野原滋『年上の男性』
モデルのバイトをしている大学生受けが、兄の同僚とひょんなことから知り合って仲良くしてもらって。
うーん、なんだかちょっと単調だった。攻めが最後のあたりまで大人の対応で、感情移入しにくいし心情もわからない。受けは、子供で攻めに甘えてるなあと反省しつつ、家族への対応や生活も直しつつなところはいいけれど、普通の人だなあという感じ。
モデルのバイトをしている大学生受けが、兄の同僚とひょんなことから知り合って仲良くしてもらって。
うーん、なんだかちょっと単調だった。攻めが最後のあたりまで大人の対応で、感情移入しにくいし心情もわからない。受けは、子供で攻めに甘えてるなあと反省しつつ、家族への対応や生活も直しつつなところはいいけれど、普通の人だなあという感じ。
上京した時からお世話になってる先輩がしくじってヤクザに売られた受け。地下オークションにかけられて、書道家の親子に一週間買われていく。無表情な息子の方が春画の制作をしているということで、そのモデルとして縛られたり、ごはん作ってあげたりしてるうちに次第に打ち解けて。
面白かった。
受けはヤクザにたいして何の借りもないので、導入がちょっとついていきにくい。あとオークションは一生モノだという先入観があり、一週間で開放されるという設定が入ってきにくかった。冷静に考えれば日本が舞台なのだし、一生モノというのは考えにくいよね。
攻めがよくわからない人で、父に抑圧され、力があって、生活能力はあるんだかないんだかで、不思議ちゃんだった。受けはイケメンで普通の人。ヤクザがえげつなくはあるけどそれほど悪い人でもなさそう…と思っていたら、いろいろ事情があった。
小山田あみさんの絵は本当に素晴らしい。受けがしっかりした体つきなのもいい。しかし、攻めが柿右衛門の壺を持って父とヤクザを見ている場面とか、なぜここにイラストを入れたのか…(笑。挿絵がエッチシーンばかりだと飽きてしまうので、いいんだけど、セレクトが不思議。
病院開院の事務手伝いに行った先で焼き鳥屋に入ったら、なんか妙な男に懐かれて、親しくなっていく話。
受けは身体が弱くて、我慢しなければならないことも多くて、心も弱くなって甘えたり逃げたりして、よろしくないこともしてしまうんだけど、丁寧に描かれているせいか好感を持って読めた。
攻めは勉強のできるアスペルガー的な人で、特に場場面はかなり変わった人で、でも周りの人に愛されてて、読んでいるうちにこちらも萌えというよりは好感を持つ感じ。
銀行の融資課の仕事は出来るけど対人関係に難ありな美人が、人気も実力もあるイケメンメガネに好き好き言われて、のめり込ませてから振ってやろうとか思って付き合い出す話。
わりとありきたりなツンケン受けがイケメンで全力で押してくる攻めに絆され結果メロメロ、というお話で、キャラもテンプレっぽいし融資先の町工場とか出てくるけれどあまり特色というほどにはならず、普通のお話だった。後日談で結婚話になってたけど、そこまで関係が成熟したようには思えなくて、ちょっとついていけない感じだった。
Kindle Ultimated。
暴対法関係で狙われている政治家の家に、妹をヤクザの人質にとられた医師がスパイとして潜入して。
設定とかは好きなのだけど、受けが黙って仕置を受けるのとそれで攻めが誤解を強めるのは少々ご都合主義的な印象。あと、なんかお互い好きになるのが唐突でついていけない感じであった。
父の借金などで幼い弟妹をかかえる受けが、弁護士の攻めの家に住ませてもらうことになって。
作中でも攻めが対等な恋人よりリードしたいというようなことを言っていたけど、受けが受け身すぎで聖母すぎな気がした。頑張って弁護士になってほしい。父をここまで嫌な人にしなくてもよかったのではないかという気がする。弟もわがままばかりな感じで印象がよくなかった。
最近こういう弟とかを育てる受けが多い。
喫茶店の三歳児に懐かれた小劇団の美人エースの十七年愛。
おじさんと若手俳優CPのスピンオフらしい。
ひつじくんのキャワエピソードが半分以上で、BLとしては特になにもなく…(笑。いや、ちゃんとくっつくけど、特に起伏もなくふつーにくっつくのみ。年齢差はものすごい。受けは最終的に何歳なんだろう。あまりアクマっぽくはない。
Kindle Ultimated。
ある事情からやさぐれているフリーのボディーガードが、知り合いの刺青師からどこかのヤクザの愛人だという少年を託されて。
面白かったけど、タイトルでネタばらししてしまっているので、最初の辺りで受けの素性が秘密っぽく書かれている部分が冗長になってしまった感があった。その謎めいた導入と、無知で無垢な少年を教育していくパートが長く、攻めが受けを愛するのがやや唐突で、クライマックスの展開も短めで少々消化不良というか、物足りないというか。
SNSで童貞ゲイの日常を面白おかしく書いていた受け。ちょっとトラブったこともありぎくしゃくした関係だった営業のリア充への憧れとか書いてだけど、その彼と仲良くなり始めて。
ややネタバレになるが、攻めにアカばれするあたりがアチャー感が強くて共感性羞恥の強い人にはしんどい。そのあたりは流し読みでもいいかも。あとバレた直後の粘着とかくどき方とか、攻めの感覚もおかしいので、これから大変そう(笑。
Kindle Ultimated。
校正者と歴史作家が居酒屋で出会ってしまい、校正者がやたら書き込むのにイライラしていた作家と、作家が素敵なキャラを殺したことに激怒する校正者が、ケンカからしだいにそんな関係に。
面白いし不思議な作品。こんなの出せるのはベテラン作家さんだからだろうなあという気はする。
うんちくや他作品の語りの部分は少々長すぎて、作者が前面に出すぎている気もした。