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2006年11月01日

今市子『B級グルメ倶楽部』2

 B級グルメはなんとなく今市子作品の中ではイレギュラーというか、単発の短編でコミックス一冊でおわりなのかと思っていたので、二冊目が出るほど話が広げられるのか、ただのだらだら漫画におちいりはしないかとか不安だったのですが、

 いやこれが面白かったんですよ奥さん。

「もーいや!カレーパンの話ばっかりなのよ!
「あいつらには大事な事なのよ 多分…

 鬼塚も吉野もダメダメで、学生のような恋愛が二巻でもゼンゼン続いている。というかかなりこの二人はダメ度が高くて、鬼塚は過保護で人の話を聞いてないわ、吉野は鬼塚に何も言えないわビビリだわ、そんな二人だからコミュニケーション不全だわ、それでも相思相愛なのだから面白いのだ。

 周囲の人々も面白い。カオリさんと吉野じゃダメな理由は笑った。合コン女の話とかはなんて自己中でひどい女性だ、とムカムカしたのだがオチがよかった。高瀬の結婚相手の女性もムチャクチャで可笑しい。鬼塚の兄弟や、最悪の人類な吉野姉、更には後景としてだけど吉野の親類なんかも出てきて、人間の関係性を面白く描いてくれててすごく今市子らしい作品になっている。ので、一巻がイマイチだった今市子ファンにもオススメですよ(正直わたしは一巻はそんなにスゴイとは思わなかったので。

2006年11月02日

神楽坂はん子『地球の上に朝が来る』

 脚本家×プロデューサーで勘違いで別れて再会したり別れたりみたいな。
 ふつうに面白かったのと、長めの作品だったのと、なんか結構顔が順調に年とっていくのがポインツか。神楽坂はん子の中ではかなり好印象で、作者ファン以外にもふつうに楽しめそうな内容とふんいき。絵もふつうに神楽坂はん子。

 なんか、どこが面白かったのかよくわからん書き方ですな…。
 ふつうにそこそこ良く出来たBLという印象。

 表紙の紙が特殊紙で面白い。サムネイルで見ると同人誌みたいだけど。

 あと、あの人が男だというのは最後までわからなかった…。

2006年11月03日

京山あつき『聞こえない声』

 野球部の先輩後輩CP未満…というかずっと冬だからオフシーズンなのね…。
 ボールみがいたりたまに打ったり走ったり。
 野球漫画にしては斬新な時間設定かもしんないけど、BLとしてはなるほど活かせる時期ですな。と、変なとこで感心した(笑。

 受け(暫定)の後輩が眉毛げじげじの坊主のすごいかわいくない絵ヅラで、それにモエモエする先輩がよかった。ふんいきもよい。
 しかししっかりくっついて終わってないので、ちょっと消化不良というか、いや別にどうこうして欲しいとかではなくて(笑、二人とも結局それって恋愛感情なのかどうかよくわからないままというか。

 京山あつきの絵は最近妙に足が細いのが少しなんだかなあという感じ。

2006年11月04日

遠野春日『香港貴族に愛されて』

 最近漫画もあわせて一日二冊ペースで読んでるので、追いつかなくなってきました。まあそのうち憑きものが落ちたようにペースが落ちるでしょう。多分。
 しかしとりあえずそろそろこれの感想を書いておかないと、マヨイガがお話にならない。

 遠野春日はこれが三冊目で、有名作家だが前二冊(アーカイブ参照)がアレだったので、どうなんだろうと思いつつ古書店でコレを見つけて読んでみた。

 もーものすごくツボった。
 英国留学時代のルームメイト、イケメン香港貴族×仕事やめて長期旅行の手始めに香港を訪れた日本人。

 香港貴族にぞっこんの従妹にいびられたりなんだりで結局在学中に受けが逃げ出し、数年後香港で再会。いまだに従妹にしっちゃかめっちゃかにされて、距離をはかりかねるふたり。

 香港貴族が基本的にジェントルマンな外面をもちつつ、熱くて無茶していっぱいいっぱいな感じでとてもよい。普段は「ストイックな紳士だが」受けのことに関しては「びっくりするほど情熱的に行動するのだ」という、この言葉の選び方はなんだかとても気に入った。

 タイトルもスゴイ潔いよね。もはや漢らしいまでの潔さ。内容が一発でわかり、ちょっと引くくらいの勢いがあって、でも耳なれるとなんだかイカしてる気がしてくる、いいタイトルだと思います。

 なんかアレ、スタンド名ってなんで洋楽なんだよカッコワライ、とか思っててもだんだんそれがカコイイ気がしてくる、あのジョジョ読みはじめの頃の感じ(自分でもゼンゼンわからん。

 高橋悠の絵もすごくピッタリでよい。とくに表紙。というか表紙。高橋悠はしばしばデッサンがものすごいことになっているのだが、この目力の魅力は何ものにも替え難いと思う。

2006年11月05日

乃木坂太郎『医龍』6、7

 温泉に入って日本酒を飲んだらすごく眠いです(遠出はしてません。
 マヨイガは書評で手一杯になってきたので医龍二次はひとまず隔離。そのうちログもってきます。

 チームモウソウドラゴン

 それで、ここらは荒瀬話なんである。
 荒瀬話はドラマで見たときからスゴク好きで、読み返してみるとやっぱりスゴクよい。

 まっしろ伊集院とかね。

 いや、そういうのだけじゃなくて、フツウに面白いんですよ。
 荒瀬のキャラだてもすごくいいと思う。過去の云々も勿論いいけど、にゃにゃ~つ、とかお立ち台とかフツウにキャラとしていいと思う。
 あと、たしかドラマでは削られてたと思うんだけど、ビデオのオチも好きだ。というか、メガネと呼ばれる伊集院が好きだ(笑
 ドラマといえば、病院到着の場面はあのわざとらしさが大好きだったので、漫画版はいまひとつに思えてしまった。

2006年11月06日

小塚佳哉『誓約』

 グロテスク!地方学会 グロテスク!旅費自腹
 グロテスク!論文投稿 グロテスク!門前払い
 グロテスク!論文掲載 グロテスク!批判続出

 あー可笑しい。
 ジョジョ文にデスメタル部門つくろうかしら。

 高校時代の同級生、内装ベンチャー社長×半引きこもりニートの翻訳者。

 受けは攻めにタンホイザー、もといむりやりアレされた後遺症で対人恐怖症パニック障害。仕事で再会して受けの仕事上のミスをつぐなうため無理矢理愛人関係に?

 再会の唐突さや受けのミスの異様さで、中々入り込めなかった。まあこれらにはオチというか後から説明はつくんだけど、それでも一旦感じた違和感は残るよね。タンホイザーもといアレも、引いてしまった要因かも。受けがすごい引きずってるし…。
 他にも攻めの行動とかがわけがわからない感じがあって、大体後付説明はあるんだけど、でもやっぱり中々感情移入できなかった。

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 うーん、作家買い出来る作家は中々見付からない。そろそろ定評のあるあの作家やあの作家に手を出すべきか。

2006年11月08日

斑鳩サハラ『裏大奥でござる』

 このタイトル、設定、イラスト、はじめて唯一神を見たとき並に脱力。

 この作家は以前原作してたある漫画が非常にアレだったし、この脱力っぷりとか、あと帯のアオリや裏表紙のあらすじもものすごいアホっぷりだったので、少し迷いましたが、アホな話が読みたい気分だったので購入。

 いや、結構面白かったですよ。

 謎の浪人、後に裏大奥の寝技指導者(笑、正体は当然○○×忍びの里の頭領の息子。

 とりあえず裏大奥ってなんだよ、って感じですが。
 上さまがやさしくってイイんです。
 攻めもダメそうでいい感じですが、話の展開上あんまり素では出てこないというか、天然ボンヤリ系の受け視点なせいかよくわからない。もうちょっとガッチリ捕捉したいとこです。
 忍びの里の仲間とか、裏大奥の小姓たちとかのエピソードももうちょっと読みたかったかな。
 その辺ふくらませて二三冊くらいの分量で読んでみたかった。
 だからつまり、わたしは結構面白く読んだのですよ。いろいろムチャクチャですが。

