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2006年12月01日

大地ミハ。

 どうでもいいけど安倍首相って変換しようとすると、阿部主将ってまっさきに出てくる。
 それはさておき、ついにこんなモノを描く日が来てしまった…
 隙間産業だっ。
 大地ミハはすっかりイチオシCPです。
 流行ればいいのに!!

何を!

だから、何を!

 「勝負」が抜けてるとかいいっこなしで。
 しかし本誌、やっぱり大地は三橋に丁寧語なんですかね?!これはもゆる!!!
 まあ、こうした妄想はともかくとして、いつか「さ 佐倉くんは いい人 だっ!」くらいは、言って欲しい…な。

2006年12月02日

高尾理一『キスで目覚めたい』

 「ムーンリットガーデン」という作品の文庫化、らしい。

 …なーんですってー。それってブックオフの通販で一緒に買っちゃった新書のタイトルじゃないの。
 絵師変更はともかく、内容いっしょなのにタイトルを替えるなんて、サギだー(涙。

 ええと、陶芸作家×おばさんがギャラリーやってる高校生が芸大に進学。

 両親の死とかで対人関係に問題ありな受け、とか攻めに惚れてる女性洋画家がジャマして云々、とか。
 特に面白いとこもなかったのだけど、攻めが最初は大人らしくきりっとしているのだけれど、本当はだらしのない人で、後日談とかおいおいおいという感じだった。でもその後日談のエクリチュールはいかにもこの作家、というかわたしの好きな感じの高尾理一、だった。でも全体的にはあんまり好きではない。

 あとしおべり由生はニガテみたいだあたし。

高尾理一『ご褒美はレースのあとで』

 騎手学校の同期同室、二コ下才能ありコネありなイケメン×ちっちゃくて頭もいいけど乗馬はヘタなかわいこちゃん。

 馬や騎手関連の描写がこまかくて勉強になった(笑。この作家ほんとに馬好きなんだねえ。
 萌えは…あんまし、ないかもだ。でも攻めがなかなか素直にならなくてよかった。あと物語の展開上のせいもあるだろうが、受けの感情は攻めへのラブよりも攻めの才能への嫉妬がメインに書かれていたので、やっぱりそれはBLとしてどうだろう(笑。

 しかしこの作品は、なによりも、葛井美鳥の絵は騎手って設定なら活かせるんだな!と納得させられた…(笑

2006年12月03日

泉!泉!泉!

 泉ってカッコイイよね…!!!

 ちっちゃいのに勝負所で頼りになるし、敬遠なんてされちゃうし、顔は西浦一かわいい(当社比)のにいつもそこはかとなく不機嫌そうで、でも三橋にイラついたりしない、そんなオトコマエっぷりが好きですよ!なんであんなカコイイかな!

 イズミハっていうか、三橋の面倒を見る泉が好きです。オレはもう慣れたぜ、とかだけじゃなくて、昨日の試合ならこれくらあたりまえ、とか!オトコマエ…!
 田島は三橋のニーチャンですが、泉さまは田島と三橋のお兄さま、だと思う(泉にはメーワクかもしれないが。

 ところでやおい話はいちおうトップページにさらさないように、と思ってはいるのですが、なんかどこからがやおいでどこまでがふつうの話なのかわからなくなってきた。

高尾理一『ブレイクアウト』『ミッシング・ユー』

 裏表紙の梗概が悪すぎ。全然面白くなさそうなんだもん。だからあまり期待しないで読み始めたら、ちゃんと高尾理一のアメリカもので、ちゃんと面白かった。

 ルックスはむさい年下わんこだけど女好き刑事×ドイツ系美形超優秀ツンデレ刑事。

 というか、受けの車がナイト2000で、攻めは宇宙人に寄生されてしまうので、もうほんとにどうしようかと思った。しゃべる車とか全然本筋にからんでこないし(笑。いやでも、ベタだけどふつうに刑事ものとして面白かった。
 一巻はややライトな短編いくつかで、二巻はシリアスな長編一本、それぞれ面白かった。もっと続けばよかったのに。
 BL的には、宇宙人に寄生されて、どう展開するんだ…と思ったけれど、妙に宇宙人がきちんと受け入れられているのが可笑しくてよかった。

 それぞれのキャラもそんなに珍しい設定ではない定型ではあるものの、きちんとキャラがたっててよい。

 何冊か読んでみて、この作者のつくるキャラはベタな設定というか、ある定型だなという感がけっこうある。ベタにフランクなアメリカ人とかがそのいい例だと思う。んで、ベタなんだけれど、きちんとキャラがたってて、替りのきかないそのキャラ、にきちんとなってる。これはすごい。というかこういう巧さはあたし好みだ(笑。あと、それぞれのキャラの欠点を結構しっかり書き込んでいくところなんかも好き。

 あとね、アメリカ設定ものがやっぱりここしばらく好きで、この作家のアメリカ表象はかなり好みなので、それだけでも結構満足してしまうみたいだ。

 緋色れーいちはどうも好きになれないのだが、でもおまけ漫画が載っててそれはうれしかった。

2006年12月04日

チア。

 いろいろ描いてみよう!
 チアコンビの描きやすいほう。

いとう由貴『禁断の罪の果実』

 これまた何とも不思議な話だった。

 人生に倦んだフランス貴族×JICA所属の日本人青年。

 受けはフィジーの小学校で先生をしており、次第に孤立している攻めと打ち解けていくのだが、攻めの気持ちは受け入れられなくって云々。だがしかしそんな折、受けは事故にあって意識不明の重体に!攻めの献身的な介護で一命をとりとめたものの、記憶を失ってしまった、そんな受けに攻めは自分はお前の恋人だ、とウソを教えて云々。

 その後はまあBL的お約束な展開なわけですが、なんというか、穏やかな文体で云ってることが結構苛烈なんですよ。

 以下いつも以上のネタバレになりますが、特に受けが記憶を取り戻してからの辺りがスゴイのです。

 攻めのウソを知ってしまい拒絶反応を示す受けを見て後悔し、受けが意識不明でいた間が一番幸せだった、日がな受けの面倒を見て、ずっと受けは自分だけのものだった、と云ってしまう攻めもスゴイし、それはいけない、攻めがよくしてくれて本当に自分を愛してくれたのはもうよくわかっているけれど、そんな愛し方は不健全だ、と苦しむ受けもスゴイ。重たい!

 だけれど攻めの元を去っても受けは離婚した両親のどちらにもやっかいにされてて帰る場所はなく、財産を処分すると残ったのは一千万に満たない金額のみ。その身体一つを持って、攻めに再会するために日本を出る受けもよく考えるとスゴイけれど、その決心のありようがまたスゴイ。
 攻めの愛が二人ともを駄目にしてしまうものでも、それを受け入れようと決めたという受けはすごく力強くて、でも端から見ればそれは弱さだと云われるかも知れない強さなので。周囲から男妾とそしられようとそれでいい、一生を何も成さないままに過ごすことになってもそれでいいと、受けはそう云うんですよ。

 この結末、受けの心持ちはちょっとスゴイなあと。なんだかもやもやするものが残って、考えてしまうんだけど、後書きの軽さにほっとしたというか(笑

 あと表紙、この薔薇の配色はわざとなのかな。花言葉とかもいい感じに話に合う気がする。

 正直、全体的に面白かったと云える作品ではないけれど、割合好きだなと思った。

2006年12月05日

秋月こお『嵐の予感』

 今回もまた、嵐の予感に満足よ、な方はご覧になりませんよう。

 …ご忠告は致しましたよ!

