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2009年11月24日

水瀬結月『あなたに真心にゃん急便』

 フィギュアスケートを見にいちきました。面白かった…全然わかんないけど面白かった(笑。それですごくかわゆい選手を知ったので、しばらく注意してみてみようと思いますv

4576091727あなたに真心 にゃん急便 (二見シャレード文庫) (二見シャレード文庫 み 2-3)
水瀬 結月 みろく ことこ
二見書房 2009-11-20

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 タイトルを見ただけで頭痛がしてきそうなアレなのですが、ライトなお話を読みたかったのと、あとアンドロイド攻めの『恋花火』が面白かった作家さんなので、読んでみた。

 ネコが目印の宅配便会社は、受け祖父が設立した当初からなんかかんかネコにまつわるエピが多く、ネコをおまつりして美猫さまという白ネコを大事にしてるのです。受け社長はまだまだ未熟で、幼なじみの優秀秘書にお小言言われてばっかりなのですが、ある日ネコ耳ネコしっぽがはえてしまうのです。秘書いわくそれはネコ神さまの御利益で、会社の大事な時期を示すしるしらしいのですが、こんなかっこでどうすりゃいいのか、それになんか秘書に近づくとマタタビかいだみたいにふにゃふにゃになっちゃうので困ってしまうのです。

 …なんかもう、アレなんですが。
 だから、タイトルと梗概からアレなのはわかってたので、その件はいいんですけど。
 全然BLじゃないし、受けも攻めも魅力ないし、お話自体も面白いわけじゃない。

 基本会社の話ばっかで、恋愛要素は最後にほんのもうしわけ程度にある感じ。そんな唐突にくっつかれてもなあ。
 受けも攻めも面白みのある人柄というわけではないし、恋愛描写がほとんどないので、感情移入とか以前な感じ。
 そして、その会社の話も、ネコ耳しっぽをかくしたり逆に利用したりしてがんばって、…一体どこを面白がればいいのか??オッサンたちがネコ耳とか、国家機密のネコ耳機械とか、そういうネタは、恋愛話なりなんなりの本編が面白くって初めて活きる小ネタなんでは?

 という感じで、作者は一体何をしたかったのかよくわからんかった。ネコ耳とにゃん急便というネタが、作者の中ではすごく豊穣なネタになっちゃったけど、読者と共有できなかったのかなあという感じ。担当さんとかが軌道修正すべきだったとこなんじゃないのかなあ、たぶん。

2009年11月21日

剛しいら『優しい罠』

4773099771優しい罠 (クロスノベルス)
笠倉出版社 2009-11

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 四十台独身美オヤジ大学教授はゲイでして。
 妹の再婚相手の子、つまり血のつながりのない甥っ子は、大学生のどファザコンで、こっちもたぶんゲイ。
 そんな甥っ子は、父再婚を機に父離れしようとして、美オヤジの家についてきて一目惚れ&おしかけ同居。甥っ子も相当な美人なのでオヤジも心がうごくものの、どうしても受け入れられないわけがあり、時々遊びに来る元教え子の若者をけしかけて、甥っ子とくっつけてゆがんだ満足を得ようと云々。

 …という梗概からもうすうす感じていたことですが、またとんでもなく変な話でしたね…(笑
 オヤジ視点と甥っ子視点が交互にあって、どっちも心がゆれうごきつつ、甥っ子は悩み、オヤジはいろいろ策を弄し、とんでもない手段に出たり。そんなかんじで、前半は変な話として結構面白かったんだけど、後半は拡散しすぎだしまとまらなくなって宙づりのまま終わってしまった印象。末尾はいろいろ書ききってない感じというか、これからどうなるんでしょうね、という感じ。

 後半は大きな展開があるせいもあるんだろうけれど、甥っ子は急にキャラかわってるし、オヤジの論理はよくわからんし、元教え子はつまんないキャラっぽさが増して魅力があまりない。でもまあ、この話は前半からどのキャラにも感情移入できないしあまり魅力も感じられはしなかったし、かわった設定・展開が面白かったわけなので、キャラがへんなのはいいんだけどね。やっぱりお話の展開自体がグダグダになってしまったのが残念だなあと思う。
 会話や思考がふと跳躍するのはこの作家のクセなんだろうけれど、そういうとこもうまく話が流れてるときは気にならなかったりかえって魅力に感じたりもするんだけれど、この作品の後半では特にしんどい。

 あと、オヤジのヒミツは物理的にイタターだったけど、このネタこの作家前も使ってたなあ。

2009年11月08日

藍生有『双つ龍は艶華を抱く』

4592850564双つ龍は艶華を抱く (花丸文庫BLACK)
藍生 有 鵺
白泉社 2009-10-20

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 ヤクザ・弁護士×元リーマンの旅館のあとつぎ。
 実家の旅館をついでた兄がなくなってみると、兄にはかなりの借金があり土地を売る契約までしていたことが判明。手付け金を返してなんとか土地だけは返して貰おうと買い手に会ってみれば、地元のヤクザとその双子の顧問弁護士がでてきてからだを要求されるのです。

 なんだかなあ。
 双子攻めというのは非常においしい設定で大好きなのですが、しかしそれにしても全般につくりこみが甘いというか、残念な感じ。
 双子同士が二人でひとつ、いっしょにやると快楽が二乗とかゆってキスとかするし、双子ものというか3Pものに時々ある、受けは攻め二人の絆のための媒体か?みたいな感じが残る。いちおう受けには執着があるらしく、二人で共有までする相手は珍しいんだとか言ってはいるけれど、なんか説明不足だしいまいち納得できない。受けの言動にさすが自分たちがほれた奴、みたいなこと言ったりしても、別にたいしたこと言ったりしたりしてるわけではないので拍子抜けしてしまう。
 受けの考えとか感情も、一貫性がないのかなんだかよくわからないし、そのせいかキャラも薄く、性格とか外見もあまりイメージわかなかった。

2009年10月25日

夜光花『忘れないでいてくれ』

 庭いちきました~朝は雨だったし、疲れた…!あと、オリジナルはやはり厳しいですね…(笑
 スペースにお立ち寄りくださった方、ありがとうございましたv

4344817605忘れないでいてくれ (リンクスロマンス)
朝南 かつみ
幻冬舎コミックス 2009-09

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 人の記憶を見てそれを消せる受けは、無免で診療クリニックみたいなの開いてる。ある日警官の攻めがやってきて、貴重な目撃者の記憶消しやがったなとか言われて口論してるうちに、受けは攻めのトラウマをかいまみる。それをつついて逆上させ、あげくゲイの攻めに犯されてしまう。
 その件で謝罪に来た攻めが、受けに惚れてあれこれかかわってくるうちに、受けの能力が目覚めるきっかけともなった過去の事件が浮上し、受けと攻めが意見が対立したり協力したりしながら事件の真相に近づいてゆく。

 まず、人の記憶を消すっていうのは、受けの能力ではなくて暗示をかけるだけだったのがちょっと拍子抜けだった…(笑。
 受けは結構激しい性格で、まあ普通。事件にふりまわされるような部分もあるので、その意味ではちょっとキャラが物足りなく感じられてしまった気もした。
 警官が、最初のあたりの印象からは拍子抜けなくらい結構まっすぐな性格で、ゲイなので、かわいげがある。
 受けのことを能力だけではなく気に入ってるらしい資産持ちの男が、占い師の彼女もあわせて不思議キャラだった。

 ミステリというかサスペンスの筋とか、まっすぐな攻めとまっすぐなだけでは居られない犯罪被害者の受けとの対立と愛情とか、面白かったんだがなんかもう一息たりない気がするのはなんでかなあ。いろんな面白い要素があるし、読んでてちゃんと面白かったのに、なんか足りない。
 なんかこう、上記のようにあらすじをまとめてても、まとめられた気がしないというか、いろんな要素があって思いだそうにもうまく再構成しきれない感じで、そのせいで物足りなさがあるのかなあという気がする。
 攻めのまっすぐな受けラブとか、受けの過去の事件との奮闘とか、事件の顛末とか、脇キャラとか、それぞれ面白かったけどちょっと詰め込みすぎなのかなあ。
 だから、もっと分量あってもよかったのかなあという感じ。かなりの意欲作的な印象はある。いずれ整理しつつ読み返してみたい。

 表題にもある記憶にまつわるモチーフは、ちょっと説明不足なのかなあという気もした。仕方がないんだけど、後半、あんまり受けの能力は活きてないかなあという気もしたし、タイトルのニュアンスもいまいち本編からは読み取れなかった。

 続編はありそうだけれど、しかし受けの能力的には続編というのは難しいのかな。あるといいなあ。

2009年10月18日

海野幸『愛のカレー』

4576090895愛のカレー (二見シャレード文庫 う 3-4)
海野幸 上田規代
二見書房 2009-06-23

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 少し読んでちょっと合わなさそうだったので積んでいたのだが、一応読んでみてやっぱりあんまり合わなかった。

 地方の兄弟の多い家出身の受けは、理系でなんか科学っぽい比喩とかよく使い、恋愛とかに不慣れで天然純粋な感じ。兄弟多かったせいで一人暮らしなのにごはん大量につくっちゃうんだけど、おなかすかせた攻めに餌付けしてなつかれちゃう。攻めはお弁当屋の社長で、いくらたべても満たされない病気なので、受けの大量のご飯に引き寄せられるも、まだまだ足りない…。

 なんだろう、食欲と恋愛がかさなるありようが、すごく違和感があってなじめない…料理や食べ物がからむBLなんていっぱいあるのに、なぜかこの作品は違和感…。攻めの病気の理由とか解決方法はよかったのだが、なんか恋愛にしなくてもいいんじゃない?という印象で、むしろそんな関係になるとことか微妙な気持ちで読み飛ばした。受けの理系設定とかもふくめて、なんかわざとらしさを感じるというか、筋とかキャラ設定とかが先行してる印象もある。
 続編もなんだかいたたまれず、三本目は受けの先輩と社長秘書との話だったのでよかったのだが、なんか変わり者先輩がいきなり実は美形とか言われると、逆に萎える…。

2009年10月15日

いつき朔夜『初心者マークの恋だから』

4403521983初心者マークの恋だから (新書館ディアプラス文庫)
いつき朔夜 夏目イサク
新書館 2009-09-09

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 あー。すみません、どうしてもダメでした。
 正直ショックです。好きで作家買いしてた作家さんだし、発行遅れて待ってた本だったのですが、どうしてもあたしには合わなかったのです。
 この話が面白いかよくできてるかどうか、ということではなくて、たぶんあたしに合わなかった…ということなのだとは思うのですが…。

 新任高校教師は、要領悪くて部活の仕事とか押しつけられがちなのですが、要領よく仕事断ったりしてるやな同期とのいざこざにからんんで他校の年上のせんせいと出会い、あらいい男。しかしチェリーでチキンな受けは逃げ出してしまい、後日弁論部の仕事で再会、攻めは怒っているぽいけれど、いっしょに仕事していくうちにいい感じになんだかんだ…。

 そもそも受けの名がケンキチで、生徒間でのあだながケンチキ?というのがどうしても肌がぞわぞわした。
 ちょっと年上のカコイイ攻めにくどかれて即ホテルの部屋へ、はまあいいとしても、鏡で貧相な自分の身体を見て自信喪失して攻めがシャワー使ってる間に逃げ出すあたりも誠意なくてオイイィィ!だった。
 再会した攻めは、やはり少し先輩で大人でカコイイ…らしいのだが、なんかオッサンくさいというかダサイ系のカッコつけを感じるというか、うまくいえないのだがとってもあたしの苦手な感じだった。ラップで暗記とか痛い…。

 なんかそんな感じで、全編にわたりなんかもうあたしの感覚にすごくあわなくて、とばし読みした。なんでだろうね…ここまでの拒否反応なんて久々だし、理由もいまいちはっきりしないのがきもちわるいし、しかもそれが好き作家の作品だったというのはショックですね…。

2009年09月26日

愁堂れな『嘆きのヴァンパイア―愛しき夜の唇』

4592875990嘆きのヴァンパイア―愛しき夜の唇 (白泉社花丸文庫 し 8-5)
白泉社 2009-09-18

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 結論からいうと、最近の愁堂れながダメなのか、それともあたしの打率が悪いのか、それが問題だ。

 なんだろう??こんなにつまらない作家さんだったろうか?
 多作な作家さんだし作品全部を追いかけてるわけでもないから、あたしがつまんないのばっかり選んで読んでるのかなあ、と…。

 金髪碧眼吸血鬼×龍をせおったヤクザ。
 弟を殺した対立組織のチンピラ数名にたいする殺人罪で服役してた受け。出所後、恋人兼舎弟にすべては自分らのとこの組長が仕組んでたと聞かされて逆上し復讐にむかうも、返り討ちにあって数発の銃弾をくらい死んだと思ってたら生きてて、なんかロン毛の美形白人が助けてやったんだから礼をしろとか言ってきて云々。

 吸血鬼ものというのと、受けがヤクザというのと、絵がやまねあやので美麗なので期待して読んだのですが、なんかグダグダだった。
 話の筋としては、復讐の物語が面白くないのに結構えんえんと続くし、やっと吸血鬼出てきたと思ったら交流もちぐはぐであんまし進展もないし。
 キャラも、受けはあんまし特徴なくって、逆上したり淡泊だったりという設定もただ周りに流されているだけみたいで微妙。着流しに長ドスって、まあロココ調吸血鬼にはお似合いかもしれないがそのまま新宿歩いててよく捕まらないな。
 吸血鬼は飄々としてるのはいいけど、受けへの気持ちもなんかよくわからんしもっと受けに執着するとかなんか内面語るとかしてくれないと印象にぜんぜんのこらないよ。
 受けの舎弟はバレバレだけど、それはさておいても登場してすぐあたりから非常に気持ち悪くて読み飛ばしたくなったよ。
 吸血鬼の召使いぽい少年は、ツンデレはいいけどデレが末尾にちょっとくらいなのでなんかムカつくキャラに感じてしまうし、もうちょっと受けになついたらよかったのに。

 これサブタイトルついてるけど、続くのかなあ…。

2009年09月14日

高尾理一『天狗の嫁取り』

4576091255天狗の嫁取り (二見シャレード文庫 た 6-1)
高尾理一 南月ゆう
二見書房 2009-08-21

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 祖父が亡くなって葬儀のために久々に田舎に来たのですが、裏山で黒い天狗達に襲われて、なんか白い天狗が助けてくれました。黒天狗達が獲物を横取りするなとかうるさいので、毎年天狗にゆりをたてまつる契約をしてた人間が亡くなったので、かわりに孫を伴侶にする契約をするとかゆって、衆人環視の中であんなことを!

 なんかなあ、ありきたりな人外ものだったなあ、という印象。高尾理一らしさも感じられないし、いまいちだったなあ。
 受けが素直系だからいかんのかもしれないなあ。高尾理一の素直受けって、かわいいんだけど、あんまり面白くないんだよなあ。
 攻めの天狗は、天狗らしさというか、人外らしさがぜんぜんなくって、やっぱり面白味に欠けていた。言葉の足りなさとか他者の気持ちへの疎さとかはあったけど、それって人外らしさというよりも、ただ不器用俺様攻めなだけ、って感じで。
 結局、天狗とわかりあえないのは人間と天狗で価値観が違うから仕方ないし、受けも天狗化していけばそのうち齟齬がなくなるだろう、というなんか楽観的くさいものにフタ的なラストもいまいち。受けは自分が契約の血筋でなかったら伴侶にしてくれてなかったのかも、とか悩んでいたが、天狗じゃない人間のままの自分と天狗との齟齬はなくならないだろうという点は気にならないのかな。

2009年09月08日

中原一也『ワケアリ』

4576091247ワケアリ (二見シャレード文庫 な 2-10)
中原一也 高階佑
二見書房 2009-08-21

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 ちまたでは流行っているらしい?マグロ漁船もの。
 船長×わけありっぽい美人。
 受けが男たちに狙われてるっぽいので注意して見てたらムラムラ。

 なんというか。
 キャラが薄いというか、記号が服を着て歩いているようなキャラが多かった。オラオラな海の男だけど受けの色気にはめっぽう弱い攻め、受けの秘密を握って好き放題するエロ船員、ごついオカマちゃん、礼拝をかかさないアラブ人…たちが、それぞれ今書いた以上の情報はほとんどないというか。攻めとか怒ると服を脱ぐとか、なんかなんのための設定なのか…ただよくわからんキャラというか、内面が余計わかりづらくなったというか。

 受けは中国マフィアのボス妻の不倫相手の子で、マフィアから逃げてきて、というのはワケアリにしてもワケアリすぎる。これまたとっても記号っぽいキャラで、あんまし奥行きが感じられない。
 それにマフィアから逃げるために地上を離れる、という流れ自体はわからんでもないが、マグロ漁船の中でそんなでっかい裏が必要なのだろうかとも思うし、逆にこの設定ならマグロ漁船が舞台じゃなくてもよかったんではとも思う。
 そんな受けはいろんな能力とか特技をもってて、後編ではそれらが役だったりするんだけど、なんか超人受けってだけであんまし内面とか見えてこないし、あとやっぱマグロ漁船じゃなくてもよくない?という気にさせられた。

 とはいえ、ではマグロ漁船に何を求めていたのか?と言われると、ちょっと困るんですけどね(笑。

2009年09月04日

水原とほる『午前一時の純真』

4199004785午前一時の純真 (キャラ文庫)
水原とほる 小山田あみ
徳間書店 2008-04-24

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 タイトルがいいなあと思って前から気になっていたのだがフェアで積んでたのでなんか今更読んだ。しかし…、純真なのは攻めであってほしかった…そのほうがエグくていいのに…。

 さえない大学生受けはある日深夜の駅で腹に刺し傷のある男に手助けを求められ、あれよあれよという間にいっしょにタクシーに乗せられて、なんかアパートにお持ち帰りさせられてしまうのです。ベッドとられたりなんだりして困ったのですが、男がモグリの医者に行くというので一安心してたらなんか男の拳銃を見てしまって、口封じとかゆって犯されるしまつ。そんなヤクザがよなよなやってきて、エロい写真をたてにいいようにされる日々なのです…。

 受けがとにかくダメで、ヤクザの押しかけを断れないダメっぷりがものすごいダメなのです。そして同級生のリア充にもていよく使われて、それでもリア充が好きとかゆうのもすごいダメぶりなのです。
 まあそんなダメ受けでも別にいいのですが、そういうダメっぷりでヤクザに好き放題させてしまう素地をつくって置きながら、なかなかヤクザになびかないのは一体どうしたことだ。
 なんか後半は、エヴァの二十六話を見ている気分でしたよ。えっ、あとこれしか残りページないのに、どうやってヤクザになびくの!?ページたりるの!?って。
 そんな感じなので、唐突にヤクザスキスキになられても、すんごい拍子抜けというか、なんでそうなったの???という感じでついて行けないのですよ。

 リア充はどうでもいいとして、ヤクザはヤクザで、まあ受けのことは好きらしいけれど基本ただの鬼畜だし、なんかいまいち物足りなかった。ただの鬼畜、ではなくてひと味ちがう鬼畜、だったらよかったのになあ。

 つまり、あれだ、ド鬼畜ヤクザ×普通の大学生だったら、『影鷹の創痕』の監禁ギャング×大学生のが萌えたなあ、と。あの攻めはほんとうに鬼畜だったが、少しずつ受けに心を開いていったり、その開き方がまたいまいち当を得てなかったり、凄絶な過去があったりするとこがとってもよかったのに…なのにアテウマだったのでガッカリだったんだよなあ…(笑。

2009年09月02日

いとう由貴『復讐はため息の調べ』

4813010350復讐はため息の調べ (SHYノベルス)
いとう由貴 山田ユギ
大洋図書 2004-11-27

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 第二次大戦中、機密処理の任務を遂行中にケガ人たちを島に置き去りにした大尉。戦後となり、実家は焼けてしまった上生真面目で要領のよくない元大尉は生活苦に陥っており、大事な義理の妹が栄養不足からか結核に。にっちもさっちもいかなくなったとこに現れたのは以前自分が見殺しにした元兵士で、妹を助けてほしいならお前の身体をよこせといい、復讐のために元大尉をなぶるのだが云々。

 中盤までは結構面白かった。
 受けは生真面目で不器用で、攻めになぶられつつも、恨まれるのももっともだし妹を助けてくれるのなら、と結構前向きで、攻め家の家事をしたりなんだり。
 攻めはわりとよくある感じというか、復讐にかられつつも受けのそういうところに次第に惹かれていって、という。
 なんだがしかし、ちょっといまいちカタルシスが足りない気もする。もっと受けはかわいそうでもいい気がするし。たとえば攻めが声をかけるまで妹のお見舞いに自発的に行けなかったりとか、そういういじらしいかわいそうさがもっとあったらよかった。
 というか、そういうドラマチックなかわいそうさを演出するのを抑制してるのかな?というような印象もあった。戦争ものというか、受けは過去の罪があるし、あんましかわいそうばっかりに出来ないし…という抑制を感じた。なんとなく。作者はどうか知らないけれど、テクスト主体が受けを断罪せねば、という意志をどっかに持っているような気がしたのだ。

 後半は、なんだかそういう抑制?のようなものも含めて、いろんな意図がいりまじって、収拾もつかなくて息切れしてる?という印象があった。というか、一番わかりやすい流れ(たぶん妹が亡くなる→受け自分を自分で断罪しようと自刃→攻めがなんらかの論理でひきとめるってなるのかな?と思った)を、なんでか抑制したような感じがしてて、ありきたりな流れを避け、あと上述のような受けの断罪のためにか、なんか妙な流れになってた気がする。そんでいろんな論理がグダグダとまとまらずに、よくわからないうちにそういうことになだれ込んでしまったような…。
 まあなんだか、テクストも論理や流れを整理できてない気がするし、あたしもなんだかいまいち整理できてないのだが…。

 まあいいや。
 戦争物としては(BLだからというだけの理由でこのジャンルから排除する必要はないよね)やはり戦争がいけないのであって兵士も被害者、という論理を、もうちょっとで別の角度から見据えられそうな気もしたのだけれど結局収拾つかなくてそこに落とし込んじゃった感じでもったいないなあ、という気がした。
 あとなんとなく、林芙美子『浮雲』を思い出したのだけれど、そういえばあっちは戦時下の思い出をひたすら美化して戦後がグダグダ、という逆パターンなんだよなあ。

 絵はいまいち合っていない気がした。

2009年09月01日

英田サキ『この愛で縛りたい』

4862635636この愛で縛りたい (ビーボーイスラッシュノベルズ)
リブレ出版 2009-04

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 大学からの親友同士、アメリカ行きが決まった受けはずっと好きだった攻めを監禁、無理矢理のっかって関係を終わらせようとするのですが云々。

 …あまりにごくふつうの話で、なんともかんとも。
 梗概の時点では、監禁というポイントがどう使われるのか、ってくらいの興味があったんだけど、そんなあたりもあまりに軽くてまったく面白みがなかった。受けの気持ちの強烈さとか、監禁という犯罪行為を覆すような攻めの気持ちの変化とか、ぜんぜん物足りなかった…。
 そんな感じで、キャラもお話も悪い意味でベタすぎて、しかもやけに淡々としてるので、ざーっと流してしまった。

2009年08月31日

鳩村衣杏『傍若無人なラブリー』

4344813146傍若無人なラブリー (リンクスロマンス)
幻冬舎コミックス 2008-04

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 映画配給会社の先輩の弟は、イケメン俳優×王子っぽい後輩。
 攻めがマンションの同じ階に引っ越してきて、なんか兄べったりだし感じよくないしかかわらんようにしよう、とか思ってたらなんか懐かれて、あれ?結構素直でかわいいし、なんか感受性も面白くて惹かれてしまいますわ。

 なんかなーーーなんだろう???
 やっぱりこれも、鳩村衣杏はどうしちゃったのだ、なんですが…なんかこんなことばっか言ってる気がする。最近のガッカリ感はただのあたしの主観なんかなあ、とも思っていたんだが、アマゾンヌのレビューにもそのようなこと書かれてる方いるし…。うーん。
 あ、ただ断っておきたいのは、くれぐれもあたしは文句付けるために読んでるんではないということで、梗概読んで期待して買って読んでるからこそ、こうして愚痴りたくなってしまうのです…。

 やはりごたごたいろんなキャラやモチーフ詰め込んで、それらがうまくバランスとれてない、というダメパターンが何作かある気がする。
 この作品もそういう感じで、この配給会社周辺には他作品のCPが大量にいるらしく、なんだか知らない人が我が物顔でいっぱい出てくる感じ。

 攻めはかわいいけど結構ワガママ…ていうか、そのかわいさが、書かれている以上にはわからんというか。あんなイケメンで兄のことを兄ちゃんとかゆっちゃうのカワイイ、とか受けが思っているけれど、それは同意できるけれどそれだけよね、という感じというか。
 受けはオタク・ハーフの美形・にこにこ笑顔の調整役、と設定がごたごたしていて、想像しづらい。オタク設定は宝石会社社長との話とかでいろいろ出てくるけれど、この設定なくても話的にもキャラ的にもあんまし影響ない気がする。むしろ、なんとなくオタクっぽいモノローグが、ちょっとウザキャラ気味になってしまっている気がするし…。なんとなくオタクっぽい、ではなくて、がっつりオタクだったら、むしろよかったのかも。にこにこ笑顔じゃなくって、コミュ不得手とか。王子顔で挙動不審とか。

2009年08月28日

墨蜘ルル『華と蝙蝠』

404867921X華と蝙蝠 (B‐PRINCE文庫)
アスキーメディアワークス 2009-07-07

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 吉原のすみっこの「蝙蝠」の主人は、ある日あやしげな女衒から武家の出っぽいあやしげな少年つーか青年を売り込まれ、手をつけようとしたらいきなり手合わせを申し込まれ、結局用心棒扱いで側に置くことにしましてなんだか事件の影が?