 書き忘れましたが、裏大奥というのは勿論女人禁制大奥でした。
 あ、先代の小姓がまだ大奥に居るのにはちょっとビックリでした。それはどうかと。でもキャラ配置的には必要な布陣だなあ…。

 桜城やや、ロンゲのベタがイマイチかも。

2006年11月09日

眉山さくら『獣は弁護士に殉愛する』

 多分、ヤクザ×弁護士。

 ものすごく飛ばし読みしたので、正直よく覚えてない。
 弁護士がなんかにはめられてものすごい借金をおって、ヤクザに事務所に閉じ込められて弁護活動する話だったような気がする。

 設定はどうでもいい(どうとでもなる)として、筋が面白くない上に判りづらく(いや飛ばし読みしたからかもしれないが)、キャラは攻めも受けもその他も魅力がなくて感情移入できなかった。

 受けの父の悪徳弁護士が最低の性悪で面白かったくらい。

 やっぱ作家買いは出来ないかなあと思わされた。あ、でも他の作品はまだ読めたかな…いずれ感想書きます。

2006年11月10日

本仁戻『Dog style 2』

 ギリギリギリギリジンジン!ギリギリギリジンジンジン!

 こっぱずかしくて笑えて、犬スタイル二巻。
 なんかライトな愛にあふれてて、どんどんいい作品になってきたなあ。
 だからマヨイガもライトな愛にあふれるのさ(なんか「スウェディッシュポップ」ぽくない?笑、サバト、じゃなかったフェスに向かうクラウザーさんを見たよ。

 最近本誌なんかでミキティのテル萌え路線にのっとって楽しんでたので、柏兄とキスしてるミキティに一瞬浮気もの!とか思いました。そいえばそんなこともあったんでしたね。随分以前のことだから忘れてた。あのころはまだビブロスだったんだなあ。
 それにつけても、柏兄とのキス後のテルへの移行の早さに改めてびっくりしたわけで。
 でもむしろリアルというか、それもいい。あっという間に小犬になごまされるというのは、むしろいいかもしれんと思った。小犬ナデナデしてなごんで、なんか変なカレーみたいの(あれ結局なんなんだ?)食べて、Tシャツ借りて、勝手に「飼い主」登録して、うざい電話して(笑、打ち明け話にへこんで。その間もう柏兄のこと忘れてたんだろうミキティ。犬スタイルはミキティが柏兄を忘れるにも、テルにのめり込むにも、テルがミキティにのめり込むにも、くどくどしいきっかけや告白は要らなくって、アホなやりとりたくさんして、たまにちょっと恥ずかしい決めゼリフ言って、無駄にラブラブしてたらいいよ!

 絵は随分慣れてきたというか、やはり犬スタイルは最初からこの絵で読んでるし、違和感ない。と思うんだが、どうも最後の犬は漢字知らない話のあたりとか、昔の絵っぽい気もする。あんな感じの絵で定着してくれるといい…というかあんな感じのもうちょっと硬い絵でリカを…。
 思うんだがテルの身長が小犬な時とフツウな時があって、テルも巨人な時とフツウな時があって、どうも身長差がうまく絵に活かされてないというか、はっきり言ってパースとかへんに見えてしまってなあ。テルを先にフツウな大きさで書いちゃうと、ミキティが大きくなりすぎちゃったりするのかなあ。この二人の身長差はこの話のミソなのに、いっしょに居るコマのデッサンがおかしくなっちゃっててもったいないのだ。基本的にはデッサンがダメな人ではないと思うんだが…。
 それにしてもミキティの乙女顔が非常にキモくて好きだ。
 あ、人妻はアレがキモいけど昔の絵っぽいと思った。恋が僕らをとかリカとかの頃の女性絵によく似てる。
 口絵のカラーインク?これ雑誌で見のがしてたかなあ。CGよりインクの方がやっぱり好きだなあ。
 なんだかんだ書きつつ、正直やはり以前の絵のほうが好きみたい…。

 そしてわたし的に本仁戻は、BL漫画の中では数少ない「言葉でおぉっと思わせてくれる作家」なのだが、犬スタイルではそれがほぼイコール決めゼリフで、そしてかなり故意犯的に(おそらく)こっぱずかしいものになってるので、犬スタイルは本仁のカコイイ言葉づかいにしびれつつ、恥ずかしさに悶えるという一石二鳥(笑)なんですな。「○○どころの(@デスレコード社長)」セリフやモノローグまんさい。
 二巻だと本誌の時からみょうに心の琴線にふれまくった「俺は今日楽しかったよ」のとことか(あれすごい好きなんだよね。
 あと、アレの代替語はこれまでにもいろんな作家によって非常に沢山発明されましたが、「カッコイイの」は恥ずかしくもまじめに随分カッコイイと思います(←の指示内容が気になる方は、は本編を読んでね。

2006年11月11日

遠野春日『恋愛は貴族のたしなみ』

 貴族シリーズなんだそうですね。その一作めだそうですね。香港貴族が気に入ったので読んでみた。

 貴族×貴族。
 いや、待て待て。
 上々な貴族×没落しそうな貴族。

 時代設定不詳で面白かったが、ファンタジーのわりにはあんまりしっかり世界が立ち上げられてないような気もした。

 攻めは性格が悪く、素直ではなく、遊びで他人をもてあそび、しかし受けに惚れてしまうので面白いんですが、ただのツンデレではない。
 普通BLのツンデレ攻め(普通?)って、どんなに非道で傲慢で最低で遊び人で本気の恋愛未経験でも、結局受けに屈服してメロメロにされてしまうではないですか。
 でもこの攻めは、受けに惚れて、自分が間違ってました!と反省しても、受けにだけは傲慢な態度を崩さないんですよ。普通なら謝罪して愛を乞うような場面でも、偉そうなんですよ。これはイイですね(笑。

 受けはまあそれなりに気品があったのでまあよかったかと。攻めに対して、も少しくらいは情熱的であってもよかったかも。まあ攻めがあの性格では仕方ない。

 夢花李はまったく食指が動かずに漫画も読んだことないんだけど…。
 よく、顔のパターンが数種類しかいない作家とかいるじゃないですか。ヘタすると受けと攻めの二種類しか描けない作家とか。
 この人はもしかして一種類しか描けないのか!?…と。

九州男児『課長の恋-三回戦-』

 いろいろ考えたんですが、一日一エントリーという規制(が実はあったんですよ)はしばらく撤廃します。なるべくリアルタイムで読んだものを更新するようにしたいです。課長は昨日読んだお。
 コイモモの小説でクロイツェルを使ったので、借りに行こうと思ってたら、今ラジオで丁度流れてる。ワーイ。

 最後の最後まで、表紙からしてもうおかしい。

 しかしなんだかなあ、正直あんまり心に残らない作品だったなあ。ギャグだからじゃなくってね。そこそこ楽しく読んだし、結局コミックス全部新刊で買っちゃったけど。わたしにとってはわりとどうでもいい漫画だったなあという感じ。

 なんかね、キャラの一貫性のなさとか、キャラが微妙に活かしきれてないというか、いろんなキャラが出てくるのに微妙に読みたい話からはずれてるとか。そんな感じ。具体的にどこがどうとはめんどくさくて書かないけど。
 シリアスものや他のシリーズも読んで思ったことだけど、この作家は一見わりと筋しっかりつくってるように見えつつ、どうもヤマの盛り上げ方や展開の仕方がうまくない気がする。
 課長も、課長原田は最後にヤマがあったけど、なんか盛り上がり不足な気がしたし、ママと要先生やママ兄とかの話もなんとなく消化不良。

 そんなわけで、ちょっと不満だけどでもまあいいか、って思ったので、どうでもよかった作品なのかもしんないなあと思った。

2006年11月12日

高遠春加『告白―scent of declaration』

 結構前に読んだ。
 ソレがオチだったのね、というアレも。

 無気力で受けに会社まかせて浮気しまくり会社社長×中学のころから隷属的な受け。
 攻めの隠し子が登場して云々。

 そこそこ面白かったけど、なんとなく全体的なかみあわなさが残るというか、中学時代のエピとか、攻め受けそれぞれの家庭事情とか、隠し子の事情とか、それぞれ微妙につっこみが足りない。
 隠し子も必要なのか。ふたりを外部からまなざす視点としては必要なんだろうが、それがこんなにいっぱい出てくるは必要あったのか。攻めも受けもいまいち描写不足。
 オチというか、微妙なハッピーエンドもものたりないような。別に甘甘が読みたいわけではないけれど。

