伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』
映画化されるそうですが、映像化は不可能だと言われていた云々、という宣伝文句はなんだか使い古されてるなあ…と思っていました。でも読んでみて、これは無理だろ!と思いました。どう映像化したんだろう???気になるー。
そんなわけで、トリックはまあ古典的ですが、でも面白かったです。
物語の内容に関しては、特には…視点人物の男子主人公と女子主人公、そしてその周囲の人々、という感じなのですが、殆どの登場人物が若気の至り、という印象。特に女子の視点人物は独善的な印象で、好きになれなかった。
視点人物の男子がずっと蚊帳の外、というところとか、あざといなあと思った。あざとい上にあまり意味を見いだせないというか。なんかそういう、技巧優先というか、何かが描きたいために技巧を使うのではなくってとりあえず使っておくって印象っていうか。
そういう技巧優先に見えちゃうとことか、ブータンやボブディランやコインロッカーなどのモチーフがどうもうまくつながんない印象なこととか、村上春樹的なふんいきとか、底が浅いなあって印象だった。
しかし、あまりにアホな感想ですが、正直に書きますと、厚さのわりにかなり短時間かつストレスもなく読めたので、話題作をちゃんと読んだぞワーイ!という無駄な満足感は、ありました。だからそれなりに読んで損はしてないかな?という気も。
アレ?この作者、陽気なギャングが地球を回すの人か。