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[ 読書/小説その他 ]

十月下半期に読んだものから。

 前回のヴォネガットと香山リカは読了。ヴォネガットは内容的に末尾がつらかった。あまり好きな終わり方ではなかったから。リカちゃんは最終章斜め読み。
いろいろなエクスキューズがむなしくこだまするのがせつない。




点と線(新潮文庫)
松本 清張
 
「アレ」の存在に作品後半まで気づかないところとか、まぁはっきり言って、今となってはあまり読めたものではないんだけれど、清張の社会派ミステリの、さ
らには日本の社会派ミステリの嚆矢だと思えば仕方ない。末尾が若干グダグダなのもそういうことで。それに時代性とか、そこここに面白い部分はあった。

フランチェスコの暗号〈上〉(新潮文庫)
イアン コールドウェル、ダスティン トマスン
  ネルソン・デミルの言葉ということだが「フィツジェラルドとウンベルト・エーコとダン・ブラウンの共著はこうなる!」という帯は大言壮語にもほどがあるの では。というか、こんな文句にダマされるわたしもわたしだ。でも買っちゃうじゃん。仕方ないじゃん(涙。  非常に読みづらいがたぶんこれは訳の問題だけではないだろう(苦心されていると思うもの。特に人物の会話やちょっとした小粋な比喩がわかりづらいという か、登場人物同士のやりとりの雰囲気や関係性が異様にとりづらいのだがたぶんこれも訳やわたしのネイションの問題ではない気がする。だが入り込めない最も 大きな理由は、ポールが卒論提出数時間前に平気で新発見資料を見せてもらいにいきながら卒論提出する気まんまんに見えるところかもしれない。しかもその約 束の時間まで間があるからと友人らとゲームに興じるポール。タフト教授の特別講義を聴きに行くポール。理解を超える。何度も誤読しているのかと自分を疑っ た。アメリカではこういうこともありなのだろうか。まぁ結局出さないのだろうけど。  しかしやはり話題になっただけはあって、ミステリ的な部分に入ると引き込まれる。ミステリの中でもわたしの好きな文化史もの&設定ものだし。映画には向 いてるかもね。公開されたらたぶん見に行くと思う。映画なら、いろんな違和感もなくなるのではという気がするから。あ、下巻も読んで判断すべきかそれ は…。
宇宙の呼び声(創元推理文庫)
ロバート・A・ハインライン

 まだわりと最初のほうで読みさし。何か帰りに読むものを買おうと思って立ち寄った割合大きな書店の文庫コーナーで、小一時間彷徨って、これという本が一冊も見つからなかったので、生け贄として購入。
 ハインラインはちょっと笑えるくらいがいい。しかし訳がなぁ。SFの訳って、同作者の福島正実訳『夏への扉』を規準としてしまうから、何を読んでもしんどいのだけれど。

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