高尾理一『ブレイクアウト』『ミッシング・ユー』
裏表紙の梗概が悪すぎ。全然面白くなさそうなんだもん。だからあまり期待しないで読み始めたら、ちゃんと高尾理一のアメリカもので、ちゃんと面白かった。
ルックスはむさい年下わんこだけど女好き刑事×ドイツ系美形超優秀ツンデレ刑事。
というか、受けの車がナイト2000で、攻めは宇宙人に寄生されてしまうので、もうほんとにどうしようかと思った。しゃべる車とか全然本筋にからんでこないし(笑。いやでも、ベタだけどふつうに刑事ものとして面白かった。
一巻はややライトな短編いくつかで、二巻はシリアスな長編一本、それぞれ面白かった。もっと続けばよかったのに。
BL的には、宇宙人に寄生されて、どう展開するんだ…と思ったけれど、妙に宇宙人がきちんと受け入れられているのが可笑しくてよかった。
それぞれのキャラもそんなに珍しい設定ではない定型ではあるものの、きちんとキャラがたっててよい。
何冊か読んでみて、この作者のつくるキャラはベタな設定というか、ある定型だなという感がけっこうある。ベタにフランクなアメリカ人とかがそのいい例だと思う。んで、ベタなんだけれど、きちんとキャラがたってて、替りのきかないそのキャラ、にきちんとなってる。これはすごい。というかこういう巧さはあたし好みだ(笑。あと、それぞれのキャラの欠点を結構しっかり書き込んでいくところなんかも好き。
あとね、アメリカ設定ものがやっぱりここしばらく好きで、この作家のアメリカ表象はかなり好みなので、それだけでも結構満足してしまうみたいだ。
緋色れーいちはどうも好きになれないのだが、でもおまけ漫画が載っててそれはうれしかった。