 うーん、結構面白く読んだ気がしたんだけど、思い返すと不満が多いなあ。
 面白く読んだのは、やっぱりここのところの最低人間ブームのせいか(笑。

 高遠琉加の文体は、一人称ものと三人称に近いものとでかなり違いますなあ。

眉山さくら『砂漠に堕ちた人魚姫』1、2

 ちなみにですね、わたしがいろいろ考えたとかゆってる時は、たいてい何も考えていません。
 最近あまり日記(日常)を書いていませんが、元気です。元気に労働にいそしんでます。ちょっと忙しいですが。
 あとお金がないです。日本竹馬連合会の会費が九万円。高い。

 というわけで、眉山さくらは結構読みましたよー。

 金髪碧眼のシーク×通訳者。

 第一作は、先輩通訳のアシである国に向かう途中、先輩がアクシデントで来られなくなって、先輩のフリをして仕事することに…そんなバカな(笑。これは王道まんまで結構面白かった。
 第二作は日本に来て、受けが以前ケンカした広告会社のアテウマとかいろいろ出てくる。が、こっちはいまいちだったかな。わたしは実は女装ってあまり好きではないのかもしれません。女装してもちゃんと男性的に美しいだけなら我慢できますが、女性に見間違えられるような女装はどうも受け付けません。
 あ、あと、「人魚姫」とか、姫扱いも好きではないです。
 ていうかそういえば、なんでタイトルに人魚姫って入ってるのかゼンゼンわからなかった…。

 二作とおして、そう悪くもないけど、そうスバラシイわけでもない。
 第一作の最後にちょっと出てきた先輩通訳者とその彼氏が面白そうなんですが…(笑。二作目は彼等の話かと思ったのに(笑

 この絵師は他でも見るけどものすごいいいね。でもこの作品では受けが女性的すぎるのでいまいち。他の作品だと、こんなキレイな絵で受けがマッチョだったりするので、サイコーです(笑

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 ていうかさ。
 たまには攻めが女装とかすればいいんだ。

2006年11月13日

小塚佳哉『熱砂の王』『赤い砂塵の彼方』

 CPは違うので連作ではないかも。
 どっちも結構面白かった。

 一作目はシーク×NGO。
 受けの名前が間違って覚えられてるのが笑うというか引くというか。
 でも面白かった。攻めが若いのだがセリフとかなんとなく味があって真面目で好き。
 受けもしっかりものでいいです。NGOというのは斬新かも、その手(キャラ設定)があったか、と(笑。

 二作目はシーク×遺跡研究中の大学院生。
 表紙の受けが子どもっぽくてイヤな予感がしたんだけど、内容的にはそんなに子ども子どもしてなかったので、いや大人でもないけど、でもまあ大丈夫(?
 こっちのシークは妙な軽々しさが個人的には好きです。
 受けもそんなキャラじゃないのに確信犯的に軽々しくしてて、再会後に嫌味言われてるのがいいです。イラストはもうちょっと大人に描いてあげてほしかったかも。
 ラストの展開とか好きです。
 あと一作目の攻めが少し出てくる。

天城れの『恋愛紙上主義!』

 やくもさんはなんでiPODいっぱいもってるんだろう。
 そんな風に考えていた時期が俺にもありました(すみません。
 iPODshuffle買おうかなあ。

 また買ってしまった。
 しかもまた後悔。

 表題作の漫研でBL漫画を書く話とか、設定は秀逸なんだよなあ。
 漫研らしく(?)メガネ×メガネだし。
 なのになんでこんなにつまんないかなあ。

 ギャグのつきぬけが全然足りないとか、ありきたりな展開を王道にまでもってけてないとか、小奇麗だけど特に特徴のない絵とか、なんかいろいろ実は薄味なのかなあ。
 オタク青年と造型師ものとかも、ぜんぜんつっこみも描写もたりない。

 メガネはうまいんだが。

 しかし学園祭のコスプレカフェは、ああ攻めが女装だと思った。
 あと顔が凶悪なわんこ攻めは結構面白かった。

 そういう目の付け所は結構いい(というかわたしのツボに近い)と思うんだけど、どうにも何を書いても薄味な気がしてもったいないなあと思う。もう新刊では買わない。

 メガネはうまいんだが。

2006年11月14日

遠野春日『愛される貴族の花嫁』

 貴族×没落しそうな貴族。
 攻めは受けの双子の妹と婚約中、妹と母が事故で亡くなり、しかし家の再興のために妹の身代わりで攻めと結婚する受け。

 男とバレてはならない受けは家の中に引きこもりなので、偽装結婚の淋しい生活っぷりに、犬とか書生とか地味~な事件がほんとに地味で、微妙に面白かった。
 攻めの不器用さもかなりいい感じ。
 そんなこんなで、雰囲気的にすごーく自然主義的(笑、冗談ですよ)で、結構好き。箱根の別邸に行くとかね(笑、自然主義じゃないか(笑。不器用な攻めも、自然主義的な男性っぽくて(笑、でもヒーローでもあるという、この面白さ。
 受けはちょっとおとなしすぎた。ずっと女装だし。というわけで、やっぱり女装はニガテみたいです。でも、これまた自然主義の女性的というか、ノラというか(笑、設定がね)まあいいんじゃないかと。

 わたしはマジモンの自然主義はあまり好きではないですが、まあそれは置いといて。

 あさとえいりの絵はあまりしょうにあわないみたい。髪がなんだか薄いというか、毛ヅヤがイマイチというか。

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 というか、これ別に男女ものでもいいよね。
 生き別れの双子の姉妹とかで、片方は貴族の娘で片方は女優とか、なんかどっかにそんな話ありそう。
 うん、別にボーイズでもいいんだけどね。
 なんていうのか、ボーイズならではの物語、ボーイズである必然性がある物語って、やっぱあるかなという気もする。

 いや、この↑話を批判してるわけではなくて、ていうか、この話の場合、ボーイズならではって部分はアレが担当してるかもと思うんですよ。
 って考えると、やっぱボーイズラブって、ジャンルとしては別にえっちなしでも全然いいと思うんだけど、でも個別に見ていくと、それが必要な物語もあるよなあ、とも思うんだよね。

2006年11月15日

眉山さくら『佳人は罪に染まる』

 明治期、英国海軍貴族×軍人の息子の学生。

 英国留学中にアレコレあって、受けは事情でさよならも言わずに帰国、日本に仕事で訪れた攻めと再会。
 アレ?なんかいろいろ設定が無茶ですが…ともあれ、受けの妾腹の弟とか、いろいろ事件がありつつ、あと時代的にこのバックグラウンドをせおった二人ではむずかしーよなーとか思わされつつ。
 悪くはないけれど、ビミョウに楽しめなかったという印象。

遠野春日『告白は花束に託して』

 お菓子依存症の強い味方(だっけ?)おかしのまちおかで「全力少年」のイントロをきいて、「あっ、おお振りアニメの主題歌」とか思ったわたしはどうなんでしょうか。なんかもうオープニング映像がまざまざと目に浮かぶようです。アニメになればいいのに。これは多分見るよ。
 くやしいので(?)全力少年買っちゃった。

 シリーズの脇CPものということらしい。

 日本人フラワーアーティスト×日系企業?社長のアメリカ人秘書@NY。
 すなわち熊×美人。

 ツンデレ通り越してワガママで素直じゃない、しかも恋愛はスマートに淡白にが身上で攻めみたいなむさい熊なんてお呼びでない、そんな美人受けをどうじゃじゃ馬ならすか、というお話なのけど、受け視点なので結構面白い。すなおになれない・一人称。
 攻めは車の中がちらかってて、無精髭で、いつもテキトーなワークパンツとかはいてる系で、でもそれでも気負ってないカコヨサがある、ってのを、どう演出していくのか。ツンデレ受け視点で、だらしない、けどカッコイイ、とか書かれても、なんかそれ負け惜しみ?とか穿ってしまうのは、わたしの性格が悪いからなのか?うん、でも攻めカコイイな、という感じはちゃんと受けたけど。
 あと、ヒゲそったらアレ、ってのはメガネとったら美人、てのと同じくらいにメジャーなオチになってるね。

