山本ティナ『夜啼く鷹は愛を知らない』
スラムの自警団長の青年が、世話になっているギャングのところに来た外部の警備隊長をもてなすことになって。
すごく好みだった。絵がややレトロで、受けがしっかり男らしくて、でもかわいそう受けという、個人的な萌ツボにすごくはまった。受けが今後どうするのかは知りたかった。
スラムの自警団長の青年が、世話になっているギャングのところに来た外部の警備隊長をもてなすことになって。
すごく好みだった。絵がややレトロで、受けがしっかり男らしくて、でもかわいそう受けという、個人的な萌ツボにすごくはまった。受けが今後どうするのかは知りたかった。
陰龍を退治する衛士の攻めが、陽龍に出会って一緒に陰龍を退治しようと思ったら。
設定がてんこもりで、後半のあの龍をこうしたらこうなる、という辺りは少々理解が追いつかなかった。でも設定とキャラが多いのにどこも手を抜かずにしっかり描写している一方で、主人公CPもしっかりキャラが立っててお話もちゃんと展開してて、それでいてまとまりもあるのですごい。攻めもかっこいいけれど、なにしろ龍がかわいい。
幻冬舎のセールでまとめて購入。
短編集。どの作品も素晴らしいけど、表題作もほんとにいい。ウラジオストックの博物館でチケットを売っている日本人青年の手を見て惚れ込んでしまう建築家のお話。広場の話とかもすごくいい。どのお話ももっと読みたい!となる。俳句の話の続きは『明日屋』の上巻に入っていた。
ゲームでスクールカーストが決まる学校で、キングからターゲットに転落した梓と、ワナビーからキングになった刈野を中心としたお話。
以前修学旅行あたりを本誌で少し見かけて、人気作品らしいけどなんかよくわからないしあまり面白そうでもないなと思ってしまったんだけど、今回まとめて読んだらやっぱり面白かった。
特に主要人物で、自分のカーストをしっかり演じようとしている人が少ないのが、残念だしわかりにくさの原因な気がする。あと話に邪魔だからだろうけど、教職員がひどすぎる(笑。
梓は最初がひどすぎるので、どうしようと思ったけど(笑、家族への複雑な感情が次第に明らかになっていったりで、次第に魅力的になっていった。キングの時の暴君ぶりも、自分の地位を守るためとかキングらしく振る舞うためだったとかもう少しはっきり語って欲しい気もする。
あつむは最初はただのいじめられっこで顔もかわいいわけでないので、久世が執着する理由もわからなかったしお話的にも微妙になったな…と思っていたら、久世の抱えている闇と、あつむの成長とで魅力的になっていって、梓もそうだけれど最初はそうでもないキャラが魅力的になっていくところがこの作品のよさの一つだなと思った。ただ、この二人こそまさに自分のカーストらしく振る舞わない人たちの筆頭なので、そこが難しい(笑。
そしてなにより、バッドボーイの巽と仙崎のキャラと顛末がよすぎて、このCPでかなりこの作品を好きになった。犯罪を犯すでもないのにこれだけイカれた雰囲気を出している仙崎は近年まれに見るいいキャラだし、巽の最後の選択もびっくりでよかった。ただ、この二人はもう少し進展があってほしい…キャラ紹介に仙崎が出てるからまた再登場すると信じたい。
6巻がすごくいいところで終わってるので、次がすごく気になる。
不器用なリーマンが夜のバイト先に行ったら、何かといじってくる仕事のできるイケメン同期がお客で。
絵もきれいで受けも男らしく、受けも攻めもキャラもよく、展開も凝っていてお話も面白い。のだけれども、受けがバイトをしている経緯や状況が結構悲しく残念な感じなのがどうも影を差すのが少々ネックかも。先輩が腹立たしいので、もうちょっとザマァ展開とか救済設定とかあるとよかった。でも全体的にはよかった。
借金のカタにマグロ漁船に連れて行かれた舎弟の当座の返済のため、わりのいい派遣会社に入れたと思ったらピンク系専門の派遣で。
これはすごく面白かった。一般的にも面白いと思うけど、ピンポイントで好みなのかもしれないしその辺りは自分では判断しにくい。