 短編二本プラスおまけ一本で、そこそこ面白かった。
 下品でちゃらちゃらしててヘタレ、でも実は裏家業をもつ蝙蝠と、武家の出ながら家族運にめぐまれずに家を出ざるを得なかった武士が、不器用ながら惹かれ愛というか。
 なんで蝙蝠が武士に入れ込んでるのか、武士が蝙蝠に惚れたのかはよくわからない。理由はないのかもしれない。でもまあ互いに出会うまでの孤独とかはいろいろ書かれてるので、まあ運命の出会いだったのねという感じ。
 前半の終わりに蝙蝠の本名がほのめかされるのだが、あたしにもすぐわかる感じで後半読んでああやはり、となった。

 文章がいまいちうまくない。呼応がしっかりしてなかったり、短文羅列&改行とか、ウェブ文体ぽいとこもある。あとなんか時代考証的にときどきエーなんですが、あまり気にしないほうが幸せ。
 金ひかるのイラストは、よくもわるくもすごく無難なんだよなあ。かわいいし。武士が少年ぽくて華奢なのはちょっといまいちだった。

2009年08月25日

水原とほる『愛の奴隷』

4877249664愛の奴隷 (ガッシュ文庫)
海王社 2009-02

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 建築事務所で働いてる受けは、小児麻痺で片足の発育が悪く、中学校でいじめから助けてくれた攻めが好き。攻めはヤクザの一人息子で、家と離れたくて外資系の不動産会社で働いてて、受けの部屋を訪ねてきたりリハビリセンターに送迎してくれたり抱かれたりでうれしいのですが、自分達はいったいどういう関係なのかしら。そんなおりに攻め実家の跡取り問題が浮上して、攻めも狙われたりなんだりときなくさいのです。

 うーん。
 自分は攻めが好きだけど、攻めは自分に同情してくれてるだけ、もしくは暇つぶしに手っ取り早くしてるだけ、だから思い上がらないようにしなきゃ…とか、受けが延々と卑下してる状況が全体の四分の三くらいをしめる。
 残りは受けが悲惨な目にあう感じなのだが、これがまたこの作家なので結構エグく、エグいわりになんというかその後の展開もあんましすっきりしないというか、いやな感じが残った気がする。

 受けが卑屈なのも臆病なのも理由はあって、それは不自由な脚による引け目なんだけれど、逆に言うとこの脚の設定は受けの卑屈さ以外というか、お話の筋にはぜんぜん関係ない気がして、ちょっとどうなのかなあとも思ってしまう。
 なんだろうね、かわいそう受けは好きなんだけれど、この受けはそういう理由はあるにしても、周りを全然見ようとしないし、あまり好きにはなれなかった。
 そんな受けの視点で語られているので、攻めはそっけないふりして実は受けが大好きなんだろうな、ということ以外はよくわからん。

 そんなわけで、お話もキャラもいまいちだったので残念。
 水原とほるは『青の疑惑』が気に入って、いくつか作品読んでみたけれど、あんまりあわないのかもしれない…。

2009年08月22日

六青みつみ『寄せては返す波のように』

4877249710寄せては返す波のように (ガッシュ文庫)
六青 みつみ
海王社 2009-05-28

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 随分間が開いてしまいましたが、一月以上前に読んだ、ちょうど記憶モノ小説その2(その1もあったのです。
 書きたいことが多すぎて感想を後回しにしていたので、かなり長いです。
 そして、前言は颯爽と翻し、これはきっと今年のステキBL最有力候補!たぶん!
 
 地表のほとんどが水没し、人類は海底都市にほそぼそと暮らしており、更に流行病のせいで女性が減ってしまった世界。
 エリィことエルリンク・クリシュナは、流行病の特効薬をつくった科学者で、この世界を統べる研究所の所長になっている。養子のショアを研究に利用し、またその身体をもてあそんでもいたことで彼に去られてしまい、はじめて彼への思いに気づいたのだが時既に遅く、失意の日々を送っていた。
 ある日研究所の清掃員にショアによく似た少年を発見し、なんとはなしに自室に呼びつけたところ、ルースという名のその少年は不幸な事故によって記憶に障害をもっており、小一時間程度の記憶しか保持できないとのことだった。
 傷つけられようが何をされようがそれを記憶できないルースを利用し、エリィは彼にショアの身代わりをさせてひとときを楽しむようになるのだが、何度会っても初対面でしかないルースに次第にとまどいはじめて云々。

 こういう記憶障害ものって結構恋愛物語ではありがちなんですかね?個人的にそういうのをあんまり読んだことがないので(あっ『明日も愛してる』さえまだ積んでるんだった!)この作品の出来について他と比較しては言えないのですが、とりあえずすんごく面白かったし、よくできてると思ったし、萌えた。

 お話としては、とりあえず、非道な攻めが改心し、跪いて受けの愛を乞う…というのがメインの話ではなく(そういうのも大好きなんですけどね、改心はわりと早めで、しかし受けの記憶障害その他のために生じるいろいろいろな障害を乗り越えてく、という感じで、全く飽きさせない構成だと思います。

 ルースはけなげな少年で、正直あんまりあたし好みなキャラではないのですが、いいこなんですよー。
 それにやっぱり、記憶障害の設定はとてもせつなく、どうしても感情移入してしまう。エリィの気持ちがショアにあると思って泣いて家を飛び出してきたのに、悲しみの理由を忘れてしまってなんでだっけ?と思いつつ泣いてるとことか、とてもせつなくてよいのです。
「おれはあなたが好きだよ。でもあなたに、こんなふうに特別に扱ってもらえる理由がわからないんだ」「ルース…」「あなたがおれを好きになる理由が思いつかない。教えてもらったかもしれないけど、おれ、忘れてしまうから…」
 ああぁ…せつない!
 エリィはダメダメだけれど(笑、なんかかわいげのあるひとですね。サンドイッチからソースとかこぼすとこが可笑しい。高級だけれど淋しげな猫みたい、というルースの評がなんだかよいです。
 銀髪のキラッキラなキャラというのもいい。メガネだし。ていうか、ルースも金髪なので、キラキラカップルだなあと思った。

 さて、記憶障害のルースとエリィとの恋愛にはいろいろな示唆が含まれているんだろう。
 自分にとってルースがどれだけ大切な存在なのか、伝えるたびに愛しさが増してゆく。
 このように、どんどん忘れていってしまうルースに何度も思いを伝えることで、エリィの思いが降り積もり豊かになっていく…というのは、とても淋しくけれどあたたかいことだなあと思う。
 エリィの愛が豊かになっていく一方で、ルースの中にはエリィの愛情は蓄積されていかないという意味では、エリィの恋愛はある意味永久に独り相撲である。けど、恋愛って結局それでいいんでは?とも思うのだ。
 他者とは永遠にわかりあえないんだとわかった上でそれでも関係をつづけていく、というテーマがここしばらくずっと好きなのだけれど、エリィとルースの関係もそんなところがあると思う。
 己の非を認めて許しを乞うそして感謝や愛おしさといった気持ちを、相手にきちんと伝えてゆく。愛情や信頼関係というものはそのくり返しで築かれていくものなのだと、この歳になってようやくエルリンクは気づいた。――ショアと、目の前の少年に教えてもらった。
 ルースの側で受け入れてくれるのか、蓄積してくれるのかというのは、重要なことだけれども、たとえそれがかなわずとも、エリィは「何か」を積み重ねて生成していく可能性を持ち得ているんだろう。
 まあ、独り相撲の恋愛というのは、一歩間違えればストーカーになってしまうのかもしれませんが…(笑。

 ルースの側からもいろいろ考えられる。
 ルースは毎朝エリィという恋人に新しく恋をする。そして、
 朝も昼も夜も、時間があれば手帳の記録を読みふける。思い出を蓄積できない脳の代わりに自分が書き連ねた詳細な記録を読むことで、想いが募り胸が熱くなる。
 こんなふうに、エリィとの恋愛の積み重ねを常に覚えているためには、常に手帳を読んでいなければならないのだろうけれど、それは不可能だし、そんなことをしていたら逆に目の前のエリィを見失ってしまうだろう。だからルースにとって手帳は記憶の代わりであってとても大事なものだけれど、けれど一番大事なものではないのだ。それこそ、エリィのために手帳を捨ててしまえるほどに。
 だけれどきっとこれって記憶障害をもつルースに特有の問題に見えて、実は記憶の一般的・本質的な問題でもある気がするのだ。そもそもルースは記憶障害だとされているけれど、ではどれだけの期間分の記憶を保有すれば「健常」なのか?というのは恣意的な定義でしかないのだし。

 そんなわけで、ルースとエリィにとって、つみ重ねていく記憶というのはとても大事であって、でもそれほど重要ではないというアンビバレントなものだし、そうした記憶のありようは、実はこの二人に限らないことなんではないかと思わされるのだ。記憶の軽さと重さか(笑。そうした二律背反な記憶のありようを、この作品はとってもうまく書いていると思う。
 後日談もふくめた終わり方がとってもあたたかい雰囲気なのも、とてもいいなあと思う。ルースの記憶障害は、本質的な部分では決して悲劇ではないのだ、という。

 あっ、タイトルもぴったりですごくいいと思う。
 藤たまきのイラストもぴったりでいいと思う(笑、絶賛気味ですかね。

 ところでこの話は、ショアのお話『蒼い海に秘めた恋』の続編だそうなのですが、こっちはあんまし惹かれなかったので未読…そして、エリィ→ショアなお話は、すごく気になるけれど今さら読めないだろうなあ…(笑
 とりあえず、更なる続編は無理としても、エリィルースの二人のお話はもう少し読んでみたいです。

市村奈央『恋愛たまご―神崎史朗(25)の場合』

4048677519恋愛たまご―神崎史朗(25)の場合 (B‐PRINCE文庫)
アスキーメディアワークス 2009-08-07

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 たまごから生まれた天使は、名前をつけてくれた御主人様のドキドキとトキメキで成長し、御主人様の恋をかなえてくれるのです。が、御主人様になったメガネリーマンはクールで恋とかしたことないしする予定もないし、なんかかんかかまってくる元気な同僚もうざったいだけなのです。

 最初の話は、面白げな設定だし、恋ができないリーマンと、そんな御主人様でドキ☆メキがもらえなくって、でも御主人様のためにがんばる天使、リーマンに惚れてる同僚と、その天使とで、そこそこ面白く読んだ。けど受けの隣家の当て馬イタリア人とか、攻めの先輩に受けが嫉妬とか、後半だんだんつまらなくなって流し読みしてしまった。
 ていうかこれ、基本設定は明神翼がつくっていたのね…そういえばなんかリブレのどっかで見たことあるような気がしてきた…。
 面白く読めたのが最初の方だけってことは、つまりこの作家の作品としては、あたしにはいまいちだったということなんだろうな…むむむ。

2009年08月20日

水原とほる『氷面鏡』

4199005072氷面鏡 (キャラ文庫)
水原とほる 真生るいす
徳間書店 2008-12-12

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 事情があって離れて暮らしていた双子の兄と、中学に入ってから再会して、それからべったりくっついて暮らしてきたのですが、興味半分みたいなかんじでそうゆう関係になったのです。が、高校生になって弟は罪悪感を感じはじめ、もうやめたいと思うものの兄は全然わかってくれなくて、ずるずるそうゆう関係が続いているのです。そんなこんなで家に帰るのがいやで公園でぼーっとしていたら、裏手のマンションの大学講師と知り合って云々。

 なんかどのキャラも好きになれなくて、読むのが苦痛だった。
 主人公からしてよくわからん。唐突に罪悪感にめざめた理由とか、そもそも性格とか、よくわからん。攻めを好きになったのも、やさしくされたからってだけなのかな。
 兄はまた、弟への執着とか感情的すぎるとことか、事情などから同情すべき部分があるにしても、正直気持ち悪いし全然好きになれない。なので、弟が兄を切れない理由も、双子だからとか、かわいそうだからとか、状況面からしか理解できなくて、兄自身の魅力はぜんぜん感じられないので、兄は勿論、弟にも感情移入できない。
 攻めは攻めで、ちょっとだらしなくて、そこそこ優しい大人の人…つまりごく普通の人なので、どうも思い入れもないし、主人公が攻めに惚れた理由もわからないし、攻めが主人公に惚れた理由もなんだかよくわからないままだった。

 どうでもいいんだがこの攻め、いくら京大出だからといって、史学系で修士卒、三十代半ばで大学講師、しかもどうやら一つの大学で数コマ持っているっぽいし…更に、既に著作が数冊って…化け物みたいな優秀な学者だなあ…と、意地の悪いことを思ったりしましたが。

2009年08月19日

水無月さらら『主治医の采配』

4199005307主治医の采配 (キャラ文庫)
水無月さらら 小山田あみ
徳間書店 2009-07-23

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 またトンデモがキター。

 クォータのイケメンで将来有望な弁護士先生、新婚初夜翌朝、滞在先の香港で人身売買組織に誘拐され、アラブの某国王にご購入される。三年後、某国の内乱でなんとか逃げだしNGOに助けられて日本に帰国するも、背中には焼き印、髪は総白髪、しかも組織になんかされた脚は検査所見にも異常がないのにうごかなくって、というズタボロ状態。家族にはうとましがられ、妻を去らせて、もうやる気なし男の彼を見守るのは、元高校の同級生兼テニス部同期兼元妻の親戚という形成外科医。しかし医師もまた、高校時代に足をいためてテニスをあきらめてからは、情熱を失ったやる気なし男で、弁護士のダメっぷりにイラついてみせたりなんだりなのです。

 …わはは。
 まず、BLで女性との新婚初夜後から始まるという破格ぶり。そこから傲慢強引なシークが愛に目覚めるアラブものになるわけでもなく、帰国後医師の情熱ややさしさに見守られて立ち直りラブをはぐくむというのでもない、という数段にわたっての破格ぶりに、敬意を表したい。なんか、たんに破格というんでもなく、BLの王道パターンにわざとかすめてそれをずらす、ってとこがこの作者らしいというか、あざとくも面白いとこだなあという気がする。
 やー、ほんと、いろんな意味で面白かったですよ。こんなふたりなので、トンチキで波瀾万丈な始まりには似合わない淡々とした入院生活だし、受けのドラマチックさに焦点化するでもなく、ふたりがそれぞれにやる気を持ち直していくありようがメインだし、その流れも淡々としていながらも、しかし興味深いという。

 挿絵も今BL絵師さんでは最も信頼できる絵師さんの一人、だと勝手に思っている小山田あみで、きれいでうまくってとってもよかったv

 難点といえば、受けの…なんというか、オノマトペがちょっと風変わりで…。
 あと、脚の治療場面は先端恐怖症気味なあたしにはワーでした。それにからんで、オチも面白くはあるんだけど、ちょっとワーなのでした。

2009年07月30日

榛名悠『貴方が咲かせた恋の薔薇』

4044541035貴方が咲かせた恋の薔薇 (角川ルビー文庫)
角川グループパブリッシング 2009-04-01

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 モデルのバイトをしてる大学生の受けは、ある日痴漢に襲われかけてたところを図体のでかい攻めが助けてくれたのですが、行き倒れかけの攻めにご飯つくってあげたらなんか餌付けっぽくなってしょっちゅう会うことに。

 痴漢に襲われかけてた受けが、いくらたすけてくれたとはいっても攻めにいいにおいがするとかゆっていきなりキスされて、それでなんでご飯つくってあげるのか…さっぱり意味不明。その辺りがやはり(作者も受けも)気になるのか、攻めのキスは条件反射みたいなもんでとかなんとか説明されてるけれど、ぜんぜん共感できないし、ああ(悪い意味で)BLのお約束なんですね、としか思えない。
 受けの友だちづきあいが表面だけ設定もなんだったのか。攻めを受け入れたのは淋しいからでもあるということなのか。よくわからん。
 モデルをしてるようなイケメンの受けが、こんなに天然で鈍いのもなんだか似つかわしくない気がしてなんだかな。
 攻めはスーパーマン攻め設定で、でもなんだか全然格好よくない。

 全体に面白みを感じられず、どっかで面白さの加速が始まるのでは…と期待して流し読みしていったら、一冊終わってしまった。くそう。

2009年07月28日

雪代鞠絵『可愛い下僕の育て方』

459287479X可愛い下僕の育て方 (白泉社花丸文庫)
白泉社 2006-07

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 副会長さま×その下僕。受けはわけあって攻めの実家に居候、攻めの横暴にだまってしたがうやぼったいメガネのさえない子ちゃん。でも実は相当の美人で、攻めだけはそれを知ってて誰にも見せたくないし、いつか受けが自分のものになってくれたら…と乙女してる。そんなある日、受けがスーパーマンなフランス系クォーターの生徒会長さまに一目惚れしてしまい、攻めは気が気でないものの、会長に告白できるようにお前を磨いてやんよ、とか言って一人暮らしのマンションに連れ込んだりあれこれしたり。

 なんだかものたりなかった。すれ違いものとしても、ギャップものとしても、なんか足りない。なんだろうね。キャラの魅力とか、展開の面白さとか、なんかまんべんなく物足りなかった。

---
 黒猫が野良犬から救ってくれた人間のところに人間化してやってくる『黒猫チビの夜想曲(ノクターン)』も途中まで読んだけど、なんかしんどくなって(特に後編)よみさし。

2009年07月26日

砂原糖子『ラブストーリーで会いましょう』上・下

4344816854ラブストーリーで会いましょう〈上〉 (幻冬舎ルチル文庫)
砂原 糖子
幻冬舎コミックス 2009-06-16

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4344817117ラブストーリーで会いましょう〈下〉 (幻冬舎ルチル文庫)
砂原 糖子
幻冬舎コミックス 2009-07-15

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 柴門ふみの作品みたいなタイトルだ。
 下巻の発売まで待って、一気に読んだ。面白かった。

 やや不本意ながら女性雑誌の編集部にいる攻めは、連載を引き受けてくれた超人気恋愛小説家の担当になったのだが、作家せんせいがへんなひとで、打ち合わせのたびにシナリオをファクスしてきて、ヒロインの相手役を演じさせられてのデートなのです。もともと自然大好き系元気でおおらかな編集者は、作家のへんな要望にふりまわされ、更にはきっちり予定くんで時間ぴったりに行動するありさまにハテナなのです。でもそういう強迫症には過去のトラウマがあったりとか、そのためもあって恋愛などしたこともする予定もないだとかいう作家先生に、編集者は次第に惹かれていって云々。

 へんなひと、特に恋愛不感症な主人公は好きだし、この受けもよかった。ただ、強迫とかトラウマにかんしては、へん、と言ってしまうのもひどいかなあという感じだし、むしろ本質的には不器用受けというかかわいそう受けなのだろう。でも印象としてへんなひと受けなのだけれど。
 受けの小説はどうやらまんま柴門ふみみたいな恋愛小説らしく、なんかあんま共感できなそうだなあ、とか思った。が、受け自身があくまでフィクションとして、仕事として書いているというモチベーションと、その小説に人生変えられたファンの温度差、そして彼の言葉で自分の恋愛に気づき始める小説家、という展開はベタながらよかった。
 あと、攻めにもらったマリモのエピソードとかもいい差し色になってた。

 攻めはわりとまあふつうの感覚のひとで、アフリカとか自然とか大好きとか、実は実家が結構なおうちとか、ありがちなキャラクタかもしれないけどいろいろな重層性もあって、いいキャラだった。

 お話はそんなこんなで、男で・しかもこんなへんな作家に惚れてしまっていっぱいいっぱいな攻めと、不器用で自分の気持ちにも周りの人の気持ちにも中々気づけない受けの、すれ違いな関係を中心とした話で面白かった。
 しかしこの梗概で上下巻って随分分量多いなあと思っていたら、結構脇キャラがよく出てきてて、攻めの同期の軟派なイケメン→オタクな外見の後輩とか、攻めの見合い相手のお嬢様とか、いいキャラが多い。
 特に、受けの家の向かいのアパートに住む恋愛体質なゲイのこは、下巻に看護士の彼氏との出会い編がかなり長く分量とられてて、これがまたいいんですよー。受けの大ファンで、恋愛がわかっていない受けに本人の著作をお薦めするとことかカワイイ。
 と、この話は、へんな受けのわりに、受け攻めふたりきりの世界、でないところがいいのだ(へんなひと主人公の話は、ふたりきり世界のが多い気がするし、そういうのも好きなのだけれど。長めで、けっこういろんなノイズ(脇キャラだけでなく、マリモとかも含めて)があって、でもそれが面白かった感じ。

2009年07月23日

いつき朔夜『征服者は貴公子に跪く』

4403522181征服者は貴公子に跪く (新書館ディアプラス文庫)
いつき 朔夜
新書館 2009-07-10

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 没落して城を手放すことになったドイツ貴族。買い手は城をホテルにするつもりの日本のホテルグループで、あらわれた男は傲岸そうな色男。なんとか契約をすませたら、日本人がこの城は城主込みで買ったのだとかゆって、城をほんものらしくするために看板城主になれというのです。

 そこそこに面白い、かな、という感じ。かな、なんですな。

 お話は可もなく不可もなく、という感じ。ドイツ描写がちょっと多すぎて、雰囲気的にはよいのだけれど、後述するようにほかにもうちょっと筆さくべきことがあったんでは、という気もした。恋愛物語としては、やっぱりドイツ描写や城ホテル関連の話が比重高すぎるかなという気がした。

 あと、キャラが薄い。
 基本受け視点なので、受けの心情はまあわかるんだけれど、とりたてて特徴のあるキャラではない。結構保守的なとこ以外はふつうのひと。
 攻めはなんかもう、一見傲慢そう、けど受けのこといろいろ考えてくれるし結構子供っぽいとこもあってかわいくて、というよくある系のキャラで、それ以上でもそれ以下でもない。メルヘン好き、という設定はよかったし、その理由もよかったけれど、いかんせんそのあたりの描写が少なすぎで書き割りみたい。受けにいつどこから惚れてたのか、なんで惚れたのかもよくわからん。そういう描写のたりないキャラを、題名みたいに征服者とか、後編では騎士とか名指されても、なんかピンとこない。

 この攻めのメルヘン好き設定みたいに、なんか面白くなりそうなのに、あんまりうまく使われてなかったりさらっと流されてたりするネタがなんだかやたら多かった気がする。
 たとえば攻めの若き秘書と老齢の受け執事が、確執してたのがよきケンカ相手に、というのも面白かったけど、一味物足りない。秘書とかもうちょっとキャラ書き込んでもよかったのでは。
 あと、両親の事故から飛行機に乗れない受けが、攻めと外国旅行できないけれどドイツ内でも旅行できるし、と思ってたとことか、せっかくラストで文化の違いを体験するのだから、ああやっぱ攻めの国の文化をもっと知りたい、とか思ってもよさそうなのに、スルーだし。
 なんかそういうもったいない感というか、ちょっと構成雑なのでは感もあり、全般に凡庸な作になってしまってるなあという感じがした。

