橘かおる『玉帝の箱庭―鳳麗国の双子皇子』
中華っぽい異世界に呼び出されて神人とかゆわれて、双子の皇子のうちどちらを王にするのか選ばないと元の世界に返してやらないとか言われました。ただし、選ばれなかった皇子は死にます。なんという暗黒時代。
双子の皇子は元気で活発なのと、落ち着きのある賢いのというベタなふたりで、それはともかくまたしても三人の世界ですよ。美形双子にくどかれまくる主人公というだけでクロエ好みですが、しかもこの設定ではどちらかが選ばれることはないだろうし、そういう意味ではワクワクしつつ読みましたし、期待どおりでした。
そういう意味では、という留保をつけたのは、正直不安もあったからで、そっちもまあ的中したわけですが、あまりにも悪い意味でファンタジーで、さまざまなところがテキトーでした。主人公も、子どもっぽい直情さとかが偶然にもうまくいって双子に愛されまくるあたりはあまりに都合が良すぎて、たとえば、水害で困ってるんならダムつくればいんじゃね?ダムの詳しい構造は知らないけどな!とか、そんな感じ(いや、流石にここまでテキトーではないですけど、笑。
でもまあ双子だし、双子平等に扱ってるし。それだけで満足なのです。
しかしタイトルがあんまり本編とかかわらないような。シリーズ化の伏線なのかな。