶりに書いてる気分なんだろうなという気もした(タクミくんにくらべたら全然久しぶりじゃないのにね。とにかく、そういう夾雑物が多すぎな感があった。トイレに行ったとかそういうこともいちいち書かなくていい気がしますよ!あと練習場、あれって、練習場っていいな、出来たらいいな、と言ってるうちがやはり花だった気がしてしまった。

 あとねえ、どうでもいんだけど、あのアレはどうなの?アレですよ。アレだってば。いわゆるベッドシーンですよ。
 どうでもいいっていうのは、こんなんなら書き込まないほうがよっぽどいいんではって意味なんだけど、とにかくあまりにおざなりでびっくりした。いくらつきあいの長いあの二人でも、いやあの二人だからこそつきあいが長かろうと、もうちょっとテンションあげてくべきでない?仮にもBL小説なんですよ?
 それにフジミって、良きに付け悪きに付け、ベッドシーンにおける妙なテンションの高さがイコール情愛の細やかさになるようなエクリチュールなんだとわたしは思ってたんだけど。テンションひくいエロなんてフジミの価値を落とすだけではない?
 いや、くれぐれもゆずりはテンション高いエロが好き、とかそういうことではないですよ(むしろなくて結構です、一般論としては。でもフジミのエクリチュールにおいてはそれって必要だと思うし、おざなりになるんならむしろ排除の方向で、と思うのですよ。

 人騒がせなロメオの方はまだ読めた。
 飯田さん話は不満。悠季の鈍感さはそろそろなんとかしてほしい。もういい大人なんですから。鈍感な上に、それを上から目線で見られる視点がテクスト内にあるのはちょっと読んでてしんどい。しかしああいう鈍感さって、視点人物であるがゆえの十字架というかそんな気もして、悠季がかわいそうな気もする。
 悠季の弟子話は毎回少しずつ進む感じで、途中経過ばかりで結果が全然でないので、カタルシスがない。そういう展開になってしまうのが仕方がないのは判っているけれど、今回の勘解由小路?のように、毎回誰かをピックアップする感じで一段落ずつ付けてくれた方がカタルシスがあるだろうな。
 あと、あーちゃん…福山先生のあからさまな贔屓は萎えるなあ。悠季もさんざんお世話になっているのはわかってはいても。悠季の小太郎呼びも気にくわないわけですが。

 なんだか愚痴ばかりですみません。
 書いてて淋しくなってきた。

2006年03月18日

よしながふみ風フジミ

 あの作家でフジミ第二弾です。
 …、ちょ…、自画自賛かもしれませんが、これはかなりハマってるんではないでしょうか…(笑。

パチパチ

 …笑っていただければさいわいです(笑。
 モロバレかと思いますが、守村さんは魔性のゲイ様、殿下はオーナー+芥川さん÷2、を参考にしました。

つっこみ

2006年03月05日

手塚治虫風フジミ

スターップ!

 前に後藤星さん産休のウワサを聴いたときに、フジミの挿絵は後藤さんじゃなければ誰がいいかな~、あの人の絵でフジミ見てみたいな~、なんて考えていたのですが、じゃあ自分で描いてしまおうということで以前に描いたものです。シリーズです(続きます。
 しかし、しょっぱなから似ないですな…(笑。手塚の描線って大好きで、なんとか手に入れたい線なので、折にふれ練習中です。田中圭一が本気でうらやましい。

対比

 似ないですが、しかし↑この殿下が実は結構気に入ってます(笑。黒そうで。


2005年10月03日

「桐ノ院!桐ノ院っ!」(イラスト)

あのね、あのね

「桐ノ院! 桐ノ院っ!」
 いつもの場所であぐらをかいている彼の前に、ひざですべりこんだ。
(「さまよえるバイオリニスト」)

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 久々に「寒冷前線…」から「コンサートはお好き?」まで読んだらあんまり面白いのでビックリしました。やはりわたしは守村さんが圭のことを「桐ノ院」と読んでいる時期が一番好きみたい。
 なので、この辺りは好きな場面がいっぱいあるのだけれど、この、たぶん正座状態で膝に手を置いて頬染めて大興奮でしゃべっているのであろう守村さんとか、妙にシラケてる桐ノ院とか、すごくいいと思うのです。あの場面の桐ノ院のシラケっぷりが最初はよくわかんなかったんだけど、「天国の門」などのこの時期の桐ノ院を参考に推量すると、やっぱあれは無表情で超モエモエしているんだろうなぁと考えられるし、そしてそのポーカーフェイスはこの時期の守村さんにはまだ見破れなかったってことなんだろうなぁと思います。

モエモエ殿下

 こんな感じか(笑。
 その後のいやいや書類を受け取って仰天してる辺りも大好きです。


2005年09月11日

「じらしまくり守村悠季」(ジョジョパロ・R15)

 「電柱殿下の奇妙な冒険 第二部 守村悠季小悪魔(ラプソディー)篇」


 お下品ばかりですみません。

強気!