 ということで。
 なんかもう、2ちゃん風に「これはひどい。」の一行で済ませてしまいたい誘惑にかられています。

 というわけで、今回はフジミとタクミの新刊が同じ日に出たんですが、どっちから読もうかとワクワクしていた、というのはゲンミツにはウソで、二冊いっしょに出る、ということ自体になんとはなしにウキウキしつつ、でも今回のフジミの予想される内容を考えてたら鬱々として、とうてい読む気になれなくなったりしてました。

 のだけれど、やっぱり展開だけはかすかに気になって、店頭でパラパラとめくってみたら結構止まらなくて、結局一応買ってしまった。

 でも結局ちゃんと読む気はしなくて、なんかブログをRSSで項目タイトルだけぱぱっとチェックするような読み方をしてしまった。そんな本をわざわざ買ってしまったこともちょっとショックだが、やっぱフジミは悠季のブログになってるんだよなと思った。トレペ?買ったとか、どうでもいいよ!(しかしこんなこと覚えてるあたり、なんかなんだかんだで結構把握しているのかあたしは。ほんとにちゃんと読んでないんだけど

 しかも悠季の性格は悪化小姑化の一途だし、それでいて仕事はなっちゃあいないし、そんな視点人物キッツイよ。弟子を偉そうに説教視点で見て、それでいて取り柄だった努力は怠って、なんて、どんな言訳されても感情移入できないよ。このお話って、グダグダな視点人物にイライラしたりムカついたり恥ずかしくなったりする(キャッチャーインザライみたいな?)のがデフォルトの楽しみかたではないはずでしょう?

 そもそも前回も、前々回もか、読み流したのですっかり忘れていたが、演奏会でブルッフとシベリウス両方なんてどう考えても無理じゃないか。こんなギリギリになる前に、早く断れば良かったのに!
 でもまあ圭がソリスト、よしのこーじが指揮というお遊び展開は面白いと思った。こんな展開にするために悠季はコンチェルト二曲なんて引き受けさせられてたのかもしれないが…。だとしたらそれって、展開のために悠季を犠牲にしてるってことになるんじゃ…。どっちにしても、悠季の無責任さを印象づける結果になってしまうわけだし。

 ところでしかし、圭のバイオリンは面白いかもと思ったところで気づいたのだけれど、フジミはもうそういう目新しい展開にしていかないとしんどいんだろうなあと。今回のフジミの古参と学生の不和なんて、前にもやったじゃんと。
 わたしは六部で唯一面白かったのがスプラッシュコーラなので、ちょっとそれも情けないだろう作者、と思いつつ、今回の演奏会とかもふくめて、そういう奇をてらった展開ももっと活かして大きくとりあげてほしいと思う。地味展開はもういろいろ無理がきてるよ。特に悠季の扱いに。

 六部では悠季の弟子育成展開は目新しかったのかもしれないけど、なんて展開がダラダラしすぎて読めたものではないし、悠季がどんどんダメダメになっていくのはやっぱり読んでて鬱ですよ。フジミってそういう話じゃないでしょう、と。悠季がダメな部分もありつつ基本的には良い奴で魅力がある人間だから、読者はこんな何冊も読んできたんじゃん(多分。

 というわけで今後はもう、奇抜で目新しく、かつ悠季がダメではない展開にして欲しい。それってお話としてあんまり評価されうるものにはならない気もするけれど、正直もう他に道はないと思う(弟子話とか見ている限り、もう地道に面白いお話は正直期待できないと思う。

 正直六部はそんなこんなで、ほとんどまともに読めたもんではないと思う。まあそろそろ六部も終わりそうだし(あと一二冊でしょう多分)、でも七部に期待、は今のところできそうもないよ…

 …あ、そうそう、再録についてはもう、怒りを通り越して何も言えない。
 だって、ページが足りなかったにしても、雪兎とか変人倉とか、未収録の短編ってまだ沢山あるんでしょう?なんでわざわざこないだ出たばかりのクラシカルロンドの短編ですか。
 そしてこの薄さについては、要人警護や王朝ロマンセの分厚さを見ると、本業の忙しさとかのせいだけではなかろう…と。

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 個人的なことですが。なんか六月祭のサークル参加は今年も無理な気がしてきた。萌えが枯渇しそう。

2006年12月06日

神江真凪『青空の下で抱きしめたい』

 年下未婚の父ホスト×被リストラリーマン。

 娘を助けてくれた受けを変質者と勘違いして殴る蹴るの暴行、謝罪の後アパートが焼けた受け(アレ?どっかで聴いた話ね)を我が家に住まわせることに云々。

 受けはまあ普通に受けだった(どんなんだ
 受けの面倒を見てくれてた先輩が気の毒で、しかも別にいなくてもいい感じ。
 攻めの兄貴分はいいけれど、やたらに彼氏との話とかが目立ってて、これはシリーズ化する伏線か…とか穿った見方をしてしまい萎えた。
 攻めが短気で短絡的でアホーで自分のこともよくわかっていないので、受けはほんとにこの攻めでいいのかよ、とか思ってしまった。が、そういう辺り狙って書いてるんならうまいのかもしれない、とも思う。

 どっちみちこれが処女作らしいので、今後要注目な作家かもしんないと思う。
 だが、いくら処女作にしても、言いたいことがいっぱいある。

 2シーターの車に三人で乗ってはいけません。また、子供の年齢がよくわかりませんが、子供はチャイルドシートに乗せましょう。
 会社に電話しても、普通個人の携番は教えて貰えません。
 おんぶなんてここしばらくされたことがない、と言っている数ページ前で、酔いつぶれて先輩におぶってもらって帰ったって書いてました。
 タテだったものが数行後でヨコになってたりもしました。

 しかしこうした瑕疵は、作家だけの責任とはちょっと思えない。むしろ担当編集とかが指摘するべきものなんじゃないの?特に後の二つなんて、読めばすぐに判ることなのに…編集はちゃんと読んでるのか?作者がちょっとかわいそうだ。

 攻めの絵がかわゆすぎるなあと思っていた(でもかわいい顔してマッチョというのも萌ゆる)ら、作者の断腸の指定だったようだ。この話には合うと思う。受け×受けみたいな絵ヅラでこういうのもたまにはいいよなあと。
 そういうことを勘案しても、次回作は読んでみたいなあと思った。

2006年12月08日

高尾理一『ソウル・ドライブ』

 上のアフィは再版なので、出版社と絵師の違う版で読んだ。

 大会社社長次男×牧場の一人息子。

 大学時代につきあっていたものの、束縛したい攻めとかそんなかんじでうまくいかなくなって破局、受けがアメリカ留学から戻ってきたら牧場が破産寸前!攻めが助けてくれるというのだけれど云々。

 処女作?なのかな。なんだかいまいちこなれていない感じはあった。文章もそうんだけど、設定とか、展開とか、いまいちぎごちなかったり、極端だったり。
 キャラもなんかこなれてない感じ。攻めはいろいろとダメ男なんだけれど、特に学生時代は受けも攻めも子供だったんだねえ、という感じ。
 しかしやはりどうも馬術部や競馬関連の話題にものすごく力が入っていて(笑、最後の辺りのダービーとか、ベタ展開というかビックリ展開というか、なんだけど、個人的にはキライではない。

 総合的に、小説としてもBLとしてもあまり面白い!って感じではなかった。高尾理一の源泉ではある作品なんだろうなあとは思った。

山口美由紀『タッジー・マッジー』

 タッジーマッジーはまだコミックスを持ってるし、文庫はいつか近くない将来に買えばいいやーと思っていたんだけれど、なんと三巻には書き下ろしが入っているという事実を遅まきながら知って、ドキドキしながら買うた。読んだ。

 少女漫画はこうでなくては。

 ロッテの本当にささやかな愛情表現というか、もう愛情表現未満というか、なんというか。なんてかわいらしいんだ!こうでなくては、だ。

 シルヴィは今見てもかっこいいなあ。シルヴィって「フィーメンニン」のシルヴィと全然違う印象なので、同じ人と言われてもびっくりなのだけれど、わたしは「タッジーマッジー」を先に読んだので、わたしにとってはこのいじわるでむっつりですごく優しいシルヴィがデフォルトです。
 しかし昔はかっこいいなあ、だけだったシルヴィ、今見るとかわいいなあ、って感もあって、自分も年をとったなあ、と…。