 後日談の方もふくめて、受けがどこまで素直になれるかという成長物語のような側面もあったけど、でもハピーエンドだし、わたしはそういうのがキライなわけではないというかむしろ好き、なので、面白かった。

 攻めが日本人というのは珍しいですね。受けが日本人だと、ナントカコンプレックスがあからさまになりやすいので、たまにはこういうのも読みたいよね。

 絵?円陣さんの仕事にわたしが文句つけるとでも?(笑

 本CPの社長のほうは…いいや、とりあえず。面白いのかもしれないけれど。

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 しかし最近やっと気づいたんだが、挿絵ってすごい大事だね。
 これはボーイズというかラノベ読み始めるまで、全然気づかなかったことで。
 同じ話でも、円陣闇丸が絵を描くのと、他の人が絵を描くのでは、全然印象がかわるだろうなあ。
 絵師買いするひとがいるというのも、なんかわかってきたよ。
 いまのところ、漫画でも好きな円陣さんはもとより、汞りょう、金ひかる、奈良千春とか好きだなあ。

2006年11月16日

小塚佳哉『週末だけの恋人』

 謎のリーマン×遊び人リーマン。
 初めて惚れた相手にひどい別れかたをされて以来、恋に本気になんてなれない受け、の前に現れた攻めはどっかでみたことあるような気がするんだけど誰だっけ、わからないけどまあいっか!名前も携番も知らないままに逢瀬を重ねる受け、に焦れるわんこっぽい攻め。

 だいたいオチは予想通りだったのですが、結構読んでてきつかった…。せつないというかなんというか悲しいというか。アンハッピーエンドは苦手なので。
 いえ、本筋はハッピーエンドなんですが。
 うーん、甘甘な後日談がもうちょっとあるとよかったかも知れない。

東城麻美『ラブプリズム』

 ハテナボーイズの花音移籍&挑発購入以来、非常に萎えてもう東城麻美は新刊では買うまい、と思っていたんだけれど。

 これは結構よかった。
 しかし、冒頭のあたりは結構古い漫画みたいなので、面白く感じたのもそのせいかも。前の絵の方が好きだし。最初のほうは特に、以前の東城麻美らしい設定(闇をかかえた少年&熱血イイ奴少年というベタコンビ)だなあって感じだったし。

 しかしドSな受けの兄とか、その同僚の麻酔医とかがどう動くのかで、結構面白くなりそう。本誌ではどうなっているんだろう。麻酔医が攻めの少年にちょっかい出す展開がいいな。でも攻めは犯人じゃないといいな。

 というか、外科医と麻酔医っていつからはやってるんですかね。こいでみえこと春原いずみの漫画でもあったよね。

2006年11月17日

愁堂れな『伯爵は服従を強いる』

 絵画大好き英国伯爵×フィナンシャルプランナー。
 受けがどうしても手に入れたい絵を出品するオークションにまぎれこんだはいいものの、狙ってた絵は受けが入札した瞬間から(笑)伯爵とオイルダラーにつりあげられて、相場の十倍以上の価格に。あきらめ切れない事情がある受けは、絵をゆずってもらうために伯爵に服従を誓うことに云々。

 オビには伯爵バーサスオイルダラーみたいなことが書いてあったのに、オイルダラーはほとんど出てこないというかただのアテウマなので、看板にすこし偽りアリかと…でも表紙は二人だからうすうすわかっちゃいたが。

 わりと面白かったんだが、どうもしっくりこない点が多く、伯爵が受けの申し出を一旦拒否したあとは何してたのかとか、そもそもそこで受けを一旦拒否したってことは伯爵が絵を落札したのはどこまで分かっててのことなのかとか、受けの父の画家のことほんとに好きだったのか、こっちもどこまで分かってたのか。全然わからんというか、冷静に考えてみると伯爵の行動原理がさっぱり一貫してない気が。
 まあいいですけどね。ただ、どこまで分かっていたのかで、伯爵の評価はぜんぜんかわってくるよね。結構いい奴っぽいんだけど、わからん。いい奴ぽいって書いたけど、ダメ人間かもしれない。最後とかもパスポートどっからもってきたんだよって感じで、ムチャクチャしてるし(笑。

 受けは金持ちにコンプレックスがありつつ頑張っててでも少しひねくれてて、よかった。が、攻めに流されてるような面もあるのでは。

 絵に関する筋自体はベタだけどわたしは結構好きです。

あすま理彩『執事は夜の花嫁』

 人外伯爵×幼い頃伯爵に拾われた執事。

 なんだかなあ。人外、まあヴァンプなんですが、その設定と筋自体があんまり面白くない。友人ヴァンプとかも全然活きてないし、受けの学友とかも紙幅増の要員かと。ボーイズ部分を除けば、何が書きたかったんだろう、という感じ。
 その上、ボーイズとしての筋も面白くない。基本的には感情の行き違いなので、あからさま過ぎるディスコミュニケーションに萎える。

 あと受けのかわいそうっぷりが、やはりこちらも伯爵に拾われた弟との対比で強調されているのだが、兄弟なのにかたや伯爵に恩返しがしたいと自ら望んで執事に、かたや伯爵のおかげで寄宿舎のある学校に通い伯爵に甘えて育つ、なんて、違和感バリバリですよ。伯爵はひとしく接したがっているのに、受けが勝手にかわいそうな位置づけになりたがっているようにしか思えない。ので、弟をうらやましく思ったりされてもなんだかなあと感情移入できない感じ。
 伯爵も不器用というよりは、ただ影が薄いだけというか。

2006年11月19日

iPOD shuffle。

 久々に二日酔いです。

iPODshuffle

 買ってしまいました。
 あまりの小ささにテラウフフ(↑は比較対照にイヤフォンいれて撮ってみた。紛失しそう。
 ちょっと音は悪いですが、まあそれは言いっこなしですよね。あんまりこだわらない方ですが、流石にクラシックとかは聴けなさそう。
 容量は1Gですが、意外と充分です。三期以降のピロウズをフルで入れて140曲弱だけど、まだ余裕があります。今はピロウズ以外では全力少年しか入れていないよ!(笑

 そんなこんなで、秋葉に行ったついでに、DIO様を身請けしてきました。

DIOさま

 やっぱカコイイなDIOは!

 秋葉と言えば、再開発が進んで随分雰囲気が変わりましたね。以前の方が居心地良かったと思ってしまう辺り、たいがいあたしもオタクです。でもご飯たべたり飲んだりするには便利になったね。

2006年11月20日

遠野春日『純愛ロマンチシスト』

 学生×年若き教授。

 かわいくてわがままな恋人にちょっと疲れてしまった攻めは、秘密の仮面パーティで一夜を共にした男が忘れられず云々。大学で受けを発見したものの、受けには傲慢で家庭持ちで自分勝手な彼氏がいて云々。

 二人とも彼氏持ち、しかもそのお相手に問題アリ、という、かわいそうなんだかズルいんだかわからんお話。ある意味、わりとよくあるお話かも。
 こういう話にどういう感想を持つかってことをまじめに考えると、感想イコール読者自身が恋愛においてどこに倫理的な線引きをするかって話になってしまう気がして、そう思ってしまうと、BL読んで自己反省するくらいなら批評なんてしない方がいいんではないかという気もしてくる。
 エンタメ的には、主人公二人に同情して、わがままな彼氏はヒドい奴らだ、攻めが受けに(受けが攻めに)乗り換えても当然だ、って読んじゃう方が気持ちいいだろうし、だからそう思ってしまえるように書いてくれた方が、エンタメとしてはいい小説なのかなって気もする。

