榊花月『カミングホーム』
牛泥棒は今読んでるお。
五人兄弟のまん中、母はなくなり、父は海外赴任。社会人の長兄、大学生の次兄、中学生と小学生の弟にかこまれて、家事を一手にひきうける高校生。
…って時点で、おかしいと思う…なんで一人でんな苦労するのさ。
賢かったり何かに秀でていたりする兄弟たちの中で、平凡な三男が居場所をつくりたくて家事を引き受けてた、ということらしいのだけれど、それでもやっぱりそんな状況を平然と受け入れてた兄弟たちはおかしすぎ。居場所をつくりたくて自分からそんな状況を招いてた、とか言われて自分でも褒められたいために一人で苦労をまねいてた、とか反省しちゃう三男もおかしい、というか自罰的すぎ…。
長兄の同僚のなつこいお兄さんが攻めなのだが、三男に大変だね、とゆって気を使ってくれた、だけなんだよね。それで惚れてしまうのは、なんだか妙にリアルではあるけれど、ちょっとやな感じ。そんなごくふつうのやさしいお兄さん、に惚れてしまうのは、周りの家族がそのふつうの優しさをくれなかったから、なわけで。物語として三男の恋愛のために、周りの兄弟とかが機能として徴用されてるような印象で、あまり気分がよろしくない感じ。
(しかしそういえば、『恋人になる百の方法』の攻めも、ふつーのお兄さんだった。
あと、こんなに兄弟が多いのも、なんだかなという感じ。兄弟たちはそれぞれにキャラたってはいるけれど、だからこそそれぞれにもったいない印象でもあった。