 しかし今回の書き下ろしのシルヴィは、本編最後の場面と同じ服なので、たぶん妖精界ではあまり時間がたってないんだよね、しかしそうすると、あのTシャツはド派手な蛍光ピンクのはずなんで…(笑、なんだかな(笑

 リヒトやチコリやカロリーネも懐かしいなあ。マリーンがいないのがすごく残念。あの子というか、ロッテにからむマリーンが好きなのに。リヒトといちゃいちゃのマリーンなんてのも見たかった。

 ご本人も後書きで書かれているように、続編って夢が壊されてしまうことが多いのでビミョウだけれど、こんな後日談だったらもっといっぱい読みたかった。わずか5ページだなんて少なすぎる…。

 本編は読まないようにした。もう何度も読んだので、流石にしっかりはっきりストーリ覚えてるし。もっと時間たってからじっくり再読したいので、まだとっておきたい。
 でも、四分の一の部分は書き下ろしイラストなので、ぱらぱら確認した…かわいー!かわいー!一二巻も欲しくなってきた…この四分の一のためだけに(笑

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 しかしあの頃の花とゆめはよかったなあ。
 花ゆめかわなくなって、メロディもやめて、山口さんの漫画も読まなくなってしまったんだった。

2006年12月09日

文楽『義経千本桜』

 また文楽に連れていっていただきました。『義経千本桜』の初段堀川御所の段から、二段目渡海屋・大物浦の段まで。筋をざっと確認していっただけだったので、むしろリアルに楽しめました(笑。いやはや、こんな話だったとは。

 不勉強な国文科なので、恥ずかしいことに『義経千本桜』自体が全くはじめてだったのですが、この台本自体がかなり面白くて衝撃的でした!!知盛、維盛、能登殿が生きていた、って設定は、なんだかとってもあたし好み(笑、歴史いじりはやるのも見るのも読むのも大好きです。更に(こんな超有名台本なので、書いちゃうけれど)安徳天皇が入水しないんですね。しかも義経のおかげなのね。面白いなあ!すごい長い話らしいけど、この後どうなるんだろう???

 こないだもそうだったんだけど、イヤフォンガイドは借りないで、電光掲示板で流れる台本を見つつ筋を把握していたのですが、今日は前から二列目の席をいただいたので、終始キョロキョロしていて(笑、首が疲れた…。あまり億劫なので、なるべく耳だけで聞き取る努力もしてみたのですが、大夫によって聞き取りやすいひととわかりづらい人がいて、面白かった。
 で、首は疲れたけれど、二列目なので細かいところまでよく見えて、面白かった!席をとってくださった人形師さんも、かなり大きな役で出てらしたので、まじまじ見つめてました(笑。

 絵的には卿の君の自害とか、伏見稲荷の段でいきなり狐が出てくるところとか、面白かった。勿論、碇知盛の場面も!隣りの方に「あれ、どっちの方向に入水するのかと考えませんでした?」と聴かれて、やっぱりそう思いますよね!なんてゆってました。あと弁慶が一々面白くって、出てくるたびについついニラニラしてしまいました。他の人形よりやけにデカいし(笑、気のせいかなあ。台本的にもすごいバカなので可笑しい。冒頭で、亀井や駿河が弁慶の悪口を言っていて、「そもそも七つ道具とかジャマだし!」とかゆってるところで、もうとってもウケてしまいました。

 まああれです、とりあえず仕事が片づいたら速攻で、古典文学大系です!(笑

2006年12月10日

高尾理一『あんまり好きにさせないで』

 中学からの同級生、唯我独尊ぶっきらぼう美形×友人の少ないかわい子ちゃん、ただし自分の魅力には無自覚。

 基本的に受けは攻めにめろめろでご奉仕、衣食住の面倒をすべて見て浮気は見ないふり、…が、破綻、家出。というわけで、前半はほとんど受けがいじらしいというか意地を張っているというかな様子。人としてどこか足りない攻めが、どのように成長して受けを再度迎え入れるのか、というのが後半。間に中学時代のエピソード。つまり落窪ものの話型ですな。一応最後はしやわせにまとまるし、そこそこ面白かったけど、何か一味足りない気もした。

 この作者的には、いかに攻めがダメでアホか、おかしいか、というところが見所…かも(笑

 どうもかんべあきらの絵はやはり表情が薄くてニガテだ。受けのおちょぼ口とかニガテだ…。

佐倉大地。

 もきー。
 なんで大地って似ないんだろう!難しい。

 冬にガリガリくんを描くのも寒々しい。



2006年12月11日

鹿乃しうこ『Punch↑』

 ご存知のように(?)毎月10日はリブレの新刊と海王社の新刊が出る日なので、たいがい何かは購入するのですが、たまにどれもこれも食指が動かない月もあって、そんな月はなんだか幸先が悪いような気分になってしまいます。
 まあ、何冊も買ってどれもこれも始球式(数字板参照:あまりのダメさに購入後すぐに古書店に売却すること)だった場合、もっと幸先が悪いですけどね。
 忘れもしない、ファインダーのケージ発売の月なんて(略。

 あ、ちなみにセックスピストルズの5巻がどこにも見当たりません。また売り切れか。都内で捜してきます。

 鹿乃しうこはコミクスを買うのはもしかして初めてだろうか。

 しかしいまだに鹿乃しうこのBL界での位置づけがよくわからない…人気作家なのか、超人気作家なのか、ライトユーザに人気なのか、コア層に人気なのか…。
 そして、いまだにこの絵がうまいのかうまくないのかよくわからない。結構デッサンがアブナイ…隣り合っている二人の顔の大きさが違ったりも…しかし萌え絵というか漫画絵的には一般受けする絵なのかも、って気もする。
 しかしとりあえずわたしはこのドカタの受けのビジュアルが好きでねえ。困ったようなネコ目って最高です(しかしよく考えてみると現実にそんなビジュアルの人間男でも女でも見たことがないような気も

 建築士×ドカタ。
 例のホスト×ドカタシリーズの脇CP編ということらしいのだが、本編はなんだかややこしそうで(とかいうとあたしものすごいバカみたいですが実際そうなのかもしれない)読んでない。

 攻めがダメダメでアホでよろしい。
 今更ですがダメというのはヘタレでダメ人間のことなんだけど、いわゆるヘタレ攻めのことではなくって、アグレッシブなヘタレというか。傲慢とか浮気性とか受けに迷惑が掛かる系のヘタレなんですな。こうして書いてみるとなんてイヤな人間なんだろう。実際に居たら絶対かかわりたくないね。

 建築士はとりあえず汚部屋、いい男好き、子ども嫌い、自分勝手、とダメ攻めのポインツをいろいろ抑えているんだけど、でもなんか一貫性がないというか、毎回違う感じ。
 でも受けがカワイイからいいんです(笑。ビジュアルもかわいいし、ダメ男にすぐひっかかっちゃうダメ受けで、腕力は強いし。
 だから攻めは、よくわからなくてもとりあえずダメならいいやって感じ(笑、自分で書いててなんだそれ。

2006年12月12日

寿たらこ『SEX PISTOLS』5

 いやなんだかやっぱり意外とかなりというかとても(笑、面白かった。

 「セックスピストルズ」は、というか寿たらこは面白い設定や展開の作品がいっぱいあるのに、連載となると最後がいつもグダグダで、それはどうも飽きか照れのせいなんではないかと思っている。
 オチまでグダらずに描けば、ほんとうに傑作をいっぱいかける人なんではないかと思うので、勿体無い気もする。『コンクリートガーデン』の「コンクリートガーデン」そして「クロックダウン」なんて、本当に素晴らしいBL作品(前者は微妙にBLではないけれど)であり且つSF作品なのだ。絶版だけど。

