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[ 読書/BL小説 ]

木原音瀬『夜をわたる月の船』

 忙しかったり久々に無茶な飲みをしてしまったり、していました。
 あと、アマゾンからラブレス9巻が来た…既にッ!読んだのに…。買いそびれるといけないと思って、予約していたらしい…。

488386376X夜をわたる月の船 (Holly NOVELS)
木原 音瀬 日高 ショーコ
蒼竜社 2009-11-20

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 面白かったのかどうかもよくわからない…けど、先が気になって一気に読んでしまい、読後の印象は強烈で、拾い読みで読み返してるので、個人的には悪くなかった…のかなあ、と思っている。

 この作家は文章がうまいわけではないと思うんだけれど、なんかすごい先が気になってぐいぐいひっぱる力があるように思う。よくもわるくもね(あたしよくもわるくもって書くのくせですね。なんというのか、映画ではなくて連続ドラマ的なエクリチュールという印象があるというか。
 今回もやっぱり先と結末が気になったのと、地道に泥亀で読んでいくのが途中で苦痛になってしまって(最初に北海道に行った辺りで…)、かなりすっとばして読んでしまった。
 あ、ちなみに二段組みぎっちりでしたね。

 仕事もできるステキ上司にわりあい気に入られてるっぽいので喜んでたら、企画部に行きたいならエッチしろとか突然言われてしまいました。
 葛藤の末いたすのですが、上司は北海道に栄転し、これでせいせいしたと思ってたらなんか再会、その後なんかわけわからん展開に。

 主人公があんまり平凡で、言動とかも普通すぎて、上司が入れ込む理由もわからんしお話の主人公としてちょっとつまらないなあとか思っていたら、それもミソだったので納得した(笑。普通すぎる人だよね。企画部に入った頃の話とか、そのことについての上司評とか、いたい…(笑。
 取引の件については上司が悪いんだろうに批判を恐れてる小心っぷりとか、後半で上司を見捨てられずにけれどぞんざいに扱ってしまうあたりとか、すごい普通の人だなあ、と。
 でも逆説的に、ここまで普通の人じゃなければ、あのとんでもない男とこういう結末にはならなかったんだろうなあ。

 上司は最初のステキ上司っぷりはまあおいといて、花を捨てた辺りでぎょっとしてたらまだまだ序の口だったというトンデモキャラで、結構すごかった。
 超汚部屋のダメ人間ぶりには結構ひいたというか汚部屋こえぇぇぇ。けど汚部屋ってもう一般語彙なのかなあ(笑。その後の天の邪鬼ぶりというか嘘八百なキャラはわりと好きなんだけど、作者も後書きに書いてたとおり動かしづらそうだなあとも思った。あと壮絶な過去の設定は、正直あれなのだけれど、でも、この人にはそういうこともさもありなん、というか。
 ビジュアル的には、50代になって白髪だらけになった辺りでちょっとBL的にはかなりキツいものがあった(ああそう言えば、過去設定もBL的にとてもキツかった)のだが、その頃にはもうBLとして(ふつうのBLとして)読むことをしだいに諦め始めてたので、まあもう受けが白髪でもいいか、という感じになってた。髪を染めた頃には、もうそれくらいで萌えが復活するもんか、と変な反抗心が芽生えてたりもした。というか、髪を染めてみるときれいって、こういう外見的に微妙な状況のお話って、よく見るとととのってるとか肌が綺麗とか、絶対なんか留保が入るよねえ、とか思った。

 まあそんな、とんでもないおじさんに振り回されるごくごく平凡なリーマンの話で、萌えないし、キャラも好きになれないというか好きでも嫌いでもないし、きもちわるさもあるし、お話も面白いというよりはだらだらなんだろうけれど、それでも個人的には読んでよかったなあと思っています。それは全然うがった感想ではなくて、ごく単純にそう思うのです。

 ああしかし、その後の二人というか、幸せな二人をもう少し読んでみたい、という感想を持っているので、やっぱりこの作品もちゃんと(?)BLなんだろうなあ、という気がする。なんとなく。

 日高ショーコはやっぱりいいね。

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