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[ 読書/BL小説 ]

須和雪里『サミア』

 きのうはジョジョ女子会が開催されました!
 いつもよりネタバレです。

 短編集。
 表題作は、死ねない身体にされて宇宙を放浪する刑を受けている宇宙人が、自分を唯一殺せる鍵をもった地球人の高校生のもとへやってくる話。
 なんていうか…、BLではない気がした。高校生が死ぬ間際に宇宙人を殺してあげればいいのかな、と思ったら、高校生が不意に死んでしまったらどうするのとかいう話になるわ、それでもまだ猶予はあると思ってたら突然鍵の寿命がくるわ。そして、よもやと思ったアンハッピーエンド。こういうお話としては特に筋をはずさない、まあいってしまえばベタなお話という気がしたし、アンハッピーエンドでもいい、と思えるような惹かれる要素がなかったので、個人的にはいまいち好きになれなかった。

 二作目以降はなんかエクリチュールがコメディっぽくて、本来的にはこういう雰囲気の作家さんなのかなあという印象をもった。
 家族にめぐまれなくって感情の未発達なイケメンが、同級生の男子を泣かせてみたいと思っているのに恋ではないと思ってる話は、特殊な志向の攻め一人称でほんのり笑わせつつ、ちょっとせつないとこもあったり、でもなんか文体のせいかみもふたもなかったりで、おもしろかった。
 高校生が事故にあってハムスターに憑依してしまったら、飼い主は同級生で、しかも自分のことが好きらしい話も同様に笑える感じで面白かった。

 しかし全体にあまり萌えはないように思います。うーん。もうすこしだけ萌えがあったら、かなりあたしの好みな感じなのですが。

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