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[ 読書/小説その他 ]

四月に読んだものから。



 ちゃんと面白かったけど、なんでそんなに売れたんでしょう、とも思う。売れるのわかるけど、あの話題性はちょっと尋常じゃないように思える。
 文体もいまいちうまくない(映画的すぎる)し、展開もごまかしているような部分(クリプテックスのオチとかよくわからない)とかうまく機能してない部分(主人公以外の動きに整合性が在るのかあやしいし、オチも弱いように思う)が目につく。特にオチ。フランスオチもイングランドオチもエーという感じだった。オチだけで言えば、『フランチェスコの暗号』の方が好きかな。

 キリスト教圏で売れたのはなんとなくわかるというか、原始キリスト教ブームの一環として考えれば納得出来るんだけど。つまり小説としての評価でヒットしたんではないのかなともちょっと思う(勿論、そういう話題性も含めた<小説>としてヒットしたんだってことはわかってるつもりだし、こういう評言の仕方をしちゃうと<文学>のキャノナイゼーションに荷担してしまうような気もするんだが、便宜上こういう言い方しか出来ない。

 ちょっと評価厳しいかもしれないけど、要するにフツーに面白かったけど、かなりの期待をして読み始めちゃったので、ちょっと拍子抜けしたなあってところ。あと作者の調査量にはただもう脱帽。個人的にはその部分だけでも充分面白かった。

 ところでイエスとマリアマグダレーナの子が云々という話、よくある…よねえ?なんだかものすごい既視感があって、というか内容よりもその説明部分の文章そのものに既視感があったんだけど…はて。寿たらこか?(笑

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