 ていうかタイトルも凡庸だよなあ。既に使われていそうな…「征服者」「貴公子」「跪く」という単語はBLではすごくありふれているし、その順列組み合わせでしかない印象。

2009年07月22日

雪代鞠絵『honey』

4778102967honey (ショコラノベルス)
雪代 鞠絵 門地 かおり
心交社 2006-09-09

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 ちょうどつづけて読んだ記憶モノ小説その1。
 でも読んだのはたしか先月くらい。

 高校生の受けは、わけあって赤の他人である攻めに世話になっている。攻めは医師でゲイ、職場の恋人を家につれてきていちゃこらしてる。受けはそんな二人をうざったがるフリしてツンツンしつつも、ほんとは攻めがすきなのです。が、ある日いさかい中に階段落ちした受けは記憶喪失になってしまい、保護者だという攻めを信頼するわなつくわのスキスキ攻撃で、今までとは180度ちがう受けのかわゆさに攻めはくらくら云々。

 という、そんな表題作はとっても面白かった。
 攻めには恋人がいるし、自分のような子供は好みじゃないって言われてるし、受けはひねくれてツンツンせざるを得ない状況で。でもなんとか家事で役にたって、攻めの傍にいたい、というけなげぶり。そんなあれやこれやが記憶喪失になってすっとんでしまい、突然登場した攻めに最初は警戒するも、どんどんなついていくあたり、前段とのギャップがとてもせつなかわゆい。前段だけだったらツンデレお子様受けだし、あんまり感情移入できなかった気がする。
 手帳のこととか、記憶喪失になって家事ができなくなったり、甘いものに喜んだりするというエピソードがうまく活かされてて、とってもよかった。

 攻めは、受けの面倒を見なきゃ行けないのがめんどくさくって、かわいい受けに次第にメロメロになりつつ、でもそいえば受けのこと全然知らなかったってことに気づいて、普段の受けのけなげさやかわいさに気づいていく過程がとってもよい。結構ダメ人間なんですが(笑、受けの隠していたもろもろに気づいてすんごいおおらかになってしまうあたり、攻めの成長物語でもあるのかな。

 記憶が戻って微妙に気持ちは通じないまま終わっているので、続編が絶対ほしい感じなのだけれど、しかし続編はちょっとイマイチだった…。あたりまえかもしれないけれど、続編は記憶喪失ものではないし、受けが大ケガをしてなんかいっぱいいっぱいになってワガママしてしまうという感じなので、正直あまり好きなタイプの話ではなかった。受けのいっぱいいっぱいさもわかるけれど、でもワガママにふりまわされる攻めも気の毒で。甘甘な後日談も読みたい感じ。

 そんなわけでまあしかし、全体にはとっても面白かった感じです。

2009年07月21日

鳩村衣杏『好きだなんて聞いてない』

4862636144好きだなんて聞いてない (ビーボーイノベルズ)
鳩村 衣杏
リブレ出版 2009-07

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 鳩村衣杏はどうしちゃったのだ。

 もともと弟の友人で、会社の後輩でもある友人が、男を好きになってしまってとか相談してきてびっくりな俺様リーマン。真面目な友人が告白の前に経験してほんとに男大丈夫かどうか確かめたいとか無茶振りするので、俺様受けが気前よく身体貸してやんよ。

 攻めは礼儀正しく真面目な昼の顔と、エロエロで傲慢な夜の顔…はいいけれど、なんかちぐはぐすぎ。描写が足りないのでは。ただの別人じゃんか。
 受けは俺様ということだが、特に続編などではうじうじしててもきーという感じ。
 とにかく攻めのちぐはぐさが、お話のキモであるはずなのにぜんぜん魅力がなくって、展開も面白みがないし、なんかもう全体的にダメダメだった…。

 会社は『秘書の嗜み』の会社なので、若社長と秘書がちょっとだけ出てくる。

 挿絵は大和名瀬の大人っぽい受けはちょういいのだけれど、なんか体温を感じないキャラであれーこんなものかなあ、という感じだった。

2009年07月11日

高尾理一『愛咬の掟』

477309964X愛咬の掟 (クロスノベルス)
高尾 理一
笠倉出版社 2009-07

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 警官だった父はヤクザに情報流して結局消され、母もその心労で亡くなり、ヤクザをうらみつつ父を殺した犯人を捜し出して汚名をはらそうと、警官になった主人公。時効が迫る中、父の事件にかかわっていたと見られるヤクザをはってたら、なんか素っ裸で手足を鎖につながれてた。

 全体的にそこそこ面白かったのだが、なんだかものたりなかったかもしれないのと、ヤクザ×猫はもう『龍と仔猫』を書いたじゃないか…というハテナがどうしてもあった感じ。
 あ、そういえば、今回は龍ではなく虎なのか。

 父の事件がらみの展開はそこそこ面白かったし、結末も甘くはない終わり方で、受けも混乱した心をもてあましながら終わっている感じはよかったと思う。だから物足りないというのは、ラブというか、恋愛をふくめた関係性がよくわからないせいだと思う。
 そもそも冒頭からなんでいきなりヤクザが警官にこんなに執心してるのかがよくわからんし、そして最後までそれはよくわからないままだったので、ハテナなのである。ヤクザの気持ちの深さは書かれているけれど、なんで好きになったのか、なんで猫扱いしてんのかがわからないから、記号的というかテンプレというか、恐いけれど・受けにやたらに執心して・なんでもしてくれちゃうヤクザさん、というありがちキャラになってしまっていて、もったいない感じ。
 お話としての結末はいいけれど、恋愛物語としての結末はない感じだし(や、エロがなかったとかそういうことではなく)、攻めの気持ちもよくわからんし、受けも攻めを受け入れ切れた感じがしないので、お話として終わっていない感があるのかなあと思う。端的に言えば、良くも悪くも続編あるの?という感じ。続編を期待する気持ちもあるし、きっちりお話のカタをつけてほしい、という気持ちもあるし。

 続編といえば、攻めの部下とアホな手下はスピンオフねらいなのか?というCPだなあと思った。こないだの『二十六年目の恋人』でも脇CPがやたら出てきてたし、最近こういうの多い…のかな。この作家は今まであんまりそういうあからさまな脇CP書いてこなかった気がするので、意外な感じ。

2009年07月08日

凪良ゆう『初恋姫』

4592875788初恋姫 (白泉社花丸文庫)
凪良 ゆう
白泉社 2009-02

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 …というわけで、ひと月以上前に読んだ初恋姫のことなのです。感想あっためてたらなんか随分時間たってしまった。
 これは今年のステキBLの最有力候補ですが、かなりあたし好みなので、好みは別れるかも知れません。

 某藩家老の末となる名家の三男の花時雨は、両親兄二人に猫かわいがりされて育った、華族のご令嬢みたいな大学生男子。祖父の命で、今はちょっと落ちぶれ気味の主君の子孫が一人できりもりする定食屋に出仕することに。定食屋としては当然ちょう迷惑なんですが、江戸っ子気質なこともあり、なんだかんだでいちおう置いてくれることになりまして。お手伝いしてたらなんだかむねがどきどきしてきたのですが、定食屋は高校の後輩でバイトに入ってくれてるおへちゃが好きらしく、云々。

 冒頭、受けの名前が「佐治花時雨」、窓際のライラックの小鳥がリリコソプラノの鳴き声で云々、とか始まった辺りでは流石に、どうしょうこのノリついていけないかも、と少し青ざめましたが、二秒で慣れた。

 あとあらすじ読んだ段階では受け勘違いものかなあ、と思っていたら、ガチで片思いの初恋でして。うつくしいお嬢な花時雨→ややブサ専で江戸っ子気質な攻め→イケメン好きの後輩→イケメンなロクデナシ、というどうどうめぐりな人間関係で、面白くもとってもせつなくていいお話だったのですよ。

 …や、お話そのものもいいんですが、しかしなにしろ、なんというか、とにかく花時雨がカワイイィィィ!!!のですよ!この作品の面白さとか切なさ、言い換えればこのお話のステキっぷりの八割くらいは、花時雨のキャラがになっているといっても過言ではないくらい。
 華族のお嬢様みたいな受け…というので、あら性別受けかしら、女性的な受けなのかしらと少々不安だったのですが、花時雨という風変わりな名はダテではなく、そんな一筋縄ではいかない、良い意味でのクセもの受けなのです。
 花時雨はなんというか、もうもうもう、すんごく健気で気高く強く賢く凛々しく潔く、さらにはトンチキさまでをもかねそなえた、とっっっても魅力的な、ありえないようなステキキャラなのです。攻めを困らせたくなくて身をひこうとしたり、それでもなんとか攻めの役に立とうと仕事を頑張ったり、攻めの前では涙こらえて励まして、と、あまりに花時雨が健気で潔いので、攻めがダメダメに見えてしまうほどなのです。

 …や、ほんと、攻めはさ!なんというか、誠意を、もっと!もうちょっとくらいは頑張ってよ!ていうかなんかもうちょっとラブラブしてよ!物足りないよ!

 絵は、花時雨がずっと洋装なのが納得がいかなかった…。本文に描写がないのだが、洋装エプロンはちょっと定食屋的にどうだろう。似合わない作務衣でもよかったのではないかなあ。

 あと、あんまり関係はないかもだけれど、この話はなんとなく、ピロウズのラブソングなんかを思い出しました。パトリシア「涙こらえてた僕のかわりに泣きだしてくれたあの時から、歩きづらいほど風の強い日もキミとなら全部幸せ」とか、スワンキー「キミはトモダチ、いつでもすぐに僕の気分を見抜いてくれるよね、魔法みたいだ」とか、みたいな、愛とは断定しない、けれどすんごくかわゆあったかい、そんな感じ。

 あとこれも関係ないけれど、花時雨は以前某所にましましたステキなアフロディーテになんだか似てた…なつかしさびしい…。

 まあそんなわけで、性別受けやかわゆい受けがニガテな方も、この花時雨は一読の価値がある、かもしれません。

2009年06月23日

小川いら『ドクターの恋』

4344816617ドクターの恋 (幻冬舎ルチル文庫)
小川 いら
幻冬舎コミックス 2009-05-15

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 小川いら名義はたしか初めて読んだ…のだが、結論(?)からいうと、水原とほるの良くも悪くも淡々としたとこが前面に出てきてる感じで、ちょっとあたしには合わなかった感じ。しかしこの一冊だけではわからないので、もう少し読んでみたいと思う。

 麻酔科医の受けはゲイで、アメリカ帰りのスゴ腕外科医はイケメンだなあと思っていたら、なんか食事にさそわれてあれよあれよという間にそういう関係になってしまいまして。でも攻めは受けのことを軽いやつだと思ってるっぽいし、なんかこの病院に長居する気はなさげだしなので、軽々しいゲイを演じてはみるものの、しんどくなってきて云々。

 受けが勝手に悪い方へ考えてもんもんとする系なので、ちょっとしんどい。もうちょっと攻めと対話(話し合いではなくてもいいから対話)してほしい。
 攻めはなんか過去の恋が強烈だし、この受けに惚れたきっかけとかどんなふうに好きなのかとか、攻め視点の続編があってもなお物足りないので、もうちょっと詳しく書いてほしかった。

2009年06月21日

山田芽依『桃源上海―アイノアカツキ』

4592850513桃源上海―アイノアカツキ (花丸文庫BLACK ヤ 1-2)
山田 芽依
白泉社 2009-06-19

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 なんちゃって上海で男娼をしてる受けは、客にボロボロにされた帰りに上海をまとめるマフィアのボスに出会ったら、出奔してた義兄でした。なんだかんだで義兄の専属にされて、反発する受けなのですが云々。

 なんかやたら話というか、ラブの進みが遅いなあと思ってたら、以下続く、なのか…!!くそう。ひどいじゃないか。
 受けがああまで義兄を拒絶する理由がなんかよくわからんかった。圧倒的な力でもって自分を見下ろす義兄への反発とか、自分の甘えた部分に気づかされたとか、それらの複合なのか、微妙に納得できない感じ。あたしの読解力不足なのだろうか。
 義兄は義兄で、一体何があったのか、受けのことをどう思ってたのか・思ってるのか、なんかよくわからんけど、こっちはこれから語られるのかな。
 いずれにしてもとにかく一巻ではラブまでたどり着けてないので、義兄に反発しつつさんざんな目にあう受け、というだけのお話しかない感じなので、ちょっとしんどい。

 ところでこれ、サイトで連載されてたお話なんだそうで、それはいいんだけど、調べてみたら、…これ、到底二巻くらいじゃ終わんない分量あるんだね…ちょっと気が遠くなりそう。

2009年06月17日

砂原糖子『15センチメートル未満の恋』

 仕事は忙しいし飲み会に行けば帰れないし。なんぞこれ。

440352215715センチメートル未満の恋 (新書館ディアプラス文庫)
砂原 糖子
新書館 2009-06-10

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 ドールハウスづくりが好きだったけど、芸術方面の才能はいまいちだったため、結局模型制作の仕事をしてる受け。ある日ドールハウス仲間で、でも愛想なしであんましすきじゃなかったところの元同期が、なんか海外の賞をとったので展覧会にこいというのです。いやいや行ったらなんか約束を果たしたんだとかいうのですが、約束てなんのこと?とかごたごたしてるうちに階段から落ちて、目が覚めたら12分の1ドールのサイズになってたのですよ。

 攻めの手元でドール生活…という色モノながらあたしの大好きな設定で、ふふふなのですよ。
 けど設定はいいとして、なんかいまいち物足りなかったなあ…絵が、攻めの絵がちょっといまいち…。あと、攻め視点の語りがなくて、あんまし内心を語らない攻めだし、本能だけで生きてるみたいで、なんで受けをすきなのか、どういうふうにすきなのか、とかよくわからんかった。
 ドール生活はよかった。攻めのドールハウスは落ち着かないからと自分のドールハウスに住みたがる受けとか、攻めにゼリービーンズなげつけるとことか。

2009年06月11日

森住凪『異国の館に恋の降る』

4576090747異国の館に恋の降る (二見シャレード文庫 も 3-1)
森住 凪 あさとえいり
二見書房 2009-05-22

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 明治期、建築家の書生ぽいことしていた日本人子が、御主人様が友人のヨーロッパ某国貴族に頼み込んでくれたおかげて、建築を学ぶため留学することになりまして。

 架空の国なのは、考証が面倒だからなのかなあ。
 それはさておき、友人に頼まれたから仕方なく、という感じの貴族さまと、がんばりやの受けなのだが、なんかわりとふつうの話だった。受けが好奇の目にさらされたり、攻め父に排除されそうになったり、攻めは意外に受けを守ってくれて、ラブ。

 貴族×平民ものはわりとすきなのだが、すごくダメでもなく、面白く感じられる部分もなく、ちょっと読んでて平坦でつらかった…。
 あと攻めが受けのがんばっている様子を見てほれる、というのはありきたりすぎるなあ、とか思ってしまうのは、しかしなんだか随分すれた感想だよなあ。

2009年06月08日

神香うらら『桃色☆王子―胸の秘密はミルキーピンク』

 ちょっと変態ぽい話(テキストのじゃなくてあたしの)が出てきますので、すみませんです。あとネタバレもしてます。

4829624299桃色☆王子―胸の秘密はミルキーピンク (プラチナ文庫アリス)
神香 うらら
プランタン出版 2009-05-11

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 風変わりなほど赤い赤毛を気にしてる小国の第三王子は、ちょっと年上の大国の第一王子とおさななじみなのですが、成人式でなんかプロポーズされるのです。なんとか逃げようとがんばるものの、攻め王子が病気だとの知らせでとるものもとりあえず駆けつけてしまう受け王子。なんでも攻め王子は特殊な病気で、愛する者の母乳を飲まないと治らないらしいのです。

 …結局おちち出てこなかったじゃないか。詐欺だ。くそう(綴じ込み部分は妄想だったので除外です。
 ていうか、まさか攻め王子の病気は受け王子をだますための工作ではないわよね?まさかそんな安いオチではないわよね?という不安も的中し、ガッカリなのです。
 というわけで、あたしはド変態小説を期待してたのに、ただの強引攻めとかわいくて若干ツンデレでちょっとおバカな受けのお話だったのですよ。

 あと二人のキャラ立てもちょっとよわく、攻めはなんか強引なばっかりで、受けのことあんまし考えてなくないか?というとこもあったり、あとなんでそんなに受けに執着するのかよくわからない。受けは受けで、話の流れでは成長してからも攻め王子に結構なついてるっぽい感じだったのに、プロポーズ後の反応は変なこと言う幼なじみにツンツンしてるだけにしか見えず、なんか幼なじみと仲良し設定とはちょっと違和感があった。

 綴じ込み小説とかスクラッチとか桃のにおいつき、とかアホな装丁はたまには面白いね。でもよく見ると、これ文庫にしては結構高いね。
 でも好きな作家さんの小説をこういうアホ装丁で出してくれたら、すごくうれしいだろうなあ…。高尾理一とか、夜光花とか、出してくれないかしら。

2009年05月26日

神江真凪『MOON DIVE』

 ところで美容院って、雰囲気にあわせた髪型にしてくれる気がするので、ちゃんとオサレしていかないと、と思うわけじゃないですか。なので、かみがわさわさでもう限界!となって美容院に行く時って、かなりがんばってオサレするわけですよ。メイクばっちり、わさわさの髪もがんばってスタイリングして。で、美容院の鏡をみると、アレ?こんくらいだったらぜんぜんいけてない?髪切らなくってもよくない?とか錯覚してしまう罠。ちゃんと切らないと次の日からまたわっさわさなのだよ!
 というわけで、新しい髪型はいい感じなのですv短いと楽ですねv

4576090739MOON DIVE ムーン ダイブ (二見シャレード文庫) (二見シャレード文庫 か 6-4)
神江 真凪 車折 まゆ
二見書房 2009-05-22

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 作家買いまではいかないけれど、新刊出たら一応梗概はチェックする作家さんで、今回は人魚のハーフ青年は満月の夜には女体化してしゃべれなくなる…という設定に、ああ~あたしの地雷だわーと思ったものの、女体時に再会した高校時代の同級生にムラムラして無理矢理抱いてしまい…って、オイイィィィ!攻めが女体化かよ!と驚き、あたしなんか梗概を誤読してるのかしら…と不安になりつつ読んでみた。

 や、ちゃんと攻めが女体化人魚でした(笑

 親切イケメン優等生で、だけど秘密もあるし、人とは距離とって過ごしてるだけの攻めは、けれどほんとは親切でもなんでもなくって、受けにも彼女にもそうとう非道だし、初めて受けに執着を覚えて大混乱の行動原理不明瞭で、ちょっと読んでて一貫性なくてしんどい。けど性格のわるい攻めが自分の感情をもてあましてるのは読んでて面白い。
 受けは人になれない野良猫のような感じなのだが、まわりになじめない若者っぽさがすごくよく出てる感じで、とりつくしまの少ない話し方がとてもうまいなあと思った。しかし攻め視点のお話ということもあり、内面がやや不透明でものたりない。

 しかしまあ、攻めの女体化設定は斬新で面白いと思ったのだが、後半ほとんどその設定活きてないし、ていうか人魚設定の必要性はもっとわからないし…なんだかなあ。攻めの無茶苦茶さとか、攻めが何とも思ってなかった受けに近づくきっかけとかをつくるためだけなら、他の設定でも代替がきいてしまうような…。

 絵がなあ。やはりこの絵師さんあまりうまくない気がしてきた。攻めの顔が怖い…女装したまま男に戻ってる絵は特に怖いし、なんか昔の人みたい…フォークっぽい…。

2009年05月16日

西江彩夏『ナルシストの憂鬱』

 なんかいそがしいので本を読んでいる時間がないはずなのにー結末が気になってとまらなくなってしまった。

4862635970ナルシストの憂鬱 (B-BOY NOVELS)
西江 彩夏
リブレ出版 2009-05

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 わー!変な攻めのお話ですよ!

 家電店のクレーム係の受けは、そこそこきれいめなお兄さんですがゲイなのです。隣りにこしてきたイケメンはとにかくイケメンだしめちゃ好みなのですが、とにかくワガママ俺様ナルシストではた迷惑なのです。電化製品こわれたとかで夜中に呼ばれたり、いくらタイプでもこんなん好きになれないぞ…とか思ってたら、しだいにイケメンの孤独さとか不器用さ素直さとかに気づいていつのまにやらフォーリンラヴですかね、あれれ。

 わー、途中までは神のように面白く、こ、これはヤバい…!と、なにがヤバいのかよくわからないなりにかなりの危機感と期待感でゾクゾクさせてくれてたのですが、後半ちょっとグダったような。
 しかし後書きによるとこれがファースト単行本なのだそうで、一作目からあんまり神作品でも困ってしまう(?)ので、それにグダっていてもなおかなり魅力的なお話とキャラなので、よかったのかなと思います。

 しかし攻めカワイイなあ。正直読み終えて思い返すと、ワガママなのは正直だからで、率直さは素直さでもあって、実は真面目で勤勉で、恋人になると甘やかしまくりで、でも有事のさいにはいじわるで、と、なんかあんましキャラたってない気もするのだが、そんなこんなをまるっとくくって勢いで書ききってくれてる感じ。あと、よくわからんけどとにかく変であることだけは確かなので、変なキャラ好きのあたしの萌えをきっちり刺激してくれた感じ。
 受けは自分の思ってる事言えないのが優しいキャラと勘違いされがちで、それで元カレともうまくいかなかったり、クレーム処理がうまかったり、それで攻めのワガママにも振り回されたり。で、その攻めになんとか自分の思いや考えを伝えようとがんばったり、するっと伝えてたり

 なんか後半はなにが問題点なのかがだんだんぼやけてきてた気がする。
 攻めが出来ないのは怖いからで、なんで怖いのかというと受けへの遠慮だと本人は思ってるけど、受けが考えるにたぶん攻めは自分をさらけだせないからで、それがナルシストだということなのだろうが、あんましそのあたりはっきり書かれてなかったしややわかりづらい。そして、攻めのそういうところを埋めてあげたいのに、逃げてしまって別れを選んで、自分も悲しいし攻めにも申し訳なくて、という辛さはわかるのだが、それをひっくりかえして別れを諦める決心をさせてくれたのは、攻めがなりふりかまわずに来てくれたからなんだよね?ということは、それがナルシシズムを超えた、ということなので、寝る寝ないにかかわらず、それだけで攻めとやりなおそうと思えたのだ、ってことかな?
 と、まあなんか説明はできる気がしますが、もうちょっと整理して説明もしてほしかったなあ。

 というわけで、キャラもお話も構成があらっぽい気がしましたが、荒削りさが魅力でもあるような気もするし、いろんな意味で面白かった。

 タイトルはあんまし合っていないし、インパクトにも欠ける気がしてもったいない。
 絵は、金ひかるはすきなのだが、線がやわらかすぎるので、この話というかこの攻めには合わない気がした。もっとカッチリしたゴテゴテイケメンを書けるイラストレーターさんがよい気がするのです。

2009年05月12日

高尾理一『二十六年目の恋人』

4048678078二十六年目の恋人 (B‐PRINCE文庫)
高尾 理一
アスキーメディアワークス 2009-05-11

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 二十六歳でゲイでもてなくてチェリーで妄想癖の受け(推定)は最終面接でイケメン社長に一目惚れ。就職後すぐに出された出向から帰ってきたものの、社長の前で失態、しかしメガネを壊した詫びということで社長がごはんおごってくれるというのです。チェリーを話題にされると過剰反応したり、失態だらけだったり、お酒にめっさ弱かったり、社長に迷惑かけまくりなのですが、社長はアレが気になって気になって、なんかまた食事に誘ったりしてくれるのです。

 お話自体は、BLとして王道なような、めずらしいような話でしたが、全般に面白かったです。後半やや理屈っぽいのにもうちょっと整理できそうな感じはしたけれど、全体的にはよかったと思う。

