マイケル・グレゴリオ『純粋理性批判殺人事件』
カレンダーが動作してませんね…。
久々にあたまにきたというか、ダメな作品をちんたら読み続けてしまったことに腹が立つ。つまらないので読みさして、時折思い出してはどっかにいってしまったのをまた探し出して読んで、たぶん二、三ヶ月は読み続けてしまったのである。
設定はものすごくあたし好み。晩年のイマヌエル・カントといっしょに殺人事件に取り組もう!なんて、ものすごく面白そう。そして、全く面白くないわけでもない。ヤッハマンやフィヒテの使い方も面白いし、大まかにナポレオンの時代という社会状況もさし色として面白い。
しかしあまりに描写がダメというか、いやもしかしたら翻訳がダメなのか…。読んでてしんどい。
そして、時代性もうまく活かせていないというか、殺人事件を論理的に解決するというカントやハノの方法が、これまでの捜査方法とどうちがうのか、がよくわからない。しかしこれはあたしが作者と文化を共有できてないからニュアンスがわかんないってことなのかなあ…。
また、事件の結末のつけ方もつまらないというかなんというか、隣りの家に塀が出来たって、へー。って感じ。ハノの弟にまつわる昔の事件のほうもなんだかな。
他にもいろいろ言いたいことはあるのだが、もういいや。
総じて材料はよいのになあ、という感じで正直オススメしない。