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[ 読書/BL小説 ]

高岡ミズミ『君に捧げる求愛』

 求愛はプロポーズとルビがふられています。
 ホテルの部屋に花をはこんだら部屋にいた攻め同僚に襲われかけたところに、部屋の主である攻めが戻ってきて助けてくれたのですが、彼は交流試合で来日中のメジャーリーガーでした。彼は勿論(?)NYをホームとする球団のひとつの四番打者で超イケメンです。

 BLにしたっていろいろとお手軽で、ちょっとあっけにとられた。
 襲われかけてるのを助けてもらって、なぜかベッドに運ばれてごくあたりまえのように睡眠をとり、翌日発熱する受け。一体バイトはどうしたんだ。黒目黒髪のヤマトナデシコが好きで、日本人の心がわからないと日系三世の同僚に相談する攻め。13歳まで日本育ちだったら感覚はほとんど日本人と変わらないような気もするのだが。展開も、パーティーに連れ出され、各地を回る交流試合に連れて行かれ、なんだかんだで渡米して同棲までがものすごい迅速なので、なんだか呆然とさせられてしまう。
 なんだけれど、でもその迅速さをわりきり、テンプレものとして考えると、ちゃんと面白かった気がする。意外にあんまりないCP設定だという気もするし。逆に言えば、このCP設定では、こういうベタすぎるほどベタなキャラと展開、すなわちメジャーリーガーが民間人にメロメロで、境遇の差を乗り越えてハピーエンド、にしかならないだろうと思うし、ていうかむしろそれ以外の展開はいやだなあ、という気もするし。

 ところで攻めがプロテクターつけて出てきたところであれ?と思ったのだが…この攻めキャッチャーだったんですね!(笑。第二話のクライマックスになるまでポジションすら書かれてなかったのだな、と気付いてなんか脱力しつつ笑ってしまった。こういう点(恋愛面以外の描写の薄さ)からも、やはりある意味お定まりのBLだなあという気もした。
 いやしかし繰り返しますが、でもそういう軽さはあっても、やっぱり結構面白かったのです。

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