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[ 読書/BL小説 ]

剛しいら『匣男』

 ここのところの忙しさに「連休は遊ぶぞッ!ジョジョーッ!おれは連休を堪能するッ!」というどうしようもない冗談を思いついたのですが、そしたらなんかディオジョナにもえだした。ものすごい自家発電機構だなあと思う。仕事(なんか弁護士とか会計事務所とかそんな感じ。考古学者のジョナサンが資金援助してる)に追いまくられて疲れたディオが、のん気(ノンケ?)なジョナサンをかっさらって休暇に南の島へ、とかそんな感じ。

 とかあほなこといってたら風邪ひいた!

 安部公房かと思ったのに…とか言われないために、わざわざ匣の字使ったのかなとか思った。でもまあ、受けにしろ攻めにしろ、箱かぶって歩く男ではBLにならないか(笑

 ちいさいころ納戸にかくれるのが好きだった受けは、大人になっても狭い場所が大好きで、人付き合いはニガテ。グループ企業の傾きかけた船舶会社を任されても、お飾り扱いされてる日々。
 そんな折、ちいさいころに納戸にいる受けをいつも探しに来てくれてた攻めがアメリカから帰国、そうとう優秀な経歴の持ち主なのに受けの秘書になってくれるとかゆう。

 やっぱりこの作家は面白いなあ。
 正直、キテレツな設定はけっこうどうでもいい。あってもなくてもいい(まあ、スーツケースは面白かったけど。受けも攻めもダメ人間なところと、そのダメさの描写がとってもいい。

 やる気がなくダメ人間な受けは、ある意味リアルでいい。アメリカに留学した攻めに捨てられたとか思ってうじうじして、帰ってきた攻めがお前追い掛けても来なかったじゃないかとか言う辺りでハっとさせられた。そんな感じでこの受けは、あくまで受け身で流されてるばかりで、そもそも受けは攻めをすきだったのか、それともどこかの時点ですきになったのか、とかいうあたりさえ微妙。
 そしてテクストと攻めはそのダメさをがんがん指摘していくのに、そんな受けをあるがままにまるっと受け止めて、しかしそれは受けにとって都合がよい世界であるというわけでもないのが面白いのだ。

 ご都合主義ではないというのは、攻めもダメ人間だからなので。攻めは受けのダメっぷりをわかっていて、それでもなお、そもそも自分は受けのために留学して受けのために戻ってきたのだし、これからはずっと受けをまもってやるとかいう。でもそれはスーパー心の広い攻めだから、ではなくて、こういう受け入れ方って、攻めの異常なほどの執着と独占欲とのなせる技だからで、つまり攻めはダメ人間だから受けのダメっぷりを包み込めるという、なんというか、ダメスパイラル(笑。ダメスパイラルなのに、受けも外向きに頑張ろうとしてたりして、結構前向きなのがいい(笑。

 そんな感じで攻めも受けも感情移入しづらく、正直キャラとしての魅力はあまり感じない。しかしだからこそ、お話自体はとっても面白い。
 そして、末尾近辺であかされる、攻めと受けの関係性にかんする意外な(個人的に…)事実が…これまたとてもよかった。この攻めと受けは、は気が遠くなるほどダメでピュアなひとたちなんだなあ、という感じ。

 不満だったのは受けの名前くらいか…風宮でフミヤというのはちょっと…読みづらかった…。

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