真崎ひかる『二匹のケモノと檻の中』
果てしなくどうでもよい小説だった。
両親再婚の義兄弟、植物の研究員兄×大学生弟。
何よりキャラ描写がうすっぺらい。エリート美形だそうな兄が、全然そうは感じられなくてなんだかな。高校生の義理弟もいるけどあまりにあからさまな当て馬だし、こっちはアーチェリーやってて文武両道系の優秀高校生らしいのだが、これも描写から全然伝わってこない。キャラ設定がそらぞらしい要素の羅列だけって感じで伝わってこず、感情移入どころの話じゃない。受けを取り合う二人も本気らしいのだが本気に見えない感じ。受けも美人らしいのだがそうは思えず、性格も天然ぽい、くらいしかわからない。悪い意味で人形劇って感じ。それぞれの人形に設定を書いた紙をはりつけてうごかしてるような印象。
展開も平板で、読み進めるのが苦痛だった。
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別次元の話として、三人以上出てくるお話でもたいていはヒーローが最初から決まってしまっているのでつまらない。受けもしくは攻めの取り合いで、語り手も取り合われるヒロインも、二人を対等に扱うお話が読みたいなあ。