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[ 読書/小説その他 ]

太田光・中沢新一『憲法九条を世界遺産に』

 『The Ruby』が出ましたが…、フジミ、わたしのすごくニガテな感じの番外編で…した…。タクミはなんか異様に文字が大きかった。

 詳しく批評しようかとも思ったけどめんどくなったというかバカバカしくなったので、感想だけにします。

 とりあえずこのタイトルは太田のジョークのつもりらしい。ので、ちょっと安心したんだけれど(笑、しかし、こうしたタイトルも含めた自分のディスクールを、「新書」という形態で世に問うことの意味までしっかり考えてるとはとても思えないジョークだと思う。内容に関してもやはりあまりに幼い思想もあり、目配りの足りてない部分も多く、総じて甘いとは思ったけれど、結構色々なものを読んでるなあと思った。自分の妻に政治的な言動を批判されてることとかも書いてるし、結構柔軟な人なんかなあとも思った。
 ただ、一応反論への目配りもしてますよー、柔軟に考えますよーという留保は、言い訳がましいというか、信頼しづらい部分もある。自分は自己批判できてるから大丈夫、と思っちゃう人って、案外死角に気づかない気がする。無知の知を得たつもりになって満足してしまうというか。まだ知へたどり着いてないかもしれないのに。
 失礼な物言いだけど、この人がまだ学生くらいの年齢だったらこれからすごく期待できただろうなあと思う。
 んで、逆に言えば、中沢新一は…いいや、もう(笑。

 ってかこれを読んだのは、宮沢賢治に随分言及してるからだったんだけど、国柱会に共鳴しちゃう宮沢賢治のアブナサを看過すべきではない/けれど『宮沢賢治殺人事件』とかも違う、って目配りしてあなたはどこへ行くのか、希少生物とかいうラベリングして新しい神話を立ち上げてるだけじゃん、と思ったところで、ああこれは研究業界でも自己反省すべき点だよなあ、って思ったり…。
 ちなみにこの流れは主軸の憲法論にほぼまんまなので、まあそういう内容なわけですよ。実りはないですね。

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