 キャラがよいです。
 受けがギャーギャーうるさくて、普段だったらあんまりあたしの好きなタイプではないのだけれど、仕事が出来たり(それもあんまりわざとらしい感じではなく、実はいろいろ考えてたり、そういうとこが高尾理一の受けらしくってよかったです。うるさくて天然でダメ太郎だけれどそれでもにくめない、よいキャラなのです。
 社長はイケメンだけれど、受けは好きな人がいるのに自分につきあわせてる、とか思い込んで勝手につっぱしったり独占欲つよかったりで、やっぱり高尾理一らしいよい攻めです。はずかしいセリフも苦にならない、とか思うとこが好き。
 受けの先輩とか社長秘書とか、なんか高尾理一っぽくない感じもしたけれど、だからこそこのひとたちももうちょっと読んでみたい気がした。

 と言うかね、高尾理一のこういうコメディを前面に出したような話って、もしかして初めてなんですかね。
 あたしはこの作家のコメディ的な要素が大好きで作家買いしてるんで、こういうのは大歓迎だなあと思いつつ、もしかしてきっちりコメディなのは初めてなのか、とちょっとびっくりしたのでした。
 こういう路線また書いてほしいなあ。受け先輩の話とかも書いてほしい。

2009年05月10日

いとう由貴『天使と野獣』

 髪を切りました。こんな短いのは久々です。美容師さんに、アレみたいにしてください、とはとても言えず、なんとか回りくどく意思表示したのですが、わりとイメージ通りにしてもらえてよかったですv

477810742X天使と野獣 (ショコラノベルス)
いとう 由貴 六芦 かえで
心交社 2009-04-10

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 北東欧?あたりの架空の国にピアノ留学中の日本人受け。道に迷って邸の前で行き倒れたら、その邸の貴族が助けてくれて滞在させてくれることになりました。しかし受けをたすけてくれたのは、ほんとは隣の邸のなんか悪い噂がつきまとう嫌われ者貴族=攻めだったのです。受けは噂も気にせず隣りの貴族に近づいて、攻めも天真爛漫な受けが好きになってしまい、なんかそういうことになるのですが、お世話になってた貴族がなんか遺産問題でもめてるらしく事件が続発、攻めがそれら事件の犯人だと疑われたりなんだり。

 なんだか薄かったなあ。後半とばしてしまった。
 架空の国である必要あったのかなあ。
 遺産問題がクローズアップされてたけど、あんまし面白みがないし恋愛物語にからめてもあんまし面白くなかったし、解決に関してもなんか飛びすぎてちょっとそらぞらしくなってしまってる印象だ。
 受けはいい子というかむしろむやみに天真爛漫というか、なんかあんまり感情移入できない。性別受け的な印象もある。
 攻めはせっかくヒゲなのにあんまし活きてない。悪い噂のせいで孤独な攻め、でもほんとは優しい、というキャラもあんまし奥行きがなくて魅力的には感じられなかった。

 うーん、いろんな要素がなんかそれぞれ微妙に活躍できてないというか、勿体ないような、なんかそんな感じ。

2009年05月09日

桂生青依『恋々と情熱のフーガ』

457608013X恋々と情熱のフーガ (二見シャレード文庫 か 9-1)
桂生 青依 水貴 はすの
二見書房 2009-03-23

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 ドラマチックなタイトルにはひかれたものの、自分をふった男に会いたい旨のメールをおくったら、姓名ともに同音の名をもつ別人に偶然メールをおくってしまう…という梗概に微妙な気持ちになり、どうしようかなあと思ってはいたのですが、結局読んでみた。
 しかし…、ドラマチックなタイトルとトンチキな始まり方には良くも悪くも似合わぬ、平凡というか凡庸なお話でございましたよ。

 受けは今までは相手にあわせてばかりだったのが、攻めにはもう最初からこんなんなので自然体でつきあえるなあと思ってしだいにラブへ。
 受け元カレはきれいになってく受けに未練執着ついには事件を起こす当て馬っぷり。
 攻めは偽装結婚離婚の過去あり、チャラいようで包容力のある、なんかまあふつうの攻めですな。

 自然体になっていく受け、というのは描写的にワガママ受けと紙一重になってしまうのではないかと時々思うのです。

2009年05月07日

水瀬結月『恋花火』

 客室乗務員は男性ばかりですと…!?
 リアル『楽園30000フィート』か!

4576090550恋花火 (二見シャレード文庫 み 2-2)
水瀬 結月 立石 涼
二見書房 2009-04-23

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 アンドロイドがすんごい発達した結果、みんなアンドロイドと恋愛するようになって出生率下がってすったもんだ、今ではアンドロイドは伝統の技術継承のための記憶装置「職人形」としてだけつかわれています…というSF設定がかなり無茶な気が…!!アンドロイドもうすこしくらいはいろんな分野で使えるんじゃ!?
 とかいう疑問はなるべく気づかぬふりで。

 というわけで、院生の受けは数少なくなった線香花火工房にその技術をうけつぐために飛ばされるのだが、職人が入院中の工房で待っていたのは人間とそっくりたがわぬ職人形でして。

 なんかもっと日常生活での交流が積み重ねられてのち恋愛へ、という流れかと思っていたら、案外にもすばやくラブ的な関係になったのでちょっとびっくりした。
 なんで職人形が受けをすきになったのかはよくわからないというか、老人な職人以外では初めて出会った人間が受けなのだろうなあという感じ。しかし、全体にこのアンドロイド攻めのセリフや描写はとても面白く読んだ。

 受けのほうは、いくら好かれてもアンドロイドの感情を信じ切れないという葛藤や、そのため関係をもった後も攻めに「愛してる」という言葉は言わせないという(言わないではなく言わせない)一種むごい強制が面白かった。
 人の顔色をうかがってばかりだった過去、というのがいまいち描写がたりないというか、もう少し丁寧に設定・描写してほしかった気がする。なんかあんまり特徴のないキャラクターだと感じてしまったので。

 あと、上述のようにSF設定がちょっとあたしにはハテナものだったのだが、不要になった職人形の処遇にかんする設定はあまりに残酷だなあという感じ。なんかそういう設定の仕方がどうもなじめなかったかも。その残酷な将来の乗り越え方がちょっとお手軽に感じられたのも、微妙ではあった。

 なんかまた文句多いですが、アンドロイドというオイシイ設定で、全体的には面白かった。
 花火工房という舞台設定も最初はハテナだったが、花火にまつわる設定や花火の使い方は面白かったし、よかったと思う。

2009年05月04日

楠田雅紀『アゲハ蝶に騙されて』

4576090437アゲハ蝶に騙されて (二見シャレード文庫 く 1-2)
楠田 雅紀 三島 一彦
二見書房 2009-04-23

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 取引先のひとを接待してたらゲイバーに行きたいというので仕方なくついていったら、すんごい女装美女に一目惚れ。その後やってきた新入社員があまりに出来すぎ君なのでふさぎ込んでまた彼女に会いに行ったら、もう来んなとかゆわれて涙目。
 でもその後輩が評価されて異動とかになって、なんかもうもうもうなのでみたび彼女に会いに行ったら、彼女はあなたはこんなとこに来ちゃだめだとおもったの、とかなんか謝ってくるので、甘えて飲んでそうゆうことになって、もちろん彼女の正体はそうゆうわけだったのですよ!

 受けは自省もしてるように、特殊な状況とはいえ、ちょっと自分勝手な言動がめだつししんどい。あと、冒頭近辺からちょっとイヤな予感はしたのだけれど、とんでもない地雷(バツイチ子持ち)をかかえていて…アイター。
 でもそういうイタイ部分は、あたしの個人的な地雷って部分も大きいし、物語的には必要な/無理のない設定・展開でもあったし、それになにしろ、こうした部分を補ってあまりあるほど、攻めがちょうカワイイのです。
 無表情エリート、と思ったら実は不器用なだけ、そして女装すると泣き虫で表情豊か…と、とってもステキな攻めなのですvv作者のあとがきに、トラックの荷台に載るイケメンが書きたかったとか書かれていて、これもちょっと笑った。

 そんな感じで、お話としては全体的にかなりよかったなあと思います。

 絵がなあ、三島一彦はやはりデッサンが厳しく…女性、というか女装姿もあまりカワイくない…表紙はかわいいのだけれど。あとこの設定なら、口絵は女装姿のほうがよかったのでは。

2009年05月03日

有栖川ケイ『コーザ・ノストラに愛を誓う』

4576090569コーザ・ノストラに愛を誓う (二見シャレード文庫 あ 4-3)
有栖川 ケイ 高峰 顕
二見書房 2009-04-23

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 日本人エージェントの受けは、コジモデメディチの秘宝を捜す任務でフィレンツェの古城を改築したホテルを訪れる。ホテルを経営するマフィアにつかまって拷問をうけるも、口をわらない受けに興味をもったドン=攻めに別荘につれてかれてこんどは身体にきいてやるぜ。

 最近はやりの歴史ミステリっぽくしたかったんだろうなあ、けどラノベレベルの設定展開に終わってしまったなあ、という感じ。
 フィレンツェの描写はくどくどしくて、ああフィレンツェ好きなんだろうなあと思った。懐かしいしそれなりに楽しく読んだが、冷静に考えると結構冗長。
 そして、エージェントもマフィアも、あんまりにもテキトウすぎるよ…(涙。お手軽歴史ミステリにお手軽エージェント、お手軽マフィアという感じでどうにもこうにも軽すぎる。BLなので、それが恋愛の軽さにもつながってるので更につらい。
 たとえば受けがマフィアにつかまって、ああこれから延々拷問描写だな…と覚悟したところで、数発蹴られて銃を向けられても屈せずにいたら、あっさりマフィアは受けを認めちゃうし、いきなり手込めにして愛欲の日々だなんて、なんでそこまで唐突に入れ込めるのか…。
 受けが女々しくないのはちょっとよかったが、お手軽エージェントなこともあり、読んでてそれほど変わったところもあまり感じないのに、なぜ攻めはそんなにも入れ込むのか…と、橘かおる「鳳麗国」の受けのような、作中ではすごく褒められてるのに凡人ぽい、ハテナな印象の受けだった。
 文章もいまいちだし、コルシカの歴史は侵略の歴史って、この書き方ではコルシカはどんだけ強大な国家なのかと…(笑

 あと挿絵が、まったくイタリア人攻めという設定の美点を活かそうとしないというか、端的にいって日本人と外国人がおんなじ人種に見えるのでがっかりなのです。

2009年04月30日

月宮零時『眼鏡屋と探偵』

4877249788眼鏡屋と探偵 (ガッシュ文庫)
月宮 零時
海王社 2009-04-28

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 キター。
 なんかもうこれ、タイトルからしてちょっと怪しいのですが、内容もとってもいい感じに気がくるっている(褒め言葉です!)のですよ!

 メガネ屋で働く受けっこは尻軽ネコのメガネフェチ、ある日メガネを売りつけたさえない男に後日ゲイバーで再会。男はかけるメガネによって雰囲気がぜんぜんかわってしまう、通称フェイスレスマンとよばれる探偵なのですが、なぜか受けっこだけはメガネの魔力がつうじなくって、あっさり探偵を見破ってしまったのでびっくりなのです。それはさておき、探偵は受けっこのライバル的なかわゆいゲイっこの素行調査をしてるというので、興味をひかれた受けっこは、無理矢理押しかけ助手を買って出るのだが云々。

 お話もおかしいのだが、なんかそこらじゅうで頭がおかしい。特に受け。
「ミオ(引用者注・ライバルのかわゆい受けっこ)が同じフロアにいる時は、のんびり物色をしていられない。いい眼鏡がいたら速攻でモノにしなくてはならない」物色対象はいい男じゃなくていい眼鏡か。
 遊んでばかりいると男根の神様(って何だ???というのはさておき)のバチがあたるわよ、というバーのママに「えー、何ソレ? その神さまって、眼鏡してんの?」おまいの脳内世界はメガネ人間(ただし全員男)にメガネ神(ただし以下略)オンリーで構成されてんのか。
 更には探偵をたずねてきた刑事が視力はいいから眼鏡などいらん、というのに、「でも、いつかは老眼鏡が必要になるだろう」とか考えてる始末、おまい老眼鏡でもいいのな…もはや剛の者だな…参りました。

 しかしこのメガネフェチの変態受けっこはもうほっとくとしても、各種男子店員取りそろえ・指名や予約あり・個室でフィッティング、というメガネ屋をつくった店長はもうド変態なのではと。仕事に復帰する受けっこのために花や客が大量に来るなど、ほとんどホストクラブである。
 一方探偵は、強烈なメガネフェチ受けのせいもあって、ちょっとキャラが弱い。メガネによって別人になる、といっても、文章でそれを表現できてはいない(ちなみに挿絵も同様に変化なし)ので、あんまり「フェイスレス」な印象がないし。

 文体がラノベ的というか、やや軽めで、☆とかハートとか入ってくるのがちょっとしんどいかも。まあ、他がもっとおかしいので、文体がおかしいことぐらいあんまし気になりませんが。
 続編出たらいいなあと思いつつ、スピンオフなどの他のキャラのお話ではなくて、この二人のお話が読みたい。

 まあそんなわけで、とにかくメガネスキーとトンデモBLスキーにはオススメです。読まれた方が、いくらなんでも限度があるだろう…とドン引きされても、責任はとれません…。

2009年04月29日

木原音瀬『眠る兎』

4344816366眠る兎 (幻冬舎ルチル文庫)
木原 音瀬
幻冬舎コミックス 2009-04-15

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 クラスでみんなでゲイ雑誌見てキモがってたら、なんか女子が勝手に攻めの名前で大学生とかいつわって文通に申し込んでました。会うつもりはなかったんだけど、その女子が見に行きたいとかいうので、半分デート気分で軽い気持ちで待ち合わせ場所に行ったら、なんと相手は自分とこの高校のせんせいでした。そのまま帰るつもりだったけど、なんかずっと待ってるっぽかったので、女子と別れてからついつい待ち合わせ場所に戻ってしまうのです。そこで断ってさよならのつもりだったのですが、なんか優柔なせいかずるずるまた会うことになっちゃって、ずるずる続いて次第に惹かれていくのですが、けど自分は大学生設定で、相手もせんせいということは内緒にしてて、云々。

 高校生の青い無茶苦茶さとか、先生のか弱さとか敬語ぶりとか、なんかいいんですが、物足りない感じもあるのです。幸せになっての続編では二人のキャラがあんまし立ってないせいなのでは、という気もする。

 そして、ディスるつもりでは全くないんだが、木原音瀬テンプレートというものがあるんではないかと思い始めた。
①恋のきっかけにはウソ・カンチガイが介在
②両者の情報量と愛情に差があり、それらは反比例の関係
③追われてた側がのめり込みラブラブに
④ウソ・カンチガイがバレて大決裂
⑤ものすごい時間と労力とをつかって復縁
⑥すったもんだのわりには地道に幸せカップルになる
⑦数年後、モブキャラ主体の続編がある
⑧⑦ではモブキャラによる批判や再点検などが行われる

 ④⑤はもう少しなんとかならないのか、といつも思うのです。穏やかに復縁するということは、この作家に限ってはないのだなあ、と。逆に言えばこの拘泥がこの作家の持ち味というか、この部分をエンタテインメントとして楽しんでしまうべき(もちろんそれはキャッキャウフフと楽しむということではないのだが)なんだろう。
 あと、⑦⑧が本当に余分なのです。受けの初恋の人との再会は、なんか微妙に消化不良な気がしたけれど、これはまあ大団円への伏線でもあるのでともかくとして、そのあと更に、攻め親友が主役になっての後日談続編があるのだけれど、これはなあ。親友視点でこんなふうに、受けを批判する必要はあるのかい?親友が受けに不快感を感じているのは、大人で・教師だというのに…という倫理的な批判というよりも、単純なゲイフォビアと・自分が持ったことのない強烈な恋情への嫌悪感、がねっこだったみたいだし。だから、あんまし正当性のある受け批判には感じられないし、メインCPのしあわせに水を差してるようで、これも物足りなさの一因かなあと思います。
 それに、このキャラは本編の前半では規範意識をもちつつも差別意識のないよいひとなのかと思ってたのに、なんかガッカリという感じでもあります。

 あと本編では女子もすごいひどかったなあ。子供の無知で残酷なゲイ差別、というかなんかもう、人としてそれどうよ、レベルだろう。

 絵はデッサンがとれていないが体格よくて悪くない感じ…だが、お話にはあんまりあっていなかったような気がする。

2009年04月28日

木原音瀬『吸血鬼と愉快な仲間たち』4

4883863654吸血鬼と愉快な仲間たち Vol.4 (Holly NOVELS)
木原音瀬 下村富美
蒼竜社 2009-04-24

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 オイイイィィィィィィ!

 申し訳ありませんが、感想等を書く気になれません…!!!いや、つまんなかったとかそういうわけではないのですが…なんだこの終わり方!続きが気になりすぎて、他に書くこと何も思いつかないよ!アルがみじめでかわいそうすぎるよ!!作者も暁もマジで頼むよ!!!!!

2009年04月26日

高遠琉加『唇にキス 舌の上に愛』再

 修司いわく「人間は愛とメシでできてる」ので、「キス」は「愛」で、舌の上の「愛」は「メシ」なのだろうと思うのです。彼はだから「すげえまずい」トマトソースも食べたがったのだろう。

 愛と混乱のレストランは、ラブラブが物足りないという印象なのですが、なんかね、たぶん一般論に回収されちゃったのが淋しいのです。
 ディレクトールの、いってしまえば特殊な過去と味覚とが、このお話のキモだったのに、会長の提示したしあわせな食卓とか、修司のいただきますとか、「食」の割合一般的な側面で話が閉じてしまうじゃないですか。そうではなくて、一般論ではなくって、特別なキャラ=ディレクトールの「食」を描いて終わって欲しかったのですよ。修司によってひらかれた、そしてこれからますます豊かになっていくであろう、ディレクトールの「食」が、どのような様相を示しているのか、示せそうなのか。
 ややこしい言い回しをしましたが、ようするに「修司によって」食事をおいしいと思えるようになった状況を、もっと緻密に書いて欲しいってことでもあるんですが、つまりラブラブしてほしいということでもあるんですが、それだけではなくて、他の誰でもが持つ感情、ではない、ディレクトールにしかない感情を読みたかった、という感じ。

 ああしかし、フレンチをたべたくなりました…ゴルドの描写とかかなりスゴかった。
 ジョジョラーだしお財布的にもイタリアンに偏りがちなので、たまにはフレンチに行きたいなあと思いつつ、結構なバクチな気がしてなかなか行く機会がないのです。平均が高いけど、イタリアンよりも更に当たり外れがはげしい気がして。人も誘いづらいし。
 個人的には、高くてもいいので信頼できるお店に行きたいのですが、同じお店に通うよりも、いろんなお店に行ってみたいし…と、ワガママばかりです。

2009年04月23日

高遠琉加『唇にキス 舌の上に愛』

 そんなわけで、あたしはこの三巻の発売をなんかもう尋常ではなく楽しみにしてて、23日発売+早売りや仕事の状況も考慮して、一番早く読めそうなのは22日だと思ったので、ワクワクしながら数日前から予定くんで、昨日は終業即帰れるように頑張って、渋谷に出たけど見つからない。ツタヤでは早売りないのかーと思って新宿紀伊国屋へ向かうも見つからない。紀伊国屋は結構早いと思ってたんだけどなあと思いつつ、池袋ジュンクと神保町書泉をてんびんにかけ、ここは書店街だろうとふんで神保町へ向かい、確実に早売りしてそうなT書店にも寄ったけどみつからない。もう疲れ果ててたので、T書店では恥をしのんで、シャレード文庫の新刊でてますか…?と聞くも、明日の午後の便ですねーと言われてがっくりし、吸血鬼の新刊すら読む気になれずに何も買わずに帰った。
 そんな感じで予定がグダグダになり、今日は三巻を読んですっきりした気分でとりかかる予定だった仕事を嫌々ながら片付けて、夕方再度渋谷へ。見つからない。けど今日はここできっぱり見切りをつけて、T書店なら昨日確認したから確実なはず…とさっさと神保町へ向かい、やっっっっっとのことで入手したときには、もうほんと奇蹟かと思いました。
 あー…ほんとどうしようもない24時間だったなあ…(笑。都内どんだけ移動したんだ。

4576090380唇にキス 舌の上に愛 ~愛と混乱のレストラン3~ (二見シャレード文庫 た 2-13)
高遠琉加 麻生海
二見書房 2009-04-23

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 …終わっちゃったよ!淋しい!!
 というか、もっと甘甘ラブラブ読みたいよ!!!

 というかあれだ、ヤガミ関連の描写が多かったのと、シェフとディレクトールはほとんどずっとはなればなれだったので、やっぱその意味では物足りない気分があるのです。
 あと冒頭数十頁、いきなりシェフの回想編に入って、オイイィィ!ディレクトールほっぽらかしで回想かい!と正直思ったのだが、しかしシェフの過去や内面をきっちり書いておかないと、あれだけの書き込みがなされているディレクトールにたいするにはうすっぺらいキャラになってしまうし、必要な描写だというのは…頭ではわかるんだ…別に面白かったし…。
 ゴルドでの邂逅とか、ディレクトールがディナーするときの回想とか、すごいベタだなーというところが多いようにも感じた。

 なんかまたカラーレンジャー(@レベルE)的に一見文句が多いんですが(笑、ほんといい作品だと思うし、個人的に好きな作品でもあるのですよ。

 まあそんなわけで、もうちょっと幸せ描写はほしかったのですが、ディレクトールの「そう来ると思ったんだ!」とか、「すげえまずい」トマトソースとか、そこここでモエモエしましたよ。
 無人島に私をもっていって…ではなくて、無人島にもっていくというのはやっぱりかなりのラブですよね。あたしはピロウズをもっていきたいので。だからというわけではなく、「……嘘みたいだ」はピロウズの「ノンフィクション」みたいなセリフだし好きな場面です。

 あと本部長はちょっとびっくりした。本部長の部屋を出た後、最後にディレクトールが泣きながら言うセリフがよいですね(笑

 シェフ視点は、特に最後のほうでもう少し欲しかった気もした。こう、ディレクトールへのラブをもっと語って欲しかった。や、すげえまずいとか、ディレクトール視点でもいろいろわかるんだけど、もっと直截なかんじで語って欲しかったというか。
 あと、「コックなんて人種は頑固でひとりよがりな奴ばかりだ。自分が一番正しいと思っている」反省中ですか?「子供の頃は、頑固でいつも不機嫌そうな父が嫌いだった。優しい母をしょっちゅう怒っていて、母がかわいそうだと思っていた」あんまりディレクトール怒ったらダメですよね?
 シェフがサラとはすごく気があって、食べ物をのこさず美味しく食べてくれて、おんなじスピードで生きていける、と思うとこがよいです。イチがいうように、シェフはディレクトールには反発してて、そのあとやたら構うようになるわけだけど、誕生日の日のように、世話を焼こうとしてもありがた迷惑だったりして、そして今回もまた気持ちが重なってもあんましうまくかみ合わない感じで、だがそれがいいのです。わかり合えない・けど大事な関係、というのはすごくすきなのです。
 最後のあたりでひな鳥みたいに口をあけてしまうディレクトールがかわゆいです。シェフは調子にのってどんどん餌付けすればいいさ!(笑、だから、もっと続きが読みたくもあるのですが…。
 あと今回タイトルが好きです。地味だろうか?でも好き。

 なんかあんましまとまらないですが、なにしろ入手するだけでも大冒険だったしもう疲れてしまったので、とりあえず思いついたことだけにしておく。

2009年04月01日

橘かおる『玉帝の箱庭―紅蓮の朱雀』

4592875699玉帝の箱庭―紅蓮の朱雀 (白泉社花丸文庫)
橘 かおる
白泉社 2008-11-19

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 『玉帝の箱庭―鳳麗国の双子皇子』の二作目。
 途中でよみさしていたのを読み終えました。