風俗系の派遣というトンデモ設定ながら、こう来てほしいな~という期待をいい意味で裏切らない。最初はノーパンしゃぶしゃぶから、ブルセラ、ピンサロとどんどんきわどくなっていく展開とか、最初のお店で出会ったナンバーワンホストが毎回来てくれて次第に恋愛に発展していくのとか、塩梅が素晴らしく期待通り。キャラもよくて、受けは負けん気の強いかわいこちゃんだけどちゃんと男の子らしいし、攻めはイケメンだけど受けとの年齢差に年を感じたり、誤解されて挽回しようと頑張るあたりすごく人間味があっていいし、受けの会社の社長もいい人。
CPくっついてからもホストとそれほど接触のない風俗をそれぞれ続けてるのも甘すぎずいい。とにかくバランスよく、面白かった。
全寮制男子高、一般人のこが、恋愛成就のおまじないをしてたら、顔頭家柄よしの特進クラスのこに自分のことだと勘違いされて、なぜか付き合うことに。
わりと不穏なはじまりだったけど、二人ともすごいかわいくてよかった。お調子者でビビリの攻めも前向きさで受けの助けになれて、ひねくれてすねてた受けも逃げずに自分の気持ちに素直になれて、二人とも成長していく感じでよかった。描き下ろしでフォローされてたけど、ごみを森に埋めるというダメさも高校生のアホの子という感じでこれはこれで。とにかくかわいいお話。
かつて小悪魔受けに突然去られた攻めが、顔だけは受けによく似た素朴純粋な新聞配達員と出会って。
たまにこういう話があるからBLを読むのをやめられないんだよなあと思った。とはいえ、実際は各ジャンルにそういう面白い話があって、BLに限ったことではない(SFでいうなら最近ではテッド・チャンとかがそういう凄みを感じた)のはわかってるんだけど。
でもこの作品は、事件にまつわるからくりも、面白くはあるけどよく考えると描写が甘く、一方でそれを土台にしたBLとしての展開が素晴らしい。
以下、若干ネタバレになるかも?
冒頭では、遼一がいやな奴でゆりが素直でかわいそうで、三希は素敵な人らしいけどどこがいいのか全然わからず、BLとしてはゆりが幸せになれそうにないしどうすんだ…って感じなのに、でも遼一の過去がわかってみると、三希のよさもわかるし遼一の感じ悪さの理由もわかるし、でもゆりにも惹かれてるっぽくて安心するけど三希へのような情熱ではないっぽいし、ゆりと三希は二股できないのにどうすんだ…となり、後半には三希が戻ってきてよかったね…とはなれずとまどうし、それは読者だけではなく遼一もっぽいしで、でもラストには、ああよかったね…となる。途中までは、ひとつになるエンドでは納得できなかろう…と思っていたのに、ちょっとせつないけどよかったね、と、納得できるようにもっていってくれる。つまり、登場人物とその関係性にたいしてものすごい感情がうごかされて、あっちこっちふりまわされるのが、とても気持ちいい。
後日談がほしいなとは思うけど、ないほうがきれいだよね。
pixivで読んでいたお話が最終話まで入ってコミックスに。
完全無欠のスパダリくんが、異様に体の丈夫なフジミに出会って。
謎すぎて読者を選ぶような気もするけど、すごくよかった。
二人共キャラがぶっとんでて、スパダリくんは声も態度もでかいし、自分のスパダリぶりをわかってて押し付けがましいのに、高所恐怖症を一生懸命隠してたり、傲慢なのか謙虚なのかよくわからない自己PRとか、すごくかわいい。フジミは、強くて楽しいことが好きで他人に興味ないので、スパダリくんが幸せになれるのか心配したけど、ちゃんと好きになってくれたようでよかったし、フジミのささやかな人間味としてもいい感じ。スパダリくんの声のでかいところが好きだそうでいいカップルだと思った。
タイトルが物騒で心配したけど、そういうことかーという回収の仕方でこれもよかった。
王子の庭園で飼われている動物たち、アルビノのライオンの子を預けられたボスの黒豹が育ったライオンに襲われて。
絵もデザインもかわいくていい。ライオンが途中まではわがままぼうやなだけなんだけど、最後に愛情ゆえの行動をあかすのがいい。黒豹はもう少しライオンへの執着をはっきり見たかった。
タイトルの意味が不明なんだけど、続編があるのかも。別CPの続編とかありそうだし、ぜんぜん出てこない王子や調教師がやけにキャラ立ちしてるので、人間編もありそう。