砂原糖子『斜向かいのヘブン』
なんの気なしに手にとったら、結構古い本だったのね。
人付き合いのわるいメガネ上司がダメ後輩の仕事フォローしてるのを見かけてしまい、仕事を無理やり手伝ったり、そのお礼をしろとかゆって無理やり飲みに誘ったりしてみたら、なんか自分はほんとうは吸血鬼だから恋愛もしないしなるべくひとを避けているとか言い出すのです。もともとあんま人にもものにも執着しないタイプで、遠恋の彼女にもさらりと振られたばっかりだった、そんな部下なのですが、上司の電波ぶりがかわいかったのか、吸血鬼ではないと証明しようと奮闘するうちに、このきもちはなんなのかしら。
いやー、上司の秘密があかされて、ああこれから攻めの手助けでトラウマというか過去を克服してくという王道なのね…と思ってたら、末尾のどんでんがえしにびっくりしましたよ!そう来たか、という。
でも後編があるんだけれど、そのトンデモ設定は、あんまし活きてなかった気がする。全編とおして、基本はオフィスラブで、初めて心動かされちゃった低温イケメンと、不器用で人付き合い下手なメガネのおはなしなので、トンデモなオチと設定がそんなには活きてないというか、ちょっと浮き上がってしまっている印象。
おはなし自体は、不器用キャラはすきだし、そこそこ面白かったと思う。