 異世界に召還され「神人」として滞在してる受けと、受けを盲愛する双子の王子。隣の国に異変が起きて云々。
 …という、ファンタジーとしてのお話は非常に凡庸でつまらなく、正直読むのがちょっと苦痛。
 さらにBLとしてもいたいのが、受けに魅力が乏しいというか、うまくいえないのだが悪い意味で普通っぽいというか子どもっぽいというか。
 あと発想がとてもダメで、壺となんかの水溶液で電気が発生するはずとか言い出して、装置つくって発生させた電気をなんかヒモでPCにつないでるけどほんとにそれで動くのか…。朱雀のせいでちょう熱を持ってる山に水を掛けて山を破壊するとか言い出して、バケツリレーとか…。

 まあ、それはさておき、でも双子なのです。双子美形王子なのです。タイプのちがう双子なのです。それだけはこのシリーズのおおきな醍醐味なのです。イラストとか、どっちなのかが書かれてなくてもわかるからスゴイ。

2009年03月27日

いとう由貴『哀しみは雪のように』

4778106873哀しみは雪のように (ショコラノベルス・ハイパー)
いとう 由貴 上田 規代
心交社 2009-01-24

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 母や義父、妹を守るために借金のカタにロシアンマフィアに売られた受け。エロジジイになぶられ、EDのエロジジイにかわってその義理の息子=攻めに抱かれるというとんでもない日々だが、攻めは二人でがんばって幸せになろう、とかゆうので、攻めの忠告にそって受けはなんとかジジイに気に入られていく。
 ある日ジジイの隠し金庫を見せて貰った受けは、すぐさま攻めにチクり、攻めはクーデターをおこしてマフィアのトップにのぼりつめ、ジジイは心臓発作で病院に収容、そして二人は幸せに…なるわけねーだろw

 いやー、この作家いいですね。なんというか、攻めの異常性とか非道さがとってもあたし好みです。受けを縛るためにとんでもないことをする『恋の誘惑、愛の蜜』とか、記憶喪失の受けをだまくらかす『禁断の罪の果実』とか。
 とはいえ、そういうエキセントリックさは狙って書かれたものなのかどうかはいまいちわかりませんが、でもあとがきでも攻めの微妙っぷりには触れていたなあ。

 というわけで、始まりかたからトンチキだったのでちょっと心配でしたが、そして完璧面白い!神作品!とまでは言えませんが、面白かったです。

 攻めはすげー最低で、だがそれがよいのです。ほんとは実の祖父だというエロジジイ、もといボスへの執着とか確執とかも、なかなかよいかんじの背景として機能しています。
 そんな背景のために愛など知らない攻めなので、受けにどう感情移入してくのか、安直に愛を知ってしまったら陳腐にならないか、と思ったけど、この話は愛を知らない傲慢攻めが猛省してひざまづいて愛を乞う、という話ではなかったので、受けラブ!愛してる!というふうにはならないのですが、でも不満な印象はなかった気がします。受けの手を云々、という決め台詞がとってもよいのです。

 受けは家族のことを思い出すあたりとか、騙された自分が馬鹿だったみたいなかんじの心情とか、弱弱しかったり嘆いていたり恋に目がくらんでたりするだけの受けではないので、よい受けですね。受けもまた、決め台詞というか口説き文句がとってもよかったです。

 この作品で一番マズかったのは、きっとタイトルですね。
 もうね、ページの上にちいさく書かれてるタイトルが目に入ってしまうたびに、あたまの中でハマショーがオウオウうたってしまうの。もうね、萌えもしぼむというものです。
 や、内容にはよくあってるタイトルなんですけどね。

2009年02月22日

夜光花『凍る月 ~灰色の衝動~』

 過去の記事で画像が表示されなくなっていたのをブログパーツで補正しましたv
 J庭の新刊がちょうマズイですv終わりそうにありませんv

4812437253凍る月 ~灰色の衝動~ (ラヴァーズ文庫)
夜光花 高橋悠
竹書房 2009-01-24

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 獣人×その餌の三巻目。
 英国に帰っていた攻めがなんか餌の女の子つれてきて契約したとか言ったり、街に出た受けが親切な男の人と知り合ったりなんだり。
 相変わらずなので面白かった。

 受けはちょっと危機感が足りないのは相変わらずか。でも成人するまでずっと閉じ込められてたんだよねそういえば。外が見たいのも考えが甘いのも仕方がないかと。
 しかし面うちはなんか半端な設定になっちゃったね。いい加減ぽい性格に見えてしまうし、ないほうがよかった設定かも。

 攻めはなんであんなとんちんかんなんだー。女の子と契約したとかって平気で言って、自分だって受けが一時親友と契約したらめっさ傷ついていたじゃないか。なんでわかんないんだ。受けとの契約が続行中だから、別にかりそめの契約だから、とかそんな感じか。でも人格というか性格というかに問題があるのは不器用だからなので、いい攻めです。

 街で出会った親切なお兄さんはやっぱりなオチで、それでも最後に受けと一緒にバスに乗るのがなんだかよかった。

2009年02月15日

名倉和希『恋愛記憶証明』

4344815440恋愛記憶証明 (リンクスロマンス)
名倉 和希
幻冬舎コミックス 2009-01

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 二五歳金持ち家息子。ある日目覚めたら精神科医が、五年分の記憶消したから、三人の知人の中から彼氏だった男をあててみ、とか無茶苦茶なのです。どうやら、彼氏が変わらぬ愛とか信じられないと言うので、記憶をなくしてもかわらず好きだって証明してやんよ!ということで、自分で望んで記憶を消してもらったらしいので、休暇の一月の間に彼氏を見つけなければならんのです。

 おもしろげな設定なのだが、しょっぱなからああこの人が彼氏だろうなとミエミエで、ていうか表紙からしてそうかなって感じだもんなあ。もうちょっとかくしておいてほしかった。

 ていうか、彼氏もその他の候補者も描写がうすくてパーソナリティが見えてこず、だから彼氏捜しの面白みも切実さもあんまり感じない。面白い設定なのにもったいない。
 特に、彼氏については、魅力がよくわかんないからなんでだんだん惹かれていってるのかよくわからん。彼氏自身に魅力があるかどうかという問題ではなく、主人公の恋心は記憶を操作しても消えなかったよ!というだけの描写なのだろうか。だとしても、やっぱり結局感情移入できない描写だということになるんだが。

 その後のふたりがちょっぴり書かれているのだが、このお話はそれプラス過去の二人も書いて欲しかった。本編は特殊設定のギミックを中心としたお話なので、彼氏も主人公も性格や魅力の描写がたりなくて、恋愛物語としてはすごく物足りないから、過去篇を書いて補完してほしかった。
 あと本編でも、彼氏視点の、主語をぼやかした語りとか入れたらもっと面白くなったんではと思う。
 設定は面白いのに人物も物語もちょっと薄い印象だったがら、そういう重層性をつくることでもっと面白くなったんじゃないかなあと思う。

2009年02月13日

樋口美沙緒『愚か者の最後の恋人』

4592850424愚か者の最後の恋人 (白泉社花丸文庫BLACK)
樋口 美沙緒
白泉社 2009-01-20

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 初単行本でしょうか。すんごく面白かったです。

 古イタリアふうな架空の国、遊び人で男も女もな領主次男に、呆れていやんなりつつ仕えている東洋系の従者。従者はひょんなことから領主家につたわるホレ薬を飲んでしまい、嫌いだった次男にほれてしまう。次男はいつもツンツンな従者がめろめろなのをおもしろがって、さんざんからかったりなんだり。
 ところで、ふたりが滞在している国の領主は変わり者で、愛人の子の異母兄弟がふたり。遺産問題でもめていて、先代領主は自分の最愛の恋人の子供が現れたらすべての財産を譲渡するようにと遺言してる。その恋人が東洋系だったとかで、くだんの次男はホレ薬の解薬がほしかったら、滞在先の国の領主をおとしてみろとかなんとかかんとか。

 受けは、キライな相手にホレ薬でホレてしまい、しかし長いつきあいによる感情や事件の伏線とか、近い分だけやなとこもいいとこも知ってる関係性とか、そういうので心が乱高下しつつ動いていくありようが、目新しくていいし、また描写も丁寧なのでとてもよかった。攻めにどんどん惹かれてしまう様子も、でも東洋系であることとか母に捨てられた過去とかのために意地を張らざるを得ない様子も、いじらしくてかわいい。

 しかしというか、攻めがもうかなりどサイテーで(笑、薬に翻弄されてる受けの気持ちをぜんぜん考えず、友人の美形少年にやたら優しかったり、受けをないがしろにしたり、自分に薬でホレてる受けを利用して目的をとげようとしたりなんだり。
 あと、冒頭とかでは東洋系の受けにたいする人種差別がすごくて、後にそれはどうやら受けをからかって楽しんでるだけだとわかるのだけれど、ともあれそういう背景のために東洋系で・いつもツンツンしてしまうかわいげのない自分と、金髪碧眼の美形でかわゆい攻めのまわりの少年たちとを比較して、受けはぐるぐるするハメにおちいってるのですよ。
 なんかしかし攻めは基本悪気はないらしく、また最後にはちょっと株を上げて受けとくっつくのですが、いくら悪気ないにしても結構どうしょうもない発言行動多いよなあ…。

 でも、そういう攻めをあんまりきっちり批判してしまうとお話が破綻してしまうのだろう、BLとしては(破綻させて破格なお話つくっても面白そうだけど、かなりの力業がいりそう。
 だから受けも攻めにたいしてあんまり理論づめで反抗とかしないし、結局物語の論理自体も攻めを許容してしまうし、まあなんというか、攻めはもうちょっとくらいは責められてもいいんではないかと、ちょっとイライラする感じなのです。

 とはいえ、全般には面白かったです。上述のイライラもふくめて、キャラ描写はこってりしっかりなされてたし、そもそもちょっとミステリふくんだお話の筋自体もおもしろかった。

 こういう、いろんなキャラやそれに付随する物語がいっぱい織り込まれてるお話にはよくあるように、何か忘れてないっけ、という物足りなさは残る。でもそれはモチーフが多いせいなので、どんなにうまく構成されててもある程度の物足りなさは残るんだろうなあという気がする。

 一見文句が多いのはカラーレンジャー(レベルE)のよくあるパターンなのですよ。

2009年01月18日

いとう由貴『恋の誘惑、愛の蜜』

 ネタバレというかネタはバレバレなのですが、展開バレ気味です。

4773099461恋の誘惑、愛の蜜 (CROSS NOVELS)
いとう 由貴
笠倉出版社 2009-01

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 高校時代の同級生、イケメンモテ男の親友は女の子をとっかえひっかえで、歴代彼女の話とかべたべたした関係が大嫌いだとかさんざん聞かされてる凡人は、イケメンにひっそり恋しているので心がいたむのです。社会人になって、フランス帰りのパティシエと男性誌のグルメ部門編集者となったふたりですが、恩師をなくしたパティシエをなぐさめようとしてなんかそんな関係に。受けとなった編集者は、イケメン攻めに飽きられないよう嫌われないよう、がんばってそっけない態度をとるのですが云々。

 なにげなーいお話ですが、結構とんでもないです。攻めが一見イケメンなのですが、ド最低かつイってしまわれてる感じです。
 そもそも、冒頭近辺の攻め視点の語りで「高校時代の貴之はもっぱら女性専門だったが、留学でフランスに行った時に男の味を覚えていた」とか出たあたりで、うわー最低攻めくさい!と思ったのですが、受けの同行してる先輩編集者に猛嫉妬するわ、すんごい気分屋になって店の仲間をびくつかせるわ、最低だしなんかもうぜんぜんカッコよくないのです。他にも、受けに好きだと伝えてないことに気づいたものの、好きとか言おうとしただけでこんなにどきどきすんのはじめて!とか、まず自分のことだもんなあ(笑。最後は攻めの好意を信じられない受けが、先輩を彼氏といつわって離れようとしたら、嘘ついて呼び出し+無理矢理+写メ撮りという半狂気のド最低コンボ。思わずへんな笑いももれるというものです。

 なんだかボロクソですが、しかし、決してけなしているわけではないのです。だって、このお話はどういうオチになるのか、この攻めの信じられなさを受けはどう克服すんのか、と思ってたところにこの狂気じみた展開が登場し、ああある意味ベタだけどそれはそれでアリかも、と思ったのも確かなのです。
 だって、これこそが本当の恋だなんて、攻め以外の誰も(読者も)信じられるわけがないのです。そしたら、これくらいの担保はあってもいいのかも、と。だからラストの場面も写メなんかじゃなくて、それこそ受けが後で考えてたように、映像をとりながらとかいう展開だったとしても、よかったんではと思うのです。BLとしては本当にどうかと思うけれど(ロマンチックではぜんぜんないよね、笑)なんかそれくらい飛んでしまっても、よかったかもなのです。
(まあでも、この攻めは、なんか数年後には心変わりしそうな気もするけど!笑

 しかし…、これ作者はどこまでわざとなのか…(笑。この攻めって、めちゃくちゃカコワルイよね?自己中だよね?って、意図だったのかどうか、微妙にわかりません…(笑。まあ、後書きにあるように、別にこの攻めは「変態」ということではないのだとは思うけれど、もっとタチわるいよね…?

 織田涼歌は絵がかわった気がする。

2009年01月10日

須和雪里『サミア』

 きのうはジョジョ女子会が開催されました!
 いつもよりネタバレです。

4776795140サミア (CITRUS NOVELS) (シトラスノベルズ)
須和 雪里 門地 かおり
宙出版 2008-12-09

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 短編集。
 表題作は、死ねない身体にされて宇宙を放浪する刑を受けている宇宙人が、自分を唯一殺せる鍵をもった地球人の高校生のもとへやってくる話。
 なんていうか…、BLではない気がした。高校生が死ぬ間際に宇宙人を殺してあげればいいのかな、と思ったら、高校生が不意に死んでしまったらどうするのとかいう話になるわ、それでもまだ猶予はあると思ってたら突然鍵の寿命がくるわ。そして、よもやと思ったアンハッピーエンド。こういうお話としては特に筋をはずさない、まあいってしまえばベタなお話という気がしたし、アンハッピーエンドでもいい、と思えるような惹かれる要素がなかったので、個人的にはいまいち好きになれなかった。

 二作目以降はなんかエクリチュールがコメディっぽくて、本来的にはこういう雰囲気の作家さんなのかなあという印象をもった。
 家族にめぐまれなくって感情の未発達なイケメンが、同級生の男子を泣かせてみたいと思っているのに恋ではないと思ってる話は、特殊な志向の攻め一人称でほんのり笑わせつつ、ちょっとせつないとこもあったり、でもなんか文体のせいかみもふたもなかったりで、おもしろかった。
 高校生が事故にあってハムスターに憑依してしまったら、飼い主は同級生で、しかも自分のことが好きらしい話も同様に笑える感じで面白かった。

 しかし全体にあまり萌えはないように思います。うーん。もうすこしだけ萌えがあったら、かなりあたしの好みな感じなのですが。

2009年01月05日

よみさし。

 かわい有美子『進行性恋愛依存症』傲慢ノンケ社長が大学時代にケガでバスケ選手の道をたたれたころも、社会人になって突然呼び寄せられた今もつくしてる受け…が、かわいそうすぎるというか、過去編の後半もふくめてつくしてるばっかりでなんか読んでてうつうつとしてきてしまい、途中でいやになってしまた。

 小林典雅『美男の達人』なんかモテ塾のうんちくがずらずらと続いて、一体何の本なんだろうと思った。そのうんちくも理論立てて構築されたものではないのだろうし、かといって笑えるようなネタでもない。肝心のBLは、同僚につきあってやってきたノンケが美人講師に惚れて、たしか講師には子供もいたような。パラ読みしたけれど、なんかあんまり面白い展開でもなかった気がする。

 名倉和希『ラブ・トライアングル』イケメンオヤジ探偵→理容師←探偵の息子のイケメン高校生。なんか途中で飽きてしまった。キャラたちにあまり惹かれなかった。しかし気が向いたら続きも読むかもしれない。

 水無月さらら『僕はうさぎ少年』なんだか…、雰囲気がよくわからなかった…BLなのかな。かわゆい受けに惚れたイケメンは元不良でもともとはそっくりな妹に一目惚れしていたらしい、のはともかく、高校生っぽい雰囲気がメインなのか…しかしその高校生っぽさが、ちょっと古いというかついていけないというか。

 金田正太郎『マハラジャ(藩王)と私』近代日本の洋食屋さんウェイターとマハラジャなのだが、考証どころではない絵だし、漫画がうまくなくてどうしても読めない…。

 金丸マキ『豹くんの異常な愛情』他の男×豹とか、お隣さん×妹とか、BLではない感じだしライト一人称が個人的にあわなかった。

2009年01月04日

砂原糖子『恋のはなし』

4403521819恋のはなし (新書館ディアプラス文庫)
砂原 糖子
新書館 2008-02-09

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 性悪ノンケ×おぼこなゲイ…という王道CP。
 ホテルづとめの美形ゲイは、いままで男とつきあったことがないのです。あるとき昔片思いしてた相手=今は親友に、男を紹介してやると言われて出向いてみたら、なんかすごいタイプなのです。が、実はその男は親友のいとこで、都合が悪くなって来られなくなった従兄弟の伝言役のノンケだったのです。たちのわるいノンケは脚本家で、美形ゲイに興味をひかれて自分は代理だということをかくしてつきあいはじめて云々。

 王道でよいですね。攻めがたちわるくてよいですね。続編で、物慣れない受けにアホらしくかつひどいウソをついて、受けもまたそれを信じてしまうあたりが可笑しかった
 あと受けが、攻めのウソにきづいてもすぐに切らないとこが、ありがちではなくてよかったように思う。ノンケだと気づきつつ付き合いつづけて、自分は女性と比較されてるのだろうと思って勝手に傷つくあたりが、面白かった。

2008年12月31日

★2008・BL小説ベスト10

 ということで、暮れもおしせまってまいりまして、BL小説ベストです。
 小説は年間バージョンですが…、これまた漫画以上に偏ってますね。なんかあんまり企画する意味ないかな…(笑。
 あ、ついでにいちおうルールの確認です(いちおうはルールと確認とにかかってます。2008年にBLレーベルから出版された単行本のうち、あたしが読んだものが候補です。評価の基準は、面白いかどうか萌えるかどうか。再刊でもキニシナイ!

 次点は、和泉桂『貴公子の求婚』高遠琉加『王子様には秘密がある』ごとうしのぶ『誘惑』です。

 ということで、今年もマヨイガをご覧くださり、ありがとうございました!どうぞよいお年を!

美しいこと(上) (Holly NOVELS) (ホリーノベルズ) 1. 木原音瀬『美しいこと(下)』
 『美しいこと』の完結巻。
 「まるで恋でもしているようだった」正直に言いますが、ベタ惚れしてます。しばらくはこれが自分史上最強BL小説だろうなあと思います。ハピーな経験ですね。
萌え★★★★★
文章★★★★☆
物語★★★★★
挿画★★★★★
愛と混乱のレストラン (二見シャレード文庫) 2. 高遠琉加『愛と混乱のレストラン』
 フレンチレストランのシェフ×ディレクトール。
 俺様なシェフに不器用なディレクトール、まだまだ恋愛どころの話じゃない、のですが、とっても面白いし萌えます。語りでも、それぞれの視点の差異が活きてますね。
萌え★★★★★
文章★★★★☆
物語★★★★★
挿画★★★☆☆
美女と野獣と紳士~愛と混乱のレストラン2~ (二見シャレード文庫) (二見シャレード文庫) 3. 高遠琉加『美女と野獣と紳士』
 ↑のつづき。
 ふたりの関係性も物語もしっかり動いていくので、読み応えがあってとってもよかったです。
萌え★★★★★
文章★★★★☆
物語★★★★★
挿画★★★☆☆
リアルライフゲーム (リンクスロマンス) 4. 夜光花『リアルライフゲーム』
 チンピラみたいな?幼なじみ×落ちこぼれディーラー。
 リアル人生ゲームという一風かわった設定と展開で、それだけでもかなり必要充分なくらいに面白いのだけれど、でもしっかり萌えるのです。
萌え★★★★☆
文章★★★☆☆
物語★★★★★
挿画★★★☆☆
ビューティフル・プア (ビーボーイノベルズ) 5. 榎田尤利『ビューティフル・プア』
 貴族の絵をねらう強欲画商×身売り先を探す中の貴族。
 強欲ノンケ攻にけなげいさぎよいノーブル受という王道CPに王道展開で、よかったです。王道ばんざい。
萌え★★★★☆
文章★★★★☆
物語★★★★☆
挿画★★★☆☆
不浄の回廊 (キャラ文庫) 6. 夜光花『不浄の回廊』
 中学の同級生、憑かれた塾講師×祓い師未満のフリーター。
 オカルトものとしては思ったよりもオーソドックスでしたが、さえない受けにどつき愛な攻めというCPなどなど、いろいろ魅力的でした。
萌え★★★☆☆
文章★★★☆☆
物語★★★★☆
挿画★★★★☆
恋のはなし (新書館ディアプラス文庫) 7. 砂原糖子『恋のはなし』
 モテ系いいかげんノンケ攻×美形なのに臆病なゲイ受。
 ノンケ攻がゲイ受に嘘をついて、というオーソドックスなお話ですが、王道を丁寧に物語ってくれていてよいです。
萌え★★★★☆
文章★★★☆☆
物語★★★★★
挿画★☆☆☆☆
この世の楽園 (ガッシュ文庫) 8. 綺月陣『この世の楽園』
 チャラ男な弟→真面目堅物兄→超絶ワガママ実はかわいい坊ちゃん。
 兄の不器用ぶりに萌えます。幸せになってほしいですね。
萌え★★★☆☆
文章★★★☆☆
物語★★★★☆
挿画★★★☆☆
吸血鬼と愉快な仲間たち Vol.3 (Holly NOVELS) (ホリーノベルズ) 9. 木原音瀬『吸血鬼と愉快な仲間たち』3
 アメリカ人吸血鬼×ツンデレエンバーマー、『吸血鬼と愉快な仲間たち』の三作目。
 相変わらずのほのぼのしかしせつないお話でよいです。続きも楽しみ。
萌え★★★☆☆
文章★★★☆☆
物語★★★★☆
挿画★★★☆☆
運命の鍵開けます (ダリア文庫)10. いおかいつき『運命の鍵開けます』
 高校の同級生、ノンケイケメン鍵屋×メガネキャリア系警官。
 孤独な受、に惚れるノンケ攻、というのも王道ですね。攻の考え方が独特でよかったです。
萌え★★★☆☆
文章★★★☆☆
物語★★★☆☆
挿画★☆☆☆☆

2008年12月29日

斑鳩サハラ『Pretty Baby 3』

4048674099Pretty Baby〈3〉 (B‐PRINCE文庫)
斑鳩 サハラ
アスキーメディアワークス 2008-12-04

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 メガネ超美形超セレブ生徒会長×なぜかセレブたちから愛されまくりの凡人最終巻。
 ていうか、まだ文化祭やってなかったのか…。文化祭では、実行委員長やらされてる受けが実行委員たちから仕事を認められた描写があって、拍子抜けしつつもまあいいかと思ったが、委員達から愛されまくりになってんのがおかしい。会長の兄たちは、会長にそっくり設定もベタだし受けへの横恋慕もベタだしあげく教育実習にくるとか。ということもあり、三冊目が一番王道だった気がしたなあ。ていうか、釣りが趣味設定はなんか遠く彼方な気が…。
 後半のおじいさんに呼ばれて会長実家に行き、お兄さん達にとりかこまれる話もベタでよかった。しかし、ほんと会長のやってることは「躾」だよなあと。「あんよ」はもう出てこないのかと思ってたら最後に出てくるし(笑

 しかし、これで…斑鳩サハラの五ヶ月連続刊行シリーズを全部買ってしまった。

2008年12月27日

榎田尤利『秘書とシュレディンガーの猫』

481301187X秘書とシュレディンガーの猫 (SHYノベルス)
榎田 尤利 志水 ゆき
大洋図書 2008-12-22

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 顔もみたことない祖父が亡くなり、弁護士によばれてお屋敷にいったら喪服の美秘書と二人の従兄弟と出会いまして。祖父の遺言では、6匹の猫のうちからシュレディンガーを指摘したものに莫大な遺産をおくる、とのこと。