 で、この話では、攻めも受けも結構悩んでいるし、わりと同調して読めたし面白かった。
 仮面パーティとかワロスな装置がある一方、攻めの彼氏の反応みたいな部分は妙に生々しい恋愛の一側面な気がして、ちょっとアンバランスだけどそれも面白かった気がする。

高尾理一『夜に濡れる蝶』

 最近なるべく表紙やあらすじを見るだけでなく、時間があれば少し立ち読みして自分との相性を確認してから買うようにしてます。この本も、ブックオフで冒頭を読んでみたのですが、あまりに面白いのであやうく最後までそのまま立ち読みしてしまうところでした。我に返って代金を支払ってきたのですが、それでも面白いのは冒頭だけ、展開やラストでgdgdという作品もあるし、まだ不安はぬぐえなかったのですが。もうこれは、最後までほんと面白かった。

 しかし、改めてみると表紙はキッツイな…。

 ということで、アメリカの某企業社長×日本企業のアメリカ支社社員。

 これはすごい。面白い。面白いというか、あたし好みなんですな、きっと。万人受けするかといったら、そうではないかもしれない。
 頭のネジが一本どころかたくさんブッ飛んでる攻め、凛と逞しくも愛嬌があり・攻めの異常性に苦労する受け、しっかりした筋立てに展開、不可思議なのにしっくりくる言葉遣い、そこはかとないユーモアただよう文体、と、ゆずり好みの要素がきっちり揃っているのです(ちなみにこの条件がバッチリあてはまっている作品を描く漫画家が語シスコですな。

 攻めは傲慢で尊大で、日本人が大嫌い。自分に近づく人間は財産目当ての奴ばかりだと思ってて、恋愛はイコール肉欲の人。
 そんな攻めの会社と取引がある日本企業のアメリカ支社ではたらく受け。だが攻めは受けの上司のミスで頭にきて、受けのアポを五回もキャンセル。その後受けの突撃や逆上を経て攻めは受けに多大なる関心を寄せるようになり、突然受けを休暇に連れ出し、めくるめく日々を過ごそうとたくらむのだが云々。

 彼はおそらく、アルフレッドが鼻唄を歌いながら平然と六回もキャンセルをし、人を侮辱することで踊り出すほど楽しい気分になっているに違いないと思っているのだろうが、そうではない。

 こういうの。こういうそこはかとない、おくゆかしいユーモアがイイんですよ。

 そしてそんな文体を絶妙に活かした、イカれたキャラ造詣。
 特に攻めのイカれっぷりがスゴイのですが、たとえばキャンセルをくり返したことに関して、語り手視点で上記のような反省をするにもかかわらず、受けに対しては、六回もキャンセルさせて辛い思いをさせたことに対する謝罪を要求すんですよ!これはひどい!(笑
 傲慢ともちょっとずれる、エキセントリックでキテレツな思考回路が他者には傲慢に見えるというか、そんな攻めはあたしは大好きなんですが、そんなキャラを書こうとする作家自体が少ないし、狙って書ける作家も少ないと思うんですよね。

「私の神聖なるオフィスに下着をつけていないものがいる。そう知ったときはドキッとしたよ」

 この言葉づかい!しかもその状況はどうみてもあんたのせいです!この威風堂々たる傲岸不遜っぷり。たまりません。
 他にも受けが気絶したことに動揺して夜食のスコーンをひとりで全部食べちゃうとか、傲慢かつおかしな性格で、もうほんとステキなんです。

「そんな、変質者に迫られたみたいな顔で私を見ないでくれないか」「あなたのしていることは、まさにそうです!」

 そして、そんなエキセントリック攻めに対抗できるのは、きっちり強い受けでなきゃです。強く、しかし時にはほとほと攻めに嫌気がさして、それでも闘って、愛を勝ち得ていく、そんな受けでなきゃ!「セクハラにも負けず、パワハラにも負けず、金にも快楽にも媚びぬ、強い精神性を持ち、時々泣いて、めげずに怒り、いつも強く美しく攻めをトリコにする」そんな受けを、あたしはよみたい(笑

 そんなわけで、この受けは変態攻めに惚れて苦労することになるのですが、誰も愛さない、恋をしない攻めと、自分の感情とに、どう折り合いをつけるのか。
 その中でキイになっていくのが、受けが以前絵を描いていたというエピソードなわけですが、この設定が最初は唐突だったんだけど、しっかり話の筋にからんできてて、しかも受けの性格も攻めの性格も側面から照射するようなよい差し色になっていて、とてもよかった。
 というか、あたしがもともと絵描き表象に弱いってのもあるんですけどね。この絵の関連のお話がすっごくよくって、攻めが受けに「きみには芸術的なものを見る目がないらしいな」と言う場面とか、どんなにか受けがうれしかっただろうと思うと、ついついじーんと来てしまいました。

 ともあれ、本筋の恋愛物語としての展開は王道で、最後は勿論ハピーエンド。
 ただ、ちょっと最後の辺りはものたりないというか、受けがもうちょっと幸せになってほしい感もあるので、後日談がもっと読みたい…(同人は出てるみたいですが…。この辺りは急ぎすぎというか、ちょっと言葉足らずな気もする。

 でも総合的に、あたしはすごく面白く読んだのです。今のところ、ボーイズラブで一番お気に入りの小説のひとつです。

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 気に入りのテクストを言葉をつくして「好き」だと語るのはやはり気持ちが良いものですな…。その行為が外からどう見られるかは別として。

2006年11月21日

高尾理一『紳士の甘い誘惑』

 というわけで、

「かまわないでよ テクストは自分の目で見る
 さわらないでよ 萌えてる胸の楽しさはまだ帳消しじゃない
 大絶賛したり 急にエェ~っとガッカリしたり
 定まらない評価 何十通りのテクストを読んだ
 そして今

 世界を吹き飛ばして 自由だけを吸い込んだ
 駄作をくぐり抜けて 好きなテクストしか見ないんだ
 midnight down」

 ところでランハイのMAYAMAXXのジャケ画なんてこの頃やっと好きになってきた(ランハイとかって訳すのあんまり好きではないのだがやっぱり便利。

 で、急速にしぼんでみたり(笑。

 アメリカの本社の社長一族みたいな×その日本支社の通訳みたいな。

 アメリカ出張の際にいい感じだった二人、攻めが日本支社に赴任して云々。
 攻めのgdgdな仕事ぶりと悪評に受けはやきもきするのだが、お約束なオチで。

 これは遺憾かった。主人公二人とも魅力ないし。話の筋も面白うないし。萌えないし。一体何が遺憾かったのだろう…。アメリカ人攻めだから期待していたのになあ…。

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 くそう。別にいいんだよ、面白かったテクストは本当に面白かったんだから。
 なんでこんなにわだかまりがあるのかと考えるに、どうもあたしは全てのテクストを愛せる作家が欲しいみたいだ。ボーイズでなくてもいいんだけど、まだ見つからないんだよなあ。淋しい。
 あ、この作家は面白いものもまだまだ読みました。またハイテンションで書きます。

2006年11月22日

遠野春日『キケンな遊戯』

 これは良い!

