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[ 読書/小説その他 ]

奥泉光『神器―軍艦「橿原」殺人事件』上・下

 そんなわけで、二回ほど読むのを挫折して積ん読してたのを昨冬に読んだ。面白かったので下巻を買おうとしたらどこにも売ってなかったのだけれど、職場の図書館に入っていた^^
 しかしなー、面白かったけど、という感じ。構成が雑というか、たとえば上巻前半の饒舌で冗長な石目の語りや身振りは後半から少なくなるし、あまり意味があったようにも思えない。幼馴染は伏線にはなっていたけれど、自らの性格についてなどいらなかった情報が多い。あと、下巻後半からはよくわからないというか説明しきらない部分が多くて消化不良。少なくとも途中までは、探偵小説的な面白さ(殺人事件)も、サスペンス的な面白さ(宗教的なあれこれ)も両立してあったのに、それがファルスやカオスに(悪くいえば)ごまかされてしまった感じ。ねずみの話も異なる時空間とつながるあたり面白かったけど、消化不良。末尾もそうでしょうねえ…という感じ。
 でも、時間つぶしの目的としてはかなり楽しめた。それだけになんだかもったいないなあ…と思う。

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