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[ 読書/小説その他 ]

乙一・荒木飛呂彦『The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day』

 ということでやっと時間が出来たので読んだらあっという間に読み終わってしまって、時間つぶししなきゃいけない状況だったので少々困った。

 うーん、乙一ジョジョ!なぜあんなに出版までに時間がかかったのかわかった気がした。すごく細かなとこまでジョジョネタがつめこまれていて、この作者は一冊に全てを注ぎ込もうとしたんだなあと感じた。同人誌なら、このネタはとっといて次の作品へ、って出来るけど、商業作品で二次創作をできるのは、滅多にない機会だもんね。
 あと、スタンド戦を文章で書くのは大変だなあと思った。

 ラストが…とっても後味のわるいラストだと感じたんだけど、どうなんだろう?とっても乙一らしい気はするけれど、全然ジョジョらしくはないし、スッキリしない。そもそもこの結末自体、個人的にはちょっと気味が悪く好きになれない。作者が男性だからだろうか、とかつい言いたくなる。
 でも後味が悪いのは、琢馬がむくわれないというせいもあるんだけど、それよりも仗助達にみとめられなかった(状況の全体を認識はされなかった)せいなのかなあ、という気がする。

 読者はほぼイコールジョジョファンだろうし、つまり読者は無条件に仗助たちを支持してしまうと思うんだけど、でもこの琢馬の凄絶なありようは読者の同情(のような感情)をほぼ絶対的にうごかしてしまうと思うんだよね。読者が感情移入してしまう琢馬に、しかし読者が支持したい仗助たちはその事情を知らずに=彼を救えずに終わってしまう、ように見えてしまうのが、なんともいえない後味のわるさの原因な気がする。
 つまり、この作品がただのサスペンスだったら、サスペンスとしての後味の悪さだけが残ったんだろうけど、仗助たちの認識のありようにある種不満が残るせいで、ジョジョの二次創作作品としての後味の悪さもあったのかなあと。
 ていうか、もうちょっと全般に原作キャラに活躍して欲しかった気も。我儘だろうけど。

 まあそんなもやもやも若干あるけれど、でも全体としてすごく良くできてる作品だという気がした。だからなにはともあれ乙だ。

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コメント

 まだ読んでないのでこの日記を読むことができません。


>やくもさん
何だかスタンド攻撃受けてる状態っぽいですね(笑

 本文を読まないようにコメント欄を開かなければなりません。

>やくもさん
あ、ありがとうございます…(笑
ますますスタンド攻撃してる気分になってきました…(笑

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