高遠琉加『観賞用愛人』
むむむ。期待ほどではなかったかなあ、というのが正直なところ。
貴族的な風貌でメガネで不感症の植物学教授×美形遊び人大学生(同じ大学ではない。
自分をからかう大学生にブチキレた教授が別荘に大学生監禁。
まあ端的に言ってストックホルム症候群。
世界の果てを読んだ時に、この作家はもう一皮二皮むけたら結構すごいことになるんじゃないか、と思ったけど、もうちょっとかなあ。という感じ。面白かったり、見所もあったけど、まだこんなもんじゃないだろうオラオラ出し惜しみすんなよ、というか(笑。
いや、まだまだこれから期待大、だとは思いますけど。
乙一のジャンプノベルからの脱皮みたいな路線でどうか(乙一まだ二冊しか読んでないのでアレだが。
むしろ三浦しをんか。読んだことないけど。
しかし、とまで褒めるには、文体が危険きわまりないかなぁという感もある。文体。なんて抽象的な。
なんにせよ応援してます。
とりあえず内容については、あんまり萌える感じではなかった。ってのは、ストーリの面白さが中心だからとかいう意味ではなく、つまりあまりいい意味で言ってるのではなく、受けがあんまり魅力ないんだな。なんで攻めに執着するのか、まあそれはわからなくはないけれど、一般的なレベルでしかわかんない。そりゃあれだけキレイで他者に無関心な男がいたら、誰だって気になるだろうなあ、ってレベル。この受けだからこそ、な言葉、行動って、あったかなあ。
装丁はいいね。上の画像じゃわかんないけど、マットPP。オビは黒!
北畠さんの絵は以前から線は色っぽい、と思っていたけど、ますます上手くなってきた気がする。
アレーなんかテンションいまいちだな…。あんまりうまく印象を言語化できない感じだ。