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2007年03月20日

森見登美彦『太陽の塔』

4101290512太陽の塔
森見 登美彦
新潮社 2006-05

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 京大農学部生が一年前のクリスマスにふられた彼女に「研究」と称してつきまとう、というお話。
 ファルス志向かつ意図的にか無意識的にかわからないスノッブな文体、という印象をうけました。

 京都のほかの大学に通っている高校時代の友人が、
「京都の女子大生は京大生が奪って行く」
 と言ったとき、私は愕然としたほどだ。
 いくら目を皿のようにして周囲を見回しても、私の身辺には他大学の女子大生を略奪してくるような豪の者は一人もおらず、私も含めてどいつもこいつも、奪われる心配もない純潔を後生大事に守り通しているように見えた。松明を振りかざし、「女子大生はいねがー」と叫びながら、他大学まで女子大生を狩りに行くと一般的に言われている恐ろしい京大生はどこにいるのだ。今でも私はあれを一種の都市伝説と考えたい。

 と、こんな感じ。ちょっとネット文体っぽい気もする。

 しかし梗概に出ている元彼女へのストーキングは冒頭にしか出てこなくて、いろいろな人とものがリゾーム的に出てくる感じだし、物語としてのまとまりはあまりない(リゾームとしての一体感はある。あとあんまりファンタジー的には面白くない。太陽の塔や末尾の「ええじゃないか事件」がファンタジー部分にあたるのだろうが、モチーフも展開もいまひとつ凡庸な気がする。
 あとあたりまえだけどすごく京都という町の描写が多く、それはいいのだけれど太陽の塔がトポス的に唐突な印象。関東在住のわたしには、京大近辺から阪急だかにのって万博記念公園まで、という道のりがイメージできないし、何でこんなに京都のリゾームを描いておいて大阪にある太陽の塔に回収しようとするのか、がいまいちわからないというか伝わってこない(太陽の塔は元カノがらみのモチフなのだけれど、上述のように恋愛物語がうまく機能しているとは思えないので、やはり唐突。でも京都の人なら違和感なく読めるのかな。

 ただ、こういう文体が好きな人が手軽に読むにはいいと思う。わたしは結構好きなのでそこそこ楽しく読んだ。

2007年03月07日

マイケル・グレゴリオ『純粋理性批判殺人事件』

 カレンダーが動作してませんね…。

純粋理性批判殺人事件〈上〉純粋理性批判殺人事件〈上〉
マイケル グレゴリオ Michael Gregorio 羽田 詩津子

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純粋理性批判殺人事件〈下〉純粋理性批判殺人事件〈下〉
マイケル グレゴリオ Michael Gregorio 羽田 詩津子

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 久々にあたまにきたというか、ダメな作品をちんたら読み続けてしまったことに腹が立つ。つまらないので読みさして、時折思い出してはどっかにいってしまったのをまた探し出して読んで、たぶん二、三ヶ月は読み続けてしまったのである。

 設定はものすごくあたし好み。晩年のイマヌエル・カントといっしょに殺人事件に取り組もう!なんて、ものすごく面白そう。そして、全く面白くないわけでもない。ヤッハマンやフィヒテの使い方も面白いし、大まかにナポレオンの時代という社会状況もさし色として面白い。

 しかしあまりに描写がダメというか、いやもしかしたら翻訳がダメなのか…。読んでてしんどい。
 そして、時代性もうまく活かせていないというか、殺人事件を論理的に解決するというカントやハノの方法が、これまでの捜査方法とどうちがうのか、がよくわからない。しかしこれはあたしが作者と文化を共有できてないからニュアンスがわかんないってことなのかなあ…。
 また、事件の結末のつけ方もつまらないというかなんというか、隣りの家に塀が出来たって、へー。って感じ。ハノの弟にまつわる昔の事件のほうもなんだかな。
 他にもいろいろ言いたいことはあるのだが、もういいや。
 総じて材料はよいのになあ、という感じで正直オススメしない。

2006年10月13日

太田光・中沢新一『憲法九条を世界遺産に』

 『The Ruby』が出ましたが…、フジミ、わたしのすごくニガテな感じの番外編で…した…。タクミはなんか異様に文字が大きかった。

4087203530憲法九条を世界遺産に
太田 光 中沢 新一
集英社 2006-08-12

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 詳しく批評しようかとも思ったけどめんどくなったというかバカバカしくなったので、感想だけにします。

