英田サキ『バカな犬ほど可愛くて』
高校時代の後輩×先輩、大学もいっしょでもう十年来のともだち付き合い、つくろわない外見・料理はできないなどなど、いろんな面でダメ犬な後輩の面倒を見てやってきた受け。受けはゲイなのだが、後輩のことはそういう対象としてみてなかった。しかし手痛い失恋をした折に、わんこ後輩の世話をやくことでキズをいやされていった辺りから後輩を意識するようになる。だが後輩は、つれていったゲイバーで出会ったかわいこちゃんをすきになってしまいました、とか言い出してすったもんだ。
まあ展開もオチも定型であんまり面白くなかった。せめてあれが本当だったらなあ…。ノンケだから諦めようと思っていたのに…とか、不条理な現実をさめざめと嘆くせつない片思い描写はまあある程度面白いと思うけれど、BL物語のアベレージを超えてはいないし特記すべきことはないかな、という印象。
しかしなにしろ文体が…わたしとはものすごく相性が悪い気がする。辛かった。なんだろう、テンポとかタイミングとかがすごく合わなくて、そのせいで余白を全く読めないというか、想像の余地が全くない。作者がヘタというよりはわたしと合わないんじゃないか、という印象…たぶん…。