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[ 読書/BL小説 ]

和泉桂『姫君の輿入れ』

 あなたがもし女装受けが嫌いで、
 特に対外的には女性とかいう設定が嫌いで、
 小難しい(?)中古時代設定が嫌いで、

 デモまだあきらめていないBL読みなら。

 女装受けも中古も地雷です、が、なんだかひかれたので読んでみた。

 ある事情で姫として育てられた左大臣家の末弟。家にひきこもって入内もいやがるので、すごい美人ではとか噂されてモテモテ。そんな受けに興味をもった、帝の血縁である攻め。メチャ美丈夫の色好みで光源氏にたとえられる攻めだが、帝や左大臣に反発もあったりして受けに興味を持ち、付け文、押しかけ、押し倒しー、決まり手は強引攻めー(笑

 閉じ込められてる姫に好奇心から近づいて無理矢理押しかけ攻め、もとい押しかけ夫してのめりこんで結婚まで行ってしまう展開とか、やはりこれは落窪の話型なのだと思ったりした。だからかわいそう受け好きな人向けだ。
 特に受けの処遇について、どのあたりでオチつけるのかと思っていたら、なんというか、結構潔くBLだった(笑

 家に閉じ込められ将来への不安を感じつつも、父や兄のために姫としての状況に耐えつつ、突然現れたいい男(笑)に、疑いながらも結局は頼るしかなくってそして惹かれていくとことか、オーソドックスだけどいいよね。疑ってじたじたする辺りは落窪ではないのだが、こういう反発を書き込むのはBLだからではなくて現代テクストだからだろうと思う。
 攻めは帝とかへの反発と、受けへの気持ちをどっちももってて、気持ちがあっちいったりこっちいったりで、個人的にはそういうのはちょっと苦手。もっとあるポイントからこっち一気に一途に思いつめてしまう(桐ノ院圭みたいな?)方が好みではある。でも格好よいのでいい。「薫衣の君」というあだ名とその由来はいいと思うのに、後半全然出てこなくてなんか勿体無かった…。

 *リード?の部分の元ネタはリトバスのやんちゃコピーです(笑

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