 しかし中でも特に「ピストルズ」は、なんだかんだいいつつ結構純愛オチ(当社比)だからなのか最後がたいがいグダグダな気がするのです。最近絵がずっと荒れ気味(ご病気といううわさもあったような気もするけど)だし。でもわたしはたぶんどこまでもこの作家についていくので、仕方がない、と諦めムードでもあります。

 が、今回の翼主×翼手編は、まとめて読んだらすごくよかった。本誌で見てたときはラストがやっぱり不満だったんだけど、コミクスで読んだらこのラストも結構いいじゃん、と思った。

 今回、ラストがばっちり一夫多妻制(妻は男ばかりですが)なので、初読の時には、これはBL的にはどうなんだろう…って思ってしまったのですな。シークものBLとしては珍しいことに、アラブ設定をきっちり活かしている、とも言えるんだけど(笑。あと、いろんな細部を連載では読み取れてなかった。
 で、まとめて読み直したら、結構セスがいっぱいいっぱいで本気なんだな~と感じられたし、若葉もダメダメだった過去から一足飛びにセスとラブラブ幸せ、になるんではなくって、少しずつ自分自身も成長して幸せになっていく、というような展開がしっかり読み取れて、これはこれでアリというか、いいラストだなあ、と思った。その中で若葉のお父さんの話とかもしっかり活きてたし、よかった。
 というか正直、翼翼編はピストルズの中でもかなり好きなエピになった。

 まあラストまでしっかり書ききってくれた(当社比)のもよかったけど、BL読者には絶対拒絶されるであろう一夫多妻をはっきり書いちゃえる(それを書くのがよいことかわるいことかは別にして)のは、そしてそれがなんとなく受け入れちゃえる(受け入れられない人もいるかもですが)のは、斑類というとっぴなSF設定の功名である気がする。セスがシークというだけではなくて、重種である上にレッドスピーシーズなんじゃあしょうがないか、って。そういうこともあって、この作家はやっぱりSF的な要素が面白いなあとわたしとしては思う。

 しかしとはいえ、なんだか物足りなーいのも本音なので、セス若葉後日談とか読みたかったなあ。ラブラブなお話を!あとサラと若葉がうちとけちゃうご都合な話とかも(この作者はそういうのは書かなさそうだけど。

 他には、ノリりんたちの話からセス若葉の話への繋げ方とかもよかった。冒頭の「これはオレの子だ!」「最初から期待していない」というわけのわからない対話の意味が、最後に判るんですな。いいなあこういうの。

 ただクニマサとノリりんはなんかもう作者が飽きているのか、ネタ的にも絵的にも枯れ気味になってきてしまった気がして残念。
 ところでヨネクニはまだ委員長のこと好きって伝えてなかったのか。ビックリだ(笑。王将がんばれ。この三人の話まる一話くらい読みたいなあ。いいんちょは「金髪碧眼重種の美形」がすきなのか、と言われたらそういえばそうかも、という気も…(笑

 翼翼編にもどると、ナガモチって若葉のこと好きだったのかなんなのか。不思議なキャラだった。あの電波兄貴系キャラ(笑)が好きなので、再登場してほしいけれど、ナガモチ主役の話は読みたくないかも。彼はヘテロのままでいて欲しい気もする。
 あと連載の時からよくわからなかったのだが、なぜサラがアンドロジーナスにならなければならなかったのか。一族に女性はいないの?

 やはり絵は今回も荒れているのだけれど、翼主や翼手という普段にない設定の魂源な人たちだったので、絵的に面白くてよかった。セスの片翼が畸形だとかいう設定もいいし、セスが飛んでいるシーンとかおもしろい。
 しかし若葉のアゴヒゲは何故なんだろう!カワイクない!カワイクなくしたかったんだろうなあ。

 表紙はヒデクニ。はじめて表紙が、いい人、だっ。

2006年12月14日

安曇もか『Rapheal』

 この作家のコミクスは初めて購入したような気がする。

 表題作はヴァンプ×バイオリニスト。その後日談みたようなのと、あと他には歴史ものとかの短編集。

 絵がキレイでよろしいのだが、どうもお話があまりにさらっと流れてしまい、深まらない印象。キャラクタの掘り下げとかも不満。全体的にそんなかんじで、正直あまり印象に残らなかった。
 設定やキレイな絵は好みなので、惜しいなあという感じ、なのは、個人的にはえすとえむとかにも通じることなんですが。

2006年12月15日

ロストマンゴートゥシティ、

 いや楽しかった楽しかったし東京公演ラストに参加して他会場とは違うセトリにダブルアンコールまでやってもらっておいてこういうこと言うのはわがままなのは重々わかってる。でもね、

 あたしは今回のツアーの各会場のセトリを知って、あたしの大好きなサンキューマイトワイライトを、まだライブで聴いたことのない、そしてふだんのリリースアルバム冠ツアーではたぶん聴けないサンキューを聴けるのを、ほんっとうに楽しみにしていて、あれを生で聴いたらあたしは泣いてしまうんではなかろうかとか本気で心配して、もう昨日の夜からイメトレしてワクワクしていたのに、

 一曲めがグッドリとわかった瞬間、違う意味で泣きそうになりましたよ。

 勿論グッドドリームスだって大好きです。でもサンキュー…聴きたかった…(涙。

 これから帰ります。

LOSTMAN GO TO CITY@SHIBUYA AX その1

 うんでも楽しかったんですよ。ロボットマンとか、あとたしかリタリンも初めて聴けてうれしかった。でもなんかビールのんだら疲れちゃったので、もろもろは明日に書くよ。


 01. Good Dreams
 02. Rozy Head
 03. Blues Drive Monster
 04. Come Down
 05. Degeneration
 06. Lady Bird Girl
 07. プロポーズ
 08. バビロン天使の詩
 09. 空中レジスター
 10. Scent of sweet
 11. New Year's Eve
 12. Kim deal
 13. スケアクロウ
 14. NO SELF CONTROL
 15. Robotman
 16. Ritalin 202
 17. Midnight Down
 18. この世の果てまで
 19. サードアイ
 20. Sleepy Head

 EN
 01. ストレンジカメレオン
 02. Crazy Sunshine
 03. Rock'n Roll Sinners

 EN2
 01. LITTLE BUSTERS

2006年12月16日

LOSTMAN GO TO CITY@SHIBUYA AX その2

 というわけで、サンキュー聴けなくて悲しかったのですよ。せめてこのサンキューなしバージョンのセトリを他の会場でもやっててくれていれば、東京の二日間はセトリがかわるとふんで、昨日も参加できたのになあ…昨日のチケットは手に入りそうだったし。残念。まあ、でもいつかは聴けるでしょう!楽しみにとっておこう!
 さて。

 さいしょにフォローをしておくと、ロストマンゴーストゥシティではないですよ。

 現地に着いたのが六時過ぎだったので、急いでロッカーつかって入場待ちしてようと思ったら、ロッカーにチケット入れっぱなしだったというアホっぷり。小銭大目につくっていってよかった。とってかえして戻ったら、丁度整理番号が呼ばれるとこだったので、そのまま入場。まあ寒い中で待たずに済んで、よかった。
 開始は定刻ちょっと過ぎで、最初は結構前の方まで行ってしまって、また苦しい思いをしてた(笑。でも女の子が増えたからか、以前ほどタイヘンではなくって、視界も前よりも良かった。

