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[ 読書/BL小説 ]

夜光花『束縛の呪文』

 ネタバレです。
 高校時代はオレ様イケメン→今は売れはじめの俳優×クォーターの同級生→今はフランスでカメラマンの弟子。
 高校時代に、受けが攻めの姉を妊娠させたことで関係が悪化、今はなんとなく受けが日本に帰ってきたときに会う感じでつきあってるのかいないのか、みたいな。けど高校時代の事件には実はウラがあって、云々。

 受けがいろいろと秘密や隠し事をかかえているので、特に最初のあたりは、受けは攻めのことすきじゃないのか、じゃあなんでこんな関係つづけているのかと、全然感情移入できなかったというかなんかよくわからんかったのだけど、事件のウラとか受けの気持ちとかがわかってみると、実はわりとBLでよく扱われるモチーフ(飽きっぽい攻めの気持ちが永続するとは信じられない、という受けの悩み)だったしわりとわかりやすかった。

 そんなこんなで、前編は中盤辺りで展開が読めて、オチもほぼ予想通り、でも後編はちょっと意外だった。後編の終わり方は、こういう系統の話には珍しい感じで、微妙にハッピーエンドじゃないような、不安な結末だったけど、ある意味かえっていさぎよくてよかったと思う。
 こういう関係だと、BLではなんとかがんばって恋人同士になって終わり、ということが多いような気がするんだけれど、そしてそういうのもすきなのだけれど、これは実際的な対応策という感じで、よかった(笑。夢はないけれど(笑。この攻めは成長してたみたいだし、大丈夫そうな気もするけれど…わかんないものね(笑。でも逆に、受けの方は変わってないというか、成長してないってことでもあるのかな?成長すべきだったのかな?という気もする。だからある意味では、とっても寛大な攻めの話、という印象もあるかもだ。

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