野原滋『愛されたがりの嘘つき』
精力旺盛で気軽な付き合いだらけのワンマン社長と体の関係ありな秘書、社長が記憶をなくした夜に一緒だったので、自分が恋人なのだと嘘をついて社長のお世話をする。
面白かったけれど、意外な展開はなかったのと、記憶喪失中の記憶の扱いが少々寂しい(短編で補われてはいるけど。
精力旺盛で気軽な付き合いだらけのワンマン社長と体の関係ありな秘書、社長が記憶をなくした夜に一緒だったので、自分が恋人なのだと嘘をついて社長のお世話をする。
面白かったけれど、意外な展開はなかったのと、記憶喪失中の記憶の扱いが少々寂しい(短編で補われてはいるけど。
Kindle Ultimated。
人間のご主人さまが亡くなっても家を守ってきた猫又に、調査の人間のふりをして狐が近づいてきたけど、実は前世での因縁があって。
とにかく狐が健気!可愛そう!でも再会できてよかったね…。タイトルがあってないというか、あまりいじわるな感じはしない。
猫も、後にああいう受け入れられ方をするのなら、なぜ昔はあそこまで嫌われてしまったのか…。時間の経過で周囲の人も丸くなったということなのかなあ。
前世編がかなりボリュームがあるので、二匹の小狐とか周囲の人とか、もう少し読みたかったなあという部分はある。
外見も家柄も完璧な王子なのに、付き合ってみるとつまらないとふられてばかりの大学生が、ばっちり好みの店長がいる喫茶店に通ってバイトをはじめ、次第に仲良くなるけど、付き合うわけには行かないから片思いでいたい。
というわけで受けが攻めに嘘をついて攻めも嘘をつくはめになるのだけれど、嘘の必然性がやや薄く感じて、もたもたしていう二人に感じてしまった。受けは言葉遣いがあまりお坊ちゃんっぽくなかったので、もう少し丁寧だとよかった。
呉服問屋、祖父の横暴で次男以降は殺されてしまうため女子として育てられた受け。ある日反物をもっていった華族の屋敷で美貌の攻めに見初められて。
ベタだけれど逆に言えばほぼ期待通りなのでよかった。
穂波ゆきねさんの絵が地味になりすぎているような気がする。
Kindle Ultimated。
元カレのストーカーをしていたら、元カレの依頼を受けた便利屋の男が来て拉致監禁暴行をされる話。
ネタバレになるので詳しくは書けないけれど、最初のあたりからなんか受けの内心に一物ありそうだなとは思ったけれど、思った以上の展開でとても面白かった。受けの変わり者っぷりも、その過去もとても好み。攻めは最初は普通の人だなあという感じだったけど、読み進むうちに魅力的になっていってこちらもよかった。
Kindle Ultimated。
田舎で一日一組の高級旅館をいとなんでいる受けのところに、怖いエリート風の男とAVで知っていた俳優のカップルがやってきまして。
なぜ受けがもてるのか、ご都合展開か…と思ってしまうけれど、後々の方で美形なんだなと納得できたのでよかった。
Kindle Ultimated。
義理の兄弟、平凡な兄と美形の弟。かなり非道い扱いをするけど兄を慕い続ける弟にへきえき。
面白かった。ただ、兄から弟への愛がもう少しくらいはあるとよかった。いきなり弟を探しに行くのも唐突で、理由付けがほしかった。弟が兄を慕い続ける理由も、最初のきっかけはそれでももう少し何かあったらよかったかも。
シリーズ三作目。
息子の警護をと頼まれた受けだけれど、父親が怪しくて。
今回も面白かった。父親に関する結末があいまいなのもいい。でもできればこの後消息が書かれるといいな。息子の方はまた登場してほしい。
三作目まで読んで、もったいないのでちょっと休憩をしています(笑。
シリーズ二作目。
受けが超お金持ちの起業家のボディガード業務に入る。
超お金持ちが魅力的でよい。超お金持ち周辺のゲストキャラが多いけれど、それが気にならないのが巧い。
結構古い作品なのかな?文庫版を北畠あけ乃さんの絵に惹かれて購入。
日系アメリカ人でバイアスロンでメダルをとってる受けが、ボディガード会社に就職したら、警備チーフがいじわるするけどがんばります。
三作目まで読んだ段階でもボディガード会社の設定がよくわからず、クライアントに厳しい会社だと思われていたり、理念がクライアント第一だったり、わからなくもないけれどもう少し説明がほしい。
妙に矛盾する設定は他にもいくつか気になっていて、一作目で受けがほぼベジタリアンと言っていたのに攻めのつくるローストビーフのサンドイッチが好物になるとか、なんだかな。
あと、攻めにあまり魅力がなく、一作目でのキャラ迷子ぶりは受けに危ない仕事を諦めさせようと冷たくしていたから、というのでわからなくはないんだけれど、薔薇と犬が好きなイギリス人で、イギリス風のジョークもいう、任務に徹するけど受けには甘々、というのがまとまりきっていないというか、正直設定を並べている印象があり顔が見えてこない。北畠さんの絵も合っていないせいもあるかも、少なくともイラストよりはもう少しおっさんな印象ではあるので。
キャラ描写についてはハッカーの子とかも、登場シーンではテンション高いイカレ気味のハッカーのステレオタイプだなという感じだったし、ちょっとステレオタイプなキャラが多いし、描写は丁寧ではないなと感じる。
受けが冬季とはいえオリンピックでメダルまでとっているのに、全然顔がわれてないのも少々違和感がある。
あとトムの設定がわかりにくく、三作目まで読んでやっと、仕事も恋愛も無茶する人なこと、攻めが辞めさせたかったのは警備っぷりが無茶だからで、社長が聞き入れなかったのは恋心ゆえ、というのがやっと見えてきたけど、一作目ではなんかよくわからなかった。
なんだか異常に文句ばかりに見えると思いますが、しかしお世辞ではなく面白かったし好きなのです…。攻めがあまり素敵に思えないこともあり、正直BL要素は添え物という気もするけど、ボディガード業務のお話が面白いです。でもやっぱり受けが危ない仕事をこなして攻めと再会できるとホッとするので、BLなのです。
この一作目では、前半は大物ミュージシャンのバカンス警護、そこからつながる会社への復讐をもくろむテロリストの話と、前半後半で違う業務の話になっているのが意外とよかった。
ただ、受けのバージンの扱いが軽すぎてショックだった。モブレに対する攻めの冷たさは初めてだと知らなかったこと&動揺のせいだとしてもだ…薔薇だけではなくもう少しフォローがほしかった…。