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[ 読書/BL小説 ]

水無月さらら『新進脚本家は失踪中』

 ややネタバレ。
 美形だけど大根な劇団員で、ほんとは脚本家をめざしてる受けなのですが、スランプ中朝の散歩に出たら車にひかれ、運転していたイケメン社長が面倒をみますとかゆって同居することに。
 この作家らしい淡々とした描写はわりとすきなんだけれど、そういう特徴を考えてもちょっと薄味だったかなあ。恋愛面がいまいち物足りないのかもしれない。

 攻め社長は、なんか絵もちょっとスゴかったし(笑、最初はイケメンぼっちゃんで慇懃敬語で自分ワールドで押せ押せなキャラ(わかりづらい…)かと思って、こ、これは相当へンな人っぽい、とものすごい期待してしまったのだけれど、すぐにくだけてしまって残念だった(笑。そこで期待しすぎたせいもあるのかはわからないけれど、ちょっとキャラが薄い気がした。あと子持ちだし。今までの女性や元妻との付き合いや彼女たちへの気持ちと、受けの場合のそれらとの違いがいまいちはっきりとは書かれないので、なぜ受けのことをずっと好きでいると言えるのかがよくわからんかった。
 あと、攻め社長の会社の描写がちょっとくどかった気もする。食にこだわるキャラづくりはわかるんだけど。でも、そういう攻めにたいして、受けは食にこだわらないままなのはちょっとよかった(笑。

 末尾はちょっと駆け足というか、やや雑な印象があった。目標とか成長のためにいったん離れるような描写って、この作家の他作品にもあったけど(作者は基本まじめな人なのかもしれない)、今回は受けの意思決定は唐突だし理由も母親の言葉だったりと受動的だし、その後の行動も自分勝手だなあという印象があった。悪い意味で芸術家っぽい(笑。これからも攻めは振り回されそう(笑。

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