 年下転入生×クールビュティな生徒会役員。

 なんだけど、学校ではお堅いイメージの受けが、夏休み限定で一人暮らしをしてはじけてみた、そんな折に攻めと出会って恋に落ち、二学期に学校で再会してもバレないように二重生活…説明がヘタでよくわかんないね(笑。

 攻めは大人っぽいけど子供っぽい部分もあって、判断の甘くなる瞬間とかが妙にリアルな気もする。受けも潔くて男らしくてかわいらしい。しかしとにかく、良い意味で二人とも子供っぽいのだ。
 あとがきにあったように、この作家の高校生モノはめずらしいようで、独特の雰囲気があって個人的には結構好きだ。いっそ学校群像もの書いてみてほしいくらい。

 お父さんや生徒会長がメインになるキケンな誘惑も少し読んだ。

「眼鏡人伝」その1

 マヨイガプレゼンツ、
 おお振り×フジミ×医龍、そして中島敦。
 「眼鏡人伝」その1


 さいたまの西浦和の高校に通う花井という男が、天下第一のメガネ男子になろうと志を立てた。己の師と頼むべき人物を物色するに、当今メガネをかけては、メガネバイオリニスト・守村悠季に及ぶ者があろうとは思われぬ。メガネをかけてバイオリンを弾くに百発百中で男を落すという達人だそうである。花井ははるばる守村をたずねて東京都某市富士見二丁目に向かった。

 守村は新入の弟子に、「まずメガネで微笑むことを学びなよ」と命じた。花井は西浦に帰り、野球部エースの三橋の前で、メガネをして微笑んでみた。反応のわかりやすい三橋からアタックしてみようという工夫である。理由を知らない三橋は大いに驚いた。第一、妙な笑顔を妙なメガネのキャプテンに繰り出されても困るという。いやがる三橋を花井は叱りつけて、無理にモーションを掛け続けた。来る日も来る日も彼はメガネで微笑んで、三橋を落とす修練を重ねる。

 二月の後には、三橋も「メ、メガネの、花井くんも、かっこいい!」と言うようになった。彼はようやく三橋を落とした。もはや、西浦ナインの皆がメガネの花井にメロメロになっていた。不意に部員に会おうとも、ちょっとイライラしていようとも、彼は決して微笑みをたやさない。彼のメガネはもはや掛けっぱなしで、夜、熟睡している時でも、花井のメガネは掛けられたままである。ついに、メガネ姿にシガポが落ちるに及んで、彼はようやく自信を得て、師の守村にこれを告げた。

 それを聞いて守村がいう。「微笑みでモテるだけじゃまだステキメガネには物足りないよ。次には、クールさを学ぼうか。寡黙に澄まして、落ち着いてること泉君のごとく、冷たきこと阿部君のごとくになったら、帰って来て僕に言ってね」、と。

 花井は再び西浦に戻り、プラフレームのメガネをチタンフレームに替えた。そうして、それを掛けて教室でウェルテルとか手にして、終日むっつりして暮らすことにした。毎日毎日彼はウェルテルを見詰める。初め、もちろんそれはポーズに過ぎない。二三日たっても、依然として一ページ目である。ところが、十日余り過ぎると、気のせいか、どうやらそれが面白い本に思えて来た。三月目の終りには、ウェルテルを読み終わっていた。花井が手にする本のタイトルは、次第に移り変る。ゲーテはいつかランボオに変り、鴎外を読んでいたかと思うと、はや、三島由紀夫を読んでいる。花井は根気よく、寡黙に本を読み続けた。その本も何十冊となく取換えられて行く中に、早くも三橋が落ちた。

 ある日ふと気が付くと、三橋がうっとりと花井に見惚れていた。「は、花井くんは、スゴイ!」しめたと、花井は膝を打ち、教室内を見る。彼は我が目を疑った。クラスメイトが尊敬のまなざしで彼を見ていた。女子は頬を染めていた。男子はもじもじと遠巻きに見ている。雀躍して三橋に向きなおった花井がメガネのブリッジを押し上げれば、三橋の心臓は見事にズキュンと音をたてて、しかも瞳はハートマークになっている。

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2006年11月24日

眉山さくら『ハートビートな嵐の夜』

 うーん、外科医×外科医ですよ(笑。
 大学病院ですよ(ただし冒頭だけ。

 そこらじゅうの女性と浮気しまくりの攻め、に愛想をつかし姿を消した受け。数ヶ月後、攻めは受けが長年の夢だった僻地医療にたずさわるために四国へ向かったことをつきとめ、四国の医大へ期間限定で異動?し、受けに会いに行くのだけれど、まだまだ攻めのことなんて信じられないし、考え方の違いはあるし、云々。

 なんか主に僻地医療とかサバイバルとかでした。
 あとなんか、何もない診療所で停電の中心臓手術してたのだけど、どうみても神業です。

 ええと、攻めが改心する過程はわかったようなわからなかったような。特に悪くもないけれど、恋愛物語としてすごい面白いわけでもない。いや、悪い出来ではないんです。
 ただ手術とか台風の印象が強すぎただけで(笑。

 絵がなあ。しゅしゅしゅさんの絵は何をしていてもギャグにしか見えないと思った。絵が違ったらもうちょっと違った印象だったかも。

高尾理一『龍と仔猫』

 ヤクザ×フリータ少年。

 実の父もヤクザ、母は女手一つで姉弟を育て、受けはヤクザが大嫌い。受けの姉はホステスになり、ヤクザのヒモにふりまわされる典型的なダメ男好き。姉がこっそりつくっていた借金の存在を知った受けは、借金の肩代わりを申し出た攻めの愛人になることに云々。

 受けが刃傷沙汰にまきこまれるとか、展開がところどころツルリとベタになるのが(なんというか、楽しめるレベルのベタさを超えているというか、あまりにスルっとベタになってしまうのです)今ひとつなんだけれど、でも全体的に筋もキャラもしっかりしてるし面白かった。
 普通に良くできてるお話、という印象。「由佳子に育てられたお前はヤクザが嫌いで、由佳子はヤクザが大好きってことだ。お前にヤクザを嫌うように仕向けたくせに、不思議な話だよなぁ」みたいな謎めいたセリフまわしとか、やっぱ巧いかもなあと思った。

 受けは最初は姉彼のヤクザにタンカ切ったりして、結構男らしかったんだけど、攻めが出てきてしまうとやはりそのマッチョさに対抗できず(キャラ的な問題か)に仔猫になってしまう。でもまあ結構かわいいです。
 攻めは不夜城に続き(なのか?)ワイルド系ヤクザで、結構受けをからかったりするところもあって、なかなかよろしい。
 姉がかなりムカつくのだが、でも同情してしまう部分もあって、ビミョウだ。姉に育てられたようなものって感じの受けが姉を嫌いになれないのは、正直あたしにはよくわからない部分もあるがそういうものなのかもなあとも思う。
 ヤクザの下っ端どもとかも、いい感じだった。

 あと実はかなりの年の差。いいねえ。

 しゅしゅしゅさんは絵がかわったよね。以前の絵は外科医×外科医(ハンター×ハンターみたいだ…え、あの漫画ってヤオイだったの?)みたいに、何をしててもギャグに見えてしまう、という最凶の欠点があったのだが、今の絵は全く個性がなくなってしまい、これもこれでダメダメだなあ…。もとからデッサンも線もいまひとつってこともあって、絵師としては全く好きになれそうにない…。

2006年11月25日

「眼鏡人伝」その2

 マヨイガプレゼンツ、
 おお振り×フジミ×医龍、そして中島敦。
 「眼鏡人伝」その2

 花井は早速師のもとにおもむいてこれを報ずる。守村は喜んで、初めて「やったね、花井君」と褒めた。そうして、直ちにステキメガネの奥儀秘伝をあますところなく花井に授け始めた。

 表情の基礎訓練に五月もかけた甲斐があって花井の魅力の増加は、驚くほど速い。奥儀伝授が始まってから十日の後、試みに花井が大宮に出て百歩を歩くに、既に百発百中である。二十日の後、人でいっぱいの渋谷に立って、メガネのブリッジをおしあげるに、狙った男が落ちるのはもとより、周囲の人間も見惚れている。

 一月の後、百本のメガネの試着を試みたところ、第一メガネが栄口を落とせば、続いて掛けた第二メガネは誤たず巣山を落とし、更に間髪を入れず第三メガネが水谷を落とす。一本のメガネは必ず一人の男子を落とすが故に、ばたばたと信者が増えていく。瞬く中に、百本のメガネは百人の男子を落とし、花井から一直線に続いたその列はPS3発売前の電気屋のごとくに見える。傍で見ていた師の守村も思わず「ベネ!」と言った。

 二月の後、たまたま西浦に帰って副主将といさかいをした花井がこれをなだめようとして青いフレームのメガネを掛けて阿部の目を見た。花井は落ち着いて今日の練習について話し続けたが、阿部は一向に気づかず、まばたきもしないで花井をうっとりと見続けた。阿部にこんなふうに見詰められるのは正直キモいと思ったが、けだし、彼の至芸によるメガネの魅力と狙いの精妙さとは、実にこの域にまで達していたのである。