 話の大筋は面白かったのだけれど、ペットラバーズなので、シュレディンガーが猫の名前だとわかった瞬間にネタはぜんぶバレバレで、そしてこの作品はネタを知らないで読むようにつくってあるので、それはちょっと無理でしょう、と思いました。シリーズものなのだから、読者にネタがバレてること前提で書いてくれたほうがよかった気がする。

 キャラがなー。
 攻めは駆け落ちした両親との苦労生活から、金融会社社長になった成り上がり系傲慢攻め。なのだが、まあ秘書に惹かれていくのはいいにしても、最初の頃の傲慢ぶりが後半ではまったく出てこず、ありきたりな受け一筋の攻めになってたのは違和感があった。秘書に惹かれたことで成長した、ということなのかもしれないが、もうちょっと丁寧に描写してほしかった。
 秘書も過去のつらい経験プラスかわいそう展開なのだけれど、なんかペットラバーズの二作目もそうだったけれど、最近設定がやや極端に走っている気もする。面白いけれど、ちょっとあざといというか。そんな秘書もまたよくわからんというか、すべてを受け入れる、というようなキャラ…なのか?攻めの信じられなさは受け入れてやれなかったの?最後のあたりもややわかりづらい気が。全般に、人を信じられない猫のようでありながら、すべてを受け入れる、というのがどういうことなのか、作者もあまり考えずに書いているような印象で、こちらももう少し説明がほしかった。

 そんな感じで説明不足だなあという印象があったのだが、モブキャラも同様で。
 二人のいとことか、無駄にキャラ濃いわりに中途半端だった気も。一番年長で資金難の会社社長は、そんなわけで前半のイライラぶりはともかく、ふっきれたあたりからいい感じだったので、最後のほうではもうちょっと出てきてほしかった。のんびり大学生も、あれだけ出張ってたのだから、もうちょっと奥行書いてもよかったと思うし、メイド少女とのその後も気になる。
 あと、今回オーナーが初登場で、これまた出てきた瞬間にオーナーだろうなあと見当がついていたんだけれど、祖父とはどういうつながりがあったのかとか、もう少しは書いてもよかったんじゃ。
 いろんなところで描写不足なのは、キャラが多いせいなのかもしれない。ただ、一族再構築の物語という側面からは、こういう脇キャラは必要ではあったと思うけれど。

 イラストがやはりいまいち。
 タイの剣先のラインとジャケットのラインが一致しているとことか、なぜ?と思ってしまう。講談社フェーマススクール的な意味で。
(追記:違った、タイとシャツのラインでしたね。

2008年12月25日

和泉桂『貴公子の求婚』

 SHYノベルズの新刊がならんでるのを見て、え…?お?おおっ?おお…!と思いました。
 ペットラバーズの新作に、姫君の輿入れの続編なんて、なんて素敵なんでしょ。

4813011535貴公子の求婚 (SHYノベルス)
和泉 桂 佐々 成美
大洋図書 2008-12-22

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 ということで、姫君の輿入れで出てきた攻めの友人の貧乏本の虫貴族・小野朝家の話。
 いよいよ財政が逼迫してきた朝家は、家人らにやいのやいの言われて、嵯峨野に住むという知性派の姫に求婚することになってしまい、いやいや嵯峨野へ向かう。事前にきいてたとおりに忍んでいったら、なんか姫に押し倒されました、と思ったらすんごい美丈夫でして。

 とりあえず、朝家がキャラ迷子…前作でのキャラと今回のキャラもなんかちがうし、天然素朴なキャラと将久を毛嫌いしてるキャラもなんかちぐはぐ。
 蘇芳も朝家に惚れてるイケメン、というのはいいけれど、時々出てくる退廃的、という表現がなにを表現したいのかよくわからなかった。隠棲中という設定だけど、なんで世をすててるのかそういえば書かれてないし、なんかよく考えてみるとこの人もよくわかんない人だなあ。

 全体的には、受けの朝家がせいぜい十人並みの容姿で「書痴」というのは面白かったが、なんかそこここに無理がきてる印象でもあった。上述のキャラ設定とかね。なんか前作でも思ったけど、感情のうつりかわりがあんまり丁寧に書かれてないというか、あまり整理されてない気がした。まあそのほうがリアリティあるともいえるのかもしれないけど。物語の展開のために、前作の攻め実親が蘇芳と比較されたり、朝家にいろいろおしつけがましかったりして、ちょっとうすっぺらいキャラになってる気もした。キャラよりも物語を優先してる印象というか。
 あと歴史物ではよくあることなんだけど、半蔀とは…とか、いきなり現代視点の解説が入るのはしらける。そのへんうまく挿絵とか入れて言葉でなく説明してくれたらなあと思う。折角ラノベなのだから、挿絵を活用したら世界観をこわさず進められそうなのに。

 ていうか挿絵なのだが、キャラ自体はイケメン蘇芳と平凡朝家はすごくピッタリだったのだが、着物がぜんぶまっしろで、手抜きすぎだ…。できれば文様を、少なくともトーンでかさねを表現してほしかった…ていうか、きちんと確認してないけど、束帯も狩衣もみな一緒だったかも…。

 …なんか文句多いけど、全般的にはふつうに面白かったのです。いや、ほんとに。婚礼奇譚集とめいうったシリーズになったみたいなので、次回も楽しみです。親王の降嫁でしたか。親王は攻めかしら受けかしら(笑、もはや嫁だから受けという判断は出来ないので、想像がふくらみまくりです。

2008年12月24日

綺月陣『この世の楽園』

 マヨイガでは毎年年末にその年出版されたBLのベストをきめるというひとりあそびをしているのですが、その決め方はすごくテキトウなのです。別に商業作品を網羅できてるわけでもないし、印象ばかりが先行してるので、年始めに読んだ作品はたぶん不利なのです。
 が、そんなテキトウなこの企画にもひとつだけルールがあって、すなわち「このベストに間に合わせるためだけに無理にBLを読まない」、というものです。無理にする娯楽ほどせつないものはないと思うからです。ただ、とはいっても、やはり年末になると焦ってきてしまいます。話題作とかトンデモ作品とか好きな作家の作品とかは、読んでおかないと、という気持ちに、どうしてもなってしまいます。これ↓はちょっとそんな感じでしたが、楽しく読めたのでよかったです。

4877249583この世の楽園 (ガッシュ文庫)
綺月 陣
海王社 2008-11-28

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 超絶わがままな坊ちゃんの教育係になってしまったエリートが、あまりに手がやけるので奔放に生きてるフリータの弟を呼んで手伝わせたら、なんか坊ちゃんは弟にはなついてしまい、あれ?なんで複雑な気分になるのかしら?という。

 そういう梗概と表紙を見て、兄→坊ちゃん←弟の3Pかなあと思ってたのですが、それであんまり期待もしていなかったのですが、評価よいみたいだったので読んでみたら、CPは違ってましたっていうか、表紙をよく見てたらちゃんとCPわかりましたね。

 というわけで、弟→兄→坊ちゃんのうえ、坊ちゃん→兄弟でした。
 兄はエリートで弟を見下しつつ、でもそれは弟をめちゃくちゃ意識してるってことで、損な性分でにぶちんなのですが、まあつまりBLの視点人物としてはよい感じかと。こういう視点人物は総受け気味が好みなので、坊ちゃんがもうちょっと兄をえこひいきしてくれたらよかった(笑
 坊ちゃんは、最初の傍若無人ぶりについてはあとで説明があったというか話の展開のキモだったのでよいけれど、それにしても兄にひどすぎたのでは。だって下僕はだれでもよかったというわけではないらしいのに、それでもなおあの態度だったの?と、ちょっと違和感。
 弟が…あんましむくわれてなくてかわいそう(涙。もっと幸せにしてあげてほしいし、兄弟がラブラブになれば弟は勿論、兄も幸せになれそうな気がする。でもなんとなく、続編もありそうかなあという気がする(ただの勘ですが。

 まあそれはさておき、この作品はデュアル攻めでもなく、ニア3Pでもなく、ほんとに3Pだというところがすごいのですが、エッチの場面も…すごかった。笑ったりひいたりしそうになったけど、みんな真面目にやっているんだよなあ…(笑。ちょっとなんというか、読者おいてきぼり感がありますが、まあむしろそれがいい、とも言える、かも。

2008年12月23日

高遠琉加『王子様には秘密がある』

 そういえば、リブレといえば、夜光花のとじこみ小説がなんと本仁戻の挿絵!だというので、小説b-Boy1月号を買ったのに、本仁絵はとじこみの表紙だけなんて読者をナメてんですか。買わなきゃよかったな…。
 リブレはかわいそうなクロエのために、超トンデモ設定の夜光花本を本仁戻の挿絵で出版してほしいのです!(笑。相性いいんではと思うんだけどなあ。

4862635075王子様には秘密がある (ビーボーイノベルズ)
高遠 琉加
リブレ出版 2008-12

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「「あの人が星嶺の“王子様”なんだって」愛らしい仕草、にこやかな笑顔に星嶺学院大学の誰もが魅了される、超御曹司・御園生美貴。キラキラ憧れの綺麗な王子様だけど、オトナの包容力をもつ年下の和廣にだけは、とっても小(!?)悪魔…。わがままだけど可愛くて、毒舌だけど上品で…そんな美貴を和廣はずっと独り占めしたくなって…。超最強のエリートツンデレも登場。一冊まるごとツンデレ純真萌えラブ。」

 …という梗概を読んでもまったく興味をそそられず、挿絵が南国ばななとはいえしかしこの梗概…と不安に思いつつ、しかし高遠琉加なので諦めて(失礼)購入。

 大学で王子様とよばれてる先輩は、家柄容姿すべて王子なのですが、実は中身はわがままオレ様なのでした。正体を偶然見てしまったせいでごはんつくらされたり家でくつろがれたりするうちに、どきどきしてきて云々。

 あとがきにもとはCP逆だったってあったけど、たしかに王子×庶民のほうが王道かもですね。でもまあ庶民×王子というか、年下庶民×ツンデレセレブというのも王道で、というか王道というよりは、ごくふつうのBLで、正直高遠琉加がこういうの書く必要あるのだろうか、と思ってしまった。

 のだけれど、それってやっぱちょっと失礼な評言だよね。あたしは悪い意味でこの作家に期待しすぎなのかもしれない。
 というのも、これまたあとがきの、かわいい本にしたかった、という文言を読んで気づいたのですが、この作家は天国が落ちてくるでうさぎちゃんvのちょうかわゆいお話を書いてた作家なのだし、そういうのもきちんと面白かったのだし、逆に観賞用愛人のような風変わり設定でも、いまいちだと感じたりしたのだし。
 つまりそもそも、あたしがこの作家に期待してたのは、変わった設定ではなく、変わった心理の・丁寧な描写、だったんだよね。ということを、最近になってやっと気づいたのでした。

 あ、えーと、お話はそんなわけで、そこそこふつうに面白かったです。が、くっついておわりなので、その後のラブラブな二人とか読みたかった。エリートで王子の行状をしかりとばす兄はちょう感じわるかった。
 …ので、後半のお話ではこの兄が主役だったのにはびっくりしましたが、こっちのほうが面白かったので二度びっくりですよ!(笑
 金持ち家の長男として期待されて成長してきた兄は、のびのび育てられてる弟にむかつきつつ、かっこいいけどぬけてる幼なじみに思われつつも、拒絶してしまい、数年後再会。という、この作家らしい不器用な受けだったので、とってもよかったのですv

 あ、うん、生きるのにも恋愛にも不器用な視点人物を、丁寧に描写する、というとこが、この作家の一番の魅力、ですね。たぶん。

2008年12月20日

剛しいら『レッスンマイラブ』『レッスンディープラブ』

4059040282レッスン マイ ラブ (もえぎ文庫)
剛 しいら
学習研究社 2006-12

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4059040614レッスンディープラブ (もえぎ文庫)
剛 しいら
学習研究社 2008-11-18

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 バレエものということで興味をもったのだけれど、いまいちだった…二冊かっておいたのに…。

 母親にだまされて小さい頃からバレエをならってる受けっこ。くるみで王子をやることになったら、なんかケガで帰国してたロンドンで活躍中の有名バレリーノがレッスンつけてくれることになりまして云々。

 中学生の受けの一人称小説というのは、あたしは苦手なんでした。元気素直な受けそのものも、あんまりキャラとして好きなほうではないのです。

 あと攻めの先生が全然カッコワルイのもいかんともしがたい。受けに出会うまえは若い男の子つまみまくりで、うぶな子が好きとかいう感じ悪さ、受けにたいしても最初の頃はあんまり真摯でなかったぽいこと自分でも言ってるし、その後のロンドン留学関連の口出しも、これも自分でもいってるように中途半端だったし、あたまがわるいのか、受けのことあんまり大事におもってないのか、天然なのか、なんなのか。攻めとしてあまり魅力的とはいえないことだけは確かだ。熊川的な超絶プリンシパルぶりもあんまり具体的な描写ないし。

 ディープは、高校に進学した受けが不良と一緒に踊ることに、という梗概ですこし期待をとりもどしたものの、あれ?結局おどりませんでしたよね??梗概うそじゃんか。
 不良もあてうまにしてももうちょっとかっこよい見せ場とかつくってあげればいいのに。ただ出てきて退場しただけという感じで気の毒だしもったいない。

2008年12月15日

水島忍『傲岸不遜なプロポーズ』

4877249575傲岸不遜なプロポーズ (ガッシュ文庫)
水島 忍
海王社 2008-11-28

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 初読作家かと思ってたら、読んだことあったね。生贄ゲームの作家だね。けっこうかわった設定が多い作家さんなのかな。

 いないと思ってた父が亡くなり、実は自分は不義の子だったと判明、金持ちの父の家に呼ばれていったら相続放棄しろと傲慢にせまられ頭に来て全面戦争。

 傲慢攻めは好きだがしかしこの攻めは、受けにたいし遺産の件で威圧的にせまるのはまだしも、失礼な態度とりまくりで、あげく受けは母親のしつけが悪いとか言うし、かなり最低なのでさすがにどうかと…。
 最初から受けにだけはなぜか威圧的だった理由とか、親のしつけがどうのという誹謗をなぜくりかえしてたのかとか、受けの家を知ってたこととか、回収されてない伏線ぽい部分が多くてなんだかな。作中でも攻めの態度はちょっとおかしいとかされてたので、攻めは実は受けのことを以前からしってて複雑な思いやひそかな憧れを抱いていて、つい妙な行動ばかりとってしまっていた…とかそういう背景があるのかと思ったら、何もなかったし…。あと養子だって設定は必要だったのか。実の兄弟じゃまずいってだけなのかな。なんかはんぱだった感じ。
 稚拙な交渉や議論については、攻めは受けと対峙してるとなぜか子供っぽくなってしまうという説明がいちおうなされていたので、まあいいのだけど。

 受けはそんな攻めなので、きっちりしつけはされてきましたよとか怒るが、こちらも攻めに対峙すると子供っぽくなってしまうし、あんまししっかりさんには感じられなかったような気もする。
 受けの母は何を考えているのかよくわからない、都合のよいキャラになってしまってた気がする。

 絵はかわいいが、攻めの体型が細身すぎてイメージとあわなかった。

2008年12月14日

高尾理一『溺れる獣』

4778106830溺れる獣 (ショコラノベルス)
高尾理一 東野海
心交社 2008-12-10

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 弁護士として顧問をしてるヤクザの組長の息子を家庭教師してたことがあったのですが、数年後会社社長兼組でも出世中な息子に拉致されあんなことやこんなことに。弁護士が組長の愛人をしてるという噂をきいて、ふつうの結婚を望んでる弁護士のために告白しなかったのにーとか思っただそうで、誤解が解けても家に押しかけてきてごはんつくったり自分の会社の顧問弁護士を依頼したりであんなことやこんなことに。

 弁護士は、ヤクザのことが好きだという気持ちになるのがなんか唐突だったというか、ほんとに好きなんですか???好意をもって大事に思う、まではわかるし、そういう気持ちは恋愛とは別だって自分でも思ってたじゃないか。なんかもっと恋愛にはっきり発展する契機が必要だった気がする。
 攻めはなあ。弁護士にめろめろでかいがいしく強引で子供っぽいのだが、なんだかうすっぺらい。攻め視点の書き下ろしとかあったらまた違ったかもなあと思う。

 高尾理一らしい文体はいつも通りでよかった。たぶんあたしは、作者名をふせられても見分けられると思うよ!
 絵師さんは名前が七瀬かい東野裕とかとごっちゃになるのだが、そうではなくて、なんかカラーとモノクロではイメージが随分違うなあと思った。モノクロは少し昔の本仁戻っぽいのだが、しかしカラーもモノクロも人の表情はなんだかかんべあきらを思い出す…結構いろんな表情描いてはいるのだけれど、なんだかいまいち体温を感じないというか。絵自体はうまいと思うのだけれど、そのせいでちょっといまいちっぽく感じてしまう。

2008年12月13日

夜光花『不浄の回廊』

4199005048不浄の回廊 (キャラ文庫)
夜光花 小山田あみ
徳間書店 2008-11-22

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 怪奇ものでこのタイトル、で、BL。確信的にこのタイトルで出しているとしたら、作者はほんとうに鬼才かもしれん…とかなりwktkして期待値がものすごく高まってしまっていたのですよ…。

 中学時代にほのかに好意を抱いてた一匹狼な同級生には、黒い影がつきまとっていた。除霊師の父をもち、若干の霊能力をもつ受けっこは、彼に近づくにつれその影をなんとかしたいという気持ちがつよくなるのだが、影にの正体を見極めようとしたら倒れてしまい、体調をくずして寝込んでしまう。やがて霊能の修行をつむも、学歴もないのでコンビニバイトくらいしかできず、そんな中父の命令で一人暮らしをはじめたらアパートのお隣さんはあの同級生でした。塾講師になってた彼はあいかわらずイケメンですが、暗い影はますます大きくなっていて云々。

 うーん、そんなわけで、スゴイセンスのタイトルだなあと思っていたので、案外にふつうの除霊譚だったので、拍子ぬけしてしまいました。特にラストはふつうすぎた…。あと、タイトルは、担当さんの提案だったそうで…。
 や、お話としては面白かったですよ、フツウにね。
 特に前半は、まあ期待しまくりで過剰に想像力を駆使してたのかもしれませんが(笑、かなり面白かったです。

 キャラがいいですね。
 霊能力をもつ受けは、もともとの平和主義な性格に、学校に行けなかったこともあってか、ちょっとアホに近いくらいの天然で、素直さがすごく魅力的。攻めへの気持ちが恋愛だと自覚するのはやや唐突だったけれど、天然さと霊能設定とでたいがいの唐突さは自然に描かれてる。たとえば攻めが死んでしまうかもと思って見張り続けて、ストーカー行為にはしっても、受けのひたむきさとオチとして出てくる能力との関連で納得できる。あと、ほとんど引きこもりだったせいで外見も(顔立ちはともかく)いまいちぽいというのは、そして身ぎれいにしたらあら美形だったのねなんていうオチもないというのは、BL的には斬新なのかも。
 そして、そんな受けの外見や行動をひくだのキモイだのさんざんに言いつつ、なんだかんだで受け入れてる攻めもいい。ストーカーされても、お前生徒達にあだなつけられてたぞとかわりと軽く流せるあたり、きっとうつわの大きい攻めなんだろう。受けもほんとうは攻めは優しいのだと言っていて、まあ確かにそうなのだろうとは理解できるのだが、でもどうも甘い感じにはあんましならないので、ちょっと物足りないけれど、でもこの攻めらしくていい。霊現象をかたくなに信じないあたりもよかった。

 霊能関係の物語は、前述のように前半はなかなか面白かったのだけれど、後半は受けの父が強すぎるし、ストーカー女性のあたりもあんまりおもしろくなかった。くどいようだが、タイトルあんまし関係ないし…。

 この二人で続編あったらいいなあ。

2008年12月01日

高遠琉加『美女と野獣と紳士』

4576081829美女と野獣と紳士~愛と混乱のレストラン2~ (二見シャレード文庫) (二見シャレード文庫)
高遠 琉加 麻生 海
二見書房 2008-11-21

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 愛と混乱のレストランのつづき。

 ほんとにこの作家は、いっこも萌えないときと、まったくピッタリとあたしの好みで完敗なときとの差がはげしすぎる。
 今回は、まあ前作がよかったのもあるんだけど、よかったっていうかあたしのツボにジャストというか、とにかく読んでいるあいだじゅう、もう全編にわたってモエモエでした。萌えというのはお話が面白いかどうかとは別問題で、いやお話もたぶん面白いんだけど、しかしここまでの萌えはめずらしい。

 でも読み始めのあたりは、ちょっと混乱した。キスまでしといて、まだ全然恋愛関係には入っていなくて、相変わらず傍目には冷戦状態、だったのね。なんかもうちょっとは関係が進んでるんじゃないかと勝手に脳内補完してたので、違和感があった。あと、たぶん『長靴をはいた黒猫』と混線したのだと思うんだけど、シェフ弟と桃瀬が一緒に住んでるんだったっけ?とか妙な勘違いをしそうになった。
 あと、どうも次巻への引きが多いというか、この一冊の中ではあんまし解決してない問題が多いので、続きが気になる。

 美女こと、シェフの元カノフランス人女性は、シェフへの未練とか雑誌記者だとかの要素もまあいいんですが、なにしろとってもおいしそうに料理を食べる、という設定が、いいミソですね。ディレクトールは既に彼女へのニガテ意識をかんじてるけど、シェフと恋愛関係になれば更につらい気持ちになるだろうし、で、そのつらさはどうせひっくりかえされることだろうから、そのカタルシスが楽しみですね。って、そのカタルシスが次巻もちこしだとは思わなかったですがね… (笑
 彼女がもちこんだ、シェフのコンソメをさしての「金色のスープ」という言葉と、それに拒否反応をしめすディレクトールが、すごくいいです、かわいそうなんだけど。ディレクトールはおんなじコンソメスープを飲んでても、「金色のスープ」を享受出来ないんだなあ、と。

 野獣こと、シェフは、まさかこう来るとは思わなかったド最低な展開で、びっくりです(笑。でもシェフは、実はわりと無神経だしひどいし、それを思えばいきなりのこの最低ぶりも、まあそうかもなあと思える。
 だってこのシェフは、ディレクトールのかかえている傷を知った後でなお、弟のつくったパンを示してのお説教とか、イチがあんたのためにつくったんだからケーキ食べろとか、気持ちはわからんでもないが、精神的なキズを考慮してない無神経さというか、少なくともカウンセラーには怒られそうな対応なんではと思う。
 そしてだがしかし、そんなひどさすらもディレクトールには伝わってない気がする。なぜならあいかわらずディレクトール視点のシェフは、ただただ怖いだけで、だからそこにまだ好悪の感情は生まれてないんだよね。好きとか嫌い、以前の段階で。
 ジビエは…食べてみたいけれど、あたしも食べられないかもしれない。ところでディレクトールのために調理したジビエはどうなったんだろう。このシェフが食べ物を無駄にするとは思えないので、まあ誰かが食べたのだろうけど(笑

 紳士こと、本部長は、なんかそんな気もしたけどまさかそんな…という展開で、そうかー。

 ディレクトールがゴルドが欲しい、って言ってる意味というか、モチベーションがよくわからなくて、ちょっと理不尽というか不条理な夢なのかなあと思っていたのだけれど、そしてそれでもまあいいかと思っていたのだけれど、実はもう少し意味があったのですね。そしてその理由はベタだけれどますますせつない。
 そんなすべてを失ったディレクトールに、シェフはアレだもんなあ。ますます最低(笑
 けどもうどこに進んだらいいのかもわからなくなってしまったであろうディレクトールに、シェフは「あんた自身は、何が欲しいんだ?」と、いまひとたび問うてほしいですね。はたして彼があんなことされたシェフをほしいと思えるようになれるのかどうかは知らないけれど(笑。ていうか今の状態では、デイレクトールはおいしく食事をしたいとも、家族恋人がほしいとも思えないだろうし、だから何が欲しいかもわからないというか、何も欲しいものなんてないと思ってるだろうし。そうするとシェフは手詰まりになるんだろうけれど、どう事態を打破するのかな。本部長の手助けではなくて、単独で頑張ってくれないと、男っぷりがあがらん気がするけれど、既に本部長が動いてるしなあ。ていうか、この男っぷりというのも読者目線での評価かもしれない。シェフのド最低行動は読者にもシェフ本人にとってもド最低だけれど、ディレクトールにとっては別に評価対象ではないのかも。シェフはいまだ怖いだけの相手だからね。

 しかし、次で終わりの予定なのかー。この作者は潔いというか、シャレード文庫が潔いのかなあ。なんだかこうしてきっちり終了まで見据えたシリーズというのは、珍しい気もする。構成がきれいにまとまっていいんだろうけれど、淋しいというのも正直なところだ。

2008年11月30日

木原音瀬『吸血鬼と愉快な仲間たち』3

4883863573吸血鬼と愉快な仲間たち Vol.3 (Holly NOVELS) (ホリーノベルズ)
木原 音瀬 下村 富美
蒼竜社 2008-10-29

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 忙しすぎて感想を書けていませんでしたが、これはよい吸血鬼。
 吸血鬼は一巻が神レベルの傑作だったのですが、二巻はちょっと雑な感じなのとドラマという舞台に違和感があったのとで、面白かったけど一巻ほどには…という感じだったし、この三巻もまた例のドラマの続編で、アメリカロケということで正直あまり期待はしていなかったのですが、なかなかどうして。

 冒頭、ドラマに参加したいけど、反対する暁の気持ちもわかるのでひきさがるアルが、それでもやっぱりちょっと未練があってアメリカロケなら帰省できるとつい漏らしてしまい、それに気持ちがゆれてる暁がよいです。アルが戻りたいならアメリカに返してやろうと決心しつつ、アイスクリームの異常消費をはじめる暁は、ほんとは返したくないんじゃないかと。アメリカでもアイスクリームを食べ続けているので、暁はどうやらアルに里心がつくのが不安なのかな。またなんというツンデレ。
 しかし、冷凍したアルを解凍するのに電子レンジはひどいよ!!(笑。煮えちゃうっていうか、煮えてたよ。
 暁が蝙蝠に話しかけてたと勘違いされるとことか、津野やリチャードやらの周囲の人々にアルと恋人同志だと勘違いされまくりなとことか、この話らしくてかわゆい。

 有名監督リチャードは、暁大好きだしいろいろな意味でベタなキャラだ(笑。
 吸血鬼キエフはあたりまえなんだけどなんかすごく異質だ。霧になったり、人の記憶を操作したり、ほんとに吸血鬼だ、って感じで(笑。アルへの忠告とかはちょっと怖い。このあとどう出るんだろう。

 まだこのあとにアメリカ話がつづくそうなので、楽しみですv

2008年11月29日

ごとうしのぶ『誘惑』

4044336261タクミくんシリーズ 誘惑 (角川ルビー文庫)
ごとう しのぶ
角川グループパブリッシング 2008-11-29

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 買うときは薄いなあ、と思いましたが、そしてあんまし事件的な展開はありませんでしたが、でもある意味すごく濃かった気がしますよ!