 「グッドリ」うん、好きなんです…ただ、サンキューをめちゃめちゃ期待していただけで…でもよく考えたらグッドリライブで聴いたのだって、初めてなんだよね。
 「ロージー」も好き。
 「ブルドラ」カコイイよねえ!曲がストームのイメージで、やっぱりライブで聴いたらそんな感じで、すっごくよいと思った。
 「カムダウン」緩急のある曲でこれまたメチャメチャカコイイ。
 「空中レジスター」ピロウズらしくて大好き。
 「セントオブスイート」以前ライブで聴いたような気がしてたんだけど、このツアーで初めてやった曲らしいので、勘違いだったみたい。これも大好き。しかし、やさしいかおり、って意味なのね。いやモデルのことはとりあえずいいんだけど、甘いかおり、というか、甘さのにおい、みたいなイメージを持っていたので、ちょっと拍子抜け…なんかよくわからんね(笑。
 「キムディール」あの、くだらない歌じゃない!
 「ノーセルフ」アゥイエ!
 「ロボットマン」「リタリン」すっごく、よい!やっぱサンキューのアルバム曲はいいなあというか、サンキュー聴けなかった代打で(笑
 「ミッナイダウン」あんなに苦しかった悪夢が、ウソみたいだ。なんだか思い入れのある曲なんだけど、そんな曲はピロウズにはいっぱいあるんだけど(笑
 「この世の果てまで」が、だが実は最近あんまり好きではない。原因はなんとなくわかってるけど。
 「サードアイ」カコイイよねえ!
 「スリーピー」このイントロのごちゃごちゃした感じが大好きだ。しかしこれで終わるってのもいいな。

 新曲。
 「Lady Bird Girl」…では、ない気がする…だって、天道虫少女?なの?(笑。これと、「スケアクロウ」は、正直わたしはあまり好きではない。変な表現だけれど、昔のバンドサウンドみたいに聞こえてしまって、あまりピロウズっぽくないとも感じた。でもアンコール後に掛かっていたスケアクロウの音源はやっぱりピロウズの音だったし(当たり前だが、CD向きの曲なのかなあという気もした。
 「プロポーズ」は大好き。ピロウズのいつもの(笑)変な歌、だ。

 アンコール。
 「ストカメ」こないだのミスチルとの対バンではやらなかったので、久々な気がした。やっぱりいいな、と思った。
 「シナーズ」地球上のすべての人がロックンロールを求めてるんだ。これむちゃくちゃカコイイよね。大好き。これがすごくカッコよくて、レジスターが変な曲なので、マイフットは好きだ。
 「リトバス」やはりアンセムなのだ。燃える。

 さわお、なんか今回はよくしゃべっていた印象。
 折にふれ「今日完璧じゃね?」と言っていて、おかしかった。観客ともよく喋ってたし。「欧米か?」とか、言われた方は日本語判ったかなあ…(笑、誰かMC解説してあげてると、よいなあ。

 しかし、メンバー紹介でのみょうなイチャイチャっぷりは、なんか…世の中の傾向を取り入れているのかなんなのか。シンちゃんと気合をいれてたんだよネーなんて話しているPeeちゃんに、「お前オレの女じゃなかったのかよ!」と憤るさわお、その後シンちゃんの紹介の前に「キッ!」とシンちゃんを睨みつけるさわお、…イヤですよ!ピロウズでアレなんて絶対イヤですよ!(ふじょしファンとか増えたらイヤだ、なんてわたしが言うと、ただのワガママに見えるかもしれませんが。

 あと、印象にのこったこと。
 今度DVDが出るアメリカでのロストマンツアーの話で、昔からピロウズを聴いてる人は喜んでくれるだろうし、最近ピロウズを好きになった人は頼もしく思ってくれるだろう、みたいなことをさわおが言っていた。
 あたしはピロウズが海外で人気なのはすごくうれしいし、他のバンドと比較してしまったりしたけれど、でもそれってあたしの人間が小さいからだよなあ、と思ってたし、実際そうでもあるんだろうと思う。けれど、ピロウズ人気の高まりって、バスターズにとって当たり前に喜ばしいことではあるはずなので。頼もしく感じるっていうのは、そのうれしさを的確に表わす言葉でいいね。
 というわけで、さわおのこういう言葉の選び方って時折すごくいいんだよなあ、と思ったのでした。的確でトゲトゲだったり、今回みたいに時々妙に優しかったり、ほんとロック向きなエクリチュールなんではと思うのだ。

 次はアルバムリリースかなあ。来年春ごろかなあと予想。

2006年12月17日

映画『パプリカ』

 マリィさんと『パプリカ』を見に行ってきました。↓画像は代打で原作。

 この小説は結構前に読んで、ストルガツキイのいう「現代のおとぎ話」みたいだな(ストルガツキイの言ってる意味内容は全然違うんだけど、いい言葉だなと思って、勝手に拡大解釈)と思ってて、かなり好きなお話だったので、絶対に観にいこうと思っていたのでした。
 ただトレイラーがかなり不満なデキで、悪い意味でSFアニメっぽくて、悪い意味でファルスチックだな、と思っていた(どっちも原作にもある要素ではあるんだけどね)ので、ちょっと不安だったというか、正直あんまり期待はせずに観た、のだけれど、これがかなり普通に面白かった。

 普通に面白い、というか、真面目に面白い、という感じ。

 いろいろな意味で真面目につくってるという印象で、お話の展開も、絵も、音も、丁寧でしっかりしててとてもよかった。観てすぐの印象もよかったけれど、今色々思い出していると色々気になってきてまた観たいと思えるし、なんだかとってもいい感じでもある。

 絵についてはあまりアニメを見るほうではないのでよくわからないけれど、CGの使い方とか、廃墟の絵とか(廃墟大好きなんですよ)、映画館のたちならぶ心象風景とか、普通に巧い。光と影の当て方は若干違和感があった(なんかあたしエラそうですが。

 内容については、もう原作をほとんど覚えていないんだけど、マリィさんによるとやはりかなり違っている、らしい。でも原作の設定やキャラをうまく使って、しっかりした筋を再構成していたんではないかと思う。夢と現実の入れ替わりなんかも混交が結構急なんだけど、わかりやすかった。粉川サイドの話と、時田らのサイドの話が交互に進んでいって交わるありようも面白かった。
 ラストのあたりがいろいろと今ひとつだったが、原作もアレでもあるし…(笑、うーん、ファルスの収集のつけ方は難しいとあらためて思った。

 キャラに関しては、千葉とパプリカの使い方が結構原作とは違っている…のではなかろうか、確か。面白かった。でもあたしは原作の千葉が地道にそばかすをつけて変装するって設定も好きですけど(笑。
 千葉の時田への気持ちの描き方は残念だった。原作での千葉の時田への言葉が、今でも印象に残っているすごく好きなセリフだったので、あれを使ってほしかったんだよねえ。映画の方では、千葉があのように言った理由がよくわからないままになってしまってるのでは。あれを入れるにはその前もいじらないとならないのだろうけれど、ちょっと無理してでも入れて欲しかったなあ。原作のあのセリフはSF設定をしっかり活かしてて、ちょっと突き放してる感じもあって、とってもよかったのに。

 林原めぐみはやはりうまいよねえ。パプリカがかわいいのはいいんだけど、千葉がしっかりクールで、でもちょっとかわいくて、というあたり林原めぐみらしい気がした。標本にされてるあたりで声質がゆれていた気がしたんだけど、気のせいだろうか、演出だろうか。
 時田役の古谷徹は全然あってなくって…何度もボヤいてしまった(笑。すごいヘタにきこえてしまった。体型が全然違うもんなあ。
 小山内はいいんだけど、美形に山寺宏一なんてハマりすぎなので、いやうまいのでいいんだけど、いつもどおりじゃん、という感じでもあった。山寺さんが時田やればおもしろかったのに、と少し思った(この声優好きなんですよ。
 エンドロールを観てたら筒井康隆も出てたみたいだ。わからなかった…どのキャラだ?…バーのスタッフだったのね。

 公式サイトでも流しているテーマがかなり印象的な音で、これが効果的に使われていて、EDテーマのボーカルバージョンも案外によかったりした。

 なんだかばらばらとまとまらないですが、真面目によく出来てる作品だと思うし、なんだかいい感じなのでよかったと思う(笑、印象批評以下であるけれど、好きな小説が、筋は全く違えど映像になって面白かったので、うれしいのでしょう多分。
 ちょっと原作を読み直したいです。

2006年12月18日

高河ゆん『LOVELESS』7

 やっと一息つけるので、たまった漫画を読めるよ!ワーイ!

