火崎勇『彼につく嘘』
ベンチャー的アパレル社長×社長秘書。
会社説明会でオレ様系社長の魅力に惹きこまれて入社、なぜかすぐに秘書になったはいいものの、社長は能力は高いが男女と遊びまくりで秘書にアポとらせたり店の予約させたりの最低ぶり。だれとも長くは続かない社長の側にいるために、恋を知られぬようにして秘書としてがんばろうと決心する。ある日受けは、社長にお前は美人だが色気がなくって射程範囲外だと言われてしまうのだが、ひょんなことから一夜をともにすることになって云々。
最低攻めでとってもわたし好みな設定なのだが、そしてラスト直前まではかなり面白かったのだが、物語の収集のつけかたがいまいちというか。
作者も書いているように王道で展開の読めてしまう設定なんだけど、そういうベタ王道ものはカタルシスを生むには普通以上の力か技が必要なんじゃないかなあ、と思う。だからやっぱり攻めがしっかり陥落してくれないと物足りないのだけれど、なんだかあんまり攻めが変化した感じがしなかったんだよね。確かに受けに愛を語り始めてるけど、それまでとどう違うのか、があまり感じられなかった気がする。印象だけど。
青樹緫(そう)の絵は時々好きなのだが多くの場合においてバランスが悪い気がする。