篠伊達玲『ゆびさきの誘惑』
食品グループ社長次男坊で秘書×グループ経営の創作和食ダイニングの料理長。
元料理長とイタリヤ人CPの前作があるらしい。
お話は…筋っていうか…ええと、食事をねだりにくる攻めと、少年ぽい天然受け、というか…それだけ?
受け一人称で、天然子ののんびりエクリチュールがタクミくんみたいでいいかも…と思いつつ読み始めたのだが、「雨なので攻めが車で送ると言ってくれたけれど、受けは自転車通勤なのでそれはムリ」というエピソードに二ページがついやされた(受けが自転車が駅前にとめてあるだの、明日の朝の通勤がどうのだのさんざんグダグダ言って断る)辺りでちょっとイライラしはじめ、そんなまどろこしいエクリチュールでほとんど内容がなかった印象。
あと、年上同僚シェフとその腕にほれこんでるヤクザのエピソードは、きっとこの後続編で書かれるんだろうなーと思われるが、しかし今作の半分近くのページとかなりの量のエピソードが既にその二人についやされている気がして…バランス悪いというか、ヘタというか。だからただでさえ魅力ない主役CPとそのエピソードが更にうすくなってるし。
つけくわえるなら、受けがこの若さで料理長ってのも…。
なんかもう、いろいろともきー!って感じの一冊だった。