 ちょっとまた荒れ気味というか作者も少し飽きているのかしらというか考えつつ描かれてる印象がある。大丈夫かな?いいところなので頑張って欲しい!

 キオが立夏を気に入るあたりとか、ベタだけど好き。
 愛とミドリはなんだかもっと年齢差があったんじゃなかったっけ。
 草灯はものすごいムカつく(笑。PAで服をぬぐくだりとか、あんなテキトウな受け答え最悪だな(笑。そして立夏がすごくまともでいとおしい。キオの言葉をウソだと信じたいのに、キオを否定する草灯に「友達がマジで言ってることを簡単にウソとか言うんじゃねえ!」とかゆっちゃう立夏はかっこいいなあ。
 草灯も二世と戦うあたりでは、なんだか言ってることがマトモになってきて面白い。草灯が立夏をいらいらさせるのは、立夏が清明にこだわる時であることが多いような気がする。面白いなあ。

 そして立夏の「ラブレス」という名前が前景にたちあらわれてきて、なんだか感慨深い。
 立夏がそうと認めただけで、草灯は立夏の唯一の戦闘機になれるんだろうか?もうラブレスの名が刻まれているんだろうか?その場合ビラブドの名は消えるんだろうか?
 それともやっぱり立夏の本当の戦闘機はどこかにいるのかな?(正直そっちのほうがあたしは燃える。草灯がかわいそうで(笑。

 小冊子のほうもよかった。本編の清明はわかりやすくなってきちゃったけど、この小冊子の清明はまたわけわかんなくっていい。草灯のことも試しているのかなあ…でもそんな印象でもない気もする。

 ところで立夏の耳なくならないね!(笑。すぐになくなる予定だったらしいのだけれど。まあ、耳がなくなる場合のその原因を考えるとすごくエグい(やはり草灯なのか???ユイコとか?…まさか清明?????なんにしてもエグい)ので、このままでいいけれど…。

2006年12月19日

小塚佳哉その他。

 えっと結構前に読んで、感想を書く気がしないものを短評で。

 出会いの時点で小学生×大学生…という時点で引きますがな!数年後の展開でも引かせてくれて、なんかしんどかった。キャラも展開もつまらなくはないんだけど、その二つのドン引きポイントでもうダメだった。

 イケメンロッカー×美貌のセキュリティ。悪くはないけど特に面白みもなく、特になぜ攻めが受けを好きになったのか、そもそもあれは本気なのか、不明。なので、没入できない。あと絵がBL向きではない気がする。

ストレイテナー「Melodic Storm」

 ストレイテナーの「Melodic Storm」を聴いてますが、正直何を言っているのかよくわからない(年ですか???でも好きです。
 最近やっぱり一曲単位でiTUNESで買っちゃうので、そこから広がりはでない感じです。その曲は好きになっても、そのアーティストを好きになるわけじゃないっていうか。ピロウズ(「彼女は今日、」)とかスピッツ(「スパイダー」)とかヒートウェイヴ(「オリオンへの道」)とか、昔は一曲好きになったらアルバム買ってたもんなあ。あの頃はよくCD買ってたなあ。

 そういえばこないだのピロウズ、AXには一年ぶりくらいに行って、こんなに狭かったっけとビックリしたよ。でもやはりハコは小さいほうがいいよね。楽しいよね。

 ところで昨日、時間が出来て漫画が読めるーと書きましたが、今まで忙しくても漫画や小説ふつうに読んでたじゃん、と言われればそうかもしれません。けど、あたしの中では、忙しいと読めない漫画と、忙しくても読む漫画と、忙しくない時には読まない漫画、などいろいろあるのです。
 どんな状況でも読まずに居られない作品とか、時間のある時にじっくり読みたい作品とか、忙しない中では読む気にならない作品とか、正直読み捨て用だなって作品とか、ぶっちゃけこの順番にカースト制ですが、でもどれもわたしには必要なんです。
 だからつくづく漫画がないと生きていけない人間だなあと思います。

 あと、よく考えたら結構忙しいことに気づいて、ていうか仕事はいくらでもあって、あああ。明日から働きます…。
 読まなきゃいけないものもいっぱいあって、好きなものだけ読んでるわけにもいかないのだ。

 で、読まなきゃいけないものがいっぱいあるのだけれど、筒井『パプリカ』も読みなおしたいし、というかちょっとだけ読んじゃっているけど、でもでも昨日新刊を読んだら『LOVELESS』のまとめ読みの誘惑に勝てずに、今読んでます。わー!面白い!
 ていうか、立夏は記憶喪失なんだったって忘れていたよ!!果たしてこの伏線は回収されるのか。でもかなり重要っぽい伏線なので、大丈夫かな。
 あと、清明が優しかったのは、二人目の立夏だけになのかなってちょっと思ったよ。

2006年12月20日

高尾理一『奪いたい、守りたい』

 楽しみにしてたので即読んだよ!

 三十代の日本人バウンティハンター×富豪の愛人の子のアメリカ留学中大学生。

 バウンティハンター=法強制執行人。仮保釈中の被疑者が逃亡した際に、主に保釈金を支払っている会社のオファーで出頭をうながす民間人。

 父が亡くなって遺言により遺産の半分をもらえることになった受けが、偶然知り合った攻めに護衛を依頼。二十歳になる日に、留学先のアメリカから日本に戻って、遺産を相続しなければならないのだが、本妻とその息子の手先に命を狙われており云々。

 こうして書くと、筋は正直イマイチっぽい…ように思えますが、多少のひねりもくわえられてて、お話はまあそこそこに面白い。だけど、いかに受けが攻めに迫るか、の方が本筋だったような気がしなくもない。

 攻めは暗い過去にストイックな性格で、性格付けはまあまあよろしい。明彗という名前、呼び名がメイとかわいらしいのもよいような気がする。
 だが受けは素直・健気・一途・いじらしい、しかもお子様・いい子ちゃんで、もはやウザくなるくらい(笑)かわゆいので、ちょっと正直しんどい。攻めへの捨て身の猛特攻も、はげしく(いわゆるところの)ダメ女的というか…やっぱりちょっと、読んでてしんどい。ただ、この子がなんでそういう性格になったのかとか、状況などの外在的な条件がしっかり描かれているので、納得はする。結局、真面目ないい受け(なんだそれ、笑)なんです。
 一方、攻めは恋愛面に関しては特に、最後の方で視点がもらえてないせいもあって、いまいち感情の書き込みが物足りなかった。

 だがまあ、なんですか、普通にBLとしてそこそこ面白かったんですが、やはりこの作家…そこここに出てくるヘンな表現、ヘンな言葉が…(笑、もう、やはりツボです。
 冒頭、受けを家に連れ帰って攻めが心配している場面で「まるで変態になった気分だった」と思うところで何がおかしいのかもわからず妙にウケてしまったのがことのはじめ、あれに関する「甘ったれた」という形容とか、春希の乳首をなんだと思っているのだろう」とか、(BL的にはたぶん)いいところで大爆笑ですよ。
 そんな爆笑ポイントがところどころにあったので、なんかお話の内容はもう二の次で、この作品に満足してしまった。