 託生は冒頭あたり、ギイの態度に落ち込みっぱなしだったけど、三年になってからの弱い託生って、かわいいけどあんまり託生らしくない気もする。んだけれど、今回は、落ち込んでても、良い意味でどこか軽い気がして、ああやっぱり託生だなあと思った。
 あと、ギイの「ぷち方向転換」(何で赤池が「ぷち」で託生が「プチ」なのか…)に喜んでる託生は素直でかわいい。また一人で勝手に決めるなよ、って怒ってもいいとこだろうに。ラストでも、怒ってたはずなのにいつのまにか謝る羽目になってるとことか、とっても託生だ。

 ていうか、今回もギイは、勝手で子どもぽいとこが多くて、でも憎めないという、とっても崎義一だった。佐智に託生は音大くらいなら楽勝だろうと言われて、ついつい国内の音大を軽んじるような失言してるのも、悪意のない親バカみたいな、ギイの託生好きぶりがアホっぽくてとってもかわゆい。
 そして「背に腹はかえられない」とかいって、やせがまんしてて託生を見失わないようにって、権力ふりかざしたな!(笑。携帯にないしょの許可とかって。ギイのこういうアホなとこが好きだ。そして島岡さんが送ってくれたのは、これまたアホな、そしてバカみたいに高級なストラップか!(笑
 あと覚悟の話あたりは、とてもよかった。相手に望むのではなく、ただ知っていてほしいという。あたしの解釈はそう間違ってもいなかったかなと自画自賛の自己満足だし、「覚悟はいいか?オレはできてる」なギイは幹部か!(笑

 託生のバイオリンは、どうやらうまいらしいと、やっとはっきり書かれたような…(笑。佐智が演奏家としてはどうかと言ってたのは、おそらく本人の覚悟の問題なのではと妄想。
 佐智はいいこと言ったなあ。ギイは指揮者になったらいいんだ(笑

 一年生とのジェネレーションギャップ、あるよねー(笑
 中郷はカコイイ設定で、キラッキラのトロンボーンなんてちょう似合うなあー。いいよね、トロンボーンって映えるよね。しかし、ギイに近づくために託生を利用しようだなんて、ぽやぽやなのにまさにチェック組、ほんとにそんなひとたち居るのかしらとそろそろうたがわしくなってきていたチェック組、なので(笑、びっくりです。こんな身近なところにそんなキャラがいたなんて。
 感じのわるーい鷹司は、実はあれは託生への親切のつもりだった、とかだったら面白いなあ。そんで鷹司の不器用さに託生の天然ぶりがうまくフィットして(笑、鷹司が託生になついちゃったらとってもいいなあ。そんで更に、中郷渡辺鷹司で託生の取り合いに…あ、妄想が過ぎましたか。
 しかしタクミくんというお話は、あたしが期待しているほどには託生ハーレムではないので(笑、たぶんそうはならないかなと。まあ、託生ハーレムにならないのは安易でないからだともいえるし、それがタクミくんのいいところでもあるのですが。
 寝込みを襲ったのは誰だー。

 科学部長の剱持くん、突然の新キャラで妙によく出てくるのでなんだろうなあと思ってたら、こんな伏線とは…そうか、託生はあれの裏事情をいまだに知らなかったのか。なんだかすっごいよかった。
 そこで託生が、ギイの細やかな心配りを自分も『他のひとと同じように』うけていたと知って喜んでるのが、すごい人だよなあと。みんなに親切な恋人にいじけたりもせず、特別扱いに喜ぶとかではなく、ひとしなみに親切にされてたと喜ぶというのは、なんかスゴイ。勿論、ギイは託生には特別に親切なつもりだろうし、託生自身も人並み以上にというかただ一人への愛情を受けていることを知っているからこそ、そういう喜び方が出来るのかも知れないけれど、なんかこういう託生がやはり好きです。
 そしてその後の、「ギイの話題は、今は、照れる」あーこういう託生のエクリチュールがとっても好きだ。まったく何でもない一文なのに、なぜか他に替えがたく、きっとこの作者以外の誰にも書けない。

 というわけで、タクミくんは託生のキャラクターと託生視点のエクリチュールが、やっぱりとってもいいなあと再確認できて、今回も楽しく読みましたv

2008年11月22日

いおかいつき『秘密の鍵開けます』

 こんなことしてる場合じゃないのに!
 Portalがちょうおもしろいです!
 休暇になったらPC版を買おうと思いますv

4861343011秘密の鍵開けます (DARIA BUNKO)
いおか いつき
フロンティアワークス 2008-11-13

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 高校時代の同級生、イケメン鍵屋×キャリア系美形メガネ警部。
 またしても鍵屋が事件に首をつっこみ、警部は刑事達に冷遇され、云々。

 なんかなあ、面白くなくはなかったんだけど、エッチはじめるとそんなのいいからはやく事件の続きを、とか思ってしまう感じで、けれど事件そのものがすっごい面白いわけでもなく、というBLとしてもミステリとしても半端な印象だった。

 シリーズ二作目だし、仕方ないことだと思うんだけど、鍵屋の職能が冒頭くらいしか活きてないのがいまいちだった。
 CPとしては、前巻みたいな攻めの一見チャラい感じのとことかがあんまり見られなくて、相思相愛のイケメン×ちょっとツンデレで臆病な受け、という感じになってしまった。なんというか、まあわりとありきたりな自由人×お堅い職業CPっぽいというか。
 ミステリとしてはBL要素が活きてたのはよかったけど、オチというか動機がちょっと弱いというか判りづらいというか、もう少し説明が欲しい気がした。あと、受けの説教が唐突というか、なんか語りというよりは口説き(謡曲的な意味で)みたいで、受けの変化という扱いではあるけれど、変化ならもう少し伏線はって、ゆるやかな成長をみせてほしかった感じ。

2008年11月18日

砂原糖子『ミスター・ロマンチストの恋』

 わんこたん(となかまたち)がスゴイお。
 しごとはいそがしいお…。

4344814703ミスター・ロマンチストの恋 (幻冬舎ルチル文庫 す 1-8)
砂原 糖子
幻冬舎コミックス 2008-10-15

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 クールな生徒会長さまはじつは乙女系で、運動会で活躍してた後輩に片思い。

 挿絵が。
 受けがクールオトコマエ先輩という設定で、桜城ややなのに、このなよっこぽい受けはすっごくすっごくモッタイナイ。何がどう間違ったんだ。お話的にもごっつい受け絵で読みたいし、桜城ややならそういうの巧く描けそうなのに。なんでなのよ。

 ええと、内容については、イケメン乙女受けの視点と、その乙女受けをクールで動じないカンジワルイ先輩だと思ってる攻め後輩の視点で交互に書いてたあたりは、面白かった。が、受け視点が増えていくと、ようするにたんなるうじうじっこ受けの話っぽくなってしまうので、いまいちな感じだった。外見と乙女心の内心とのギャップが売りのお話だと思うんだけど、漫画ならまだしも小説なのだから、外部視点をおりまぜてくれないとちゃんとギャップ萌え出来ないよ。
 そんなわけで、お話も絵も全般に、悪くはないけれどもったいないなあという印象だった。

2008年11月14日

夜光花『それが愛なのさ』

4048673335それが愛なのさ (B-PRINCE文庫 や 1-1)
夜光 花
アスキー・メディアワークス 2008-11-07

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 たぶん作者はアホな話が書きたかったんだろうなあ、というのが第一印象というか。

 つまり、アホな話だなあと思ったってわけですが。後書きをみると、「どたばたもの」というおつもりらしい。まあそうなんだけど。

 高校時代に、野球部のクラスメイトを好きになり、けれど嫌われるのいやさに遠ざかってしまった受けリーマン。セフレのいたずらのせいで、セーラー服女装で新宿を歩いてたら、その元同級生に再会、なんか酔ったそのひとにいいよられ、ついつい暗がりで云々。その後自分だとバレてしまったものの、なんか責任とれとかいわれてつきあうことに。

 そのあとも、女装好きな元セフレとか、オカマバーのごっついママとか、攻めのこと好きなかわゆい従兄弟とか出てきて、いろいろすったもんだなお話。「お、俺やるよ! ママ! 藤崎をさらってくるよ!」とか、なんかアホな台詞や展開は、アホかわいいかアホか微妙なところだけど、まああたしは結構好きだ。攻めがそうイケメンではないらしいのもいい。
 攻めと受けのすれ違いっぷりとかは結構いらいらするし、CPにはあんまし萌えないかも。ていうか、よく見ると表紙が変というか…いまいちというか。内容にもあまりあってないかもだ。
 全般的に、アホな雰囲気をさらっと楽しむぶんにはいいと思う(ただ、あたしの印象には多少の作者補正がかかってるかもしれない。

 しかし、門地かおりの絵はほんとエロイな!

2008年11月13日

木原音瀬『NOW HERE』

4883863484NOW HERE (Holly NOVELS) (Holly NOVELS)
木原 音瀬 鈴木 ツタ
蒼竜社 2008-05-29

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 イケメンだけどそろそろ若くはなくなってきたゲイ攻めが、記憶無いけど飲み会でなんかオッサン(50さい)口説いて抱いちゃったらしくて朝になりまっさお。オッサンは同僚な上、初めてだったらしく、しかもなんか自分から好きだとか言ってしまったらしいので、仕方なく暫時つきあうふりでもするか。

 なんか座りの悪い印象の話だった。ので、オヤジ受けを特異なネタとして書いてるような印象を感じてしまった。
 攻めがおっさんとつきあうフリするあたりは、その気がないならなぜそこまでいろいろ気にするのか、と疑問に感じ、お話を展開させるための役割ふられてるような印象だった。
 そして、そんな攻めはすんごい感じ悪く、チェリーだったオッサンは自分に夢中だろうから夢見させてやるか…とか思ってて、どうせあとで痛い目にあうんだろうと思ってたら、まあやっぱりそういう展開になったわけですが、そうなったらなったでアレ?オッサンのほうが感じわるくないです???あんまりなのでとばし読みしてしまったけれど、オッサンてばなんか攻めの最低ぶりがかすむくらい最低なんですけど。でも、そういうお話じゃあ、たぶんないんだよなあ。だからなんか、こう、座りが悪いというか。

 ラストのラブラブもいいけど、とってつけたような印象なのは、受けの気持ちの変化がよくわからなかったせいかなあと思う。オッサンはどういう回路で攻めに惚れたのか(読み飛ばしたせい??
 あと、オッサンの攻めラブぶりもちょっとは書いて欲しい。最後の第三者視点の部分まで、攻めのメロメロぶりしか書かれてないし、なんか攻めかわいそう感がより増してしまった。

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 こういう、受けをいたぶる最低攻めが、どんでん返されてどん底におちこみ、ひざまづいて受けに愛を乞う、のが木原音瀬なんですね?ようやくわかってきた(その理解が正しいのかどうかはよくわからない。気に入る作品とそうでない作品が紙一重だ。

2008年11月11日

斑鳩サハラ『Pretty Baby 2』

4048673319Pretty Baby 2 (2) (B-PRINCE文庫 い 3-4)
斑鳩 サハラ
アスキー・メディアワークス 2008-11-07

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 金持ち美形優秀生徒会長に溺愛猫かわいがりされ、美メガネ保健委員長やその美サド姉にも横恋慕されてしまう凡人のタロ(犬ではない)の話。

 すごい面白いわけではないし、受けのあまりの子どもぶりや、子ども扱いする周囲に若干イラつくものの、そういうものと割り切ればライトに読める。あと、会長がオフになると安易にメガネはずしたり髪おろしたりするのは気にくわない。わかってない、わかってないよ!!相変わらず「あんよ」とかいってるエキセントリックぶりはいいんだが(笑、まあそんな感じで、つまり一巻とたいしてかわんない。のだが、ひとつ遅まきながら気づいたことがあった。

 これって、ドSものだったんすね。
 ライトな天然受け視点のエクリチュールなんで、気づかなかったよ。受けが失禁させられるまで。

2008年11月10日

池戸裕子『砂漠の王は愛を夢見る』

4862961185砂漠の王は愛を夢見る (ARLES NOVELS)
池戸 裕子
ワンツーマガジン社 2008-10

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 何というか、悪い意味でファンタジーなアラブだった。

 ある国の砂漠を支配する主ということで、あんまし金持ちではないアラブものというのはちょっと斬新だったが、斬新ならいいというものではない。
 砂漠の一族の王は、占いかなんかで選ばれた男女が生んですぐにとりあげ英才教育、親の顔も知らずに育ち、愛を知らない気の毒なひとなのです…そんな無茶な伝統、どんなんですか。母をなくして父の消息をたずねてこの国にやってきた日本人旅行者は、なんか歌がうまいといわれてもてはやされ、砂漠の王にさらわれ儀式のために歌えとか言われます…歌はうまくないけど、心にひびくらしいのですって、なんかお手軽だなあ。王は受けが昔飼ってた仔馬に似てるとかでなんかご執心で、でも愛することを知らない王に抱かれて受けは辛くなってきて云々。

 催淫剤になる木の実とか、水浴び場の描写とか、なんか全般的に悪い意味で非現実的で、しかも非ゴージャスアラブなので、それぞれの要素はもしかしたらそんなにわるくないのかもしれないのだけれど、それらが重なってるのでなんかいまひとつ感がぬぐえない。
 お話も、恋愛物語もその他の民族間の問題とかあやしい家臣とか、あんまし面白くないというか稚拙な感じがして、前述のいまひとつさに拍車がかかってる感じ。キャラも二人ともいまいちだったし…。

2008年11月02日

いおかいつき『運命の鍵開けます』

 なんかうつなエントリをずっとおいとくとよくないね!

4861342996運命の鍵開けます (DARIA BUNKO)
いおか いつき
フロンティアワークス 2008-10-11

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 イケメン鍵屋が仕事先で殺人事件にまきこまれたら、警察署で部下にかるくあつかわれてるキャリアが高校の同級生でした。
 殺人事件はいまいちというか、穴が多かった気がしたけど、本筋の恋愛物語はとっても面白かった。

 受けはメガネクール美形で、先述のとおりキャリアで、実はゲイなのを隠して孤独という、わりと王道な受けだけどよい受け。攻めへの憧れは恋心なのだと気づくのがやや遅く、恋の悩みが唐突な印象はあった。
 一方攻めはちょっと破格っぽくて、高校時代には受けのことをたんなる鉄仮面な同級生としか思ってなかったというのがすごい。そして再会しても、受けにはもと級友としてのなつかしさしか感じなくて、ちょうど男に興味持ったとこに受けがゲイだと知って寝てみたり、その後もかわいいクライアントと寝てみたり、それでいて恋人になったら一途になるという王道ノンケ改心攻め(なんだそれ?)でもなく、結構ひょうひょうとしてる。
 そういう破格さって、奇をてらったキャラになりがちというか、恋愛物語をつまんなくしてしまうだけになっちゃうことが多い気がするんだけど、この攻めはどこかあっけらかんとしてるせいか、なんかやな感じはしなくって、よいキャラだと思った。

 絵はあじみね朔生なのでいい…と思ったのだが、なんだかデッサンの微妙さが目立った。

 続編がすぐに出るそうなので、楽しみvもうちょっとラブラブしてほしいけど、この独特さを活かしたラブラブが読みたい(なんとわがままな。

2008年10月25日

斑鳩サハラ『Pretty Baby』

4048672584Pretty Baby (B-PRINCE文庫 い 3-3)
斑鳩 サハラ
アスキー・メディアワークス 2008-10-07

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 なぜか文化祭実行委員長にされてしまった地味少年は、親友の副委員長にたよりっきりなせいか、誰にでも柔和で親切な美形生徒会長に冷たくされてる。ある日釣りに出かけた先で海につるんとして、親切な釣り人に助けられ云々。

 よくあるハイパーでセレブなイケメンが「なぜか」凡人にちょうメロメロ、というパターンで、そういう王道はすきなんですが、しかしそれにしてもこの受けは。取り柄がないのはいいけれど、仕事しないできない勘違いする(なんかピクミンみたい)で、ちょっと残念な感じ。そもそも文化祭実行委員長である必要はあったのか。この設定は続編で活きるのかなあ。
 会長はメガネ万歳な感じ。設定がスーパーすぎてついていけないが、言葉づかいがおかしくて足のことを「あんよ」とかいうエキセントリックな人(テクスト内では普通なのか?)なので、わりあいいい感じだ。

 しかし、なぜに釣り…。

2008年10月23日

魚谷しおり『華族花嫁』

4592875648華族花嫁 (白泉社花丸文庫 う 3-3)
魚谷 しおり
白泉社 2008-08-21

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 またしてもごく普通の没落華族嫁入りもの、で、タイトルもド直球。漢ではあるが…むむむ。

 華族ものなのでやっぱり成金攻め×ちょっとめずらしい華族のおじょうさまの傍仕え。体調不良のおじょうさまにかわって、結婚式に身代わりさせられそのままお持ち帰り云々。

 ちょっと時代考証のアラが気になった。おじょうさまが乳兄弟(たしか)とはえいえ、男子の傍仕えだなんて、とか。

 内容は…、やっぱりごく普通の(略。特に見所もないかなあ…。攻めが、受けをうたぐって誤解がとけてすこし優しくなり、また急に激高して、と、いそがしくてよくわからんひとって印象だった。前半はあんまりいじわるなので、受けのこと好いてる感じは全然しなかったし、それならそうでいいんだけど、そうでもないもんだから、展開に違和感が残る。こうした感情の変化にはあとから説明がつくのだが、それでもなんだかなあという印象。
 受けは育った環境のせいもあってよくもわるくも純粋で、あんまり魅力は感じられなかった。

---
 まあ、男で花嫁といったら、時代物になるのもわかるのだけれど、しかし時代物は男夫婦が今よりも生きがたい設定でもあるので、なんか閉塞感とか未来の茫洋感(笑)とかあって、しんどいなあ。あと個人的に、女装もあんまり好きじゃないし…。
 今回は作者が気になってたので読んだのだが、この作者はいまのところ一勝二敗くらい。二敗は言い過ぎか。二分けくらいか。『優しい偽者』は面白かった。ノベルスも何冊か出てたのね。読んでみようかな。

2008年10月19日

松前侑里『パラダイスより不思議』

 あれが終われば一段落、あれまで頑張ろう、とか常に思っていて、一向に一段落なんてしないのだということに気づいてはいけなかったのでは!?忙しいです。つなわたりです。

4403521991パラダイスより不思議 (新書館ディアプラス文庫 198)
松前 侑里
新書館 2008-10-10

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 恋人が親友と逃げてすべてがいやになって自殺を試みた天涯孤独のゲイのこが、動物の言葉がわかるペット探し探偵にひろわれる。探偵先生は受けっこの事情をすべて知りつつ助手にして、家にすまわせてくれるものの、冷たいこといったりするので何考えてるのかわからなくて情のうすい人だなあと思っていたが、次第に不器用なやさしさに気づいて好きになってしまい云々。

 設定も面白げなのに、ドリトル先生ものなのに、なんだかすごく物足りなかった。
 いろんな要素詰め込みすぎでそれぞれが薄くなってしまっていて、特に恋愛要素が薄すぎるのがもったいない感じ。
 攻め先生が動物の言葉を解する設定は、話の展開をつごうよくするだけで、あんまし活きてなかった気がする。サブキャラたちも面白いけど、美人秘書はまだしも、秘書に恋する先輩探偵とか極楽亭の女将達とか、無駄とは言わないけれどそんなに書き込むのはなんでなのか。ペットも人数多いけど、受けっこの連れてきたソラとかはなんかもうひと展開ぐらいほしかった。あと、まあペット捜索会社が舞台とはいえ、ペット捜しすぎ。いや仕方ないんですけど、なんか事件の事例が妙に多すぎ。そのせいで恋愛物語は薄くなるし、場面は細切れになりすぎてる。

 その恋愛物語にかんしては、受けが先生の見えづらいやさしさに気づいて好きになる過程はいいけど、なんというか、先生好き!って感じがあんまりしないというか…淡々と好きな感じというか。好きになった後には、先生の元妻に嫉妬とか秘書に嫉妬とか、そういう側面ばかりが書かれてた印象。印象だけかもしれないが、なんか物足りない。探偵先生にいたっては、なぜ受けっこを好きになったのかもわからないし。なんていうのか、双方とも相手をどういうふうにすきなのか、を書いて欲しかったなあという印象だった。

2008年10月16日

夜光花『リアルライフゲーム』

4344814290リアルライフゲーム (リンクスロマンス)
夜光 花
幻冬舎コミックス 2008-09

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 とても面白かった。

 高校時代に父の会社が倒産し、それまで親しくしていた三人と離れて貧乏生活をしていた主人公。なんとか大学を出て自動車の営業をするけど、全然売れなくて怒られてばかり。そんなある日、三人の旧友のなかでも特に仲が良かった、しかしちょっとブチきれてるとこのある男がやってきて、久々に四人でゲームをしようという。容赦ない罰ゲームをさせられた記憶にいやな予感はするものの、客を紹介するという言葉につられて参加してみたら、旧友が準備していたゲームはリアルライフゲーム、すなわちコマの指令を実際に行わなければならない人生ゲームだった。

 とってもこの作者らしい設定で、この作者らしい筆致だった。
 というか、梗概を読んで、エロ指令ばかりなのかと思ってたら、カンボジアに学校をつくるとか婚約者に高級バッグを買うとかの普通のしかしどぎつい指令からはじまって、ゲームが進むに従って精神的に変化がおきて、エロ指令に流れても従わされてしまうという展開は無理が無く、さすがだなあと思った。
 夜光花は、やはり日本語や文章はいまいちうまくないと思うのだが、しかし奇抜な設定を、(少なくともあたしの感覚においては)奇抜さだけにたよらずきちんと展開させて、しかも(少なくとも略)無理がない流れで書いてくれるので、やはりいいなあと改めて思った。BLでなくても読んでみたいような気がする。

 キャラも四人ともよかった。主人公佳宏は普通のリーマンなんだけど、お金持ちだった過去と今との対比や、性格的な狭量さとかダメなとこの描写とか、意外に流され切らなかった感覚とか、きちんとキャラたっててよかった。旧友は、何考えているのかわからないニヤニヤ笑ってる平良が、しかしとってもいい男に見えたりするのもおもしろい。言葉遣いもキャラたってていいし。あと、幼く見えていた翔太(この名前は、あとがきを読むまでそうと気づかなかった)の意外性とか、透矢のやわらかいもの言いとかきっつい性格とあまり書かれてない内面が垣間見られる部分とか、それぞれにしっかり意外性や面白みがあって、よかった。

 あと、雰囲気が何かに似ているなあと思っていたら、あとがきをみてああジュマンジかと納得した。もちろんジュマンジとは全然違うお話なんだけど。

 この終わり方は、続編もありそうな…なさそうな…あったらいいなあと思うけど(笑。

2008年10月04日

かみそう都芭『薔薇のベッドでため息を』

4774722162薔薇のベッドでため息を(セシル文庫) (セシル文庫 か 1-1)
かみそう都芭 香雨
コスミック出版 2008-09-16

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 香水会社の両親がわるいやつにだまされて文無しに、そいつに身体を要求された受けは、自作香水だけを持って、親戚をたよってアメリカに逃げ、あげくニューヨークで行き倒れたらちょうセレブなイケメン攻めにひろわれ、ハウスキーパーに。実は受けは数年前にパーティで出会って以来、ひそかに攻めに憧れていたので、今の苦境を知られたくなくてつい偽名を使ってしまう。そんなこんなで、家事はじめてだけれど、あたたかいご主人さまのもとで頑張る受け。

 ライトな王道ものが読みたかったので、前半の都合良いご主人様(笑)とはじめての家事に頑張る受けのあたりはよかったし、わるいやつに受けがさらわれる事件もまあよかったんだけど、末尾の攻めは実は受け自作の香水が目的だったんでしょというすれ違いはなんというか、この話には不要な気がした。感情のすれ違いを書くにはそれまでの展開はライトすぎた気がするし、すれ違いに割かれてるページも少なくてとってつけたような印象がぬぐえなかった。なので最後の方は流し読みしてしまった。

2008年10月03日

加納邑『東京魔人倶楽部』

 パイドPVのさわおもキモかわゆくて大好きですv
 でもアフタヌーンの女神さま&カラスヤサトシのフィギュアは、一体誰が喜ぶの?