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2006年11月26日

高尾理一『恋は追憶に揺れて』

 会社社長次男×印刷会社社長長男。

 過去に、攻めの兄とつきあっており、一緒に会社を興した受け。会社の危機に、受けの両親から借りたお金を攻めが持ち逃げし、会社は倒産、受けは親の会社で働きつつお金を返すことに。数年後、元カレの弟が訊ねてきて云々。

 この弟が、最初はしっかりものなんだけど、どんどんgdgdになっていくさまが…(笑。いいのかそれで、受けは。

 むしろ、受けが元カレのことを思い返す様子が面白かったかも。お金を持ち逃げしたり、浮気をしたり、ダメ男だったのは確かなんだけど、でもいろんなことを思い返すと、いいところもいっぱいあった、って振幅がうまく伝わってきて、いいですね。
 出会いのきっかけになった黒いネコのこととかも。「チビと呼びクロと呼ばれた猫が、パトロンのひとりに大事に抱き上げられてどこかへ去った日」なんてのもいいし。

 それぞれの親も出てきて、むしろ印象が二転三転する弟がテクストにおいて空白っぽい感もある。不思議な印象。

2006年11月27日

かえりみる。

 なんかついつい日記を書くのを怠ってしまいます。ここのところ仕事も大詰めで予定も詰まってたので、ちょっと疲れてしまいましたよ。

 しかしそんなわけで久々にいろんな人々と会って、楽しかったり懐かしかったり。変わらず昨日の続きのように話せる、気の合うともだち知人はやっぱり会って楽しいし、けれどどうも昔からあわないひともいたりして、それでも超久しぶりに会えてほんと楽しくてうれしかった。少し自分でも意外なくらいそうだったんだけど、だからそういうもんなんだろうなあとも思った。

 気の合うともだちは勿論大事なんだけど、そうじゃなくて大事なひとたち。記憶体験を共有してるからかなあ。でもそれだけでもない気もするんだ。あたしはキャパの広くない人間だし、そういうの大事にしたいと思いました。

 うん、もしかしたらあのグループだからこそ、ってのもあるかもしれない。あのときのあそこでの体験はわたしの中で思っている以上に影響をもつようになってるのかもしれない。

 しかしとにかく眠い。早く冬休みにならないかな。

真生るいす『坊っちゃまと主治医』

 ところでおお振りの感想は絵を描く暇がないので、早くても明日になります。

 ファーストコミックスでしょうか。
 誰かと思ったらあの絵師さんか。

 天使のような容貌のお子様とか主治医とか執事とかメイドさんたちとかナニーとか。えせヴィクトリアンだそうですが、お話も考証も雰囲気もゆるゆるで雰囲気が楽しめればそれなりに面白い。あたしはみんな同じ顔のメイドさんたちがいっぱいいてかわいくて楽しかった(笑

 坊ちゃまのキャラとかはたんにワガママでお子様なので特に目新しい見所はなし。主治医もなんか性格づけがあいまいというか、シリーズを続けるにあたっていろんなブレが出てきてる感じでどんな人なんだか結局よくわからんかった。
 萌とかはあんまりありません。

 絵がわたしのあまり好きではないゆるゆる系で、かなり時間を掛けて書いているようなので顔もしょっちゅう変わっちゃうんだけれど、割合印象はわるくなかった。

 しかし何より、発行年月日が来年一月になってて、いつもながらちょっとサバよみすぎ徳間書店。

2006年11月28日

角田緑『縁は奇なモノ美味なもの』

 板前×マネジャー?

 支店からきた板さんに口説かれる日々。
 ていうか板前は長髪でもへらへらでも別にいいけど、タバコはだめだろう…。
 ていうかわんこ攻めはやっぱダメだこの作家。
 あとマネジャーは丁寧語メガネなのに希に素が出るとぞんざいな言葉遣いで、しかもその態度がなんかちまちましているのですごくダメ。

 この作家は結構好印象だった気がしたのだが、傲慢ノンケがあたしのツボすぎただけだったか。
 タイトルがなんだか「オアシス!」セッコ。

2006年11月29日

真崎ひかる『二匹のケモノと檻の中』

 果てしなくどうでもよい小説だった。

 両親再婚の義兄弟、植物の研究員兄×大学生弟。

 何よりキャラ描写がうすっぺらい。エリート美形だそうな兄が、全然そうは感じられなくてなんだかな。高校生の義理弟もいるけどあまりにあからさまな当て馬だし、こっちはアーチェリーやってて文武両道系の優秀高校生らしいのだが、これも描写から全然伝わってこない。キャラ設定がそらぞらしい要素の羅列だけって感じで伝わってこず、感情移入どころの話じゃない。受けを取り合う二人も本気らしいのだが本気に見えない感じ。受けも美人らしいのだがそうは思えず、性格も天然ぽい、くらいしかわからない。悪い意味で人形劇って感じ。それぞれの人形に設定を書いた紙をはりつけてうごかしてるような印象。
 展開も平板で、読み進めるのが苦痛だった。

---
 別次元の話として、三人以上出てくるお話でもたいていはヒーローが最初から決まってしまっているのでつまらない。受けもしくは攻めの取り合いで、語り手も取り合われるヒロインも、二人を対等に扱うお話が読みたいなあ。

『アフタヌーン』一月号

 また絵が荒れてる!なのにこんなに面白いおお振り、は、スゴイ!(どうでもいいけどくじアンの絵師小梅けいとなんじゃないか!モノクロだとああなるんだ…うーん…。

 電車の西浦崎玉戦(笑。
 三橋と田島は何をひろっているのか。随分分厚いな。まさかアフタンーン…。
 大地にかんしてはちょっと常軌を逸する覚悟をキメて後日また。
 阿部の花井ないがしろっぷりに、花井キャプの苦労がしのばれます。花井はたぶん人としての総合力は高い子(運動神経や学力、社会性もふくめてあの子は高校生としてはまんべんなく合格点な予感)なのに、こうゆうそつのありまくりなとこが子供っぽくて大好きです。
 そして阿部の黒い笑顔…!三橋(阿部君キゲンいい……)ちょ!あのまっくろな阿部=キゲンいい、って判ってるって…三橋って結構阿部のこと判ってるね!(笑

 そんな三橋の面白さは常に再発見中です。本当面白い主人公だと思う。
 (オレは 大事にされてる のか)(ごはんいっぱい 食べよう)この流れが大好きです。いや、別に可笑しいことはいっこもないんだけど、なんか可笑しい。
 (でも 今日は いっぱい話せた)三橋は勿論阿部がキャッチャーだから好きなんだろうけど、(阿部君と話すとイロイロ気づける)んですね。これはたぶん、少なくとも三橋にとってはすごく大事なことだし、黒い阿部でも、言葉がたりない阿部でも、三橋にとってはキャッチャーの枠を超えた大事な人になっていたんだね。そこまで読めてなかったっていうか、阿部がそういう意味で三橋にとっての大事な人になってるってことは、阿部もふくめて誰も気づいていないことだろうなあと思うと、ちょっとゾクゾクする。それに、ある意味ではそれって三橋と阿部の相性がいいってことなのかもしれない。

 それはさておき、それでもやっぱり通じているようで全然通じていないバッテリー。阿部はもっともっと素直にならんと遺憾のでは。「“ありがとう”じゃねーっつーの」じゃなくて、「オレこそありがとう」「二安打完封はお前のチカラだ」ぐらい言っちゃおうよ(笑

 そしてそれをとりまくチームメイツ。
 三橋を阿部にまかせて無言で離れる田島、こういうとこほんと大人だなあ。
 阿部三橋の会話を見て(はずんでいるぞ!)と妙にうれしそうな栄口。はずんでるぞ、じゃなくてはずんでいるぞ、なのが何となく栄口っぽい。なんかちゃんとした子、って感じ。そして、三橋の成長とかしやわせを我がことのように喜んじゃう栄口は、いい子だよなあホント。素直でかわいいぞ!こんな高校生大好きだ!
 てゆうかもう、みんないい子だ!(笑