 ていうか、バウンティハンターというとやはりステファニー・プラムを思い出すじゃあありませんか。耳なれた単語がいっぱい出てきてニヤニヤ。でも後書きにも書かれていたように殆ど護衛話なので、あんまり活きてない設定だった。
 本作は更に、2インチのヒールをさしての「二インチ」という換喩とか、荒らされてバスルームに動物の死体を投げ込まれた受けのアパートについての「きみのアパートは荒らされていたし、バスルームにちょっと問題があるからな」という言い回しとか、プラムっぽいというかアメリカナイズド。な印象。こういうの好き。

2006年12月22日

杉浦志保『SILVER DIAMOND』9、10

 杉浦志保『SILVER DIAMOND』9、10(冬水社)

 9巻のことをごたごたしていて書きそびれていたので、いっしょに。

 歌支の一族の話とか。名前と地名がリンクして、ラカンの蒔くタネやお話もそれにからんでいると気付いたのは、結構最近だったりした(笑。灯野のあたり?(笑
 カラクはいかにも杉浦志保なキャラだけれど、鳥が木にとまってエンドな辺りも杉浦志保らしく軽くてよかった。
 9巻末からこっちの世界がちょっと出てきてて、以前からこっちの世界を話に活かしてほしいと思っていたのでよかった。でも結構あっさりしてたので、もっと長めに使っても良かったのではという気も。
 ただそのカラミで、チグサの成長物語とか過去とかもいろいろ書かれて面白かった。チグサは天然装った故意犯だが、でもこういうかわいそう描写(笑)が時々入り、その落差が杉浦志保的だなあと思う。

 杉浦志保的というのはベタでけっこうあざとい描写のことなので、ニガテなひとも結構いるのではないかと思うが、ハマると気持ちよいのだろうと思う。個人的にはときどき鼻につくとも思うのだけれど嫌いではない。

 次巻予告を見てるとアヤメの皇子もキンレイに切られそうな感じも。ラカンが皇子を更生させる展開が来そうな気も(笑。というか、それを期待…でもチグサが妬きそうだね…(笑

2006年12月25日

わー!

 ほんとに来たよ!
 …朝のアニメじゃないといいな!

 こんな一言ですみません。くたくたなのでとりあえず!

『アフタヌーン』二月号

 来た!
 アニメ化が来た!
 ほんとに来た!

 なんだか妙に期待でワクワクです。アニメってあんまり見ない(っていうかテレビをあまり見ないのだが)し、今まで好きな作品のアニメ化ってあまり肯定的に受け止められなかったんだけど、なぜかワクワク。イメージが崩れるんじゃ…とか、作画がグシャグシャだったら…とか、ヘタな声優あたったら…とか、全然思えない。なぜこうも楽観的なのか、自分でもよくわからない。
 作者が他メディア化について書いているけど、とりあえずこの人は三橋がキモいのではないかということが一番心配なんだろうか、と思った…確かにキモそう(笑。
 とりあえず既に、折込のピンナップの彩色は肌の色黒すぎ…!とか思ってしまったけど。

 ということで、キモい感じに動かしてみた。

うごくみはし

 花井の面倒見の良さにあらためて感服です。自転車をつめさせるとか、偉い…(笑。しかも一番着替えるのが遅い(三橋より遅い)あたり、描かれてないとこでも苦労してきたのだろうと思われ。
 花井と三橋のかみあわない会話に、泉と栄口がハラハラしてんのがほほえましい。三橋と面倒がらずに会話する花井も、あーあーしょうがねえなって顔で聞いてる泉も、がんばれ三橋!って顔で聞いてる栄口も、みんなかわいい…いい子!ところでその後も三橋の隣に座る花井はなんかのフラグですか???

 モモカンは23さい。16さいの花井の七つ上で、「それってビミョー?ビミョーか!?」というのはまたなんかのフラグですか?(笑。モモカンは恋人とかいるのだろうか。私生活が謎だ。

 ハマちゃんのあたり。自分が学生の頃は、教頭先生とかいう人が一学生のことを把握してるわけないじゃん、とか思ってたけど、これが実は結構把握してるんですよね(笑。
 あと「ゆだんしてるとね、若者はすぐ人泣かすんですよ!」ですよねー。特にハマちゃんみたいな生徒は異化作用強力だものねー。
 だからなんかこの辺妙に共感。

 阿部と、そして阿部と三橋については、過渡期が続いているのであまり新たな感想はなくって、今後が気になっている。
 今後のかのうせいとしては、

・阿部ボロボロ→西浦五回戦敗退&秋以降で阿部とナインの成長
・阿部ボロボロ→田島をキャッチャーに?などなんらかの応急措置→西浦五回戦奇跡の勝利&六回戦で阿部の建て直しとナインの成長
・阿部ボロボロ→皆で阿部をカバーしナインの成長→西浦五回戦奇跡の勝利→阿部反省→六回戦
・阿部ボロボロ→三橋がカバーして三橋精神的に急成長→西浦五回戦奇跡の勝利→阿部反省→六回戦

 というとこか。下に行くに従って難しくなるかと思う。いずれにしても、勝てれば奇跡なのでは…。ただ、美丞も伝統ある強豪校というよりは、成長中のチームという描写がされているので、西浦がモモカンがつけ込める余地は充分にあるかとも思うのだ。

 おお振りには関係ないけれど、58ページ欄外の読者投稿「デスノート」が笑えた。




2006年12月26日

猫田リコ『ハートで酔わせて!』

 つぶれかけた居酒屋でいろいろしてた。

 それはいいが…なんか…ド素人の漫画みたいだ…。
 主人公の店長は奮闘が空回りしてるだけで、社長の息子はなんで店長にほれたのかとかなんでモテてるのかとか性格とか全般的によくわからないし、料亭の息子とその目付け役も浅すぎだし。社長は悪すぎ。お店はよくあれでまわってるなとか思うし。群像劇したかったんだね、というのはわかるが筆力足りなさすぎ。

 ある程度のキャリアがあって、独特の個性もあって、っていう漫画家のはずなのだが、どうも最近どうしてしまったんだろう。

 絵がちょっと変わってきたというか普通の漫画みたいに(笑)なってきたような気もするけど、なんか絵も話も、悪い意味で売れ線BLを意識してしまっているような印象。

BENNY’S『ANIMAL PLAY』

 短編集でタイトルにあるようにモブの動物大目(笑、なにもいかがわしいことはありません。

 なんかこまごました書き込みとかヤバい設定とかが次第に増殖してきてて、このくらいはやっていいかな?って瀬踏みを少しずつすすめているような印象。個人的にはそういう悪ノリっぽいところ(今回はなかったけど、食肉カードゲームとかみたいな)が好きなので、もっとはっちゃけてほしい(笑。

 お話はふつーにそれぞれ面白かった。相変わらずBLというよりはただもうポルノな気もするけど、上述のユーモアセンスが個人的に気に入ってるのでよい。
 猪名ブーとかまた出てきてうれしい。
 あと、兄弟ものの「タカシ」が…ヤバいだろう!(笑。なんか前のコミクスでもこれ系のキャラいたよねえ。よしながふみ「本当に、やさしい」と比較しても、どう見てもヤバく思える…んだけれど、個人的には嫌いではない…って言ってしまっていいのかなあ…。キャラづけの必要性をかたるには、BENNY’Sの作風があまりにエンタメに徹しているのでツラいものがあるというか、擁護しづらい。

 あとこの人の絵は鼻の下が長いと思う。別にいいんだけどね。

2006年12月27日

あじみね朔生『半熟オレンジ』

 幼馴染の空手家×道場主の息子。

 攻めは両親なきあと道場主に育てられる。受けは母がアメリカ人で、空手はニガテで両親離婚後はアメリカでモデルになって、それが日本に帰国。
 朴念仁一途攻めと天然にぶちん受けで、近所の友達とかアメリカのモデル仲間女性とかいろいろからんでなんとかかんとか。

 …なんだかやっぱりイマイチ!とくに面白みないし、なんというか全体に弛緩してる。
 あじみね朔生って絵は好きなのに、お話がいつも微妙。この表紙の受け(むかって右側)とか、すごくカコイイのに。うーん。原作つきで読んでみたい人だ。

 タイトルの意味も全然不明。

 あと書き下ろし、…えー!この人たちがやってるゲーム機スーファミじゃないですか??別にいいけど!