「ゆ、悠季ィ~……(本気泣」


2005年08月28日

「桐ノ院圭」(ジョジョパロ)

 「電柱殿下の奇妙な冒険 キャラクター紹介」



電柱殿下

「この桐ノ院圭には夢がある!」


桐ノ院圭

・富士見市民交響楽団(通称フジミ)のコンダクター
・16歳のとき指揮者『ヘルベルト・フォン・カラヤン』の所持していた『矢』に貫かれることでスタンドが発現
・「天才とは天与の才能を100%活かした人間のことである」と考え、「天才」を自称する
・スタンド…『二月十一日』
 〔破壊力A、スピードA、持続力A、精密動作性S、成長性A〕

・裏スタンド…『二月十一日・レクイエム―アポロンの煩悩』
 悠季を見たり思い出したりしてムラムラすると常に発動
 〔破壊力A(逢瀬の頻度が減ると更にSに)、スピードA(『そういう意味』でのスピードはEか?)、持続力S(絶対おかしいってあの人)、精密動作性A(なにが動作すんの?)、成長性A(これ以上成長したら悠季が壊れちゃうよ…)〕

・愛器…ヘルベルトの形見のタクト


2005年08月27日

「守村悠季」(ジョジョパロ)

 「電柱殿下の奇妙な冒険 キャラクター紹介」


守村悠季

「僕の落ちつける所は…桐ノ院
君の指揮で演奏している時だけだ……」

守村悠季

・富士見市民交響楽団(通称フジミ)のコンサートマスター
・邦立音楽大学卒業後、臨時採用教師として働きつつフジミでコンマスをつとめる
・「自分はプロバイオリニストにはなれっこないんだ」と思い続けて生きてきた
『桐ノ院圭』に出会うまで…

・スタンド…『エア』
 〔破壊力D、スピードD、持続力A、精密動作性B、成長性A〕

・裏スタンド…『エア・レクイエム―小悪魔の真似事』
 お酒が入りドレスシャツ一枚になることで発動
 〔破壊力S(お色気!)、スピードB(何の…)、持続力A(タフになりましたね)、精密動作性S(対桐ノ院に関してはすさまじいまでに萌えツボを抑えていく)、成長性A(まだまだこれからですよッ!)〕

・愛器…国産無銘→〔敵スタンド(桐ノ院のこと)により破壊〕→アマーティ写し→〔成長〕→グァルネリ→〔成長〕→草薙(予定、名称変更かも?)

2005年06月10日

「フジミのコンダクターは桐ノ院さんです」(ジョジョパロ)

 「電柱殿下の奇妙な冒険 第三部 芸術至上(シンフォニア)篇」


桐ノ院圭&守村悠季


フジミのコンダクターは桐ノ院さんです。
なぜ『M響サブコン』なのか? そこの所なのだ問題は。
来るもの拒まずのフジミなのだから、オケの音程が甘くてもヘコたれないタフさが必要だ。
時には転勤等で団員が減る可能性もあるし、弦と管のバランスも無茶苦茶かもしれない。
天才音楽家にはちょっとキツイ環境だ。
でもそのギャップが逆に考えてみるとおもしろいかもと思った。
しかもマエストロと呼ばれ得る偉大な音楽性を持つ人。
コンは桐ノ院しかいないと思った。
(comment by 守村悠季)

 元ネタは勿論飛呂彦の『ストーンオーシャン』一巻作者コメントです。荒木飛呂彦のこうした独特の話法が大好きです。決して論理的ではなく、常体敬体も入り混じり、しかし力のあるエクリチュール。
 なので、対外向けに「桐ノ院さん」という呼称で語り始めた悠季が、エクリチュールの力に発奮するかのように、ラストでつい「桐ノ院」と呼んでしまう、そんなイメージで読んでもらえたらいいなぁと思います。恋愛感情はまだなく、桐ノ院の音楽性にだけはメロってた時期の悠季と考えても面白いかもしれません(笑、「圭」ではなく「桐ノ院」なのね。

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