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[ 読書/BL小説 ]

崎谷はるひ『ANSWER』

 もう崎谷はるひの新刊は買わない、とか思っていたけれど、復刻そのままらしいので読んでみた。
 あらすじ読んで、設定とか展開とかむちゃくちゃっぽいなあ…と思っていたのだけれど、面白かった。

 イケメンゲイの営業マン×ノンケ保父さん。
(保父さんという言葉があったころのお話だそうだ。

 攻めは元カレが結婚してヤケ酒後、受けと街中でぶつかって面倒見のよい受けにお持ち帰りされてタンホイザー(わたしそろそろワグナーのことちゃかさないほうがいい気がするんだが…いや勿論別にワグナーをちゃかしてるつもりはないのだけれど)、その後週3くらいで受け宅を訪れてはタンホイザーな関係に。

 身体から、というかタンホイザーからはじまってしまうのに情がわくのはストックホルム症候群なのか、受けが面倒見がよいからなのか、それとも攻めがイケメンだからなのか。全部か。
 というわけでもう出会いからして偶然だし展開は強引だし視点の移動はむちゃくちゃだしで、でも面白かった。この作品にかぎらず、視点の切り替えとかグチャグチャなのに、それでも面白い作品ってのはあるものなのだ。

 過去をふくめて受けのひととなりや攻めの受け入れ方は普通に面白かったし、何より地下鉄での攻めの告白シーンが大変愛らしくて…!かなりよいです。

 元のレーベルのせいか、エッチが大量で、大量な上にあまりキャラに合ってる感じでもないというか、物語としっかりかみ合わせるよりもとりあえずエロ入れとけ、って感じなのでちょっとそれはしんどいというか、もっと日常ぽい話を読みたかった。でも続編があるんだっけ?

 しかし、攻めが自分の過去を語って受けがそれはひどいねえ、とかゆってる場面とか、すごい崎谷はるひっぽいなあと思った。絶対的に悪い人間を配置して、そこにいろんな汚濁を集約させようとするような、そんな印象で、こういうとこはあんまり好きではないかもだ。

 なんか悪口ばかりかいてしまった気がしますが…それでも地下鉄の場面だけで、すべて帳消し、なくらいには攻めがかわいかったと思う。元々はそんな人間ではない攻めが無理して悪ぶってんのもかわいいし。

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