天城れの『男恋』

 また天城れのを買ってしまった…のだけれど、いや今回は結構面白かった。これまでのコミクスよりはちゃんとギャグだった印象。

 番空(ばんから)高校の応援団群像。
 全然応援してないけど。

 朴念仁団長と声のデカいかわいい後輩、は王道な話だった。
 敷間兄弟は色魔兄弟か(笑。紳士というかそれこそ色魔な敷間兄と忍者はびみょうに感情の書き方がぎこちないがまあいい。
 属性:高嶺の華ってなんだよな潔癖敷間弟と変態顧問もなんでくっついたのかびみょうにわかりづらいのだが、たぶんこの弟がメガネで表紙にもなってて後日談まであるので、メインカプぽい。

 オビとか厚手の上質紙に筆書きで、気合入ってるなあ。

2006年12月28日

西田東『願い叶えたまえ』3

 あたしこれ書いてなかったよね?
 大分前にBK1で買って、読んでいなくって、随分後にパラ読みしたなりになっていたよ。

 だってなんか、ちゃんと読む気も感想書く気もしなかったんだもの。
 というわけで、西田東は花音にスポイルされてしまうかもなあと思った。

 とはいへ、BL標準の物語レベル(ってものを仮構するとして、だ)からすれば、決してレベルは低くないとも思う。だが決してダメダメなわけではないからこそ、タチがわるい。
 物語的にはこのラストはアリの範囲だし、こうしかなんないだろうとも思う。

 けれど、微妙にいまいち。少なくともあたしはこのラストには何のカタルシスも感動も得られなかった。一巻の頃はかなり期待してたのに、どんどん微妙になっていった感じ。
 何が悪いのかはよくわかんないんだけど、一つあたしにもわかる問題がある。というのは、このラストの見せ方に指摘できるような問題のこと。

 このラスト、微妙にわかんないことだらけだと思う。深見が記憶を取り戻した際の細かい「記憶・感情の機微」や、絹川からの電話を受けて「どんな記憶・感情を」取り戻せたのか、その後絹川の家に向かった深見は、「どんな記憶・感情を」得て/失っていたのか、あの描写では読み取れない(本誌掲載の工藤の後日談における視点はここではさておく)。もちろん深見の心を空白にしておいたのは技法で演出だ、と言われればそれまでなのけれど、一方で単にそれを書ききる画力が足りないだけなんじゃないの?とも思う。
 だとすれば、これは画力の問題(絵のうまいへたではなく、漫画としての、物語を伝える・見せるための画力)なんだろうなあ、と思うのだ。

 西田東は絵はヘタだけれど、それは漫画の画力とは関係ないと個人的には思う。で、それが足りない中で好きに漫画を書いていたころには西田東の個性がうまく作用していた感じだった。だから他のBLとはちょっと違った面白みがあった。
 けれど花音では(あとがきなどから推測するに)他のBLとおんなじ技法を取り入れようとしたら、画力の不足が悪く作用して、なんかイマイチな漫画になってしまった気がする。

 だがとりあえず、全編を通して深見の振幅の描写は頑張ってると思ったし、面白かった。そして深見がヤクザで受けだったのはよかった(笑
 というわけで、次回作に期待中。

おおや和美・ごとうしのぶ『花散る夜にきみを想えば』

 今回はギイタクじゃないので読むのを後回しにしてましたよ。
 でもやはりいいもんですね。ふわふわいい気分になりますよタクミくんって。

 花散るより、嘘つきの方が若干いいかなーと思うあたり、やっぱ二年生の方が好きかもなーって思った。

 でも矢倉八津は結構好き。矢倉もいいし、八津が妙に好きで。ニブそうな託生より更に運動神経切れてそうな八津が、なんか虚弱そうで…かわゆい(笑
 個人的に、祠堂内受けっ子ランキングとしては、三洲>泉>託生>八津になってきた(右側の人に対しては攻められるの図。託生は総受けだと思ってたんだけど、八津タクはなしかなあと。タク八津か(笑
 でもやはり託生が友達とからむ話が好きだから、八津とお出かけタクミとか矢倉にからまれるタクミとか、面白かった。

 嘘つきは託生にかまいたなギイが可笑しい。あとやっぱり玲二とタクミもいいかんじ。

 次はピュアかー。三洲タクな場面があるといいなあと。
 っていうか、小説に追いついてしまいそうね。漫画版のオリジナルストーリーとか読んでみたいけど…。

 アレ?なんか読み返してみると、あたしってタクミ大好き?
 いやまあ、そうなのかもしれない。

2006年12月29日

藤川桐子『クレシェンド』

 双子とそれぞれの彼氏たち。

 なかよし双子メガネ(笑。ちょっと長髪のメガネと、負い目があって長髪を守りたいメガネ。という兄弟ものの典型。
 後者は守りたい子が守られる立場になるというCP的にも典型(表紙右二人。お相手がどんどん達観していって、ラブラブ双子にぜんぜんめげないのがちょっとおかしかった。
 前者は天然ぽい子が幼馴染に再会、幼馴染はビッチになってました!というこれもある意味典型か(表紙左二人。…アレ?どっちが攻め??

 ファーストコミックだそうですな。このコミクスだと絵も話もちょっと大人しい印象だけれど、これから楽しみな作家さんかもですね。

2006年12月30日

二日目。

 前回にひきつづき一般参加でいちきましたが、今回は今日に目的ジャンルのすべてが結集していて、すっごく大変でした…!!!疲れた!!ものすごい冊数を買った気がする!

 でも朝九時半頃に到着して、十時二十分くらいには入場できてしまいました。電話もつながりやすかった気がするし、なんだかいつもより人が少なかったのかしら。会場内の混み具合からは、とてもそうは思えなかったのだけど。

 オリジュネは大和名瀬の列が一番時間かかった。みんな変態漫画大好きなんだね!と思った。勿論あたしも大好きだ…そして今回の「D」は非常によかった!岩淵…あとちょっとだ(笑、多分!というかすっかり主役は神谷だね!岩淵の分身ってあんまり出てこない気がするけど、神谷と二人でしゃべってるの好きだよ!前から思ってたけど神谷の分身は一人称おかしいよ!綾瀬もやっぱちょっとおかしいよ!
 よしながふみの小野話はやっぱりよかったよ!即物的なとこが小野らしいよ!
 葛井美鳥のおお振り本はハルアベだなんて残念だよ!買っちゃったよ!
 あとはまだ読めてないよ!

 あとナマモノなんて初めて自主的に買ったよ!あの二人組みをうまく書けるようになると画力がアップする気がするよ!描いてみようかな!

 そんな大巡回の中、コス…しましたよ!マリィさん@千葉敦子、ゆずり@パプリカ、でしたよ。なんかあんまり認知度高くなかったみたいでちょっと淋しかった。上映館少ないもんなあ。あとで自分の写真を見て、おいおいちょっとダイエットしなきゃダメだ、とまた思いました。思ってばっかり(笑

 なんかばたばたしてますが、とりあえず疲れたのでもう寝るよ!

2006年12月31日

★2006下半期・BL漫画ベスト10

 恒例のベスト10ですよ。今期はなかなか豊作だったのでは。次点は京山あつき『聞こえない声』鹿乃しうこ『Punch↑』語シスコ『こどもの時間』。今年のベスト3は大和名瀬『さあ恋におちたまえ』3大和名瀬『デキる男の育て方』寿たらこ『SEX PISTOLS』5かな。あまり新しい作家には出会えなかったかも。ちょっと保守に走ってしまったかもしれない。