 とりあえずこのタイトルは太田のジョークのつもりらしい。ので、ちょっと安心したんだけれど(笑、しかし、こうしたタイトルも含めた自分のディスクールを、「新書」という形態で世に問うことの意味までしっかり考えてるとはとても思えないジョークだと思う。内容に関してもやはりあまりに幼い思想もあり、目配りの足りてない部分も多く、総じて甘いとは思ったけれど、結構色々なものを読んでるなあと思った。自分の妻に政治的な言動を批判されてることとかも書いてるし、結構柔軟な人なんかなあとも思った。
 ただ、一応反論への目配りもしてますよー、柔軟に考えますよーという留保は、言い訳がましいというか、信頼しづらい部分もある。自分は自己批判できてるから大丈夫、と思っちゃう人って、案外死角に気づかない気がする。無知の知を得たつもりになって満足してしまうというか。まだ知へたどり着いてないかもしれないのに。
 失礼な物言いだけど、この人がまだ学生くらいの年齢だったらこれからすごく期待できただろうなあと思う。
 んで、逆に言えば、中沢新一は…いいや、もう(笑。

 ってかこれを読んだのは、宮沢賢治に随分言及してるからだったんだけど、国柱会に共鳴しちゃう宮沢賢治のアブナサを看過すべきではない/けれど『宮沢賢治殺人事件』とかも違う、って目配りしてあなたはどこへ行くのか、希少生物とかいうラベリングして新しい神話を立ち上げてるだけじゃん、と思ったところで、ああこれは研究業界でも自己反省すべき点だよなあ、って思ったり…。
 ちなみにこの流れは主軸の憲法論にほぼまんまなので、まあそういう内容なわけですよ。実りはないですね。

2006年08月10日

『ダ・ヴィンチ』9月号

 昨日の日記はなんだったのでしょうか。
 呆れて二の句も継げません。

B000H2ZUQKダ・ヴィンチ 2006年 09月号 [雑誌]
メディアファクトリー 2006-08-05

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 ヤオイ特集だったので購入。
 読んだことないヤオイ小説がいっぱい紹介されてるから、読んでみようと思って。

 まだきちんと記事よんでないのだけど、しかしBL芥川賞とかって取り上げられてるのが今市子、西田東、藤たまきって…なんというかモロに文学趣味的(あんまり良くない意味でね)だなと思ったけど、妥当でもある、かな。よいヤオイを選ぶという枠の中で、これが一般誌という状況も加味して、最大公約数を選んでるなという印象。
 なのだが、なんで『楽園まで』?なんで『恋をしましょう』?理解できない。今なら『大人の問題』でいいじゃん。西田なら『彼の肖像』でいいじゃん。最新作を出してるのかなとも思ったけど、藤たまきは『ジムナスティック』だし…よくわからない。

 テレプシコーラは微妙な均衡と嵐をかかえた篠原家がしんどいね。六花ちゃんがんばれ。
 次回で第一部が終わるらしいけれど、第二部っていつからはじまるのかなあ。

2006年06月27日

六月に読んだものから。

 うーん。小説も個別エントリーにしようかなあ。と思っています。

九死に一生ハンター稼業九死に一生ハンター稼業
ジャネット イヴァノヴィッチ Janet Evanovich 細美 遙子

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 最近粗製濫造なプラムシリーズだけど、今回はまあまあ面白かった。
 唐突にコニーとラスベガスに行く辺りとか、ルーラの肉だけ食べるダイエットとか、相変わらず無茶苦茶で面白い。レンジャーの仲間が次々とステフのせいでリタイアしていくのはかわいそうだったけど、ヴァレリーの出産で非道い目にあってた人はおかしかった。
 三角関係の発展はなし。いつも、絶対レンジャーのほうがいいのに、と思うんだけど、…モレリもいいよね(笑。ステフの一人称で、モレリと呼んだりジョーと呼んだりするのがいわくありげで気になった。まああんまり意味はないんだろう(笑。
 あと前から思ってたんだけど、マフィアの家系で超美女のテリー・ギルマンって、もう名前だけで参りました、って感じだよね。ほとんど名前しか出てこないことが多いけど、やっぱ出てきたらギャグになっちゃうからかな。

 関係ないけど、クリスマスって最後どうなったんだっけ?と思って『お騒がせなクリスマス』を確認したら、モレリがステフに指輪をあげて友情のしるしだ、と言ってるとこがなんだかよかった。

チェーンレターチェーンレター
折原 一

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 最初のあたり、特に冗長だった。あとホラーもので事件にまきこまれた男女が恋愛関係に陥ってしまうのはなんだか興ざめなものである。最後がいまいちよくわからなかった…結局この人が原因だった、ってことなんだろうけど、隣人との接点とかよくわからない…ような。
 しかし各章ごとにオチがついて、それなのに全体の物語は終わらないというスタイルが物語のテーマとも通底していていいなと思った。

