セバスチャン・フィツェック『治療島』
メディアでも人気の精神科医。原因不明の病気の娘をアレルギー専門医に見せようとしたら、待合室から突如消えてしまいました。
様々な手段で懸命に捜すも娘は見付からず、四年後に精神科医は島にある別荘で自分の気持ちを見つめなおすためにインタビュー原稿にとりかかっていた。ハリケーンが近づく中、奇妙な女性が現れる。自分は統合失調症だと主張する彼女は、セラピーをもとめて精神科医にまとわりつく。
アマゾンの紹介とかがなんかすごかったし、オビにもダンブラウンを超えた!とか書かれていまして、ちょっと却って及び腰で&多重人格オチだったら焚書、と思いながら読みました。で、まあ、確かに一日で読んでしまいましたが…。
冒頭近くから、思わせぶりな謎を振りまきすぎで、読むのに疲れた。章立てがものすごい細かくて、二ページで改章とかも結構あるんだけど、その各章で思わせぶりな引きがあるような感じ(実際そこまでではないかもしれないがそんな印象。出てくる時点ではそれが何を表わしてるのか全然わかんないのに、いちいち謎を覚えておくのがしんどい。
オチにかんしてはまあ予測の範囲内だけど、まあそうかな、というか(どんなんだ。一応単純なオチではないので、よかった。ただ、なんだかクライマックスの描写があんまりうまくなかったというか、もっとドラマチックにならなかったかなあ、とも思った。この話は、雰囲気は確かにヨーロッパなのだが、展開はハリウッド的なので、もっと派手な文体の方があってるのに、と思った。なんというか、ジェットコースターなストーリー、とかいううたい文句だったけど、結局一番驚いたのは精神科医と村長のノートパソコンがバイオだったってあたりが…(笑。やっぱりもうちょっと派手さがほしかったかと。
あと、原題が知りたい。