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五百香ノエル『運命はすべて、なるようになる』その2

 ひきつづき、『運命はすべて、なるようになる』のことなのですが、第二回、なので、ネタバレとか脈絡とかあんまし気にしない感じですみません。

(ていうか、上巻の螺旋が云々でネタバレてると思ってたのだけれど、そう思ってらっしゃらない方も結構多いみたい…?

 以下、ほぼただの攻め萌え話です、
 というわけで。




 ニコルかわいいよニコル!ああもうこんなかわゆい受け受けしい攻め、なんてステキなんだろう~!
 ていうかほんと、上巻読んだ時点では、彼がここまでステキなキャラになるなんて、思いもよりませんでしたよ。まっすぐ素直でお人形のように美しく、誰からも愛されて、だから傲慢で自分が拒絶されるなんてこと考えもよらないお坊ちゃん…なんて、しかも攻め、どうすんだ萌えないぞ、と思ってたわけですが(笑。

 転機は香港だろうなあ。劉大人のニコル評が面白くって、あと十歳若かったら素晴らしい淫売になれただろうとか、劉の優秀な生徒でよい主人になれるとか。そういうの一見全然似合わないように思えるんだけど、お綺麗なお坊ちゃんが、受けのために、つまり愛されるためではなく愛するためだけにそういう似合わないキャラをひきうける、というのがすごくよい。全然似合わないけれどそうなってしまえるだけの能力はあって、足りない分はたぶん愛情で補って、そうして傲岸不遜なご主人様になって。けど何年もそんなのを続けてしんどくなって、わざと好き放題しまくって瑛輝に見せつけたあとに、部屋で一人になると泣きたくなって床でうずくまって寝てしまうニコル…!ホテルを抜けだして瑛輝に怒られて、二人でマックにいったこともニコルにとってはささやかなデートだとか、もうもう、健気でいじらしくてたまりませんね!(あ、でもちょっとマック悪く言い過ぎなのでは!(笑

 逆に、瑛輝に世間一般という尺度=「まとも」を押し付けようとしたワーグナーや鳴竹(彼は恋愛感情はないけれど)は、ある意味傲慢だったんだろうなあと思う。まあどっちが正しいのかとかは別として、ニコルの愛情はある意味ではワーグナー以上だったってことでいいんだと思う。何がマトモか、僕の頭じゃわからないから、鼓膜に刺さるまで叫んでくれないかー。
 そして、ダフネは人間出来すぎ(笑。おそらく自分とワーグナーの子どものように思っているのであろうニコルの無茶苦茶な放埒ぶりを彼の頑張りとして見守りつつ、その原因であり夫の恋人でもあった瑛輝をも辛抱強くフォローするなんて…ちょっと超人的だ(笑

 あとあれだな、ラストが物足りないのは、ラブラブが物足りないというよりも、ニコルが瑛輝をかわいがるさまが物足りないんだな。なんか、できる・できない、の話がメインになってしまってた気がする(笑。今まで瑛輝をかわいがって優しくしてやりたいのをずっと我慢してたんだから、心ゆくまで優しくしてあげてほしい…というより、優しく「させてあげて」ほしい(笑。

 ところでニコルとニコールって、日本語だとかなりイントネーションちがう気がするんだけど、なんか瑛輝の呼びかけ方みてるとあんましかわんないように見える。どうなんだろう???
 あと、劉大人はニコルのことを、瑛輝を救ったからってだけではなく気に入ってるような感じなんだけど、そうだといいなあ(笑。よい生徒だし(笑

 しかし木原音瀬『美しいこと』のときも思ったけど、質量攻めというか、分量がある、ということでおもたく響いてくるってこともあるなあと思う。かなり読後の印象がつよくって、しばらくは他の本読めそうにない感じなのは、分量のせいもある感じだ。や、勿論ニコルがかわゆすぎたってのが大きいんですが(笑。

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