はずんでいるぞ!
栄口、…む、むずかしいな

 ハマちゃんたち、最初ぬるかった梅さん?とかまで、野球部におもっきり感情移入・一喜一憂しちゃうのはよくわかるよ!(笑
 チアはどでもいいっていうか、なんか描写がまだぎこちなくて、ちょっと読みづらいという感じ。でもハマちゃんのヒミツが見えてきた…ほんとに一人暮らしだったんだ(笑。そんな描写、なかったよねえ…?ふじょしファンのみなさんは、一体どういう嗅覚で気づいてたんだろう(笑

 そして、練習。
 阿部。三橋と組みたい阿部(笑、ウソ、やっぱ田島と三橋を見ていていつかケガしそうだと思っていたのは読者だけではなかったのね。
 モモカン。阿部の打率はそんなに凄かったのかとビックリですよ。次回ではやらないにしても、公式戦、しかも四回戦で四番を張れる選手だとモモカンは思っているんだなあ。スゴイなあ阿部。西浦の三番手ってのはほんとだったんだなあ。
 田島泉の(アベウッゼー!)には笑った(笑。あたしはよく知りませんが、こんなウルセーキャッチ榛名でなくてもイライラすんではなかろうか。

 でも、そんな「ウッゼー阿部」に三橋は「ありがとう」なんだよね。
 九分割のコントロールで、変化球いっぱいにまっすぐも投げれて、って三橋の努力と能力は確かに阿部の理想のピッチャーなのだろうけれど、実は性格面でも三橋は阿部の理想のパートナーなんじゃないの?(笑。オドオドっぷりにさんざんイライラさせられてんのも確かだけど、誰から見ても「ウッゼー阿部」に「ありがとう」、この貴重さに阿部は気づいているのかどうか。
 うーん、ぜんっぜん性格は合わないけれど、やっぱりこの二人って相性いいんじゃないかな。っていうか、もっと単純に言えば、あんたたちお似合いですよ(笑、いや、やおいではなくて。

阿部ウッゼー
亭主関白とかおしどり夫婦とか…じゃなくて、オカンって感じ

 それはさておき。
 なんかいろいろあったけど、今号はなにしろ阿部でしたね。阿部ワールド。

 三橋の阿部へのこだわりっぷりや、田島の「“いつも”」(真剣な目の田島はマジこわいイヤミいってんのか素なのかもよくわからないくらいとにかくこわい)なんかも考慮すると、どう考えても阿部戦闘不能フラグだわ、って感じの今号でした。
 そんなこんなで阿部はダメになるだろうなという予感がしつつ、でもむしろ、このフラグのせいであたしは楽天的になってきました。

 だって、この展開なら。
 やっぱビジョウには勝つだろう、きっと!

 ビジョウ戦では多分ぜったい阿部がダメになる、あるいはなってる状態だろうと思う。ビジョウ戦前にケガとかするかもしんないし、自信を喪失するようなことがあるのかもしんないし、ロカが何かからむかもしんない。四回戦で阿部が故障して外れて田島がキャッチとか(あ、そしたら西広も出るかも!?それも燃える)そんで、阿部は爆弾かかえたままビジョウ戦先発とか、かも。
 いずれにしても、定石どおりなら、三橋はキャッチャーとしての阿部を一度失って、それでも勝つんだろうと思うんだ。阿部も崩れて、たぶんみんなが助けてくれる。もしかしたら三橋が助けるかもしんない。

 ああ~ビジョウ戦が楽しみだ~!!!
 (あと桐青戦を早く読みたいよ。


2006年11月30日

ごとうしのぶ『薔薇の下で』

 フジミとタクミの同時発売ははじめての体験だったので、どっちから読もうか…とワクワクしていたのですが、いろいろあってとりあえず感想はタクミから行きます。いろいろについてはまた後日。

 託生。
 託生に関するエピソードは、きっかけもその後の展開もベタだけれど、まあいいんじゃないかなあと結構面白く読んだのだが、難を言えば、「ぱきっ」ってキイワードはもうちょっとなんとかならなかったのか(笑。いや、雅彦さんがそういう表現をするのはいいんだけど、託生がそれをまんま受け取って頻出してるのでなんだか笑ってしまう。でも託生の浮上のきっかけが雅彦さんというのはよかったかも。

 ギイ。
 …なんかギイ影うすかったね!(笑。託生にべたべたしてるだけというか。
 あと、穂乃香がなあ…なんだかなあ…あのあっけらかんキャラは仕方ない(タクミくんの女性キャラはあっけらかネチネチかの二択のような気が…)にしても、ギイのでんぶとか言われてもなあ…。それに、今は、って。ビミョウに無神経だよねえ。ギイの過去を知りたくない託生がザ・ルビーで書かれたばっかでこれですか…という気も。
 ギイはギイで、穂乃香の「つきあってる」という表現に「恋人」という言葉をかぶせて強調して、「恋人」とよべるつきあいをしてるのは過去も今も託生だけ、って言いたいのかな?と、親切に読解すればそうもとれるけれど、もっとはっきり言語化しようよ、読者と託生のために(笑
「歌を歌わせるととんでもないことになる」……わはは(乾いた笑い。
「はいはいはいはい」…はい、は一回でよろしい。

 しかし今回、なんかギイが薄かったせいか、イレギュラーセンサーが反応しまくりでした。
 章三と、「井上さん」(笑。「しょーぞーくん」と雅彦さん(笑。っていうか、雅彦さんは「たくみくんがいい」だし(笑。コイモモで一人イレギュラー祭りかなあ!(笑

 まあ全体に過渡期だったので、後は特にないかな。寄彦が結構かわいそう…とか、寄彦結構マトモ…とか、ブレーメンのアレ、は、きっとコスプレだろうな、とか。
 あ!真夏の麗人収録は…ちょっとどうなんだろう。それより以前のものも、まだ収録していないのに、なぜこれなのか。でも夏の話だから、ちょうどいいっていえばいいんだけど。

 しかし、いつの間にか四部作ってことになってるけれど、これ次回で終わるのかな?ブレーメンの演奏に、真行寺とのデートをギイに知られてご不興のアラタさんが島に上陸、宝探し、サロンコンサートで三人による序奏とロンドカプリチオーソ、耀さんと雅彦さんはその合間をぬってくっつ…かないでもいいなあ、びみょうなところで引きにしておいて、後日談はまた、とかありそうだ。



2006年11月 アーカイブ

もくじ

 ごとうしのぶ『薔薇の下で』
 『アフタヌーン』一月号
 真崎ひかる『二匹のケモノと檻の中』
 角田緑『縁は奇なモノ美味なもの』
 真生るいす『坊っちゃまと主治医』
 かえりみる。
 高尾理一『恋は追憶に揺れて』
 「眼鏡人伝」その2
 高尾理一『龍と仔猫』
 眉山さくら『ハートビートな嵐の夜』
 「眼鏡人伝」その1
 遠野春日『キケンな遊戯』
 高尾理一『紳士の甘い誘惑』
 高尾理一『夜に濡れる蝶』
 遠野春日『純愛ロマンチシスト』
 iPOD shuffle。
 あすま理彩『執事は夜の花嫁』
 愁堂れな『伯爵は服従を強いる』
 東城麻美『ラブプリズム』
 小塚佳哉『週末だけの恋人』
 遠野春日『告白は花束に託して』
 眉山さくら『佳人は罪に染まる』
 遠野春日『愛される貴族の花嫁』
 天城れの『恋愛紙上主義!』
 小塚佳哉『熱砂の王』『赤い砂塵の彼方』
 眉山さくら『砂漠に堕ちた人魚姫』1、2
 高遠春加『告白―scent of declaration』
 九州男児『課長の恋-三回戦-』
 遠野春日『恋愛は貴族のたしなみ』
 本仁戻『Dog style 2』
 眉山さくら『獣は弁護士に殉愛する』
 斑鳩サハラ『裏大奥でござる』
 小塚佳哉『誓約』
 乃木坂太郎『医龍』6、7
 遠野春日『香港貴族に愛されて』
 京山あつき『聞こえない声』
 神楽坂はん子『地球の上に朝が来る』
 今市子『B級グルメ倶楽部』2
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