4775512617東京魔人倶楽部 (プリズム文庫 ky- 2)
加納 邑 ほづみ音衣
オークラ出版 2008-09-22

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 人間の観察をしている悪魔のご主人様×ご主人様にひろわれて人化し、使い魔を目指すハツカネズミ。人間観察の手伝いのために高校に通ったり、ご主人様の仲間の悪魔の猫にいじわるされたり。

 冒頭でネズミが十日も何も食べていなくて行き倒れになっているのだけれど、ネズミみたいな小さい生き物は、一日食べられなかったらもう危ないのでは…と思った。ネズミは素直天然系受けの最典型という感じで、別にいいけれどなんか受けすぎた。
 ご主人様はよくわからないキャラだった。ネズミを好きらしいしいろいろ気もつかってくれるのだが、なんか鈍かったりもする。お話に利用されてしまっている攻めという印象だった。
 ネコは実はネズミラブなのでは暴力愛なのでは、と期待したが、さにあらずで単なるいじめっ子だったのでなんだかなあだった。

 タイトル的にシリーズなのかな。

2008年09月27日

池戸裕子『年下の男』

477810613X年下の男 (ショコラノベルス)
池戸 裕子 あじみね 朔生
心交社 2008-09-10

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 オフィスのあるビルのエレベータで出会った年下リーマンに口説かれたのですが、彼は実はインターンの大学生で、インターン中に恋人をつくれるかどうか友人を賭をしていたのです!!

 こういう梗概だと、受けの年上美人はクールというか排他的なんではないかという先入観があったのですが、けっこう社交的で友達も多く、だから年下の友達も受け入れたのだというような感じでした。それはいいんですが、しかしあんまし社交的な印象は感じられず、かえってキャラがよくわからないというか、特に特徴のないキャラになってしまった気がする。

 攻めもとくに魅力がないというか…、ていうかそもそもこの設定なので、ネタがバレた後は受けが怒って攻めが必死にくいさがるわけなんですが、もうね、受けと友達のドライブに無理矢理押しかけたりとか、後半は読んでてきっついキャラになってしまった。こういう展開しかないだろうとは思うんだけど、それにしても受けの立場からも攻めの立場からもきっつい言動ばっかりで、最後のほうは流し読みしてしまった…。

2008年09月18日

斑鳩サハラ『官能のブルー・マンデー』『誘惑のブラック・ベルベット』

 PC買った頃にはデュアルコアとか喜んでましたが、最近ではモバイルクアッドコアとかいう恐ろしい製品があるようですね。ちなみにデュアルコアは、熱くて消耗はげしそうで、どうなのかなあとか思い始めてます。うーん。

48352152574048671634官能のブルー・マンデー (B-PRINCE文庫 い 3-1)
斑鳩 サハラ
アスキー・メディアワークス 2008-08-07

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4048672266誘惑のブラック・ベルベット (B-PRINCE文庫 い 3-2)
斑鳩 サハラ
アスキー・メディアワークス 2008-09-06

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 ブルーマンデーだけ画像がないので、ビブロス版の画像を代用してます。
 総じてライトなお話だったけど、一作目のほうが面白げだった気がする。

 商社を突然リストラされてしまった挫折したエリートが、初見のバーでぐちってたらマスターは高校時代の同級生でした。そこで働かせてもらうことになったのですが、彼は実はゲイでバーもそれ系のひとのたまり場になってまして云々。

 受けはちょっと天然というか、なんというか。両親の会社が倒産したり、リストラされたり、父が倒れたり、攻めがゲイだったりいいよられたり、かわいそうなのにかわいそう受けではない気がする。よく考えたら波乱万丈なひとなのだが。

 攻めは小町という名字がかわいくていいですvしかし、二丁目の有名人でモテモテのユースケというのは、魔性のゲイ様とかぶっている気がする…。ダテ眼鏡設定はあんまし意味がなかったような気も。桜城ややの絵的にはいいですけど。怒らせるとデストロイヤー?なのかな。実家の設定とか友人たちとかふくめて、イメージが沸きにくいスーパーマン攻めという感じだった。

2008年09月13日

榎田尤利『獅子は獲物に手懐けられる』

 というわけで、いくら睡眠時間を確保しようと、残りの時間ほとんど労働というのは、やっぱり身体がついてかないのだなあ、と改めて思ったのでした。や、論文書いてるときとか、ずっと集中してらんないのも当たり前なんだよなあ、と…うまく休憩いれなきゃなんだよなあ、とか、何今頃気づいてるんだろうか(笑
 秋葉原まで行ったのに、ムダヅモなき改革がいまだ手に入りません☆しょうがないのでアマゾンで注文した。

4813011780獅子は獲物に手懐けられる (SHY NOVELS 210)
榎田 尤利 志水 ゆき
大洋図書 2008-08-28

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  『犬ほど素敵な商売はない』のペット派遣会社ペットラバーズのシリーズ。第二弾が出るとは思っていなかったので、びっくり&うれしかったですv

 ある日自宅マンションに帰ったら、突然偉丈夫に襲われる医者(呼吸器科。獅子のような偉丈夫は義兄のさしがねで、医者の同意がないのだと知ると引き上げていった。けれども後日、こんどは義兄がつれてきた獅子に、義兄の目の前で抱かれることに。医者は子どものころにおきた事件のために、義兄に逆らえないのだ。そんな医者を、獅子のような男はガゼルのようだと言って云々。

 うーん、全般的にそこそこ面白かったんだけど、ひっかかるところが一カ所ならずあったし、『犬』のほうが好みだったなあという感じ。

 まず、いくらなんでも義兄が最悪的にひどい。医者がうけてきた仕打ちの質、年数、物語内でのエスカレートぶりをリアルに想像すると、ものすごく不愉快で胸クソ悪くなる。昔の事件にかんするオチも最悪だが、これは受けのためでもあるのか…。
 こういう最悪な人間として書かれてるのも、受けのかわいそうぶりを描出するためだけ、でなければいいかなあとは思うんだけど、ラスト近辺の母のこととか、マンションでの事件とかはやりすぎな感がどうしてもある(ラストのは解決手段もちょっと都合良すぎたから、そういうのもあってなんかなあという感じだ。

 攻めは、ペットの第二弾でいきなり獅子か、というのは面白かったんだけど、キャラ描写がいまいち。たびたび獅子と名指されていて、外見もそうらしいのに、なぜかあまり獅子的な印象を感じられなくて、個人的にはそれが一番ネックだった気がした。獅子ぽいとか、傲慢ぽいとか、「獅子」「傲慢」という言葉そのものでしか書かれていない感じ。もっと言葉とか行動とかから、獅子らしさ・傲慢さを書いて欲しい。
 『犬』は犬の犬っぷりがすごく好きだったから、余計そう感じるのかもしれない。
 あと、医者への気持ちはもうちょっと丁寧に書いて欲しかった。わりとよくあるイケメンがかわいそうな受けにほだされてこんな気持ち初めて、という定型としか感じられなかった。

 受けは最初の頃の呼吸が苦しくなるような設定はどこへ行ったんだ。

 獅子の友人で、もとペットラバーズのペットというのは、もちろん犬なんだろう。モデル事務所に所属してる友人も同一人物だろう。が、バイク事故にあって肩を骨折してるなんて…飼い主は何をしてたのだ(笑

 というわけで、ペットラバーズの設定は好きだけれど、この設定を活かしてくれなくては仕方がないし、『獅子』は義兄の不愉快さにくわえてその意味でも微妙だったなあ、という感じだった。

2008年09月02日

読みさし。

 秋月こお『幸村殿、艶にて候3』…買ってあるのに、つみっぱなし。だって、どうせ佐助がかわいそうなんでしょ?(涙。すごく好きなシリーズだけど、読まないかもしれない。

 秋月こお『アンダルシアのそよ風』、本編はなんかそこそこおもしろかったような気がするのだけれど、後編を読んでいなくって、もう内容も記憶の彼方。つまり、このそこそこおもしろい、というのは、どうでもよいおもしろさだったのかなあ、とか思う。

 バーバラ片桐『華麗なる香主、愛の誤算』香港マフィアのボスと造幣局のぺーぺーと、偽金事件。すごくつまらないわけではなかったけれど、いかんせん求心力が無くて、読みさし。半ばくらいの、なんかてごめにされて、仕事ズル休みする電話をかけさせられるあたりまでは読んだ。

 愁堂れな『3P スリーパーソンズ』はタイトルがすごくて、あたしの好きなデュアル攻めものなので読んだのだが、なんかいまいち盛り上がれなかった。もと大学の競走部仲間で、ややワイルドな院生&やや真面目な検事×リーマンで、自分達のまずさもわかったうえでなんかもうある程度達観した三人組。受けに懸想する体育会系取引先とか、検事に懸想するイケメン外国人とかが気の毒だし、検事が留学する後編の最初の方で飽きてしまった。

 矢代米花『新任教師(上) 』は、新任教師がクラスのリーダー格にむかつかれてクラス中、ひいては学校中のペットに、という鬼畜話。期待したほど面白くなくて、あとなんかいたい。せめて新任じゃなかったらもうちょっと我慢できるのかも。気が向いたら続きも読むかも。

2008年08月25日

烏科ひゆ『独裁者の接吻』

4778105508独裁者の接吻 (ショコラノベルス HYPER)
烏科 ひゆ 実相寺 紫子
心交社 2008-08-09

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 初読作家だと思っていたら読んだことあったね…。

 よくできる分家長男と、彼をライバル視しつつ惚れてる本家長男。
 シンガポール支社長の座をかけてのコンペがはじまるが、事件にまきこまれケガをおった本家長男はケガ前後の記憶をなくしてしまう。そしたら分家長男は、お前記憶ないとき俺に告ったんだぜーとかゆって、云々。

 もきー。
 攻めがかなり傲慢なのに魅力がない。受けも優秀なはずなのにおバカっぽい。仕事の進め方が皆稚拙。事件も恋愛も中途半端で、カタルシスがない。攻め視点が最初と最後だけ出てくる語りも稚拙。キスしてなかったことがラストまでわかりづらく、タイトルが活きてない。そもそも日本語が全般的に不如意で、おかしい。

 よかったのは、実相寺紫子の挿画。この人はどんどんうまくなっている気がする。

2008年08月22日

菅野彰『高校教師、なんですが。』

4199003851高校教師、なんですが。 (キャラ文庫)
菅野 彰 山田 ユギ
徳間書店 2006-03-25

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 実は初めてです菅野彰。
 キャラの小冊子が欲しくて買った。今は反省…していない。

 年下のイケメンゲイに猛烈に惚れられたあんましやる気のない高校教師、なんですが…。
 愛に飢えてる攻めは、愛してほしくてうざったく恋人につきまとい、イケメンなのに重たがられてふられてばかり。流されやすい受けに思い込みと猛攻でせまり、受けはなかなか逃げられない。しかしある事実を知ってしまった受けは、なんとか逃げようと出会ったばかりの女性と結婚することに。

 …というのが前段で、その後のものすごい破天荒展開にはさすがのあたしも仰天した。そういう無茶苦茶さとかファルス的展開とかって嫌いじゃないけれど、しかしBLとしての満足感が微妙に得られないので、全体的に微妙な感じ。

 BL的に云々、というのは、攻めも受けもなんかきちんと恋愛してくれてない感じがするので、不満が残るのだと思う。
 攻めは愛がほしいだけで誰でもいいんだ、という指摘はとっても面白いのだが、しかしこの受けでなければならない理由が結局語られなかったので、なんだかなあ。このモチーフは、きちんと回収できなければ、単純にハッピーエンドに陰をさすだけになってしまうじゃないか。
 あと、受けはもう少し攻めに惚れてくれはしないか。結局流されただけという印象。

2008年08月15日

高尾理一『落花の褥』

 本当にお疲れ様でした。感動をありがとう!
 なんか昨日はサーバが落ちてて更新できなかったうえ、ベトナム記はぜんぜんまとまってないのでまた明日!

4778106105落花の褥 (ショコラノベルス)
高尾 理一 緒田 涼歌
心交社 2008-08-09

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 明治中期、ハーバードに留学中の華族嫡男。あこがれの美術商のお兄さんから、実家がヤバいことになったので、融資するかわりに自分の妻になれとか言われて云々。

 梗概から、攻めの暗躍が暗示されてたので、実家の没落も美術商のウソかも、とか思いましたがさすがにそこまでウソツキではなかった。
 内容は全般に、ごく普通の没落華族嫁入りもの(果たしてそんなジャンルがあっていいものかと思うが、これって一ジャンルになってるよなあ…)だった。時代描写もいまいち甘いし、キャラ設定も明治時代のキャラとしての描写(言葉遣いとか考え方とか)も物足りないし、そもそもふつうにキャラにあんまり魅力がない感じ。

 攻めは美術商という仕事がぜんぜん活かされないな。強引傲慢で、しかし周囲の人によればかなりの不器用人間らしい、ということがわかってくるあたりはいいのだけれど、結局その不器用さが受けに伝わるのがかなり最後のほうで、かわいげある傲慢不器用攻めっぷりがあまり書かれなくてかわいそうにという感じ。
 受けはあんまり特徴もないかなあ。男の身で妻にされてみて、女性にたいする抑圧をまざまざと実感するあたりはジェンダーものとして多少興味深いが、それでいながら最後には妻という立場をあえてまるっと受け入れちゃうのも面白いのだが、その間にある契機が攻めは実はいいひとかも、という点だけなので、いまひとつ。

2008年08月07日

木原音瀬『愛すること』

 おおー。来たー。
 「美しいこと」の全プレ小冊子が届きました。結構厚めで二段組み、日高ショーコの挿絵やコメントまで入ってて、これはちょうお買い得だった…気がする。

 相変わらずなふたりで、モテ男ながらものすごい気をつかってあれこれ一人思い悩む松岡と、優しくてダサくてムードよめないのにエロい寛末(笑。全然相性悪そうで、でもお似合いというか。いまだにさん付けで呼び合ってたり、メールが丁寧語になったりするのもこの二人らしい。

 松岡視点であるせいもあるのだろうけど、松岡は寛末の前に座るか隣りに座るかで真剣に悩んだり、外部とのかかわりかたにもあれこれと思い悩んでて、これは胃弱になりそうだなあと思った。寛末のモサいところとか、雰囲気よめないとことかわかってて、一気に冷めたりとかもするのに、すごい寛末大好きで、そんな落差が不思議としっくりくる。ダサ男にイケメンがめろめろで、イケメンノンケが男にめろめろで、いろんな意味でアンバランスなのに、そんな松岡に全然違和感がないのは、上下巻という分量をつかって丁寧に心情を描写してくれたからだろうなあ。あらためてスゴイ作品だなあと思う。
 寛末は、あとがきにあったように、担当さんグッジョブというか…(笑。本編みたいな無神経な自分勝手さが随分おさえられてて(それでも松岡は一人で勝手にもんもんと悩むわけだが)担当さんのアドバイスのおかげだとしても、これは寛末が成長したのだととらえておきたい(笑、松岡の幸せのためにも。

 しかしなんだか、やはりBL的にものたりない気もする。というか、単純に面白いお話だから、もっと読みたくなっちゃうのか。それこそ松岡のかわいいワガママとか、もっとたっぷり読みたい~(笑。デレデレしながらそれにこたえる寛末とか読みたい~(笑

 日高ショーコの後書き漫画、時間がないときに下巻のゲラをもらってしまった話、すっごい共感できるなあ(笑。二人がカレーつくってる絵がかわいい。

2008年08月06日

松岡なつき『FLESH&BLOOD』6、7

419900291XFLESH&BLOOD(6) (キャラ文庫)
松岡 なつき 雪舟 薫
徳間書店 2004-01-30

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4199003223FLESH&BLOOD(7) (キャラ文庫)
松岡 なつき 雪舟 薫
徳間書店 2004-11-27

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 ロンドン編が終わり、スペイン編に入るまでのインタールード的な部分。このあたりはふたつのおおきなオイイィィ!(@シルバーソウル)と叫びたくなるポイントがあったように思います。

 ひとつめはもちろん、七巻のリリィ登場ですよ!すっかり失念してましたが、タイムスリップものの醍醐味のひとつですよね、同士との邂逅って!なんかこの話は、カイトの現代人としての感想とかよく入るし、和哉のことを思い出したりするシーンとかも結構入るので、タイムスリップものの王道らしく書きたいんだろうなあとは思うんだけど、リリィは結構びっくりした。びっくりしたというか、リリィ自体ちょっと妙だなとは思っていたので、タイムスリップものだということを思い返すと、目からウロコという感じだった。

 ふたつめももちろん、ナイジェルのガチ勝負で…むくわれそうもないのでせつないお…。冷静な航海長、真面目で人見知りで一度うけいれた人間にはとことん優しいナイジェルなんて、すっごいステキじゃないですか…。奔放で豪快なジェフリーもまあいいんですけど、なんかなんでカイトがジェフリーに惚れたのかいまいちよくわからないというのもあって、余計ナイジェルが不憫。
 というか、ナイジェルがこんな不憫キャラになるんだったら、いっそジェフリー×カイトではなく、デュアル攻めCPにしてくれればよかったのに、と思うんですが…。

2008年07月29日

松岡なつき『FLESH & BLOOD』3~5

4199002324Flesh & blood (3) (キャラ文庫)
松岡 なつき
徳間書店 2002-06-23

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4199002588FLESH&BLOOD〈4〉 (キャラ文庫)
松岡 なつき
徳間書店 2003-01-23

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4199002707FLESH & BLOOD〈5〉 (キャラ文庫)
松岡 なつき
徳間書店 2003-06-23

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 いや…確かにね、ナイジェルとカイトがなかよくなったらジェフリー嫉妬して面白いだろうなあとは思いましたが、そこまでガチでナイジェル→カイトになっちゃうと、報われないナイジェルがせつなくてかあいそうになってしまうではないですか…

 お話自体は結構ゆっくり展開な気がするのだが、しかしこのままレパント海戦まで描くとすると、はたして全何巻になるのやら。ロンドン編は意外だったというか、しかし確かにタイムスリップものなのだから、当時の有名人が軒並み出てくるというのも醍醐味だよね。ビセンテサイドのセルバンテスとかもね。ナイジェルに惚れてるマーロウはもっといろいろ出てきて欲しい。というわけで、タイムスリップでちょっとやおい、なジュブナイル小説として、普通に面白いです。

 あーしかし、つまりやはりナイジェルが一番気に入ってしまいましたですよ。
 主人公二人もいいけれど、カイトはわりと普通の純粋爛漫受けっこだし、ジェフリーも優しいけど自信家イケメンモテ男という定型攻めだし、お堅くて最初はカイトに反発していながらも、真摯に惚れ込んでしまったナイジェルは、あまりにおいしいキャラすぎる…そういえば、キャラ文庫のフェアで小冊子をもらったけど、これもナイジェル一人称の話だった。人気のあるキャラなんだろうなあ。

2008年07月27日

松岡なつき『FLESH&BLOOD』1、2

 ほんっとうにおめでとう!

4199001921FLESH & BLOOD〈1〉 (キャラ文庫)
松岡 なつき
徳間書店 2001-07-22

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4199002138FLESH&BLOOD〈2〉 (キャラ文庫)
松岡 なつき
徳間書店 2002-01-23

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 前から気になっていたので読んでみました。
 21世紀の英国、父の仕事の関係で英国生活も長い高校生海斗が、ドレイクに憧れてゆかりの地を旅行してたら、異次元の穴からタイムスリップしてしまいました。途方に暮れてたら、ドレイクの信頼あつい海賊船長ジェフリーに出会い、彼の船に身をよせることに。

 BL要素は薄いし、ふつうのジュブナイル小説が、時折やおい的になるだけという感じ。なのでちょっと展開がゆっくりだなあと感じる部分もある。
 ところで、予備知識なしで一巻を読んだ段階での、ベタな展開予想。というか希望かも。

 1、航海長ナイジェルは結局海斗を気に入り、ジェフリー嫉妬
 2、海斗はいずれ、敵のスペイン人ビセンテと一時的に行動を共にすることに
 3、その結果海斗はビセンテに情がうつってしまい、ジェフリー嫉妬
 4、ビセンテの方でも海斗に好意をもち、やっぱりジェフリー嫉妬
 5、海斗の友人和哉が過去にやってきて再会
 6、和哉が誰かとCPに
 7、あるいは、逆にジェフリーが未来に来るというオチ

 二巻では、1の前半は出てきましたね。今後どうなるのかなー。

2008年07月25日

ひちわゆか『今宵、雲の上のキッチンで』

4862634230今宵、雲の上のキッチンで (B-BOY NOVELS)
ひちわ ゆか
リブレ出版 2008-07

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 初読作家です。再刊ですね。面白かったです。

 カフェ「ルフージュ」のマネジャーは、にっこり微笑めば金魚でもおちると言われるイケメンだが、非常な毒舌の持ち主で、恋人とも長くつづいたことがない。ある日騒がしい客をなだめてたら、客の知り合いらしいイケメン社長が仲裁してくれました。あらいい男、と思ったら、しかしひどい嫌みを言ってくるのです。やな客だなあと思いつつ、物損を弁償してくれるというのでにっこりしておくマネジャーですが、実は社長は雑誌記事でマネジャーを知っており、憧れからくる緊張であまのじゃくな嫌みを言ってしまったというわけなのです。後悔する社長は謝罪に行ったりするも