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[ 読書/BL小説 ]

水原とほる『午前一時の純真』

 タイトルがいいなあと思って前から気になっていたのだがフェアで積んでたのでなんか今更読んだ。しかし…、純真なのは攻めであってほしかった…そのほうがエグくていいのに…。

 さえない大学生受けはある日深夜の駅で腹に刺し傷のある男に手助けを求められ、あれよあれよという間にいっしょにタクシーに乗せられて、なんかアパートにお持ち帰りさせられてしまうのです。ベッドとられたりなんだりして困ったのですが、男がモグリの医者に行くというので一安心してたらなんか男の拳銃を見てしまって、口封じとかゆって犯されるしまつ。そんなヤクザがよなよなやってきて、エロい写真をたてにいいようにされる日々なのです…。

 受けがとにかくダメで、ヤクザの押しかけを断れないダメっぷりがものすごいダメなのです。そして同級生のリア充にもていよく使われて、それでもリア充が好きとかゆうのもすごいダメぶりなのです。
 まあそんなダメ受けでも別にいいのですが、そういうダメっぷりでヤクザに好き放題させてしまう素地をつくって置きながら、なかなかヤクザになびかないのは一体どうしたことだ。
 なんか後半は、エヴァの二十六話を見ている気分でしたよ。えっ、あとこれしか残りページないのに、どうやってヤクザになびくの!?ページたりるの!?って。
 そんな感じなので、唐突にヤクザスキスキになられても、すんごい拍子抜けというか、なんでそうなったの???という感じでついて行けないのですよ。

 リア充はどうでもいいとして、ヤクザはヤクザで、まあ受けのことは好きらしいけれど基本ただの鬼畜だし、なんかいまいち物足りなかった。ただの鬼畜、ではなくてひと味ちがう鬼畜、だったらよかったのになあ。

 つまり、あれだ、ド鬼畜ヤクザ×普通の大学生だったら、『影鷹の創痕』の監禁ギャング×大学生のが萌えたなあ、と。あの攻めはほんとうに鬼畜だったが、少しずつ受けに心を開いていったり、その開き方がまたいまいち当を得てなかったり、凄絶な過去があったりするとこがとってもよかったのに…なのにアテウマだったのでガッカリだったんだよなあ…(笑。

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