2006年06月06日

五月に読んだものから。

 なんかBLノベルとか色々読んだ。
 最近新書の劣化がどこのレーベルでも急激だね。ゲンナリする。漫画買った方がマシだったなあと思ってしまう。

飛蝗の農場飛蝗の農場
ジェレミー ドロンフィールド Jeremy Dronfield 越前 敏弥

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 デビュー作だということでの甘い評価はしたくないし、たとえ甘く評価するにしても、このミス2位って価値があるとは思えなかった。

 後半から末尾は面白くなくはないけど、前半の冗長さに見合うだけの面白さはない。
 挿話の時間軸の使い方なんかは珍しくはないのだろうけど面白いし、それに気づいたときには(気づくのが結構遅かった)おおっとも思ったけど。
 末尾の意外性が喧伝されてたけど、展開も最終的な結末もぜんぜん予測できちゃう範囲内だった。結末までハラハラドキドキという意味だったら『13階段』とか、結末の記述の妙だったら『マーチ博士と四人の息子』とか、もっと面白い作品っていくらでもあると思う。
 あとトリックがなあ…。食傷すぎで地味。トリックそれ自体が食傷ものの上、描写にも目新しい見るべきものはなかった。それ以外でも、ロザリンドとか使い切れてないと思うし、飛蝗も活かせてると思えない。スティーブンはなんで飛蝗嫌いなの?飛蝗の農場ってわざわざタイトルにする意味がつかめない。

 でもまあ分厚かったし、しばらく楽しんだのでまあいいか。

2006年04月14日

四月に読んだものから。

ダ・ヴィンチ・コード(上)ダ・ヴィンチ・コード(上)
ダン・ブラウン 越前 敏弥

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ダ・ヴィンチ・コード(中)ダ・ヴィンチ・コード(中)
ダン・ブラウン 越前 敏弥

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ダ・ヴィンチ・コード(下)ダ・ヴィンチ・コード(下)
ダン・ブラウン 越前 敏弥

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 ちゃんと面白かったけど、なんでそんなに売れたんでしょう、とも思う。売れるのわかるけど、あの話題性はちょっと尋常じゃないように思える。
 文体もいまいちうまくない(映画的すぎる)し、展開もごまかしているような部分(クリプテックスのオチとかよくわからない)とかうまく機能してない部分(主人公以外の動きに整合性が在るのかあやしいし、オチも弱いように思う)が目につく。特にオチ。フランスオチもイングランドオチもエーという感じだった。オチだけで言えば、『フランチェスコの暗号』の方が好きかな。

 キリスト教圏で売れたのはなんとなくわかるというか、原始キリスト教ブームの一環として考えれば納得出来るんだけど。つまり小説としての評価でヒットしたんではないのかなともちょっと思う(勿論、そういう話題性も含めた<小説>としてヒットしたんだってことはわかってるつもりだし、こういう評言の仕方をしちゃうと<文学>のキャノナイゼーションに荷担してしまうような気もするんだが、便宜上こういう言い方しか出来ない。

 ちょっと評価厳しいかもしれないけど、要するにフツーに面白かったけど、かなりの期待をして読み始めちゃったので、ちょっと拍子抜けしたなあってところ。あと作者の調査量にはただもう脱帽。個人的にはその部分だけでも充分面白かった。

 ところでイエスとマリアマグダレーナの子が云々という話、よくある…よねえ?なんだかものすごい既視感があって、というか内容よりもその説明部分の文章そのものに既視感があったんだけど…はて。寿たらこか?(笑

2006年04月04日

三月下半期に読んだものから。

 随分前から師匠が「葛城くんアレ読んだ?」って何度も仰るし、わたしも読もうとは思っていたし、やっと文庫になったので『ダヴィンチコード』買った。まだ読んでない。

ハツカネズミと人間ハツカネズミと人間
ジョン スタインベック John Steinbeck 大浦 暁生

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 戯曲風って言われるのがなぜなのかよくわからなかったけど、なんか納得もする。
 正直戯曲というのはよくわからないのだけど、あることがあってから論じやすすぎるテクストなのかなってイメージがすごくある。それは装置とかキャラとかセリフぜんぶに意味があって、わかりやすすぎる、って印象なんだけど。で、このテクストもそんな感じだなあと思った。
 どう考えてもわたしの好きなタイプの話ではないしエクリチュールではないのだと、心ではなく頭で思った(つまり、好きじゃないと感じたわけではない。でもキャンディ老人の件につき、他の部分にかかわらずもう好きではない。

日本の黒い霧〈上〉日本の黒い霧〈上〉
松本 清張

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日本の黒い霧〈下〉日本の黒い霧〈下〉
松本 清張

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 前から時々拾い読みしてる。
 すごくすごく正直なところ、MMRっぽく感じてしまう。「・・・はGHQの陰謀だったんだよ!」「な、なんだってー!」ってさ…。たぶん同時代読者だったら感じ方はまた違うんだろうなあ…。
 あと、同時代読者だから知ってるはずな事件の概要とかも、もっと詳しく教えてほしいと思ってしまう。帝銀事件とか、読者がもう概要は知ってること前提で書かれているけど、わたしにはわからないもの。やっぱり読者を限定するというか、同時代読者とそれ以外では読み方が違ってしまうことが前提のテクストだと思った。

2006年03月14日

三月上半期に読んだものから。

 読もうかなと思ってるのは飛蝗の農場とロンググッバイ。
 なんか面白い本ないですかね。出来れば外国文学で。

密室の鍵貸します密室の鍵貸します
東川 篤哉

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 初読作家だったので、最初はえ?それ笑うところ?と入っていけなかったんだけど、プロローグのおわりにきれいにオチがついてああそういう作家なのね、と判って妙に好意的に読んでしまった。なんか好きなんですよ。
 ネタバレになってしまいますが、これの前に有栖川『海のある奈良に死す』を読んだせいもありまたビデオですか!と思いましたが、ていうかビデオが出てきた時点で犯人も動機もすぐに判ってしまったので、実はねって感じで推理展開されてもあんまし感慨はなかったんですが、それはわたしだけかもしれません。これ以上書くと完全なネタバレなので白抜きでも書きませんが。

13階段13階段
高野 和明

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 冤罪ものが連続で。
 書店のおすすめで大当たりしたことは残念ながらあまりなかったのだけれど(小当たりはそこそこ、密室の鍵もそうだ)これ某所で少し前にプッシュしてたよね。別件で手に取る機会があって読んだんだけど、かなり面白かった。文体がちょっととっつきづらい(わたしにとっては)のと、テーマのせいもあってどうしても説明が随所に織り交ぜられるのがちょっとしんどかったけど、読み進めるうちにそれは気にならなくなった。ラストがちょっと淋しいというか物足りない気がしないでもないんだけど、でも悪くないというか妥当というか上手いというか…足りないことはないかつい確認してしまっただけで…。あと、アレ?と思った件に関しては解説で納得、一応。
 ただ、すごく面白いんだけど、ものすごくストレスフルで、特に最後の100P弱なんかは息を飲む展開ってこういうことだッ!って感じなので、体調がよくって時間がある時に読むとよいかと(笑。いくつもミスリーディングしかけられて、伏線がくるくるからめとられて、ハラハラドキドキ、最後にそう来たか!と衝撃を受ける、もうミステリ・サスペンスの見本のような秀作なんですが、テーマがテーマなだけにほんとストレスたまった。
 というわけで、兎に角ほんとに疲れた。それでも読んで絶対損はしないと思う。

 ところでこの作が冤罪ものだったのは偶然だと思うんだけど、乱歩賞というとどうしてもテロリストのパラソルを連想するので、乱歩賞って追われつつ捜査するってイメージになってしまった、かも(笑。

2006年01月31日

一月にに読んだものから。

 こないだ電車で隣に座った若リーマンが鼻をぐずぐずさせてて、やだなあ風邪かなあうつらないといいなあとか思っていたら、リーマンは鼻をかみつつ本を読んでいるどう見てもリリーフランキーの東京タワーです。んなあざといテクストで、と言いたいところだったけれど、うーん、電車でプルートウを読んで涙目になってしまったことのあるわたしには笑えなかったねえ。

 また別の日は前に座っていた学生かフリーターかな感じのイケメンが、読んでいた文庫本を閉じつつ電車を降りていくその表紙はどう見ても暁の寺です。…負けた。春の雪上映中の豊饒の海の販促っぷりを見ていて、一体何人が天人五衰まで読むんだろうかとか思っていたけど、全然読まれているのかもね。

46番目の密室46番目の密室
有栖川 有栖

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 一作目なので最初に読んだ。シリーズものは一応一作目だけ最初に読んどこうかなと思って。
 この一作目に限らず、アリス火村(火村アリス?)シリーズは小説家が視点人物なので小説家がいっぱい出てくるし、ストーリテリングにもそうした要素がそこここに活かされているので、わたしのツボですな。そしてメタミステリ的な面白さもあり。
 文体はイマイチ好きではない。誠実そうではあるが。
 アリスシリーズが801っぽいと思いこんでいたのは非常に申し訳なかった。コミカライズした麻々原絵里依のせいというかむしろ手腕(笑)による印象が大きかったようだ。とくに火村の描写を見ていてそう思った。でも火村は結構女子学生にもてるって設定もあるんだよね。うーん。

海のある奈良に死す海のある奈良に死す
有栖川 有栖

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 これの冒頭で特にそう思ったんだけど、アリス視点の人物批評って好意を持っているのかいないのか全然わかんない。アリスは赤星のことキライなのかと思ったよ…。
 こういうのなんていうんだろ、旅情もの(笑)というか、土地ものというか、ある土地に移動してその土地独特の犯罪が行われるというような、よくあるよねこういうのミステリで。火サスとかよくしらないけど。何ていうジャンルなんだろう。まあとにかくそういうのはあんまり好きじゃないかもと思った。つまらなかったわけではないですよ。
 ところで昔から『ヘルレイザー』(ホラー映画のね)ってなんで人気があるのかよくわかんないんだよね。なんかあの箱の使い方とかあまりに非論理的な気がして入り込めなかったから。まあたぶんそういうところで評価する映画ではないんだろうけど。

英国庭園の謎英国庭園の謎
有栖川 有栖

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 小説家の方って初稿のゲラ一週間で出るんだ…( ゚д゚)ほんとに?い、いやそういえば、10日くらいで来たこともあったな、うん。○○国○がちょっとおかしいんだな。
 短編集なのでちょこちょこ読んだ。授業に使おうかなと思ったものも。
 面白かったよ。

フーコーの振り子〈上〉フーコーの振り子〈上〉
ウンベルト エーコ Umberto Eco 藤村 昌昭

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 実はこれ、とっておいてあるつもりだったんだけど(読む時間がなかったというのもあるんだけど)…ワクワクしながら読み始めたら、難解すぎる…ウエーン。
 いつターボがかかるんだ~と思いながらもう200ページ(いや、まだ200ページという見方も出来るけど。しんどいぞ。味読以前の感じなので、ちょっと飛ばしぎみに読んでみようかな。

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もくじ

綾辻行人『時計館の殺人』上・下
綾辻行人『人形館の殺人』
綾辻行人『水車館の殺人』
倉知淳『星降り山荘の殺人』
綾辻行人『迷路館の殺人』
貴志祐介『鍵のかかった部屋』
貴志祐介『狐火の家』
貴志祐介『硝子のハンマー』
貴志祐介『ミステリークロック』
筒井康隆『薬菜飯店』
ティムール・ヴェルメシュ『帰ってきたヒトラー』上・下
伊坂幸太郎『マリアビートル』
奥泉光『神器―軍艦「橿原」殺人事件』上・下
伊坂幸太郎『グラスホッパー』
野崎まど『独創短編シリーズ 野崎まど劇場』
東野圭吾『仮面山荘殺人事件』
筒井康隆『旅のラゴス』
清水義範『迷宮』
パンティ田村『偉人ブログ』
高野和明『ジェノサイド』
上遠野浩平・荒木飛呂彦『恥知らずのパープルヘイズ』
筒井康隆『ダンシング・ヴァニティ』
エリザベス・ムーン『くらやみの速さはどれくらい』
森見登美彦『有頂天家族』
綾辻行人『十角館の殺人』
西尾維新『化物語』上・下
アルフレッド・ベスター『虎よ、虎よ!』
伊坂幸太郎『フィッシュストーリー』
宮部みゆき『ステップファザー・ステップ』
架神恭介・辰巳一世『よいこの君主論』
薬丸岳『天使のナイフ』
恩田陸『ネクロポリス』上、下
今野緒雪『お釈迦様もみてる―紅か白か』
川端康成『伊豆の踊子』
乙一・荒木飛呂彦『The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day』
乙一『The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day』
放り投げ本。
セバスチャン・フィツェック『治療島』
伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』
三崎亜記『となり町戦争』
森見登美彦『太陽の塔』
マイケル・グレゴリオ『純粋理性批判殺人事件』
太田光・中沢新一『憲法九条を世界遺産に』
『ダ・ヴィンチ』9月号
六月に読んだものから。
五月に読んだものから。
四月に読んだものから。
三月下半期に読んだものから。
三月上半期に読んだものから。
一月にに読んだものから。
畠中恵『ぬしさまへ』
有栖川有栖『マジックミラー』
『日本の童話名作選―明治・大正篇』
六月に読んだものから。
十一月に読んだものから。
『飛行艇時代【増補改訂版】』
十月下半期に読んだものから。
十月上半期に読んだものから。
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